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その前の話 その1 その2 その3 その4 その5 その6
その7 その8
手を伸ばせば届いた僕の世界・・・
あなたは、僕の想いを拒絶したのに、それでも変わらず笑むのですね・・・
気づいた本音に倦んだ俺は、天使と出会った。
天使のことをもっと知りたくなった、そしてこの建築物に隠された謎を解きたくなった。
くすくす天使が笑う
図書館で美術書の頁を手繰る、ピエタの像が俺を捉えて離さない。
天使の名前はマリアだった。
***
夕食を終え自室に戻り、明日の予習を真面目にする京だった。
内心はストームなるものに、びくびくで、消灯の時間が近くなり、京はベッドにもぐりこんだ。
いつしか眠りについて、大きな声で飛び起きた。
「来たぞ!」
「え、え、え」
「新入りがいる部屋はここだな、ものども襲え、無礼講だ」
ドーン、ドーン、太鼓が鳴り響く、受験勉強の最後の息抜きだろうか?最上級生の目が血走っている、男の子というものは、いろいろたまっているのだ、ガス抜きは必要である、どんちゃん騒ぎがしたいだけだ、ある部屋では説教が始まっていた、また、ある部屋では援歌の大合唱だし、あ、エロ本が舞っている、寮内における明るい親睦を是とするどんちゃん騒ぎである。
京の部屋に乱入してきたのは、寮長たちだった。
京の眠るベッドにレイノが飛び乗って、びっくりした京は、目をぐるぐるさせて、レイノを見つめた。
レイノの唇が京に耳もとで
「キョーコちゃんだね、・・・の妹の」と囁いた。
「ど、どうして・・・」京はかすれた声で小さく答えた。
「黙って、君に話があるからつれて行くね」
「え」
レイノは、京を抱きかかえて、部屋を出て行った。
「新入りくんは連れて行くよ」
「待てよ、置いてけ」
尚が叫ぶが、二人の先輩にスクラムされて動けない、京は騒乱の寮の中を抱きかかえられて、レイノの部屋の中に、中に入りレイノは鍵をかけた。
「レイノさん」
「君の兄さんとは、わりと親しくしてもらっていてね、君のことも知っている」
「聞きたいことがあるんです」
「君の探している相手は、俺だよ」
「あなたが、兄さんの・・・」
「あのねキョーコちゃん、君、いま変なこと想像したでしょう」
「え」
キョーコの顔は真っ赤だ。
「君の兄さんは、ノーマルだから安心して」
「へ、はあ」
「それより君の兄さんは、君に何を託したの?」
「謝ってほしいと、間違っていたのは自分だと、そして解放してくれと」
「・・・そう」
レイノは瞼を閉じて、瞑目する。短い時間の筈なのに、キョーコにはとても長く感じた。
つづく その10 へ
***
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***
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内心はストームなるものに、びくびくで、消灯の時間が近くなり、京はベッドにもぐりこんだ。
いつしか眠りについて、大きな声で飛び起きた。
「来たぞ!」
「え、え、え」
「新入りがいる部屋はここだな、ものども襲え、無礼講だ」
ドーン、ドーン、太鼓が鳴り響く、受験勉強の最後の息抜きだろうか?最上級生の目が血走っている、男の子というものは、いろいろたまっているのだ、ガス抜きは必要である、どんちゃん騒ぎがしたいだけだ、ある部屋では説教が始まっていた、また、ある部屋では援歌の大合唱だし、あ、エロ本が舞っている、寮内における明るい親睦を是とするどんちゃん騒ぎである。
京の部屋に乱入してきたのは、寮長たちだった。
京の眠るベッドにレイノが飛び乗って、びっくりした京は、目をぐるぐるさせて、レイノを見つめた。
レイノの唇が京に耳もとで
「キョーコちゃんだね、・・・の妹の」と囁いた。
「ど、どうして・・・」京はかすれた声で小さく答えた。
「黙って、君に話があるからつれて行くね」
「え」
レイノは、京を抱きかかえて、部屋を出て行った。
「新入りくんは連れて行くよ」
「待てよ、置いてけ」
尚が叫ぶが、二人の先輩にスクラムされて動けない、京は騒乱の寮の中を抱きかかえられて、レイノの部屋の中に、中に入りレイノは鍵をかけた。
「レイノさん」
「君の兄さんとは、わりと親しくしてもらっていてね、君のことも知っている」
「聞きたいことがあるんです」
「君の探している相手は、俺だよ」
「あなたが、兄さんの・・・」
「あのねキョーコちゃん、君、いま変なこと想像したでしょう」
「え」
キョーコの顔は真っ赤だ。
「君の兄さんは、ノーマルだから安心して」
「へ、はあ」
「それより君の兄さんは、君に何を託したの?」
「謝ってほしいと、間違っていたのは自分だと、そして解放してくれと」
「・・・そう」
レイノは瞼を閉じて、瞑目する。短い時間の筈なのに、キョーコにはとても長く感じた。
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