ワールドカップも残すは決勝のみとなりました。3位決定戦では、準決勝での惨敗を払拭したい地元ブラジルが、またしても良いところなくオランダに完敗しました。


ワールドカップは、日本が敗退するまではドキドキしながら見ていたのですが、日本が敗退してからは落ち着いて楽しむようになりました。今回のドイツとアルゼンチンの人のように、決勝までドキドキしながら見てみたいですね。

 

決勝のドイツ対アルゼンチンは、下馬評ではドイツ優勢と言われています。日程的にもドイツは1日多く休め、アルゼンチンは準決勝で120分戦ったのに対して、ドイツは大差がついていたので後半は体力を温存するような戦いができました。

 

英国のブックメーカーの掛け率でも、ドイツが優勢と出ています。ドイツの勝利は1.66倍や1.7倍、アルゼンチンは2.2倍や2.15倍と、ドイツの掛け率が低く出ており、ドイツが勝つ確率が高いと予想しています。

 

ドイツは激しいプレッシングからのショートカウンターなど早い展開、アルゼンチンはメッシなどの個人の突破力を生かした攻撃と粘り強い守備が特徴です。

 

速い展開になればドイツのペース、ゆったりとした展開になればアルゼンチンのペースと言えます。また、1人当たりの1分間の走行距離は、ドイツが約110メートル、アルゼンチンが約104メートルとなっており、運動量ではドイツが大きく上回っています。

 

ドイツは攻撃時には、ボールを持っている選手に対して45人の選手が絡み、守備側からすると的が絞りにくくなっています。それに対してアルゼンチンは、ボールを持っている選手の他に23人くらいしかボールに絡んでいませんし、攻撃の大半はメッシを経由するので、守備側は的が絞りやすい上にメッシを自由にさせなければ攻撃力が半減してしまいます。

 

個々の選手のキープ力や突破力はアルゼンチンの方が上ですが、メッシに対してある程度人数を掛けて守ってタイトにマークすれば、ドイツは点を獲られる可能性が低くなります。

 

アルゼンチンとしては、ドイツに先制点を取られると守りに人数を掛けられてしまうので、なんとしても先制点を奪いたいところです。また、怪我で準決勝を欠場したディ・マリアが出場できれば、メッシへのマークが分散されて攻撃に幅が出てきます。

 

あとは、メッシが必要以上にボールを持ちすぎずに周りを上手く使って攻撃ができれば、ドイツの守備も的を絞りにくくなります。スイス戦の決勝アシストなど、メッシはドリブルだけでなくパスセンスもありますので、ドリブルを仕掛けるところと、パスなどで周りを生かすところを使い分ければ、攻撃がスムーズになるような気がします。

 

ドイツは日程的にもアルゼンチンより恵まれてコンディション面では有利な状況にあります。また、ブラジル人がアルゼンチンを応援することはあまり考えられず、観衆も味方につけることができると思います。


バルセロナではアルゼンチンのメッシとマスチェラーノのチームメイトのネイマールが、「決勝で優勝して欲しいチームは?」と聞かれて、「もちろん一人のブラジル人として考えるならば、アルゼンチンは応援出来ない。皆さん、僕はアルゼンチンを応援しているのではなくて、僕が憧れを抱き、毎日そばにいる人(メッシとマスチェラーノ)を応援するんだ。」と答えています。

 

サッカーではライバル意識むき出しのブラジルとアルゼンチンですが、両国の関係は悪くはなく良好のようです。経済的依存度も互いに高く、アルゼンチンはブラジル人に人気の旅行先の一つになっています。但し、ともに南米を代表するサッカー大国ですので、サッカーに関しては譲ることができないようです。

 

明日の決勝戦に備えて、今日は早く寝ようと思います。

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