ワールドカップはグループリーグが終わり、今日からノックダウン形式のセカンドラウンドに入ります。日本を含むアジア勢は、4カ国ともグループリーグ敗退で1勝もあげることができず、全てグループリーグ最下位となりました。

 

結果だけを見ると、オーストラリアは全敗で勝ち点を得ることができませんでしたが、内容を見るとオーストラリアが最もインパクトを残したような気がします。前評判は良くなかったのですが、3試合とも持てる力を出し、オランダにはシーソーゲームの末に敗れましたが、見事な戦いを見せてくれました。日本、韓国、イランは、第3者からしたら、結果も内容も見るべきものは少なかったというのが、率直な感想ではないでしょうか。

 

今大会のアジア代表国の惨敗を受けて、次からアジアの出場枠が少なくなるかもという声が上がっているようです。アジアは予選参加国数は多いですが、レベルから見たら33.5枠が妥当なような気もします。そうなると、ワールドカップ予選での争いが厳しくなり、日本がワールドカップへ出場できる確率も低くなります。 

 

一方で、そのことによってアジア予選が厳しい戦いとなり、アジアのレベルアップに良いことかもしれません。アジア代表の国は、個々の能力で劣っているだけでなく、戦い方の引き出しも少なかったように感じました。日本だけでなく、他の3カ国も駆け引きという部分では世界レベルより劣っていることは確かだと思います。

 

これは、所属チームで普段から厳しい戦いをしているかどうかということも関係していますが、代表チームで厳しい戦いが少ないことも影響しているような気がします。アジア代表の4カ国は、予選では苦戦はしても、ギリギリまで追い詰められた状況にはなっていませんでした。自分達が相当なヘマをしなければ、出場を逃すことはないというくらい、他の予選参加国との差がありました。

 

他の大陸でのワールドカップ予選は、オセアニアを除いたらアジア地区よりも相当厳しいものです。レベルの高いヨーロッパはもちろん、北中米や南米予選もそうです。フランスやポルトガルはプレーオフで本大会出場を決めています。メキシコは北中米予選であわや予選敗退というところから盛り返し、最終的にはニュージーランドとのプレーオフを制して出場を決めました。ウルグアイも南米予選では苦戦を強いられ、ヨルダンとのプレーオフを勝ちあがってきました。

 

アジアの出場枠が3になった場合、日本や韓国などもかなり必死になって戦わないと、出場権を逃す可能性があります。しかし、それほど苦労せずに予選を突破するよりも、厳しい戦いをくぐり抜けて出場権を得た方がチーム力は上がることは間違いありません。今大会のコートジボワール戦のように、非常にプレッシャーのかかるような試合を、アジア予選で経験していれば、もっと違った戦いができたような気がします。

 

もちろん、本大会に出場できなければ相当な痛手になります。しかし、アジア予選から厳しい戦いをするようになれば、日本を含め各国のレベルは上がり、本大会で活躍できるようになるのではないでしょうか。


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