ワールドカップが行われているブラジルでは、準決勝でブラジルが負けたことで街中では既にワールドカップが終わってしまったような雰囲気が漂っているようです。ブラジルが敗退するまでは、ブラジル代表のレプリカユニフォームを着た人が大勢いたのが、そういう人はほとんど見かけなくなったようです。

 

決勝は、そのブラジルを大差で破ったドイツと南米勢のアルゼンチンの対決となりました。ドイツとアルゼンチンの決勝での対決は、これで3回目で過去の戦績は11敗です。

 

ブラジルとアルゼンチンは同じ南米同士ですが、ブラジル人が決勝で同じ南米勢であるアルゼンチンを応援するというわけではありません。おそらくアルゼンチン以外の南米の国が決勝でドイツと戦うのであれば、ブラジル人はその南米の国を応援するでしょう。

 

ブラジルとアルゼンチンは宿命のライバル関係にあり、ブラジル人にとっては、大会の成果としてアルゼンチンがブラジルよりも上に行くことだけは我慢できないようです。準決勝のオランダ対アルゼンチン戦でも、多くのブラジル人はオランダを応援していました。ヨーロッパ同士の決勝になることよりも、アルゼンチンが勝ち進むほうがブラジル人にとっては嫌なのです。

 

なんか大人げないようですが、サッカーの世界では隣国を応援しないというのはよくあることです。オランダとベルギーも同じような関係にありますし、スコットランドはイングランドを応援しません。スコットランドの場合は、イングランドに併合されるまではれっきとした独立国で、現在でも自治権を要求する動きが強くあります。イギリスという言葉の語源はイングリッシュですので、スコットランド人にはイギリスと言わずに英国と言ったほうがいいようです。しかし、どこかの国のように、試合などで政治的なメッセージを訴えるようなことはしません。

 

このような関係は国同士だけではなく、クラブ同士にもあります。スペインのバルセロナとレアル・マドリーは宿命のライバル関係にあります。例えばレアル・マドリーがチャンピオンズリーグで他国のクラブと試合をする場合は、バルセロナのサポーターは他国のクラブを当然のように応援します。

 

 

アジアでも日韓両国は、同じような思いを抱いているのではないでしょうか。ワールドカップなどの大会で相手国が自国より良い成績をとるのは嫌だという感情はあります。特に韓国は、反日教育で誤った歴史認識を植え付けられていう上に小中華思想がありますので、その傾向が強く出ます。

 

2002年の日韓ワールドカップでは、日本が点を入れられたり負けたりしたときは、韓国人は大喜びをしていました。サッカー専門誌やスカパーなどでは、この様子を報じていましたが、地上波では全く伝えていませんでしたので、このことを知らない日本人は多いと思います。

 

日本が負けた後、韓国が不当なジャッジで勝ち進んでいるのを見て、多くの日本人が早く韓国に負けて欲しいと思っていました。地上波のテレビや新聞などのマスメディアは「韓国を応援しましょう」「韓国に頑張って欲しい」ということを押し付けるように言っていたことに対し、違和感を抱いた人も多かったと思います。このことからマスメディアの伝えることについて、疑問を持ち始めた日本人は実は多いようです。

 

 

ドイツとアルゼンチンの決勝戦を見るときに、試合内容だけでなく観客がどちらを応援しているのかにも注目してみてください。


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