緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

フレッシュな日常用から重厚な辛口、そして貴腐ワインやアイスワインなど高貴な甘口にまで至る多彩な味わい。

しかも驚くほど長い年月をかけて熟成という名の美しい変貌を遂げていく(そうじゃないのもあるけれど)。

だが何よりもその見事に研ぎ澄まされた酸と煌めくようなミネラル、そして葡萄本来の果実味との究極の調和。

加えて 生まれ育った地所のテロワールを克明に描出するという点に於いてもこの葡萄の右に出るモノはない。

飲めば飲むほどに リースリングこそ世界最高の葡萄である という思いは確信へと変わっていくのである。

この拙い記録をきっかけに、リースリングという類まれなる葡萄から造られるワインを少しでも知っていただければ幸いである。


2009年9月・醸造所訪問&旅行記

  モーゼル : アンスガー・クリュッセラート     特級畑 トリッテンハイマー・アポテーケ

         エルツ城&トリアー観光       モーゼル銘醸畑巡り

  ザール : シュロス・ザールシュタイン

  ルーヴァー : マキシミン・グリュンハウス(フォン・シューベルト)

  ナーエ : エムリッヒ・シェーンレーバー


2007年5月・醸造所訪問記

  プファルツ : ミュラー・カトワールA・クリストマンゲオルグ・モスバッハビュルクリン・ヴォルフ

  ルーヴァー : カールスミューレマキシミン・グリュンハウス(フォン・シューベルト)

  ザール : シュロス・ザールシュタイン


これまでの記録 → (旧)緑家のリースリング日記

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瓶熟13年のエルベルク

くたびれた週末のリカバリーは、在庫の飲み頃熟成リースリングと共に。

プファルツのフォン・ヴィニンク醸造所の2010年産ケーニヒスバッハー・エルベルク・リースリング・トロッケン。

最近すっかり買わなくなって久しい生産者だが、ワイン庫を掘り返せばこんなモノも出て来るから面白い。

エルベルクは砂質ローム、粘土質の砂、石灰質泥灰土などから成る面積25ha強のVDPエアステラーゲ(一級)。

 

 

ボトルが立派な割には普通のコルク。少しオレンジ色がかった黄金色。

注ぐと非常に細かい気泡がグラス壁下半を曇らせるように付着。

香りは非常にナッティーで、湿った木や腐葉土、僅かにマンゴー系の果実やペトロールなど

そしてブランデーや紹興酒を思わせる芳醇な香り。

 

フワッと柔らかで甘味を感じさせる肉厚な果実味。その背後からスーッと伸びて切れ味鋭い2010年らしい酸。

そして舌の上を苦汁のようにピリピリ刺激しつつ、粘土系の土壌を反映した比較的重心の低いミネラル感。

13年の熟成により程好く一体感はあるものの、酸の存在感が頭一つ抜けたバランス。

 

 

抜栓2日目は果実味がやや引っ込み、シャープな酸が更に冴えわたって

ヴィンテージがテロワールを凌駕するの図。鰤の和風カルパッチョにも合う合う。

洋風の生魚類や握り寿司なんかと違和感無く合わせられるのも、熟成リースリングの良いところ。88/100

(過去のヴィンテージ→2009年産

 

2010 Koenigsbacher Oelberg Riesling Qualitaetswein trocken

Weingut von Winning (Deidesheim/Pfalz)
A P Nr 5 106 327 060 11,Alc 12.5%vol

更に上向き、シュロス・リースリング

久しぶりに帰省して来た長男を交えての、普段より少しだけ賑やかな夕食。

こんな場に小難しいワインは似つかわしくない...ってことで、シンプルに美味いコイツを。

マキシミン・グリュンハウスの2022年産シュロス・リースリング・トロッケン。

7ヶ月前に開けて以来の定点観測(→2023年4月5月7月9月)。

 

 

スクリューキャップ。注ぐとグラス壁にはビッシリ気泡が付着。微かに緑色がかった薄めのレモンイエロー。

香りは蜜蝋と熟したリンゴや洋梨、黄桃など充実果実。口当たりは凝縮感のある果実味と酸の競演。

実にフルーティーで、舌の上にピリッと程好いミネラリッシュなアクセント。シンプルだが上質なグーツヴァィン。

これで開けるのが5本目になるが、開ける度に良くなっている。86-/100
 

2022 Schloss Riesling Qualitaetswein trocken

Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 01 23,Alc 12%vol

ピノ・ブリュット2016

急に気温が上がって来たので今夜はゼクトを冷やして。

ヘルマン・デンホフの2016年産ピノ・ブリュット。

赤い砂岩の急峻な畑で栽培されたピノ・ノワールから造られたブラン・ド・ノワールで、瓶熟は51ヶ月間。

 

 

いわゆる「玉葱の外皮の色」系の、オレンジ色がかった極薄いロゼ。

香りはブランデーを主体に、発酵中のパン、熟したリンゴ、ちょっと酸化したニュアンスなど。

アタックの果実味は中肉で、凝縮された酸とのバランスはまずまず。

次いで塊感のある苦汁系のミネラル味と若干のタンニン?カテキン?

かなり苦み走った味わいで、舌の上に残る苦み走ったミネラリッシュな余韻が長い。ちょっと苦味が勝ち過ぎか。

 

 

抜栓4日目。レーズン感が増して、そのぶん苦味が和らいでいる。

ミネラリッシュで程好い黒葡萄感があって、食事を選ばないがやっぱりちょっと取っ付き難いかな。85/100

(過去のヴィンテージ→2014年産2013年産


2016 Deutscher Sekt Pinot Brut

Weingut Hermann Doennhoff (Oberhausen/Nahe)
L# 1601,Alc 12%vol,Degorgiert 2021.8.11,Nr.1184/1668

18年前の想像を遥かに超える瓶熟

それにしても昨今の円安にはほとほと困ったもので、1ユーロ165円を超えそうな勢いである。

2023ヴィンテージが続々と出回り始めるこの時期、心惹かれるリースリングは枚挙に暇が無いものだが

折からのワイン価格の上昇傾向に加えてのこの極端な円安は

ワイン自体は勿論のこと、輸送コストにもモロに反映されて、買い向かおうとする意欲が萎えてしまうほどである。

 

そんな訳で当分の間、今までのように節操無く買い漁るのは抑えて

在庫の、飲み頃になったであろう(?)熟成リースリングをボツボツ開けて行くことにしている。

今夜はミュラー・カトワールの2004年産ハールター・ビュルガーガルテン・シュペートレーゼ・トロッケン。
これは2005年11月に我が家にやって来たボトルで、約19年の瓶熟...まぁ単なる飲み残しなんだけどね。

 

 

外観は少し黄金色がかったイエロー。洋梨やパイナップル、熟したバナナなどの果実に、湿った木や土、

軽いペトロールの香り。香木やフローラルなニュアンスもあって、しっとりと落ち着いた熟成感のある香り。

口当たりは甘く柔らかな優美な果実味が印象的で

酸は背後に控えているのか或いは全体に溶け込んでいるのか目立たず、トロッと滑らかな喉越し。

 

そして舌にピリッと来るスパイシーなミネラル感とナッティーな余韻。

これが今ピークにあるのかどうかは判らないが、少なくともまだまだ余力は充分過ぎるほどに感じられて

辛口とは言えこの生産者のシュペートレーゼのポテンシャルは末恐ろしいほどである。

それにしても柔らかな飲み口...瓶熟によって、未だ若い頃に感じられたカドのようなものが全て取れた感じ。

 

抜栓2日目。蜂蜜香。凝縮感が増して相変わらずポテンシャルの高さを感じさせる。

18年前からは想像もつかない程の素晴らしい瓶熟。これで当時の蔵出し価格、たったの10ユーロである。

フレッシュなリースリングも良いが、ちゃんと熟成したリースリングも堪えられないなぁ。89/100

 

2004 Haardter Buergergarten Riesling Spaetlese trocken

Weingut Mueller-Catoir (Haardt/Pfalz)
A P Nr 5 174 079 09 05,Alc 13%vol

こちらは瓶熟進まず

昨日開けたアンスガー・クリュッセラートのシュタインライヒが素晴らしかったので

同じ2009年産のマキシミン・グリュンホイザー・アプツベルク・リースリング・カビネット・トロッケンを開けてみた。

 

モーゼル流域とルーヴァー流域の違いこそあれ

同じヴィンテージで、ともに青色粘板岩土壌の畑で育った葡萄を木樽で醸造したものであり、価格もほぼ同じ。

もちろんワイン自体は別物なので、単純比較すること自体には甚だ疑問はあるが

コルク栓とスクリューキャップが瓶熟にどの程度影響するのかについては、ある程度参考になるのではないかと。

 

 

スクリューキャップ。僅かに緑色のニュアンスを残した、黄色がかったレモンイエロー。

注いだグラス壁に細かい気泡がビッシリ付着。香りのトップは明瞭な蜜蝋で

次いで蜂蜜やミント系のハーブ、湿った木、熟したアプリコットやリンゴ、スワーリングするとペトロール。

 

口当たりはたっぷりジューシーな果実味。舌をチクチク刺す酸とミネラリッシュな収斂感...

う~ん、ちょっと落ち着きが無いと言うか、未だ一体感が無く各要素がてんでバラバラに主張している印象。

おまけにコアの若干の水っぽさ。昨日開けたアンスガーと比べるとかなり見劣りするなぁ。

スクリューキャップが災いして瓶熟が遅れているのだろうか?

時間とともに鉛筆の芯っぽい風味が出て来て何となく纏まりが良くなって来たところで翌日に持ち越し。

 

開栓2日目。パワフルな酸が印象的...2009年産ってこんなに酸が強かったっけ?前日よりrassig。

開栓7日目。この日もちょっとスパイシーなペトロールや鉛筆の芯の香り。

初日よりもだいぶ纏まりが良くなっているが、やっぱり若干弱いかな。85→86/100

 

 

13年3ヶ月ほど前の記録を読み返してみても、若干歳はとったかなという程度の変化で

良くも悪くも熟成したと言えるほどの変化は無く中途半端。

この先10年どころか20年後にどうなっているのかを見てみたいのだが

自分がその頃まで健康でワインを飲んでいられる可能性なんて、かなり低いのではないだろうか。

...ワインは長く人生は短し。

 

2009 Maximin Gruenhaeuser Abtsberg Riesling Kabinett trocken

Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014-19-10,Alc 11.5%vol

瓶熟14年のシュタインライヒ

多少整理してあるとは言え、狭いワイン庫に手当たり次第にボトルを詰め込んであるので

この年のこのワインを開けてみよう、と思い立っても簡単には出して来れないのが悩みの種である。

なので毎年この時期になると、棚卸しと飲み頃ボトルのピックアップを兼ねて「ワイン庫整理」に着手するのだが

今年はちょっと頑張り過ぎたかな...折しも季節の変わり目、例年になく寒暖差が大きい昨今。

 

ワインの詰まった重たい木箱をあっちに移動させ、またこっちへ戻して...などとやってるうちに、やっちまった。

Hexenschuss(魔女の一撃)。何の事はない、急性腰痛症(ぎっくり腰)である。

軽いのは1~2年に1回やっていて、今回は久しぶりに重症のようだが、自業自得なので誰も同情してくれない。

まぁそんな苦労をして発掘した1本、アンスガー・クリュッセラートの2009年産シュタインライヒ。瓶熟14年。

 

 

見事に粉々にコルク破砕...茶漉し越しにグラスに注ぐ羽目になってしまった。

外観は黄金色がかったイエロー。注いだグラス壁下半に細かい気泡がビッシリ付着。

マンゴーをメインに、熟した黄桃、蜂蜜、ローストナッツ、ブランデーなどが香る見事な熟成香で

スワーリングして初めて若干のペトロール香。

 

口当たりから舌をピリピリと刺激するシーファー感たっぷりのミネラル味が印象的で

凛としたシャープな酸と、意外と香りほどには前に出て来ない奥ゆかしい果実味。柑橘の厚皮系のミネラル感。

甘苦くてミネラリッシュだけれど、常に桃を感じさせる味わいが素晴らしく、これこそが青色粘板岩の味わい。

 

グラス2杯目に入ると味わいの一体感が増して、ますます柑橘感が増す。

酸とミネラル味が舌に主張する背後から、果実味がフワッと全体を包み込む。

アルコール度数が11.5%なせいか、テイスティングと称してチビチビやってても然程ガツンと来ないのも嬉しい。

 

 

抜栓3日目。落ち着いた味わいの中心に蜂蜜がある。

小気味良い酸とマッタリと肉厚な果実味、鉱物感溢れるミネラル味。実に見事な仕上がり。
未だ新着の頃、13年半前に友人と慌ただしく飲んだ時よりも断然良い。素晴らしい熟成。88→89/100

(その他のヴィンテージ→202120192018201720162015201420132012201120102008

 

2009 Riesling Qualitaetswein trocken - Steinreich -

Weingut Ansgar Cluesserath (Trittenheim/Mosel)
A P Nr 2 607 269 10 10,Alc 11.5%vol

ダイデスハイムとフォルスト

ドクター・ビュルクリン・ヴォルフ醸造所の2022年産オルツヴァイン(村名)、ダイデスハイムとフォルスト。

前年産とはまったく違う珍しい2本が手に入ったので、ここぞとばかりにブラインド・テイスティングのお稽古を。

 

 

スクリューキャップを捻って各々をグラスに注ぐ...まず1本目。

 

やや黄色がかったレモンイエローで僅かに濃いめの色調。グラス底に非常に細かい気泡が疎らに付着。

香りのトップは蜂蜜で、熟したアプリコットやリンゴ系の果実香に仄かにフローラルなニュアンス。

スワーリングするとパイナップルの香りも出現。
肉厚で濃厚な果実味に比べると酸は穏やかに感じる。中盤以降は苦汁系のミネラリッシュな収斂味が目立つ。

ミネラル味の質感は相対的に重く、土壌の重さや玄武岩比率の高さを感じさせる。フォルストの方だろう。

 

2022 Forst Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Dr. Buerklin-Wolf (Wachenheim/Pfalz)  
A P Nr 5 142 043 20 23,Alc 12%vol  

「イェズイーテンガルテンの畑の若い区画から。残糖1.6g/l、酸量5.5g/l。

石灰岩質の泥灰岩、砂岩、火山性の玄武岩がここの畑の地質学的基礎を形成している」 のだそうな。

 

開栓2日目。肉厚な果実味に苦汁系のミネラル味が映える。

開栓3日目。相変わらずの蜂蜜感。ミネラル感はやや引っ込んで、若干親しみ易く変化。

開栓9日目はフローラルな風味が明瞭。86/100

(過去のヴィンテージ→2013年産

*

 

2022 Deidesheim Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Dr. Buerklin-Wolf (Wachenheim/Pfalz)  
A P Nr 5 142 043 19 23,Alc 12%vol  

 

こちらもやや黄色がかったレモンイエローだが相対的に僅かに薄めの色合い。

ややナッティーなニュアンスのマンゴー系の果実香に黄桃のニュアンス。

この生産者でこれほどまでにピュアな果実香は最近珍しい。

 

香りに反して果実味は相対的にスマートで、そのせいか酸が良く伸びてシャープな味わい。

粉っぽいミネラリッシュな余韻が舌の上に残る。

相対的にフラットなミネラル感は、土壌の軽さor標高の高さor北の産地を感じさせると同時に

収束性の酸は土壌中の石灰比率の高さを推測させる。ダイデスハイムの方。残糖0.8g/l、酸量6.5g/l。

 

開栓2日目。シャープな酸は健在だが、ミネラル感が前に出て噛み応えのある味わい。

開栓3日目。粉っぽいミネラル感、エレガントな酸と果実味の調和が見事。

開栓9日目。シャープでミネラリッシュな味わい。86/100


「ダイデスハイムのGC畑のプレハーベストと、これらの畑の若い区画から。

モイスヘーレとヘアゴットザッカーの畑の葡萄もこの村名ワインには使われている」 とのこと。


3ヶ月ぶりのピノ・ブラン

ちょっと事情があって、独りでのんびりと晩酌。

野菜を切って、レトルトの合わせ調味料を使って回鍋肉を作り、冷凍の餃子を焼いて...

相棒はマキシミン・グリュンハウスの2022年産ピノ・ブラン・トロッケン。

昨年12月に1度開けているので3ヶ月ぶり...まぁほとんど変化はしていないだろうけれども。

 

 

スクリューキャップ。外観は明るいレモンイエロー。

トップは鉱物っぽい蜜蝋の香り、スワーリングすると瑞々しい青リンゴの香りが顔を覗かせる。

 

細身ながらマッタリとした果実味とマイルドな酸、そして苦味のあるアフター。

「ピノ・ブランってジルヴァーナーとどこが違うんだろう?」なんて考えながら飲む。

アタックの肉付きはピノ・ブランの方が比較的スマートで、香りの青さもジルヴァーナーよりはちょっと控えめかな。

飲めば飲むほどに苦味が増して行くので、今夜はこの辺りで持ち越し。

 

 

開栓5日目。果実味が存在感を増して、ジューシーさが苦味を隠す構図。ホロ苦いアフター。

 

開栓8日目。瑞々しい果実味が苦味を包んでなかなか良い感じ。

それにしても開栓してから1週間経過して漸く食事酒らしくなるなんて、超グーツヴァイン級。

3ヶ月前に開けた時も開栓5日目が一番濃かった。なかなか酒質のしっかりした裾モノ。

最近のグリュンハウスはグーツヴァインの充実ぶりが顕著。85+/100
 

2022 Pinot Blanc Qualitaetswein trocken

Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 19 23,Alc 12.5%vol

飲み易くて美味しいのが何より

春分の日にワイン庫の棚卸しをした後、慌ただしく晩酌に開けた1本。

ロバート・ヴァイルの2022年産リースリング・カビネット・トロッケン。

特級畑グレーフェンベルクの近隣にあるトップクラスの畑から収穫された葡萄を使用。

黄土や粘土の混じった、石や砂利質の千枚岩から成る中~深い土壌の畑は最大斜度60%で南西向き。

 

 

スクリューキャップ。軽く緑色がかった薄めのレモンイエロー。

グラス底に非常に細かい気泡が疎らに付着。梨系の控えめな果実香。

ややのっぺりとした輪郭の丸い果実味と、それに伍する量感の酸。酸の伸びは悪くない。

ミネラル感は果実味に埋没しているのか存在感が地味で、それゆえ味わいの各要素には一体感があって

飲み易くて美味しい。どちらかと言うと寸胴な酒躯。

 

開栓5日目。ミネラル感と言うか苦味がやや前に出ている。ちょっとマッタリし過ぎか。

開栓6日目。更にマッタリとして甘苦く、仄かにペトローリー。開栓初日のあの酸はどこへ行ったのか。86/100

(過去のヴィンテージ→2021202020182017201620152014201020092008

 

 

2022 Riesling Kabinett trocken

Weingut Robert Weil (Kiedrich/Rheingau)
A P Nr 34 003 016 23,Alc 11%vol

らしさ全開、ヘレンベルク

アプツベルクとヘレンベルクの2022年産GG、どちらか確認せずに1本引っ張り出して来てのブラインド。

比較して飲めないぶん、感覚を研ぎ澄ませてあれこれ思考を巡らせ...まぁ美味けりゃどっちでも良いんだけど。
 

微かに緑色のニュアンスの感じられるレモンイエロー。注ぐとグラス底に非常に細かい気泡が若干付着する。

香りは熟したアプリコットや黄桃、マンゴー、蜂蜜、そして控えめながらもSchieferwuerze。

口当たりは意外にスッキリとスマートな果実味。

酸は程好くシャープで輪郭は尖り過ぎず、よく伸びて舌の上にほんのりと酸の余韻。

この酸のおかげでミネラル感が映えて金属的、それでもやや重心は低め。

これがヘレンベルクなら上出来、アプツベルクならちょっと軽いと言うか普通かなぁ...などと考えながら

エティケットを確認。

 

 

やっぱりこの金属的なミネラル感と酸の伸びはヘレンベルクなんだよなぁ。

2022年はヘレンベルクらしさの良く出たヴィンテージだと言える。

 

抜栓4日目。果実味と酸がグッと凝縮感を増してGGらしくなって来た。なんか妙にキラキラした辛口。88/100

(過去のヴィンテージ→2021年産2020年産2019年産2018年産2017年産2016年産2015年産

 

 

2022 Maximin Gruenhaus Herrenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs

Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 13 23,Alc 12%vol

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