2017はヘレンベルクの年か
以前なら毎年、マキシミン・グリュンハウスの2つの畑を飲み比べては
「今年はアプツの方が良い出来だな」とか「今年はヘレンの年だ」なんて、あれこれ思い巡らせたものだったが
2015年産を最後に畑名の付いた辛口リースリングはグローセス・ゲヴェクス(GG)だけになってしまった。
格付け的にはアプツベルクの方がヘレンベルクよりも上だが、その年の気象条件によって優劣は入れ替わる。
ひと言で纏めるのは難しいが、温暖なアプツベルクに対して冷涼なヘレンベルク。
特に暑い夏に本領を発揮するのはヘレンベルクの方だとされている。
2017年は4月の遅霜に始まり、7~8月の度重なる降雨による暑く湿気の多い夏...という事はヘレンの年かな?
先日開けたアプツベルクがやや地味な印象だっただけに、ちょっとだけ期待してヘレンベルクGGを開けてみた。
外観は濃いめで、黄金色がかったイエロー。非常に細かい気泡がグラス壁の所々に斑状に付着。
熟したリンゴやアプリコット、マンゴーなどを思わせるフルーティーな香り。
スワーリングすると僅かに鉱物が顔を覗かせるが、総じて果実主体の香りで、ほんのりと蜂蜜がかっている。
口当たりはジューシーで程好い肉付きの果実味、それと入れ替わるように凝縮感のある酸が前に出て来る。
果実味と酸がやや分離傾向だが、中盤以降この酸の伸びが良い。
やや金属的な冷たい触感の柑橘の薄皮系ミネラル味は、酸との一体感があって夏蜜柑的な味わい。
迫力ではなくエレガントでミネラリッシュなGG。なるほど2017年はアプツベルクよりもヘレンベルクの年だと感じる。
時間と共に全体に濃厚さが加わって来た。
2杯目以降に入るとシーファー風味が徐々に主張を増して、果実風味とガップリ四つに相見える。
翌日は酸が引っ込み果実味が前面に出て、少々甘く変化してマッタリと。甘苦い余韻。88/100
2017 Maximin Gruenhaus Herrenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 07 18,Alc 12%vol,27.90€