ヘレンベルクとブルーダーベルク
リースリングを中心に辛口ワインを飲むのが日常な生活を送っているが、GGを開けるのは非日常な事である。
貧乏性が身に染み付いているせいもあるが、何と言ってもやっぱりGGは芸術品なんだよね。
時間に追われて心身が消耗しているような時に、食事とともに呷るような代物では決してない。
少しばかり襟を正して背筋も伸ばして...まぁそんな事言ってるのもせいぜい最初の1~2杯の話なんだけどね。
今日は休養充分なので、満を持してマキシミン・グリュンハウスの2021年産GGを開けてみることにした。
リビングのセラーにはヘレンベルクとブルーダーベルクのGGが2本スタンバっている。
エティケットを見ずに1本引っ張り出して開けてみた。どっちだか判るかなぁ...
(註:因みにボトルに被せてあるのは嫁さんの腕カバー)(;^ω^)
少し黄色がかったレモンイエロー。非常に細かい気泡がグラス底周辺に斑状に付着。
パイナップルや完熟リンゴ、アプリコットなどの果実香に蜂蜜のニュアンス。
ややフラットで均質なミネラル感と、舌に貼り付く苦汁系のアフター。
果実味は総じてスマートで、酸の輪郭は丸みを帯びている。
ややメリハリに欠け、オルツヴァイン(村名)のグリュンホイザーといったいどこが違うんだろう?な印象。
まぁこれだけでどちらの畑か判断出来る訳もなく、残りの1本も引っ張り出して比べてみることに。
外観にはほとんど差が見られない。(因みに後で開けた方が左のグラス。向かって右側が最初のワイン)
後で開けたもう1本と比べると、味わいの横への広がりを感じる。
加えて相対的に旨味の多い果実味は、赤色粘板岩の存在を想起させる。
時間とともにジューシーな果実味が存在感を増し、酸の伸びも良くなる...これはヘレンベルクだろう。
抜栓3日目。果実味がジューシーさを増して、並べて比較すると
全体の凝縮感で勝り、柑橘の薄皮系ミネラル感が明瞭。
抜栓4日目は一転してミネラリッシュに。
相対的に果実味はアッサリと、対照的にエレガントさを増す酸、そして金属的な触感のミネラル感。87/100
(過去のヴィンテージ→2020年産、2019年産、2018年産、2017年産、2016年産、2015年産)
2021 Maximin Gruenhaus Herrenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 19 22,Alc 12%vol
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で、勢い余って開けてしまったもう1本は...
少し黄色っぽさの感じられるレモンイエロー。グラス底には細かい気泡が付着。
香りはやや閉じているが少しクリーミーで、サッパリしていて蜂蜜感は無い。
前者に比べると果実味がより細身で、酸がまっすぐに伸び、サクッとしたミネラル感。
抜けが良いけどブルーダーベルクってこんなに重心軽かったっけ?と思わなくもないが。
相対的に冷涼でより柑橘感があって、そして硬い。時間とともにやや凝縮感が増すと好みの味筋に。
ちょうどロバート・ヴァイルのトゥルムベルクとクロスターベルクの感じかな?(もちろんクロスターベルクのタイプ)
引き締まった酸が心地良く、時間とともに味わいは横へも拡がるようになる。
抜栓3日目。並べて比べると相対的にアッサリした果実味。
酸の伸びが良く、吟味が難しいもののサクッとしたミネラル感。
抜栓4日目。果実味が更に膨らんでポッチャリと、ややメリハリを欠いて凡庸に。88/100
(過去のヴィンテージ→2020年産、2018年産)
2021 Maximin Gruenhaus Bruderberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 18 22,Alc 11.5%vol
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おまけ。今夜の一皿