2019GGはヘレンベルクから
それがワイン飲みの心理というものなのかもしれないが
期待に胸躍らせて開けるワインは大概空振りに終わり、期待しないで開けたボトルには意外に当たりが多い。
よってボトルを開ける際は常に平常心で...とは言え、値の張るワインには多くを求め過ぎてしまうのが人情。
特にそのヴィンテージの1本目ともなると尚更である。
マキシミン・グリュンハウスの2019年産ヘレンベルク・リースリング・トロッケン・グローセス・ゲヴェクス(GG)。
2019ヴィンテージは5月の霜害により収量こそ少なかったものの、これまで開けたボトルは押し並べて好印象。
期待するなと言う方が無理というものである...いや、でも最近ヘレンベルクってイマイチな事が多いしなぁ...
まぁ「期待と不安、相半ば」ってところで。
外観は明るいゴールドイエロー。細かい気泡がグラスの底辺に少量付着。
マンゴーや熟したアプリコット、バナナなど南国風の甘い果実香。
香りや色合いに反して、まずインパクトがあるのは果実味ではなく酸で
凝縮されて量感もたっぷり、舌にビリビリ刺激的で、舌の上に酸の余韻が長い。
次いで金属的で冷ややかなミネラル感はサッパリと柑橘系で、グレープフルーツを食べた際のホロ苦さのよう。
果実味は主張が地味で一見目立たないが、味わい全体をしっかり下支えしているのか不足は感じない。
むしろモーゼル産の辛口ワインとしてのバランスは優れた部類じゃないだろうか。
このバランスなら熟成のポテンシャルも高そう。時間とともにグラス内は土臭いシーファー香に満たされる。
なるほど確かに先日開けたアルテレーベン21番樽をそのままパワーアップさせたような印象ではある。
抜栓2日目。地味に蜜蝋と黄色い果実が香る。
酸とミネラル味が引っ込み、肉付きを増した果実味が前面に出ている。
2日目の方がボディがあってGGらしく感じられるが、個人的には初日の方が面白い。
抜栓4日目は更に圧巻の凝縮度。GGに相応しい凝縮された黄色い果実味は
この日が一番ふっくらとしていて旨味がある。逆に酸とミネラル味は埋没気味。88/100
(過去のヴィンテージ→2018年産、2017年産、2016年産、2015年産)
2019 Maximin Gruenhaus Herrenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 03 20,Alc 12%vol,30.00€