シジミは漢方薬にもなる? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


今日は、旧暦の睦月朔日。節分でもありますけど、新月が重なるのは珍しいんだそうです。恵方巻ブームが続いているようですが、今年の恵方は南南東だそうですよ。寒い寒いと思ってましたけど、徐々に日も長くなってきましたし、春は確実に近づいてますね。明日は立春です。


昨日お届けした「シジミは肝臓の強い味方!」 は、シジミを西洋医学的・栄養学的にとらえてました。記事の中でご紹介した言い伝えは、おそらく江戸時代あたりから言われてきたものでしょうから、基本は東洋医学の食養生ですね。ということは、東洋医学で言われてきたことが、現代科学で証明された一例と言えるんじゃないかしら。


シジミの五味 は甘鹹味、四気 は寒涼性、帰経 です。作用は、おそらく潤降かと思われます。いつも参考にしている『東方栄養新書』(メディカル・ユーコン)や『東洋医学のしくみ』(日本実業出版社)には、シジミの記載がないので、肉類・魚介類の性味と帰経 (携帯用) には載せてませんでしたね。


中国の薬学書である『本草綱目』 には、蜆(しじみ)は「暴熱をさます、目を明るくする、利尿作用がある、熱気・脚気・湿毒を下す、酒毒・目黄を治す…」とあります。


「暴熱をさます」とか「熱気を下す」というのは、多くの海産物がそうであるように、シジミが寒涼性だからですね。シジミは生食には適さないので、必ず火を通すことになりますし、一度にそう大量に食べるものでもありませんから、みそ汁1杯くらいでからだを冷やす心配はまずありません。


飲み過ぎや食べ過ぎの後に、胃腸にこもった熱をさましてくれる…と考えれば、二日酔いで食欲のないときにいいことがわかります。「酒毒」を取り去ってくれますしね。


東洋医学講座No.10 に書いたように、肝は目とつながっています。肝の状態がよくなれば、目の状態もよくなる。つまり、「目を明るくする」ということで、シジミが肝にいいことを示してることになります。


「酒毒・目黄を治す」のであり、「目黄」というのは目に現れる黄疸症状のことですから、これもまたシジミが肝にいいことを示しています。これって、現代栄養学で言えば、オルニチンとタウリンの作用でしょ。


「脚気(かっけ)」は、ビタミンB1の欠乏で起こる病気。シジミにはビタミンB12に限らず、ビタミンB群が含まれています。ビタミンという栄養素のことを知らなくても、昔の人はシジミが脚気に効くことは知っていたんですね。


東洋医学講座No.13 で解説していますが、腎には体内の水分代謝をコントロールする作用があります。「利尿作用」と「湿毒を下す」というのは、腎の水分代謝につながる。二日酔いや疲れがたまったときにできるむくみを取って、尿として排泄してくれる…と考えることができます。


『本草綱目』には、シジミは「通乳する」とも書かれていて、これが「母乳の出をよくする」という言い伝えの根拠でしょう。現代栄養学的に考えれば、シジミのアミノ酸バランスとカルシウム・鉄・ビタミンB12がいいんだってことになりますけど、東洋医学的には肝の蔵血がうまくできていれば、お乳もよく出るというしくみ。


こんなふうに検証していくと、表現のしかたが違っていても、効能としては正しく、現代栄養学的にも説明がつくことがわかりますね。


『代替医療のトリック』を読んで『代替医療のトリック』の違和感 で、東洋医学を証明できるほど科学は進歩していない状況じゃないか…なんて書いてますが、シジミのような例がどんどん出てくれば、いろいろおもしろいことがわかってきそうでワクワクします。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-アリッサム

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