『代替医療のトリック』の違和感 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


先日ご紹介した『代替医療のトリック』 、原題は『Trick or Treatment?』です。つまり、代替医療は「トリック(ぺてん)か、それともトリートメント(治療)か?」ってことで、ハロウィーンの決まり文句、『Trick or Treat』をもじったものですね。邦題よりも洒落が効いてます。


この本に関しては、言いたいことは山ほどあります。どこから始めたらいいのか、わからないくらいです(笑)。ただ、読んでいる間中、全体を通して居心地の悪い違和感があったことは確かです。


それは、こきおろされていることに対する怒りとか、そんなものじゃないんです。鍼灸に対して書かれていたことは、導入で「アイスマン・エッツィー」が登場したことを除いて、まぁ、だいたい予想通りでしたから。


背中がムズムズするような違和感のもとは、何だったんだろう?読み終えてからも、ずっと考えてました。で、思いついたことのひとつは、「科学的根拠」に固執している点。


「比較対照試験で、プラセボ群を上回る結果が出てなければ、科学的に根拠があるとは認められない。通常医療で使われる薬は、そうした試験に通ったものだけだ。だから、代替医療はプラセボに過ぎず、受ける価値はない。」という結論を出してます。


彼らの言う「科学的」は、「現在の科学で証明できる範囲に限っては」ということでしょ。その中で証明できないものは、ないに等しいという考え方。そこんところが、どうも引っかかるんですよね。人のからだも、宇宙も、まだまだ不思議はいっぱいあるのに。


科学的に証明できてない事象が、世の中にまだたくさんあることを、物理学者なら知っているはず…と思うのだけど、著者はそこんところを無視しているのかしら?


もうひとつは、「プラセボ効果に頼った治療法は中身がない」と言ってしまう点。プラセボってダメなの?たとえプラセボでも、患者が治ったのなら、治らないまでも症状が緩和されれば、それでいいじゃない?大事なのは、患者がラクになることじゃないの?


それから、費用対効果に言及して、代替医療は通常医療よりもお金がかかるって言ってるけど、本当にそうかしら?医療費で保険診療が破たんしそうになっているのは、なぜ?副作用の問題は?病名のつかない不調に対する治療は?


そうした疑問点の数々はともかく、この本に書かれていることも、知識のひとつとして持つことは大切だと思います。私は、現代西洋医学による通常医療を、決して否定してはおりません。代替医療も通常医療も、いいとこどりできれば一番いいと思っています。


具合の悪いときに、なぜそうなったのか、自分のからだで何か起こっているのか、自分なりに考えること。そのために、自分のからだのことを知ること。そして、数ある選択肢の中から、自分に合う治療法をみつけること。その判断材料として、利点も欠点も確認しなくちゃね。と言っても、試してみなくちゃわからない点がやっかいだけど。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-コルチカム


コルチカムは、葉が春に出て夏に枯れ、秋に花だけが土から顔を出します。


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