おはようございます
漢方の薬食学は、中国の長~い長~い歴史の中で、たくさんの人たちが、からだをはって経験したことが、ひとつひとつ積み重なってできた知恵なんですね。
それが、2000年前に『神農本草経』となった。そこに至るまでには、間違った薬食によって副作用で苦しんだり亡くなったりした人も、きっと何人もいたはず。
現存する処方は、よかったものが、その後の2000年残ってきたんですよね。だから、西洋医学の薬も、あと2000年もたてば、漢方薬レベルになるかも?
漢方薬や食材の四気 ・五味 ・帰経 は、どんなふうに決められてきたんでしょうね。ここで忘れてはいけないのは、東洋医学の理論は後付けされたものだということ。
経験による結果が先にあって、2000年前のエリート集団が頭脳を駆使して理論体系化したんです。確かに無理やり当てはめた部分もなきにしもあらずですが、実にうまく分類されています。基本的な分類のルールは次のようになっています。
季節の気を受ける
収穫・採集する季節の気を強く受けるため、その季節の特長を備えます。
① 春の木の気 → 内にこもった熱を上昇させ、発散させる
② 夏の火の気 → 湿を蒸発させて、寒をおさめる
③ 秋の金の気 → 水分を乾燥させて、木(肝)気を抑える
④ 冬の寒の気 → 熱を冷まして、火を抑える
土地の気に乗じる あるいは 土地の気を克服する
収穫・採集される土地の気を強く受け、その性質を備えるか、その気に耐えうる性質を備えます。このことから、薬材に関しては、原産地のものが純正で薬効が強いと考えられています。
① 東方の気 → 酸温
② 南方の気 → 苦熱
③ 西方の気 → 辛涼
④ 北方の気 → 鹹寒
⑤ 中央の気 → 甘平
※東西南北と中央という地域の区分は、もちろん中国におけるもの。
形態
薬材の皮・核・枝・蔓(つる)のような形が、人体のそれと似た部位に対応します。
① 皮 → 皮膚
② 節 → 骨、関節
③ 実 → 目
④ 蔓 → 血管、腱、靭帯
⑤ 核 → 丸く腫れたもの
色+形
五味と同様に、五色 も五行 にのっとって分けられ、臓腑 と結びつけられます。薬物に使われるときは、五色+臓器に似た形で、その臓器の病を治せると考えられました。
① 青くて茎がまっすぐ伸びる → 肝
② 赤くて丸い → 心
③ 黄色くて丸い → 脾胃
④ 白くて花弁が広がる → 肺
⑤ 黒くて実が二つある → 腎
色・形・性質の意味
寒熱に対して、その反対の意味を持つ色や形、そのものの性質を利用します。
① 水中に育つ薬物、緑色の食物 → 寒の性質 → 清熱(熱を冷ます)
② 石山の鉱物、赤い食物 → 熱の性質 → 去寒(寒を取り去る)
季節ごとの養生法に食べものに関する情報も載せていますので、そちらも参考になさってくださいね。
① 春 → 肝をととのえる食べ物
② 梅雨~夏 → 脾を養う食べ物
③ 秋 → 肺を調える食べ物
④ 冬 → 腎を養う食べ物
心はどこ?って、もしかして気づいちゃいました?日本の夏はカーッカラカラッとはならなくて、中国の長夏と気候的に近いという判断のもと、梅雨~夏で脾を養うとしてあります。が、知りたいですよね?心をととのえる食べもの。これも食養生のまとめとして、近いうちに書きますね。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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