肺の働きと肺を調える食べ物 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


昨日も夏の名残り、ちょっと暑くなりました。家の中にいる分には、涼やかな風で心地よい状態でしたが、外の日なたは汗ばむくらいでした。8月の終わりから比較的お天気のよい日が続いたせいか、今年の栗や梨は去年より甘みが強いようです。


昨日の「肺を助けて秋を元気に過ごそう」 に続いて、秋の養生法をお届けします。「肺の働きと肺を養う食べ物」と題しましたが、「肺の働き」については「東洋医学講座 No.12 五臓の生理 その5」にありますので、そちらをご覧くださいね。


肺は、五臓の中で一番体表に近いところにあって、体表で外邪から身体をまもる役割を担う衛気を支えています。したがって、肺が弱ると外邪の侵入を受けやすくなります。カゼを引いたときに出やすい症状といえば、鼻水や咳など呼吸器系で、いずれも肺の症状です。おなかにきて下痢するカゼは、肺と表裏関係にある大腸に影響が出たと考えることができます。


秋は五行の金、特に何もなければ、自然と肺は活発になる時季です。ところが、秋の涼しく乾いた風に当たると、肺は乾燥に弱いので、カゼを引きやすくなってしまいます。また、昨日もお伝えしたように、夏の間に汗をかいて陽気の発散が十分に行われていないと、胸に陽気が必要以上に残っていて、肺を乾燥させることになります。


そこで、秋の食養生としては、肺に潤いを与えて、乾燥を防ぐことが一番。は五行のですから、いものがいいですね。たとえば、山芋、白キクラゲ、大根、タマネギ、白ネギ、ユリ根、レンコン、葛粉、氷砂糖、白ゴマ、豆腐など。そのほか、季節の果物である梨、柿、ブドウ、リンゴなどに、ギンナン、クルミ、松の実のようなナッツ類もいいでしょう。


肺を強くするには、生姜、ニラ、ネギ、唐辛子のような辛いものもいいのですが、辛いものは摂りすぎると逆効果になります。辛いものは熱を生みやすいため、下手をすると反って潤いを減らすことになります。また、もともと肺の強い人がこの時季に辛いものを摂りすぎると、肺の活動が強くなりすぎて、肝を傷めることになりますよ。これは、五行の相克関係によるもので、日頃は木の暴走を抑えるように働く金ですが、強くなりすぎると抑制しすぎちゃうんですね。ということは、肝が強くなっているときには、肺を養うことで肝を抑えることもできるってことです。


食欲の秋です。特に果物が美味しくなりますね。果物は、肺には滋養となりますが、水気があって甘いものでもあり、食べ過ぎてしまうと「脾の働きと脾を養う食べ物 に書いたように、脾胃を傷つけることになります。脾胃が弱ってしまっては、食欲の秋も楽しむことができなくなりますし、五行の相生関係からみて、土が弱れば金も弱ってしまいますから、気をつけなければいけません。何事もバランス、ほどよく。


人体の五行と五行の相生・相克関係についてはこちら→東洋医学講座 No.6No.7 五行論 その3・4


今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-百日草

肺を養うには白。