肝の働きと肝をととのえる食べ物 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

春先は三寒四温といいますね。そして、その気温の差が思いのほか大きいもので、からだにとってはストレスになります。


また、春は卒業、入学、クラス替え、就職、人事異動、転勤、引っ越しなどなど、生活環境の変化も大きい。これもまたストレスになります。


で、ストレスは肝に出やすい。肝は、春と同じく五行の木に分類されていて、春になるとその働きを強めます。なので、春はとくにストレス・コントロールが重要になります。


☆ 肝は疏泄(そせつ)をつかさどる


疏泄の「疏」は疎通、「泄」は発散という意味です。肝は、この疏泄作用によって、全身の気を順調にめぐらせ、脾胃の消化吸収を助け、精神状態を安定させます。


したがって、肝の疏泄がうまくいかないと、気血の流れが滞る、脾胃の働きに影響がおよぶ、胆汁の分泌が悪くなる、女性の月経に影響が出るなどが起こり、精神の抑うつまたは興奮があらわれます。


☆ 肝は血(けつ)を蔵す


血はからだの活動に必要な栄養を運ぶもので、肝はその血の貯蔵と補給に働きます。たとえば、運動や労働で筋肉に大量の血が必要となったり、読書などで目に大量の血が必要になったりすると、肝にたくわえられた血が筋肉や目に送られます。


肝に貯蔵される血が不足したり、肝の働きが滞ったりすると、全身にも影響が出て、月経不順や肩コリ、自律神経失調、皮膚のかゆみや乾燥、目のかすみといった症状が出ます。


☆ 肝は筋をつかさどり、目に開竅する


肝は筋肉と目の働きを維持します。したがって、肝に異常があると、筋肉のけいれんやふるえ、眼精疲労や目の乾きなどが起こります。


☆ 肝をととのえる食べ物


肝の働きが弱いときは、色の青いものや酸味のものを摂ります。山菜、かんきつ類、苺、胡麻、菜の花、春キャベツ、梅干し、菊花茶、あさり、しじみ、レバーなどが、肝の働きを助けます。かんきつ類は食事だけでなく、アロマオイルの香りでも効用がありますよ。


ただ、酸味を摂りすぎてしまうと、肝が強くなりすぎて、脾胃が弱ってしまいます。このような場合は、脾胃を助ける甘味を加えます。春になって、甘いものが欲しいと感じる方は、このケースかもしれませんね。


春に旬の山菜を食すのは、冬の間にたまった毒を出すためと考えられていますが、肝の働きを助けるものでもありますね。


腎は弱りやすいので補うことが大事でしたが、肝はもともと強いのでバランスをとることがキーポイント。そのためにも、うまくストレスをコントロールして、春を元気に過ごしましょう。


今日もいい1日になりますように。


食べ物についての追記です。


肝気がうまく流れていないときは、上半身にほてりや乾燥などの症状がでやすくなります。こういうときには、辛いものは控えてくださいね。