昨日の腎を助けて冬を元気に過ごそう でご紹介した養生法、よく食べて、よく寝て、運動しないってことだと、太るんじゃ?と思われた方も多いかもしれませんね。
確かに、特に食糧事情に関してはかなり昔と違いますから、「精のつくものをしっかり食べる」となると、太りそうな気もしますね。
でも、「しっかり」は「たっぷり」とは違いますからね。
☆ 腎は精を蔵す
切っても切れない白と黒
でも少しご紹介しましたが、腎は、生命力の根源となる精気を保存しています。
精気には、両親から受け継いだ生殖の精である先天の精と、出生後に脾胃で飲食物からつくられる後天の精とがあります。
後天の精は、五臓六腑の精ともいわれ、五臓六腑の働きをささえ、余った分が先天の精とともに腎に貯蔵されます。
このように先天の精は後天の精によって補充されますが、後天の精が不足すると、先天の精が後天の精を補うようになります。
腎の精気は生長・発育・生殖に深くかかわっていて、腎に保存される精気が減っていくことが老化であり、精気が尽きたときに人は死を迎えます。色欲が命を縮めるといわれるのはこのためです。
☆ 腎は水をつかさどる
胃から吸収された水分は、脾によって肺に運ばれ、肺から全身に送られて、三焦を通って、きれいなものは臓腑をうるおし、汚れたものは汗と尿になって排泄されます。
こうした一連の水分の動きを腎がコントロールしています。
☆ 腎は納気をつかさどる
呼吸は肺によって行われますが、腎の納気作用があってはじめて、肺への空気の出入りが円滑に行われ、順調に呼吸することができます。
以上のような生理作用にくわえて、腎精から骨髄がつくられることから、腎は骨格や歯牙、また「髄海」と呼ばれる脳とも深く関係していますし、毛髪や耳とも密接な関係があります。
腎を養うには、色の黒いもの、鹹味(かんみ)のものがよいとされています。鹹とは塩からいという意味です。
色の黒いものは、中華料理によく出てくるキクラゲが代表的で、黒ゴマ、黒米、シイタケなどもいいですね。鹹味のものには、大豆、栗、豚肉、黄豆芽(おうとうが)などがあります。
おせち料理の黒豆は、色が黒くて、鹹味の大豆ですし、形も腎臓に似ていますから、腎を養うには最高ですね。