東京都の目茶苦茶な汚染浄化「実験」へ質問を送ってくださった皆様、情報を拡散してくださった皆様、ありがとうございます。

8月2日には、「第14回技術会議」が開催されます。
1回分が追加されたと見ることができそうです。
イシハラ都政としては、先週の第13回技術会議で、身内(首都大学東京学長である座長や東京都OB)を権威としてまつり上げ、そこで「全面的な汚染除去を表明して安全を高らかに謳いあげる」つもりが、事実上、盛り土を汚染チェックもせず搬入したという新たな問題が伝えられたため、その第13回で引き切れなかった幕を、8月2日に最後まで締めることを狙っており、そして会議を傍聴できるのはまたも「先着50名」で、音声傍聴はたったの30名です。

2008年夏までの「専門家会議」ではもっと音声傍聴枠も多く、それに、これはもう何度でも書きますが、ネット中継についてあの頃から言っていて、都議会では定常的に行っていて、こちらでは実施できないとは、意図的としか思えません。

これで8月に「安全を確認」したと言い仰せ、9月都議会では、「安全だから強引な移転ではないだろう」などと、汚染された土地の時価(汚れていない前提)購入の1260億円分を含む、1281億円の移転予算執行を認めさせる方向です。

「技術会議」は、「移転予定地の汚染がイシハラ都政の言う通りに解消できる」と発表するために制定されていますが、最終的に目指すのは、官製地上げ&卸売市場のシステム破壊(構造改革)、日本の食の明け渡しです。

東京都(報道発表資料)
「第14回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の開催について
 平成22年7月27日 中央卸売市場
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2010/07/40k7r100.htm

 標記の件について、下記のとおり開催しますので、お知らせします。


1 日時
 平成22年8月2日(月曜日)午後6時00分から(2時間程度)

(中略)

5 会議の傍聴

(1) 会議は、公開とします。
(2) 会議の傍聴を希望する方は、当日、先着順(定員50人)により受付を行います。

 一般傍聴の受付
 受付場所:都庁第一本庁舎33階北側 特別会議室N6前
 受付時間:平成22年8月2日(月)午後5時~午後6時

※定員を超えた場合、希望者については、別室にて会議の音声を中継で聞くことができます(定員30名)。なお、希望者多数の場合は、ご希望に添えない場合もありますのでご了承ください。
※開場は午後5時を予定しております。
※当日は、同じフロアで別の会議も行われています。会場スタッフの案内・指示に従ってください。

問い合わせ先
中央卸売市場管理部新市場建設課
 電話 03-3547-7031

そしてこれも重要なお知らせです。
今発売中のサンデー毎日には、2007年にこの盛り土汚染の実態をスクープしていたこと、その件についての追加取材内容が掲載されています。
一部を紹介しますが、ぜひ誌面をお読みください。

サンデー毎日 8月8日号
本誌が3年前にスクープしていた 築地市場移転先の盛り土汚染

 東京・築地市場(東京都中央区)の移転をめぐる土壌汚染問題が再燃している。本誌が3年前に指摘した「豊洲新市場予定地(江東区)へ搬入された盛り土の一部が、有害物質の検査を受けていない」問題。石原慎太郎都知事もついに「けしからん」と語気を強めた。

 本誌07年4月29日号は、「(06年度までに)豊洲に持ち込まれた区画整理事業で出た土砂の相当な量は未検査」との内部証言を基に「有害物質が入っている可能性がある」と指摘した。当時、都区画整理課は、「04年度以降は、2000立方メートルごとに厳しく検査しているが、それ以前は把握していない」と答えた。

(中略:朝日と読売の報道について、そして、イシハラ都知事が記者会見でわざわざ怒りを見せた点が記されています)

 都の専門家会議元座長で和歌山大学の平田健正理事は「盛り土については、専門家会議でほとんど議論がなかった。 汚染が見つかった場合は専門家会議の提言に従って、盛り土全体の詳細調査をすればいい話。後追いで(問題が)出てくるのは一体何なのかと言いたい」と怒り心頭だ。

(中略

 都の市街地整備課は、「以前のことは把握できておらず、現段階ではお答えのしようがない」という。

(後略:東京都の中央卸売市場によれば、汚染の原因が分からないと話しているそうです。詳しくは現在販売中のサンデー毎日最新刊で!)

ここでまた今回も驚くのは、イシハラ都政はメディアやネットの報道に目を光らせ、少しでも官製地上げに不利益なことが書かれてないかをチェックしていたはずなのに、またそれでは飽き足らず、都庁記者グラブのお仲間のマスメディア各社には事実との乖離も著しい御用報道も繰り返して垂れ流させておきながら、この2007年に暴かれていた記事をまったく無視して、まるで初めて聞いたかのような態度をとっている点です。

もちろんお得意の「縦割り行政」はあるでしょう。
しかし、ここまで重要なことが次々と、常軌を逸したほどに後から立て続けに分かるとは、これでは移転を許してしまったら最後どんな「後の祭り」になるか、考えただけで恐ろしいことです

最後にもう一度念押したくなりました(しつこくてすみません)。
汚染は論外、そして現在地であっても、「妥協して別の候補地」であっても、都政を窓口とした官製地上げと、日本の卸売市場のシステム破壊(構造改革)、つまり生命の根幹となる食の明け渡しは、全力で食い止めなくてはなりません。

以下に朝日の記事を参考のため部分再掲します。
朝日
築地市場移転先、盛り土も汚染 基準値の25倍の地点も
2010年7月21日15時27分
http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY201007210341.html

 築地市場(東京都中央区)が移転を予定している豊洲地区(江東区)の土壌汚染問題で、元の土壌だけでなく、その上に後から運び入れた盛り土からも30地点で汚染が見つかっていたことが分かった。盛り土の大半は汚染されていないとして、都はそのまま使う予定だが、汚染対策の専門家は「盛り土全体を調べる必要がある」と指摘している。

(中略)

 都が設置した有識者による専門家会議は08年、高濃度汚染が見つかった古い地盤の地盤面以下2メートルまでの土壌をすべて入れ替える汚染対策などをまとめたが、盛り土は会議の場で詳細な分析を行わないままになっていた。都は09年、盛り土を汚染のない「健全土」として新市場の土壌に利用する計画を公表した
 取材に対し、都中央卸売市場は「(盛り土の)汚染原因は特定できないが、地下水上昇による再汚染の可能性が高いため、30地点ではさらに上も調べて汚染を除去する」と説明。一方で、盛り土の大半は「別の担当部署がチェックして適切な土を受け入れており、全体的には健全だ」としてそのまま使う方針だ。
(略)


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弊ブログでの関連エントリーです。新しい順にご紹介します。
まだ他にもありますが、なぜ豊洲移転にここまで東京都がこだわるのか、単純に「公共事業はやめにくい」以外の要因も含めて、実際に起こったこと、公開情報を踏まえて書いています。
ぜひお役立てください。

2010-07-26
英語での発信(Greenvoice):データ隠蔽の報道などはものともせず東京都は平気で安全と主張
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10601011695.html

2010-07-24
どこが健全土?「調べなくてもガス工場跡地よりはきれい」と?検査もせず生鮮市場予定地に盛り土搬入!
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10599257517.html

2010-07-22 (この日は3件のエントリーあり)
質問の納期も週明けすぐ!都の「技術会議」は約束も守らず東京都OBの委員中心に職員に回答
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10598100420.html

嘘八百。イシハラ都政の本質!【共同通信】「築地移転先の土壌、無害化可能 都が処理実験報告」
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10598011021.html

今日の都からの「安全宣言」と幕引きは許さない:朝日の記事「豊洲新市場予定地の盛り土も汚染」の意味
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10597354494.html

2010-07-21
イシハラ都政のデータ隠しは明らかに。それでも安全宣言強行には厳重厳戒!世界の消費者の声を!
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10596636985.html

2010-07-20
なんと読売新聞が東京都のデータ隠し批判!「築地移転、都がデータ隠し…汚染土の無害化実験」
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10595596471.html

2010-07-19
おさらい:なぜ築地市場の官製地上げ(組合潰しと各種デマ)とその後に来る物流支配が危ないのか
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10594605064.html

2010-7-16
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<10>(公金支出返還訴訟と汚染問題解説)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10591706916.html

2010-7-13
今日、築地移転反対の旗振り役 「東卸」 特定調停の記者発表。報道が移転不可避論を喧伝することに大警戒
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10589152955.html

2010-07-07
築地移転反対の軸である鮮魚仲卸組合「東卸」のありえない強制破綻事件(第9回勉強会から)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10583673633.html

2010-07-01
消費者を侮るイシハラ都政(裁判で異議を)・消費者を潰し日本を差し出す現政権の消費税増税法人税減税
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10578221231.html

2010-06-29
イシハラ都政 「豊洲新市場で後から見つかる汚染は東京ガスが費用負担」と答弁していましたけれど?
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10576293283.html

2010-06-24
豊洲新市場予定地全体の汚染べったり分布図とイシハラ都政発行の疑問炸裂BOOKの大きな差 
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10571720359.html

2010-06-21
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<9>(日本環境学会坂巻先生の発表内容)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10569038677.html

2010-06-16
イシハラ都政による 「土壌汚染除去実験」 の目茶苦茶さ<8>(実験の中止はありえない、と都知事)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10564421790.html

2010-06-12
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<7>(新たな都議開示資料は全面墨塗り!)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10560994806.html

2010-05-20
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<6>(6種の実験はすべて未検証)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10539551712.html

2010-05-07
イシハラ都政による 「土壌汚染除去実験」 の目茶苦茶さ<5>(微生物浄化実験の怪)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10518826475.html

2010-05-02
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<4>(汚染処理実験へのNature記事仮訳)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10523297412.html
★科学誌"Nature"も、東京都の汚染対策の非科学的態度を世界の学者に向けて発信!

2010-04-30
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」 の目茶苦茶さ<3>(科学誌Natureの指摘にどう反応?)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10521559325.html

2010-04-26
イシハラ都政による 「土壌汚染除去実験」 の目茶苦茶さ<2>(実験見学会公開への都のスタンス)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517841920.html

2010-04-25
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<1>(豊洲新市場見学会概略:参加者情報)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517165495.html

2010-04-18
今月の『選択』にイシハラ都政のお金の面での総括記事:『石原都政の「無駄遣い」一兆円以上』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10511274515.html

2010-04-09
今後の流れと意味:イシハラ都知事らの住民監査請求(豊洲新市場予定地購入での160億円の損害賠償)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10503739798.html

~~~
これまでの経緯
2010-04-15
【詳細な調べからの情報抜粋】 イシハラ都知事就任前後の築地移転問題の推移
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10508674985.html

2008-08-11
『【内容確認と転載希望】 東京の都市計画と築地立ち退き関連年表(拡大版)・イシハラ氏の動きとともに』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10125747752.html