今回は、
■ 原位置微生物処理(+洗浄処理): ベンゼン、シアン化合物、重金属を含む複合汚染
についてのおかしな点をいくつか挙げます。
この「原位置微生物処理(+洗浄処理)」は、土壌の中の菌を使ってベンゼンなどをまず浄化し、その後に他の物質を除去しようという試みだそうです。
多数の井戸を堀りそこに揚水ポンプをつけて地下水を汲み上げ、空気と栄養を吹き込むことによって微生物を活性化させて、ベンゼンを除去する(吸着活性炭も使う?)もののようですが、
・重金属やシアンがあるのに先に油分だけをバイオにお任せしようというご都合主義
・井戸をを一定深さ(6mだそう)掘り下げて、そこからさらに1mのところからブローして水を吹き上がらせるという、アバウトさ
・というか、そもそも一体どれだけの数の井戸と揚水ポンプを設ければいいんだか??
という点から、突っ込みどころ満載、興味津々です。
まず、この工法を調べたところ、大林組のウェブサイトに図解と写真がありました。
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大林組
微生物前培養工法 (原位置処理)
http://www.obayashi.co.jp/service_and_technology/003detail16
ベンゼンなどを微生物浄化する場合、浄化対象物質を栄養源として、現地に生息する分解微生物を地上で培養し地盤に注入します。これにより浄化効率を高め、浄化期間を短縮することが出来ます。
~~~
今回の豊洲新市場予定地でのこの原位置微生物処理実験が、きちんと安全性や工程を管理され、信頼に足るものであるとする証拠のひとつとして、プラントの入り口に、内部の汚染状態のプレートが貼ってあります。
(もちろん、ここで酷い汚染があれば立ち入れません)
でも、この現地写真、少し気になりますよね?
近寄って撮影された写真ですが・・・あれ?
あー、やっぱり、この紙の入っているクリアケースそのものが、ぴかぴかの新品でした。またも、お東京都様お得意のにわか仕立てですね!!
ガムテープもちゃんと貼れていません(剥がれているのが見えますね)。
それに、こうした管理データは、毎日のきちんと記載するなら、クリアケースなどでなく黒板を使うだそうですから、疑われてもやむなしです。
そして、これが実験プラント内部です。
めっぽう多くの揚水ポンプが密集しています。
もちろんのこと、複合汚染の処理を行うエリアは、クリーニング店やや町工場の跡地のような数10m角の土地ではないですから、本当にどこまでお金がかかるのかやってみないと分からない、あるいは、最初から本数をケチる、ということではないでしょうか?
大丈夫でしょうか?(←大丈夫でないと心配して書いています)
また、以下が、実験公開当日の質疑応答の一部です。
職員説明趣旨:
「ここでは、この豊洲の土壌にいる微生物を使った汚染浄化をしています。
今は、低濃度のベンゼンを浄化できるものです。
しかし、微生物処理は技術進化があり、かつ安い工法(!)で、期待できます。
ただし、一気にはできないという問題があります。
現状の前処理は2~3ヶ月かかっていますが、1ヶ月に施行をスピードアップします」
都民の質問:
「どうやって短縮するのですか?」
職員回答:
「各種パラメータを振って(条件を変えて)です」
(管理人: うわー、なんて根拠のない!)
都民の質問:
「微生物の状況はどうなっていますか?」
職員:
「豊洲の微生物にはいろいろあって、いったいどれがどう浄化に効いているのか不明。
菌の数を数えることができるかを、これから専門家の先生に聞きます」
ほら、やっぱり出ました!
Natureに酷評されたように、汚染の初期値も図っていませんが、それを食べるとする微生物の数もまた初期値を測っていません!!!
どんな菌類がどう作用するか分からない・・・それを後から菌の数を測定したって、汚染浄化に寄与するのか、分かりっこないじゃないですかーーーー
どうするつもりなんでしょう?
イシハラ都政的には答えは、
「有無を言わさず権威の力を借りて押し切る」のみでしょう。
そして、数日前、この都知事に科学などちゃんちゃらおかしい、そう思わせる新たな発言がありました。
戸塚ヨットスクールを支援していることは有名ですが、大きな犠牲を払って何かを実証すると称して虐待行為を正当化するのがこの人の趣味なのでしょう。被害者の家族の心を考えるに、非道すぎます。
未曾有の汚染地域に卸売市場を作り、働く人や消費者の健康に被害が及びかねないことも、大きな犠牲が予想されても、とりあえず実証(=人体実験)すればよい、ということであることが本当によくわかります。
産経MSN
【日本よ】石原慎太郎 「当節、若者気質」 2010.5.3 03:13
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100503/plc1005030314001-n1.htm
(略)
帰するところは動物行動学者のコンラッド・ローレンツが説き、この日本においても大きな犠牲を払ってヨットスクールの戸塚宏氏がそれを実証した脳幹論の問題であって、この豊穣(ほうじょう)便利な文明の中でそれに溺れて子供に我慢を強いなかった無責任な親たちが子弟の脳幹を発達させず、基本的にひ弱な『子供大人』を育てたところにある。
(略)
ある識者にいわせれば、脳幹が未発達で情報を感受する感性に乏しい多くの若者は、情報の判断や分析をも他の情報にゆだねてしまうから、自らの判断が出来ない。故に自信も持てない。青春に不可欠絶対必要な、独自の発想を育てるための感違い、思い違いがあり得ない。
(略)
とにかく、情報を感受する感性を他人にだけは押し付ける、毎度ながらの態度に恐れ入るばかりです!
本件、さらに続きます!!
~~~イシハラ都政が安全宣言→土地買収予算執行のネタにしようとしている各種「汚染処理」の「実験」
■ 掘削微生物処理: ベンゼン単体汚染の場合
ただ、現実、ベンゼンだけ単体のところなどありません。
■ 原位置微生物処理(+洗浄処理): ベンゼン、シアン化合物、重金属を含む複合汚染
→今日はここのお話でした
中間報告として東京都のサイトに内容あり、という当日説明あり。
資料を残さずしゃべるのは自由・・というわけにいかないですよ。
■ 洗浄処理: シアン化合物、重金属、低濃度のベンゼンを含む複合汚染
本来は洗浄のためのプラントを作るが実験では屋外処理で行っているそう。
これが都が、「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理: 油膜が見られる土壌汚染でのベンゼン汚染
400~600℃で揮発させる。中間報告がサイトにありという当日説明。
でも、ベンゼンがあるところにベンゾピレンの可能性、でしたよね?
これも「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理⇒洗浄処理 油膜が見られる汚染土壌でのシアン化合物、重金属汚染
同様に中温加熱処理してから洗浄プラントへ。
工法も結果もおかしなことだらけです。別途書きます。
■ 地下水汚染処理 ベンゼン、シアン化合物、重金属汚染
同様に中温加熱処理してから洗浄プラントへ。
この実験がまた、怪しさ炸裂。説明にも矛盾満載、こちらも別途書きます。
~~~ここまで、「汚染処理」「実験」一覧です。
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だから、もう、汚染物質大量投棄のヘドロの埋立地で生鮮品市場操業な んて到底無理です。
科学誌"Nature"も、東京都の汚染対策の非科学的態度を世界の学者に向けて発信しています!
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10523297412.html
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築地移転問題の全体を記した、英文のB4版チラシです。
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掘っただけで液状化する豊洲新市場予定地土壌(ここにたっぷり汚染)。
スライム(いわゆるヘドロ)をなぜか土壌サンプルケースに素手で詰める様子。
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英文解説へのリンク↓です。
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