ひとりぼっちのウォークマン -5ページ目

ルドン「神秘的な対話」

何と幸せに満ち溢れた空間なのだろう。

 

 

女性が二人いるが、右側の女性は

 

若々しく少女のようにも見える。

 

 

もう一人の女性は少女の手をとって

 

何かを話しかけているようだ。

 

 

神殿の柱の奥には綺麗な青い空、

 

ピンク色の雲がポカリ、ポカリと浮かんでいる。

 

 

この絵はルドンの描いた「神秘的な対話」である。

 

  

 

右の女性は若い聖母マリア、

 

左の女性は洗礼者ヨハネの母エリザベツなのだ。

 

 

大天使ガブリエルは聖母マリアに受胎告知を告げ、

 

 

その時にエリザベツが老齢にもかかわらず、

 

神のちからによって懐妊し、

 

妊娠6ヶ月になることを告げた。

 

 

これを聞いた聖母マリアはエリザベツを訪問した、

 

これは、その時の場面である。

 

 

黄色と紫の衣をまとったエリザベツが

 

訪ねてきてくれた聖母マリアに話しかけている。

 

 

絵のタイトルは「神秘的な対話」、

 

ここで二人はどんな話をしたのだろう。

 

 

足元に花が撒かれるのは

 

ギリシアの宗教儀式によくみられるが、

 

二人の懐妊を祝福する意味もあるのだろう。

 

 

背後のピンク色の雲は

 

神聖な空間を意味するだけではなく

 

幸福の象徴のようにも見える。

 

 

マリアが持っている赤い木も気になるが、

 

これは生命を象徴する木、

 

いわゆる「生命の木」なのかもしれない。

 

 

 

ルドンといえば、

 

少し不気味な黒い世界を描く画家だった。

 

 

ところが、50歳になってから、突然、

 

黒の世界からこの様に

 

明るく幸せな絵に変わってきた。

 

 

人間は、人との出会いやいろいろな経験をしながら、

 

このように変わっていくものなのかもしれない。

 

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

この幸せな二人に祝福を・・・・・

 

 

 

 

 

ルドン「イカロス」

夕陽に照らされながら、両手に赤いものを掲げ、

 

丘の上に立っている人。

 

 

これはいったい誰?

 

 

眩しいばかりの太陽の光を浴びながら、

 

何をしているのだ。

 

 

この絵はオディロン・ルドンの描いた「イカロス」である。

  

      

 

これはギリシャ神話の一場面で、

 

描かれている少年がイカロスだ。

 

 

この絵は何を言わんとしているのだろう。

 

少し物語を紐解いてみると、

 

 

イカロスの父は腕のいい大工だったようで、

 

クレタ島のミノス王のために

 

ラビリンス(迷宮)を造ったほどだ。

 

 

ところが、ある日、ミノス王の機嫌を損ね、

 

息子イカロスとともに塔に幽閉されてしまったのだ。

 

 

そこで父と息子は塔からの脱出作戦を考えた。

 

その作戦とは、鳥の羽を集めて

 

 

ロウで固めた大きな翼を作り、

 

背中に着けることだ。

 

 

つまり鳥のように飛ぶという事だ、

 

なるほど・・・・・。

 

 

そこで父はイカロスに2つの忠告を与えた。

 

 

1、蝋が湿気でバラバラにならないように

 

  海面に近づいてはいけない。

 

 

2、蝋が熱で溶けてしまうので

 

  太陽にも近付いてはいけない。

 

 

ところが、イカロスは翼を背負い

 

嬉しくて、嬉しくて、たまらない、

 

 

太陽にドンドン近づいてしまったのだ。

 

イカロスの気持ちが良く分かる。

 

 

さてさて、太陽に近づいた翼は

 

父の忠告通り、熱で蝋が溶けて、

 

解体しまったのだ。

 

 

その結果、イカロスは墜落して

 

死んでしまったという、

 

可哀相な話なのだ。

 

 

さて、この絵の場面は、

 

まさに翼を付け太陽に向かって

 

飛び立とうとしている。

 

 

手に持っているのは、

 

太陽神へのお土産なのかもしれない。

 

 

この神話には、

 

人間のごう慢さは自らを破滅に導くという

 

戒めの意味があったという。

 

 

だが、しかし、常識にとらわれず、

 

自らの手で翼を作り、

 

チャレンジしてほしい。

 

 

それは若いからこそできることなのだ。

 

 

私は若者の前向きのチャレンジ精神には

 

いつでも応援したい!!

 

 

今晩の 

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

もっと頑丈な翼で天空を飛んでみたい・・・・・


 

 

 

 

 

モネ「モンソー公園」

画面いっぱいに拡がるこの赤い花は何だろう。

 

 

今が盛りとばかりに、

 

こんな風に勢いよく咲いている。

 

 

季節はいつなんだろう。

 

赤と緑と空がまぶしい。

 

          

 

この絵はクロード・モネの描いた

 

「モンソー公園」である。

 

 

この赤い花が咲く大きな木は、

 

マロニエのようだ。

 

 

マロニエは

 

ヨーロッパでは街路樹や公園の樹木として

 

よく植栽されている。

 

 

私はこんな大木のマロニエを見たことがない。

 

 

こんなにたくさんの花を付け、

 

葉も青々と深く生い茂っている。

 

 

中央に、のんびりと手をつないで

 

散歩している親子。

 

 

マロニエの木陰にいる人は本を読んでいるのか、

 

うまい具合に陽が遮られ、

 

涼やかな風が吹いていることだろう。

 

 

それにしてもモネはこんなにも大胆なタッチで、

 

アバウトに言えば粗い点描のような描き方で、

 

素晴らしい風景を描き上げた。

 

 

太陽の明るく温かい光と、

 

黄土色の道路、赤い花、柔らかい黄緑色の木々、

 

 

それらが、ひとつになって何とも言えない、

 

柔らかさを醸しだしている。

 

私も、このモンソー公園を訪ねてみたくなる。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 


このマロニエの木の下で・・・・・

 

 

 

 

 

モネ「睡蓮、水草の反映」

雨がジトジトと降り続いたかと思えば、

 

ムシムシと30度の暑さで汗が噴き出る。

 

 

それが梅雨、といえば仕方がないのかもしれない。

 

 

そんな時に、目に留まったのがこの絵だ。

 

 

なんという涼しさだ。

 

 

この絵はクロード・モネの描いた

 

「睡蓮、水草の反映」である。

 

 

水草が覆いかぶさるように、

 

睡蓮の上にゆらめいている。

 

 

睡蓮は黄色い雄しべを持った真っ白な花を

 

いくつも咲かせ、

 

 

葉は淡い緑やピンクで

 

柔らかく可愛らしく浮かんでいる。

 

 

この水辺には、涼しいそよ風が吹いているようだ。

 

 

なんて優しい絵なのだろう。

 

 

たくさんの睡蓮を描いてきたモネだが、

 

この絵は彼が70歳を過ぎてから

 

描いたといわれている。

 

 

人間、歳を重ねていくと

 

少しづつ優しく穏やかになっていくという事なのか・・・

 

 

睡蓮の花はちょうど今頃が見ごろ、

 

ジヴェルニーのモネの池には

 

今、どんな睡蓮の花が咲いているのだろう。

 

 

このうっとうしい梅雨を、

 

モネの優しく涼やかな絵で、

 

一時、忘れていただけたら嬉しいです。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

ジヴェルニーのモネの池に咲く

 

睡蓮の花を見に・・・・・

 

 

 

 

 

ルーベンス「パエトンの墜落」 

人間と馬が天から

 

真っ逆さまに降ってきているかのような、

 

しかも激しく入り乱れて、

 

 

一体何が起こっているのだ。

 

 

天空からは鮮烈な光が、

 

雷撃にでも撃たれたかのようだ。

 

 

4頭立ての馬車は転覆し、

 

人が放り出されている。

 

 

この絵はルーベンスの描いた

 

「パエトンの墜落」である。 

 

 

人気の高いギリシャ神話の一場面なのだ。

 

 

よく見ると、馬がねじれながら突っ込み、

 

人も激しく折れ曲がっている。

 

 

描かれている人はほとんどが女性で、

 

背中には蝶の翼を付けている。

 

 

この女性たちは、どうやら妖精のようだ。

 

 

この絵の主人公パエトンは、

 

馬車から放り出されている男性だ。

 

 

何と無様な格好なのだろう。

 

 

この激しく衝撃的な、

 

そして不思議な場面に興味をそそられ、

 

神話の内容を紐解いてみた。

 

 

この絵の主人公パエトンは

 

太陽神アポローンの困ったバカ息子なのだ。

 

 

父アポローンにわがままを言い、

 

父の太陽の二輪車をいきなり貸してくれとは、

 

 

訓練の経験もなく、乗りこなす技術もないのに・・・・

 

 

全能の神ゼウスさえ、この二輪車を乗りこなすのは

 

難しく無理だといわれていた。

 

 

だが、駄々をこね、無理やり、

 

その二輪車に乗り込んでしまった。

 

 

パエトンはワクワクしながら太陽の二輪車に飛び乗り、

 

誇らしげに馬の手綱をとり、

 

闇の天空を光で切り裂いて走らせたのだ。

 

 

「なんという素晴らしさ!

 

今、この闇を切り開いているのは、

 

今日は俺なのだ!」と、

 

 

やがて、二輪車は制御を失い暴走しはじめ、

 

いつもの軌道をどんどん外れていってしまった、

 

 

馬は不安定な操縦で跳ね上がったので、

 

ある時は、太陽の馬車があまりにも

 

遠くに行っために地球が凍ってしまったり、

 

 

ある時は二輪車は地面に近づきすぎて、

 

表面が熱せられ焦がされてしまったり。

 

 

海に近づき太陽の熱によって、北極も溶かし始め、

 

大きな街の城壁や塔も焼け落ち、

 

たくさんの国と住民も焼き尽くされて灰となっていった。

 

 

山々は炎に包まれ、

 

地表の川や海も熱で干上がりはじめていた。

 

 

そこで、宇宙の調和と秩序を表す、

 

季節を人格化する蝶の翼をした複数の妖精が

 

太陽の二輪車に挑み、軌道に戻そうとしている。

 

 

あらゆる神々からの苦情を受け、

 

全能の神ゼウスは

 

宙を完全に破壊することを避けるために

 

パエトンを狙って雷鳴を放ったのだ。

 

 

すると、雷撃に撃たれたパエトンは

 

手綱を放してしまい、

 

 

太陽の二輪車は崩壊され、馬が脱落し、

 

パエトンは真っ逆さまに墜落し死ぬこととなった。

 

 

このようにルーベンスによって、

 

ギリシャ神話の一場面が、

 

とても分かり易いものになっている。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

この太陽神アポローンの太陽の二輪車に乗って、

 

天空を駆け巡りたい・・・・・

 

 

 

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ルーベンス「セネカの死」

金ダライの中で、腰布一枚で老人が立っている。

 

なんと痛ましい姿なのだろう。

 

 

眼光は鋭く、何かを訴えようとしている。

 

 

この老人は一体、誰なのだろう。

 

     

 

あられもない姿だが、筋肉は隆々として、

 

まるで若者のようだ。

 

 

しかし、顔には悲壮感が漂っている。

 

 

髪の毛は薄く、白髪が混じり、

 

どう見ても若者ではない。

 

 

この絵はピーテル・パウル・ルーベンスの描いた

 

「セネカの死」である。

 

 

この老人はセネカだった。

 

 

セネカといえば、中世の三哲人の中の一人、

 

アリストテレス、プラトン、そしてセネカなのだ。

 

 

ローマ皇帝で暴君といえばネロ、

 

そのネロの幼少期の教育の師としても知られている。

 

 

それだけではなく政治のブレーンとしても、

 

彼は若いネロを支えた人なのだ。

 

 

そのセネカがどうして

 

このような姿になってしまったのか。

 

 

セネカとネロの関係は初めこそ良かったものの、

 

次第に、

 

初めのような良い関係が保てなくなっていった。

 

 

暴君ネロについて行けなくなったということか。

 

 

一方、暴君ネロについても批判が強まり、

 

暗殺の陰謀がうわさされ、

 

それを企てたのがセネカという声も上がっていた。

 

 

ネロは信頼を裏切られたと勘違いをし、

 

セネカに自害を命じたのだ。

 

 

その時の情景がこの一枚である。

 

 

だから、この悲壮感か・・・

 

セネカはどんな思いでここにいるのだろう。

 

 

手を少し上げ、ギラギラとした目で、

 

何かを訴えているようにも見える。

 

 

あまりにも悲劇的な最期を遂げたセネカの死は、

 

注目の的となり、

 

多く画家に「セネカの死」として描かれている。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

このセネカの最期の叫びを聞きに・・・・・

 

 

 

 

 

ボッティチェリ「パビリオンの聖母」

この柔らかいピンク色は、

 

何と幸せな気持ちにさせるのだろう。

 

 

絵、全体がピンク色に染まっているようだ。

 

 

真ん中に立っている女性は聖母で、

 

天使の女性に支えられているのが幼な児イエスだ。

 

 

あと2人の天使がそれぞれにカーテンを開けている。

 

 

この絵はボッティチェリの描いた

 

「パビリオンの聖母」である。

 

  

 

聖母の頭上にあるのは天蓋で、

 

これでパビリオンと名がつけられたのだろう。

 

 

この作品は直径65cmの円形をしていて、

 

この形がピンク色と共に、

 

何とも言えない幸せ感を醸し出している。

 

 

天蓋の下の開かれたカーテンの

 

向こう側には欄干があり、

 

 

その向こうには緑の木々や山が見え、

 

きっと、この窓からの眺めは素晴らしいことだろう。

 

 

このように背景に遠くの風景を描くのは、

 

有名な絵にもあったような気がする。

 

 

幼な児イエスは

 

手に何か、おもちゃのような物を持ち、

 

聖母に話しかけている。

 

 

聖母マリアは優しい眼差しで、

 

そのおもちゃを渡したのかもしれない。

 

 

何とも言えない愛が溢れた聖母とイエスの姿に

 

観ているこちらも優しい気持ちになってくる。

 

 

この様に、聖母マリアの絵は

 

穏やかで慈愛と優しさに

 

満ちあふれた表情が描かれる。

 

 

しかし、イエスが将来歩むであろう茨の道を憂い、

 

虚ろな表情も垣間見れるといわれている。

 

 

それがボッティチェリの独特の表現のようだ。

 

 

はたしてこの絵からも

 

そんな聖母の心境が見て取れるだろうか。

 

 

今晩の 

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は 

 

この慈愛に満ちた聖母のそばに・・・・・

 

 

 

 

 

ボッティチェリと工房「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」

赤い帽子を冠った、このイケメンの男性は、

 

一体、だれ??

 

 

やや斜めを向き、

 

涼しげな眼差しをこちらに向けている。

 

   

 

この絵はサンドロ・ボッティチェリが描いた

 

「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」である。

 

 

肩に切り替えのある黒いジャッケト、

 

赤と白のシャツと、

 

とても、オシャレないでたちだ。

 

 

そしてカールした長い髪に

 

赤い縁なし帽がとてもよく似合っている。

 

 

この髪型と服装は

 

当時のフィレンツェの富裕階級にある男性が

 

好んで身に付けていたようだ。

 

 

ボッティチェリは、

 

イタリア・フィレンツェを代表する画家で、

 

 

15世紀後半、

 

フィレンツェの絶対的な権力者だったメディチ家の

 

お抱え画家でもあった。

 

 

その為、メディチ家の男性の肖像画を

 

数多く描いている。

 

 

このモデルは特定はされていないが、

 

メディチ家のロレンツォ・トルナブオーニだった、

 

といわれている。

 

 

ボッティチェリは、

 

こうしたメディチ家との係わりの中で、

 

少なからず影響を受けていった。

 

 

良い思いもしたが

 

晩年は

 

メディチ家の抗争に巻き込まれていったようだ。

 

 

人生というものは予測ができないものだ・・・・

 

 

この恰好のいいイケメンのモデルも

 

その後、どんな人生を歩んだのだろう。

 

 

ちょっと気になる。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は

 

このモデルのその後を確かめに・・・・・

 

 

 

 

 

 

ダヴィッド「サビニの女たち」

槍を持った男たちが大勢いる。

 

何か戦いが起こっているのか。

 

 

その中に白いワンピースの女性が一人、

 

大きく手を拡げてている。

 

 

何と勇気ある女性なのだろう。

 

 

この絵はジャック=ルイ・ダヴィッドの描いた

 

「サビニの女たち」である。

 

 

これは古代ローマ創世時の

 

伝説的エピソードを描いている。

 

 

国の創設のためには、大勢の女性が必要だった。

 

それは子孫を残し国を繁栄させるためだ。

 

 

その手段として、近隣の部族を様々な理由で誘い、

 

未婚の女性を略奪したのだ。

 

 

なんと恐ろしいことだろう。

 

 

ローマ人によって未婚の女性を略奪された

 

サビニの男たちが、

 

女性を奪い返そうと、

 

 

何度かローマ市内へ攻め入るものの、

 

失敗に終っていた。

 

 

絵には、多くの長槍が描かれ、

 

この戦いの激しさが伝わってくる。

 

 

中央にいる白いワンピ-スの女性は

 

サビニから略奪されて、

 

ローマ王の妻になった女性なのだ。

 

 

夫と父の間に手を広げ割って入り、

 

戦いを治めようとしている。

 

 

何という残酷な立場なのだろう。

 

 

自分の乳飲み子をそこに置いて

 

身体を張って必死に仲裁したのだ。

 

 

右側には、槍を振りかざしながら、

 

サビニ王を攻撃しようとする

 

勇猛な夫のローマ王・ロームルスの姿が、

 

 

左側には盾で攻撃を防ごうとする

 

父のサビニ王が描かれている。

 

 

しかし、激しい戦いばかりが描かれているのではない。

 

右端の戦士は既に剣を鞘に収めようとしている。

 

 

その他の女性たちも、子供たちを持ち上げたり、

 

戦士の足元に身を投げ出している。

 

 

さらに遠くでは拳が突き挙げられ、

 

幾つかの兜が振りかざされている。

 

 

この女性たちの平和に向かおうとする

 

勇気ある行動も描かれているのだ。

 

 

この様な経過を経て

 

サビニ人はローマ人と

 

1つの国家を形成することに合意していったのだ。

 

 

ダヴィッドは1796年からこの作品にとりかかり、

 

愛は対立に打ち勝つという主題でこの絵を描いたとか。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は

 

このローマ帝国誕生の過程を見守りに・・・・

 

 

 

 

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ダヴィッド「マラーの死」

この人は男性か? 

 

それとも女性なのか?

 

 

椅子にもたれかかって

 

気持ちよく寝ているようでもあり、

 

バスに浸かって、ゆったりしているようでもあり、

 

 

一体、どうしたのだろう。

 

 

この絵はジャック=ルイ・ダヴィッドの

 

描いた「マラーの死」である。

 

   

 

良く見てみると、

 

右腕は力なくだらりと垂れさがり、

 

 

下にはナイフが・・・・・

 

 

胸元には血がたっぷり滲んだ布のようなものが・・・

 

これは、殺人事件なのだ。

 

 

一体、マラーとはどういう人物なのだろう。

 

 

そして、何故、

 

このようなことが起こってしまったのだろう。

 

 

一言でいってしまうと、

 

マラーはジャコバン党の革命家だ。

 

 

彼は18世紀に起きたフランス革命で

 

 

マリー・アントアネットを始め

 

数多くの王族を断頭台に送った恐怖政治に加担した

 

革命家としてジャコバン党に属していた。

 

 

この大きな事件は、1793年7月13日に起こっている。

 

 

ジャコバン党に対立するジロンド党が

 

文筆家として活躍していた

 

マラーを暗殺する計画を立てたのだ、

 

 

その先頭に立ったのが

 

「シャルロット・コルディ」である。

 

何とシャルロットは美しい女性だった。

 

 

この美しい女性が、

 

何やら秘密の情報を手に、

 

マラーに近づいたのだ。

 

 

マラーは重度の皮膚病を患っていたために


硫黄風呂に浸かりながら仕事をしていた。

 

 

そこを狙ったのだ。

 

 

マラーの左手には、

 

その時、渡されたメモが握られている。

 

 

赤い血の付いたそのメモが生々しい。

 

 

そして、だらりと下がった右手には

 

物書きとしての意地か、

 

羽根ペンがしっかりと握られている。

 

 

この最期の姿が、受難者イエスのようにも見え、

 

 

同僚のダビットが、マラーを「革命的な殉教者」として

 

追悼する気持ちから、

 

この絵を描いたと云われている。

 

 

とても感動的な話だ。

 

 

今晩の

 

「一人ぼっちのウォークマン」の旅は

 

生前のマラーに会いに・・・・・