ひとりぼっちのウォークマン -3ページ目

クロード・モネ「散歩」

またまた、モネの登場!!

 

 

今まで、モネといえば、「印象・日の出」、

 

「睡蓮」、「積みわら」、「ルーアン大聖堂」、

 

 

などなど、沢山見てきた。

 

 

今回のモネは

 

あまり知られていないかもしれないが、

 

「散歩」を取り上げる。

 

 

広い草原を女性が歩いている。

 

 

少し離れて親子連れも遊んでいるようだが、

 

他には何も見えない。

 

 

ここはパリ北西アルジャントゥイユの

 

対岸に位置する「ジュヌヴィリエ」である。

 

 

左のほうにはポプラ並木が見える、

 

 

先の先まで続いているようで、

 

いかに広いかがわかる。

 

 

そして季節はいつなのだろう・・・・

 

 

春ではなさそうだ、

 

 

ギラギラとした陽の光も感じないので、

夏でもない、

 

 

秋だろう。

 

 

青い空や、少しだけ強い陽射し、

 

そしてこの草原を見ると

 

秋の初め頃かもしれない。

 

 

ポプラの影が草の上に映しだされている。

 

 

青い空と女性とポプラと草原が、

 

この自然の中に一つになって

 

溶け込んでしまったようだ。

 

 

 

この絵が描かれた1870年代には

 

日傘をさす女性をテーマに

 

何作か描いている。

 

 

このモデルの女性は

 

いったい誰なのだろう。

 

 

それは妻のカミーユだという説もあるようだ。

 

 

自然豊かなこの地で、モネは最愛の妻と

 

幸せな生活を送っていたのかもしれない。

 

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

ジュヌヴィリエの草原の中を歩いてみたい・・・・・

 

 

 

 

 

シャガール 「ダフニスとクロエより「牧場の春」」

なんときれいな赤なのだろう。

 

画面全体がピンクのような赤だ。

 

 

左に女性のような顔が、

 

右に男性の顔が。

 

 

この絵はマルク・シャガールの描いた

 

 「ダフニスとクロエより「牧場の春」」である。

 

 

男性は手に花束を持って、

 

女性を大切に包み込んでいるように見える。

 

 

それを見守るかのように緑色の羊だろうか、

 

角のある動物がいる。

 

 

ほかにも、白い小鳥や馬?ニワトリなどが

 

周りを囲んでいる。

 

そして、左下には小さなカップルが・・・・・

 

 

なんと幸せにあふれた絵なのだろう。

 

 

真ん中にいる若い二人を

 

みんなが祝福しているかのようだ。

 

 

 

「ダフニスとクロエ」は神話を基にした小説で、

 

2~3世紀ごろ、

 

ギリシャの小説家ロンゴスが書いたと伝えられている。

 

 

 

その舞台は、エーゲ海に浮かぶレスボス島で、

 

 

山羊飼いに育てられた美少年ダフニスと、

 

隣の牧場で育てられた美少女クロエが

 

お互いに想いを寄せていた。

 

 

数々の試練や困難に立ち向かい、

 

女神や妖精の助けを得ながら、

 

 

やがて、めでたく結ばれるという、

 

牧歌的でロマンティックな物語なのだ。

 

 

 

なるほど、二人の純粋な愛が、

 

この淡いピンクのような赤なのかもしれない。

 

 

山があり、花が咲き、動物がいる、

 

この牧場にも春が来たのだ。

 

 

ダフニスとクロエにも、幸せな春が・・・・・

 

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

 

エーゲ海に浮かぶレスボス島で、

 

この幸せいっぱいな春を満喫したい・・・・・

 

 

 

 

 

イワン・シーシキン 「雨の樫林」

霧雨でも降っているのだろうか。

 

ひとつの傘に寄り添う二人、

 

 

森の中は白いもやがかかっている。

 

そして、大きな樫の木が、そびえ立つ。

 

 

なんてロマンチィックなのだろう。

 

 

この絵はイワン・シーシキンの描いた

 

「雨の樫林」である。

 

 

ずいぶん広大な土地のようだが、

 

ここはロシア、

 

 

この白いもやの先には何があるのだろう。

 

樫林が続いているのか?

 

 

もやの隙間からは、

 

少し明るい光がさしてきているようにも見える。

 

 

 

白いもやがそうさせるのか、

 

ひんやりとした中にも、

 

生暖かい空気が漂っているようだ。

 

 

それがとても心地良くて、

 

こんな所を歩いたら、

 

 

心が落ち着き、そして体の中も

 

どんどん浄化されていくに違いない。

 

 

 

シーシキンはロシアの季節の移り変わりを

 

敏感にとらえようとしていた。

 

 

そして、この森の美しさにも、

 

魅せられていたのだろう。

 

 

 

彼はサンクトペテルブルクの南に

 

ダーチャ(別荘)を構えていた。

 

 

そしてそこは風景画を描く拠点として

 

よく利用していたが、

 

1898年、このダーチャで亡くなっている。

 

 

 

彼は、最期の最期まで、

 

大好きな自然の中に居たのだ。

 

 

とても幸せな人生だったと信じたい。

 

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

この雨の樫林を、誰かと歩いてみたい・・・・・

 

 

 

 

 

コンスタンチン・コローヴィン 「小舟にて」

ここは森の中の静かな水辺。

 

 

小舟を浮かべ、男と女が

 

何やら深刻な雰囲気を漂わせている。

 

 

一体、何があったというのだ。

 

 

この絵はコンスタンチン・コローヴィンの

 

描いた「小舟にて」である。

 

 

場所はロシアのモスクワに近い

 

クライズマ流域の水辺である。

 

 

二人だけで小舟に乗れば

 

そして、静かな水辺となれば、

 

 

そこには二人だけの幸せな世界が

 

あるはずなのに・・・・

 

 

この二人には、そんな幸せ感はなさそうだ。

 

 

 

小舟のへり先に女性が座り、

 

 

中央の椅子には無精ひげを生やし、

 

前面の椅子に帽子を置いて、

 

男性が座っている。

 

 

男性は右手に本を持ち、

 

読んでいるのか、いないのか、

 

うつろな雰囲気だ。

 

 

よく見ると、女性は

 

彼に何かを問いただしているように見える。

 

 

男性は、その話を聞きたくないのか、

 

本に逃げているのかもしれない。

 

 

これは、よくあることといえば、

 

あることだ・・・・・

 

 

本に逃げるしかないのかもしれない。

 

 

 

こんな素敵な場所で、

 

周りには緑の葉が生い茂り、

 

 

川底が見えるぐらいに透きとおる水辺で、

 

 

誰にも聞かれたくない話をする二人、

 

でも、深刻だ。

 

 

水辺に遊ぶ小鳥たちに聞いたら、

 

何か教えてくれるだろうか。

 

 

 

とにかく、

 

この二人に幸せな未来があることを

 

祈るばかりだ。

 

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

素敵な女性とこの水辺へ・・・・・

 

 

 

 

 

イワン・クラムスコイ「忘れえぬ女(ひと)」

なんと美しい女性なのだろう。

 

 

この人は、いったい誰?

 

 

つんとあごを持ち上げ、

 

馬車の上から何を見ているのだろう。

 

 

 

一度、会いたい。

 

会いたいと思って現在に至っている。

 

 

 

この絵はイワン・クラムスコイの描いた

 

「忘れえぬ女(ひと)」である。

 

 

ロシアのモナリザともいわれてる

 

肖像画の傑作なのだ。

 

 

冬の冷たい朝靄(もや)の中、

 

ペテルブルクの町並みを背景に、

 

馬車に乗った女性がいる。

 

 

帽子にはダチョウの羽根飾りと真珠が付いている、

 

豪華な黒い毛皮のコートと、温かそうな手袋を

 

身に付けて。

 

 

どれもこれも豪華だ。

 

 

でも、顔立ちは美しいが、

 

まだ幼さも残っているようにも見え、

 

 

豪華な衣装とのギャップも感じられる。

 

 

 

 

何より、この表情が気になる。

 

この視線の先には誰がいるんだろう?

 

どんな会話をしたのだろう。

 

 

視線の先の男性は、

 

ただひたすら謝っている姿が浮かんでくる。

 

 

という事は、女性にとって、

 

相当、癇にさわることを言ったのかもしれない。

 

 

など、など、

 

想像がどんどん膨らんでくる。

 

 

 

この絵のモデルは、いったい誰なのだろう?

 

 

画家のクラムスコイが制作の動機については、

 

長い間、口をつぐんでいるので、

 

 

ますます、作品の神秘性が増しているのだ。

 

 

 

一説には、このモデルは、美貌の人妻の悲恋を描いた

 

トルストイの『アンナ・カレーニナ』とも言われている。

 

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

この馬車で女性のとなりの席に・・・・・

 

 

 

 

 

ウラジーミル・マコフスキー 「ジャム作り」

おだやかな陽の光が降りそそぐ中、

 

老夫婦が何か作業をしている。

 

 

おじいさんはナイフで

 

果物を剥いているいるようだ。

 

 

おばあさんは、

 

おじいさんが剥いた果物を煮ているのか。


 

この絵はウラジーミル・マコフスキーの

 

描いた 「ジャム作り」 である。

 

 

これはロシアの郊外での一コマなのだ。

 

 

誰もが迎える老後だが、

 

こんなふうに夫婦で仲良く過ごせたら、

 

どんなにか幸せだろう。

 

 

ここは菜園付きのセカンドハウスで、

 

ロシアではダーチャと呼ばれるようだ。

 

 

柵の向こうは畑で、

 

そこには美味しい果物や野菜が

 

たくさん出来るのだろう。

 

 

空き缶で作ったようなカマドに薪をくべ、

 

その上には、真っ黒にすすけ

 

使い古した鍋が置かれている。

 

 

そして、後ろの木には

 

汗を拭いた手拭いが掛けてあり、

 

 

その横には、年季の入ったスコップとホオキが

 

立てかけてある。

 

 

まさに夫婦の歴史がそこにある。

 

 

 

二人は何を話しているのだろう。

 

 

ジャムの煮詰まり具合はどうか、

 

もう少し砂糖を足した方がよいか、

 

 

そんなたわいないことかもしれない。

 

 

決して豪華ではないが、

 

そこには確かな生活がある。

 

 

長年連れ添った夫婦だからこその

 

ゆるぎない幸せのようなものが

 

伝わってくる一枚だ。

 

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

この夫婦が作った熟成されたジャムをいただきに・・・・・

 

 

 

 

 

ムンク「生命のダンス」

空にはま~るい月が、満月だろうか、

 

 

月明りの下で、

 

数人の男女が楽しそうに踊っている。

 

 

海辺のダンスパーティか?

 

 

この絵はエドヴァルド・ムンクの描いた

 

「生命のダンス」である。

 


 

 

連作テーマ「生命のフリーズ」の代表作の一枚だ。

 

 

「生命のダンス」とは?

 

ムンクは一体何を描こうとしたのだろう。

 

 

単なるダンスではない。

 

生命のダンスなのだ。

 

 

気になるのは両端の女性だ。

 

 

右側の女性は、黒いドレスで、

 

頬がこけ、少しやつれて見える。

 

 

リズムに乗ることもなく、

 

手を前に組み頑なに突っ立っている。

 

 

左の女性は白い華やかなドレスで

 

「私も踊りたい!!」と、

 

うらやましそうに見ている。

 

 

何と対照的なのだろう。

 

 

真ん中の赤いドレスの女性は、

 

もう二人だけの世界、

 

周囲など全く気にしていない。

 

 

とても情熱的だ。

 

 

赤いドレスの裾は

 

男性の足元を包み込み、

 

誘っているのだ。

 

 

この様に

 

三者三様の女性たちを見ていると、

 

女性の一生を見せられているようだ。

 

 

3人の女性を通して、

 

女性の人生における様々な段階を

 

表現しているのかもしれない。

 

 

若い娘時代、成熟した大人の女性、

 

そして老いていく時代だ。

 

 

それは誰もが通る道なのだ。

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、 

 

この海辺で情熱的なルンバを・・・・・

 

 

 

 

 

ムンク「絶望」

なんて暗い絵なのだろう。

 

 

しかし、空とおぼしき部分は、

 

赤と黄色の縞だ。

 

 

そして町は紺色、森は深い緑。

 

そして赤い橋。

 

 

この絵はエドヴァルド・ムンクの描いた

 

「絶望」である。

 

 

黒い塊のような男がひとり、

 

全く表情がない、

 

 

目もおかしくフリーズしたままだ。

 

 

 

ムンクといえば、

 

「叫び」 を以前取り上げたが、

 

 

これは”生命のフリーズ”と題された

 

エーケベルグ(丘)三部作で

 

「叫び」「不安」「絶望」の中の一つなのだ。

 

 

 

夕焼けとは綺麗なもので

 

明日への希望も湧くものだが、

 

 

この空の赤は波打った横縞で、

 

不気味さを感じる。

 

 

見ようによっては血のようにも見える。

 

 

そして紺色の町並みは恐ろしいものが

 

渦巻いているようだ。

 

 

 

橋の向こうには

 

男が二人背を向けている。

 

 

ムンクはこの男たちと何かいさかい?

 

でもあったのだろうか。

 

 

それとも、相当ショックな話を

 

聞かされたのだろうか。

 

 

迫り来るような赤と黄色の空と、

 

飲み込まれそうな紺色の街並みが、

 

 

それを物語っている様だ。

 

 

 

ムンクはエーケベルグ町で、

 

どんな暮らしをしていたのだろうか。


 

相当、辛く悲しいことが

 

あったのかもしれない。

 

 

立ち上がれないほどの

 

不安と絶望の淵に

 

立たされていたのか・・・・・

 

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

 

絶望の中にいるムンクに優しい一言を・・・・・

 

 

 

 

 

ルーベンス「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」

古代アテネの王ケクロプスには

 

3人の美しい娘がいた。


 

その三姉妹は父親の留守の間に、

 

女神アテナから「絶体、中を見てはいけない」と、

 

1つの籠を預かった。

 

 

その中身とは ???

 

 

この絵はルーベンスの描いた

 

「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」

 

である。

 

 

これはギリシャ神話の一場面である。

 

 

そういえば日本にも、

 

そんな昔話があったような気がする。

 

 

見てはいけないといわれると

 

見たくなってしまうのだ。

 

さて、この姉妹たちはどうしたのだろう。

 

 

それにしても、

 

なんと艶ややかな三姉妹なのだ、

 

溢れんばかりの女性らしさに眩しくなる。

 

 

さて、預かった籠をどうしようか、

 

開ける・・・ 開けない・・・・・

 

でも見たい。

 

 

結局、開けてしまったのだ。

 

 

中に入っていたものは

 

幼子と大蛇、

 

 

幼子は良しとして、

 

何故、大蛇などという

 

恐ろしいものが入っていたのか。

 

 

それは、幼子に蛇を巻き付けて籠の中で育てた、

 

つまり、幼子を守る不死伝説からきているのだ。

 

 

その結果、

 

籠を開けてしまった三姉妹は無惨にも

 

幼子を守っていた大蛇に

 

噛み殺されてしまったのだ。

 

 

日本昔話では、どうだっただろう。

 

 

やがて、

 

女神アテナの神殿で育った幼子は、

 

成長して古代アテネの王となる。

 

 

脚が不自由だった彼は、

 

父親譲りの鍛冶の技術で、

 

四頭立ての二輪戦車を発明した。

 

 

それゆえ星座のぎょしゃ座は

 

幼子の名前から

 

エリクトニオスといわれている。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

 

”ぎょしゃ座”エリクトニオスを見る旅に・・・・・

 

 

 

 

 

ルーベンス「マルスとレア・シルウィア」

ここは、お城なのか、それとも神殿か?

 

こんな厳かな場所で、

 

ただならぬことが起きているようだ。

 

 

たくましい男性が美しい女性を

 

襲おうとしている。

 

 

 

この絵はピーテル・パウル・ルーベンス

 

の描いた「マルスとレア・シルウィア」である。 

 

 

この様な恐ろしい場面だが、

 

周りには天使たちが・・・・・

 

 

なんて可愛いのだ。

 

 

左の天使は恐ろしい男の兜をもって、

 

何やら協力しているのか。

 

 

真ん中の天使も男の袖をもって

 

けしかけているようにも見える。

 

 

これはローマ神話の一場面である。

 

 

神話によると、

 

この恐ろしい男は戦いの神、マルスだ。

 

 

この美しい女性は国王の一人娘、

 

王女レア・シルウィアで

 

彼女は神に仕える巫女なのだ。

 

 

軍神マルスは神殿で働く

 

シルウィアを見初め、

 

 

どうしても会いたいと、

 

雲に乗って現れたのだ。

 

二人の可愛い天使を従えて。

 

 

ちょっと荒々しく

 

怖い絵のように見えたが、

 

実は、求愛の場面のようだ。

 

 

なるほど、

 

恋のキューピットとは、このことか。

 

 

可愛い天使のおかげか、

 

マルスとシルウィアは、

 

結ばれることが出来たのだ。

 

 

そして、その後、

 

双子の子を授かることになる。

 

 

さて、その後が気になるところだが、

 

この双子は波乱にとんだ人生を経て、

 

 

成人し、ロムルスとレムスと名付けられ、

 

ローマの伝説上の建国者となったのだ。

 

 

マルスとレア・シルウィアが

 

結ばれたことによって、

 

 

あのローマ帝国の礎ができたというわけだ。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

 

この求愛の場面の立会人として・・・・・