ダヴィッド「マラーの死」
この人は男性か?
それとも女性なのか?
椅子にもたれかかって
気持ちよく寝ているようでもあり、
バスに浸かって、ゆったりしているようでもあり、
一体、どうしたのだろう。
この絵はジャック=ルイ・ダヴィッドの
描いた「マラーの死」である。
良く見てみると、
右腕は力なくだらりと垂れさがり、
下にはナイフが・・・・・
胸元には血がたっぷり滲んだ布のようなものが・・・
これは、殺人事件なのだ。
一体、マラーとはどういう人物なのだろう。
そして、何故、
このようなことが起こってしまったのだろう。
一言でいってしまうと、
マラーはジャコバン党の革命家だ。
彼は18世紀に起きたフランス革命で
マリー・アントアネットを始め
数多くの王族を断頭台に送った恐怖政治に加担した
革命家としてジャコバン党に属していた。
この大きな事件は、1793年7月13日に起こっている。
ジャコバン党に対立するジロンド党が
文筆家として活躍していた
マラーを暗殺する計画を立てたのだ、
その先頭に立ったのが
「シャルロット・コルディ」である。
何とシャルロットは美しい女性だった。
この美しい女性が、
何やら秘密の情報を手に、
マラーに近づいたのだ。
マラーは重度の皮膚病を患っていたために
硫黄風呂に浸かりながら仕事をしていた。
そこを狙ったのだ。
マラーの左手には、
その時、渡されたメモが握られている。
赤い血の付いたそのメモが生々しい。
そして、だらりと下がった右手には
物書きとしての意地か、
羽根ペンがしっかりと握られている。
この最期の姿が、受難者イエスのようにも見え、
同僚のダビットが、マラーを「革命的な殉教者」として
追悼する気持ちから、
この絵を描いたと云われている。
とても感動的な話だ。
今晩の
「一人ぼっちのウォークマン」の旅は
生前のマラーに会いに・・・・・
