ひとりぼっちのウォークマン -32ページ目

ラファエロ「聖家族と仔羊」

この絵は聖母マリアと父親ヨセフの前で

仔羊にまたがって遊んでいる幼子イエスを

描いている。

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仔羊は、宗教儀式の「いけにえ」として

使われていて、

ここではイエスが、将来、人々のために

犠牲となることを暗示している。


親子3人の幸せそうな絵のようではあるが、

どこか悲しげな表情に見える。


イエスを見つめるマリアとヨセフの眼差しが、

とても気になる。


立っていられないのか、杖に支えられて

今にも崩れそうなヨセフ。


マリアは慈愛にみちた表情で、

イエスに手を携えている。


これから訪れる運命を受け入れようと

しているのか、

イエスも、マリアとヨセフに応えようとしている。


親子3人の絵からは幸せな家族の象徴を

想像してしまうが、

そんな幸せ感を感じることが出来ない。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

マドリッドのプラド美術館へ




ラファエロ「アテネの学堂」  

明日は3月11日、

東北大震災から、もはや2年だ。


あの日のことは、それぞれの胸に

生涯忘れられない出来事として、

残っているはず。


その日、日本は身体の半分を失った。


私達は、失った身体の半分を

早期に機能回復させなければならない。


しかし、復興は、まだまだ進んでいない。

一日も早く、一刻も早く

再生・復興したいものだ。


再生・復興というとルネッサンスである。

今回はルネッサンスを象徴する

ラファエロ「アテネの学堂」を取り上げた。


この絵は、プラトン、アリストテレス、

ソクラテス、ピタゴラスなど、

古代ギりシャの偉人・哲学者を一同にあつめ、

人類の英知を壮大に描いたものだ。

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ルネッサンスとは、

14~16世紀にイタリアを中心に、

西欧で起こった古典古代文化を

復興・再生しようとする運動である。


この絵は、ラファエロがヴァティカン宮殿の

依頼で描いたものだ。


なんとダイナミックで、夢のある絵

なのであろう。

まるで壮大で華麗なオペラの舞台のよう。


幅8メートルの壁画に、

古代ギリシャの賢人が50名以上も

描かれている。


その賢人に成りすましているのは、

ダヴィンチや、ミケランジェロ、

そして、ちゃっかりとラファエロ自身である。


まさに役者総出演の大サービスで、

オペラならフィナーレの一コマである。


このような古代ギリシャの賢人達が、

東北の復興に何か知恵を貸して

くれていたなら・・・

どうなっていただろうか?

何か違っていたかも知れない。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」は、

被災地の一日も早い再生と復興を

願っています。






ルーベンス「眠る二人の子供」

仲良くひとつの布団にくるまっている

子供の寝顔は、

なんと愛らしいのだろう。


髪の毛がゆるやかにカールした、

可愛い赤ちゃんがスヤスヤとねむっている。


今日の作品は

ルーベンスの「眠る二人の子供」である。

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この二人は、

ルーベンスと仲の良かった兄の子で、

クララとフィリップである。


二人は一歳違いの姉弟で、

ルーベンスが特別に可愛がっていたようだ。


ふっくらとしてはちきれそうな頬は

とても健康そうで、可愛い。


周りの人々の愛情をたくさん受けて、

幸せイッパイに育っている感じがする。


あまりにも可愛いので、

頬っぺたをツンツンしたくなる。


二人を見ていると、

こちらまでが幸せな気分になってくる。


ルーベンスもきっと、

二人が、たまらなく愛おしく、

この絵を描いたのだろう。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

二人の生まれ育ったフランドル地方へ



ルーベンス「ロムルスとレムスの発見」

世界的な名画が、公開で修復された。

そんなことがあるのだろうか。


昨年12月に「世界最古の博物館」として

知られるローマのカピトリーナ絵画館で、

それが行われたのである。


その絵は

ルーベンスの「ロムルスとレムスの発見」だ。

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この絵に描かれているのは、

オオカミに育てられた双子の兄弟で、

この兄弟は古代ローマを建国したとされている

ロムルスとレムスである。


これはローマ建国神話で、

王位継承争いに巻き込まれた兄弟が、

裏切り者の叔父によって川に流された。


その後、兄弟はオオカミの乳を飲んで

生き延び、

羊飼いに拾われて育てられた。


やがて、この兄弟は、

ローマを建国することになる。


絵の中の幼子の肌はとても柔らかく、

神々しいほどの輝きを放っている。


その後の活躍を暗示する輝きなのだろうか。


絵の右上は兄弟を発見した羊飼いで、

左上の男性は川の精霊。

女性は川の妖精とも、

生母のレア・シルウィアともいわれている。


神話とは、なんと興味深く、引き込ませるもの

なのだろう。


この絵は、

3月9日からBunkamuraで開催される

ルーベンス展にて初公開されるようだ。



今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は


世界最古の博物館へ・・・



ラファエロ「小椅子の聖母」

この絵は美しく豪華な額縁の中に

丸くおさめられている。


描かれているのは

聖母マリア、幼子キリストと、

聖ヨハネである。

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このような円形の絵をトンドといい、

当時の風習として出産記念など、

贈答用に製作されることが多かったようだ。


母子の理想像として、このような絵を、

贈答するのは、とてもいいと思う。


なんと優しいまなざしの母親なのだろう。

そして、なんと若くて美しいのだ。


じっとしていられない幼子を

しっかりと抱きしめている。


母と子の温もりがじんわりと伝わってきて、

こちらまで安らぎをおぼえる。


この絵は、ラファエロが、

ローマの路地で見かけた、

美しい母親と可愛い二人の幼子を、


近くに落ちていた古いワイン樽の蓋に、

スケッチしたものといわれている。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

ルネッサンスのローマへ・・・




ラファエロ「エゼキエルの幻視」

ラファエロが名声を確立した

円熟期の作品である。


この絵は四大預言者の一人である

エゼキエルが見た幻を

描いたものである。

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彼はバビロンの川岸で、

神を見たといわれている。


この絵の中で、

両手を広げ筋骨隆々としたのが神で、

その神を取り巻くのは新約聖書を書いた

4人の福音書記者である。


4人の福音書記者というのは、

マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネのことで、

彼らは翼を持った、人間、ライオン、牡牛、鷲に

姿を変えている。


なんとスケールの大きい迫力のある絵なのだ。


二人の天使が福音書記者と共に

神を護りながら雲に乗って、

天から舞い降りる姿に出逢えたら・・・・・


これほど感動することはないだろう。


ラファエロと言えば、聖母子の画家として、

知られているが、


このようなスケールの大きい、

激しい情熱のある絵を描くとは・・・


ラファエロがますます好きになった。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

古代メソポタミアのバビロンへ・・・






注: 絵を大きくして観たい方は、
絵の画面をクリックすると少し大きくなります。
さらに大きくするには、キーボードで、
左指でCtrlを押しながら右指で+を押すと、
押すたびに、10倍まで拡大できます。
縮小はCtrlを押しながら-を押すと、
順次、縮小されます。

ラファエロ「大公の聖母」

ラファエロは多くの聖母子像を描いたことから

「聖母子の画家」といわれている。


今日取り上げた作品は、

今回の美術展の目玉でもある。


この絵は、幼子イエスを抱いたマリアを

描いたものだ。


暗い背景の中から、

浮かび上がる聖母子の姿は、

なんと穏やかで優しく

慈愛に満ちた表情なのだろう。

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なぜ、聖母子像が多く描かれたかというと、

古代宗教では母性信仰が

取り込まれたことから、


神の子を産んだマリアへの

信仰によるもののようだ。


「大公の聖母」の名前の由来は、

トスカーナ大公であったフェルディナント3世が、

この絵をとても気に入って、

大切にしていたからだといわれている。


ラファエロは9歳のときに母親を亡くしている。

その悲しみの深さは計り知れないものが

あっただろう。


尊敬する偉大な母を深く深く愛し、

崇拝するまでに至ったのか・・・・・


この聖母子像からは、

そんなラファエロの心境も感じられる。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

フィレンチェ、パラティーナ美術館へ・・・






ラファエロ「自画像」

ラファエロ展は日本で観ることが

出来るのだろうか?

と、長い間、待ち望んでいたが、

やっと実現。


3月2日から国立西洋美術館で

開催されることになった。


今回のような大規模なラファエロ展は、

他に例がなく、ヨーロッパ以外では日本が

初めてのようで、とても楽しみしている。


この絵はラファエロ・サンティが23歳のときに

描いた自画像である。

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彼はルネッサンスの三大巨匠の一人

といわれ、

レオナルド・ダ・ヴィンチや、ミケランジェロと

肩を並べるほどの画家だった。


巨匠と言われる彼だが、

この自画像は

どこかナイーブで中性的な美しい人だ。


性格も社交的で、いろいろな人に

愛されていたようだ。


37歳という若さで生涯をとじたが、

その名声の偉大さと、

残した作品の多さには驚かされる。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

フィレンツェへ・・・




ゴッホ「花咲くアーモンドの枝」

これは梅の花だろうか?

ゴツゴツした枝ぶり、白い花、

とても日本的な感じがする。


ところがこれはアーモンドなのだ。

ゴッホのイメージとは大分違うので驚いた。


青空を背景に、

春の訪れとともに花開く

アーモンドの枝を描いたものである。

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これはゴッホが亡くなる半年前に、

弟夫婦の息子の誕生を祝って描いた

と言われている。


抜けるような青空に、

アーモンドの白い花は、

幼子の将来が大きく花開くこと

を願い、


この力強い枝は、幼子と弟の永遠の絆を

現しているのかもしれない。


可憐な中にも、美しく生命力にあふれた絵だ。


この絵はゴッホの親族が一番大切に持って

いたものだが、


長い年月を経て、

ゴッホ美術館が創設されることになり、

一般にも知られるようになった。


家族の絆を描いたこの絵は、

私にとっても大切な一枚にしたい。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

アムステルダムへ・・・




ゴッホ「糸杉」

メトロポリタン美術館展が

東京都美術館で開催されていた。


今回の美術展では、なんと言っても

ゴッホの「糸杉」が目玉だろう。

私も、これを観たくて行ってみた。


この絵は、ゴッホが南仏の療養所に

入院した直後に描いたものである。


この糸杉は療養所の近くに生えていたもので、

彼はこれを毎日見て過ごしていたのかも

しれない。

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まるで炎のようだ。

大きくうねり、天まで届くかのように

画面には納まりきれず、

上に突き破って描かれていた。


しかも、感情をたたきつけるかのように、

何度も、何度も、塗り重ねられていた。


画面全体から、

荒々しいほどの感情の高ぶりが、

感じられる。


その迫力に圧倒された。


ゴッホは、生きるということを

表現したかったのか、

それとも、死を描きたかったのか・・・


精神的に苦悩していたゴッホは、

前の一本は自身を、後ろの1本は

最後まで支えてくれた弟を思って

描いたともいわれている。


とても引きつけられた一枚だった。


今晩の「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

南フランスへ・・・