我々の文化の中で
最強は誰?

その問いに
アルフレッド・アドラーは
「赤ちゃん」と答えます。

赤ちゃんは
その弱さゆえに
他者を支配するし、
他者から支配されることが
ないから、と。



大人は赤ちゃんの
世話をするもの。

世話をしない、という
選択はしないことが
一般的です。

その意味では
大人は赤ちゃんに
支配されています。



相手を支配したい。
相手に注目されたい。

あれこれ試しても
効果がない。

でも、どうしても欲しい。

そんなときに
弱さを武器にしようと
考えることも
あります。

もう赤ちゃんじゃないけど
赤ちゃんレベルに
弱くなれば、得られるはず。

だって、経験あるから。



私の父親は
「弱い自分」を使って
私を支配してました。

私が小学生の頃、
父親に質問されました。

「〇〇って知ってる?」

知っていたので
説明しました。

すると父親は
「そんな説明じゃわからない」
と言って理解しようとしません。

理解するつもりがない人に
いくら説明しても
理解してもらえません。

理解できる説明を
受けられない父親は、善。

父親が理解できる説明を
できない私は、悪。

そんな自分は
ダメな人間だと
本気で思ってました。



反対に
何かあったら訊いてと
父親から言われていたので
訊きました。

「ねえ、〇〇って何?」

すると父親は
質問に答えずに
自分が話したいことを
話してきます。

いつまでも終わらないので
「ねえ、〇〇をおしえてよ」と
伝えます。

すると父親は
「さっきから話してるじゃないか」

それじゃわからない、と言うと

「わからないなんて、おかしいよ。
ちゃんと聞いてればわかるよ。
もっとちゃんと聞いてよ。」

父親の説明を聞いても
わからない私が、悪。

懸命に〇〇について話す父親は、善。

また、私が悪。

父親の役に立てない
ダメな存在です。
死んで詫びるしかないと
本気で思ってました。



父親は
すぐに弱さを利用して
私を支配してきます。

その仕組みに気づくまで
自分はダメ人間だと
思ってました。

父親が私に質問するのは
知りたいからじゃなくて
私を支配することで
得られる快楽が欲しかっただけ。

父親が私の質問に答えるのは
知識を分かち合いたいからじゃんくて
私を支配することで
得られる快楽が欲しかっただけ。

それがわかったときに
父親が
「自分を赤ちゃん化して
相手を支配している」が
鮮明に見えました。



父親が赤ちゃん化を
利用して私利私欲を
満たしていることに気づいてからは
やりとりが変わりました。

「〇〇って知ってる?」

「知ってますよ。(説明)ですよ。」

「それじゃわからない」

「どこがわかりませんでした?」

「わからないから、
わからないと言ったんだ」

「全部がわからないことはないでしょう」

「わかるように話してくれなきゃ困る」

「とにかくわからない、なんて
まるで赤ちゃんじゃないですか」

「赤ちゃんじゃないよ!」

「それなら、どこがわからなかったのか
教えてください」

「もういいよ!
なんて不親切なんだ!」

あなたは弱者ですか?と
訊くと「違う」と答える。

弱者じゃないから、力がある。
力があるなら示してと伝える。

示せないなら
やっぱり弱者と証明しているね。

父親は
自分で自分の首を
しめるようなことになってました。

父親に支配されることは
なくなりました。

30年くらいかかりましたけど。



弱者じゃないのに
弱者を装うことで
相手を支配しようとするのは、

相手を犠牲にして
自分の利益を得ようとすることです。

犠牲が出るやりとりは
悲しいです。

共同体感覚を高めて
感じるしあわせを増やすなら、
弱さを武器にすることなく
対等にやりとりしていきたいですね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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