相手に土足のまま
踏み込みたいときは
「土足で踏み込んでいいですか?」と
訊いて、相手の許可を得ましょう。

許可を得ずに踏み込むと
感じるしあわせは
増えないどころか
減ってしまうからです。



例えば
「早く宿題やりなさい」

宿題をするかどうかは
子の課題です。

宿題をやらないで
後に子が困らないのであれば
子にとって宿題をやらないことは
何も問題ありません。

宿題をやらないで
後に子が困るのであれば
子にとって宿題をやらないのは
問題になります。

問題になるかならないか、は
子の判断です。

自分の課題を
自分の責任で判断する。
自然なことです。



「宿題をやらないと
子はしあわせになれない」と
親が判断を下して
「宿題やりなさい」と言ったなら
相手に土足で踏み込んだ状況です。

子は判断の機会をひとつ失う。

やったらどうなるか。
やらないとどうなるか。
その結末を体験する機会を
ひとつ失う。

親が
子の成長する機会を
奪っている感じです。



言わないと先生から
「家庭でもちゃんと教育してください」と
言われてしまう。

言われたくないから
子に宿題をやらせる。

家で教育できない親と
思われたくないから
子に宿題をやらせる。

自分の安心に
子を利用している感じです。

子の課題を
親の課題に
すり替えている感じです。



例えば
「早く結婚しなさい」

結婚するかどうかは
親ではなく子の課題です。

なのに
「いつまでも結婚しないと
親の自分が恥ずかしい思いをする」
とか

「自分が今のあなたの歳の頃には
もう子供が生まれてた。
自分は早く孫に会いたい。」
とかで、

親自身の課題として
扱われている。



恥ずかしい思いをするかどうかは
親の課題です。

親は「恥ずかしいと思う」をすれば
しあわせになれると思うから
「恥ずかしいと思う」を
自分で選んでしています。

自分でやりたいことを
しているのですから、
「あなたに自分は選ばされた」
みたいに言うのは
実態と違います。

「早く結婚する」が善と決めて
親の自分は「早く結婚する」が
できたから優秀。
子のお前は「早く結婚する」が
できていないから劣悪。

いかに親の自分が優秀かに、
注目して欲しい。

そんな欲のために
都合よく使っている可能性も
あります。



相手の課題に
相手に無断で踏み込んで
「あなたはこうするべきだ」と
言うことは
「善いことしてる」と
感じがちです。

でも、それは
相手の家に無断で入って
「この家はなってない」
「まず間取りがダメ」
「家具がダメ」
「家の材質がダメ」
「キッチン設備がダメ」
とあれこれダメ出ししまくる感じ。

相手をダメにすると
自分の優秀が目立って
注目されやすくなる。

自分の周囲を沈めると
自分の位置は変わらずとも
自分は周囲より高くなる感じ。

「相手より自分優先」してるから
共同体感覚は高まらない。

高まらないから、
感じるしあわせは増えない。



相手に
「土足で踏み込んでいいですか?」と
訊いて許可が下りたとしたら、
その許可を大切にしたい。

なるべく土足にならないように
したくなる。

それは
「宿題、いつまでにやるといいの?」
と訊くことや
「結婚を感じることってある?」
と訊いてみる感じ。

「宿題、明日だよ」
「でも面倒なんだ」

そう反応してくれたら
「面倒ってどこらへんが面倒?」
と相手の心の負担を
共有してあげる。

「結婚とか、今ありえない。
仕事に集中しないと置いてかれる」

そう反応してくれたら
「そっか。仕事うまくいくといいね。」
と理解を示して、支援してあげる。

そうしてあげるのは
「相手の課題を相手のもの」と
扱っているということ。

そして、
自分にはあなたを助ける用意がある、と
伝えられたら、
親は子にとって
頼もしい存在になります。

そうして
親も子も
共同体感覚が高まるやりとりができたら
お互いに感じるしあわせは
増えます。



自分だけの利益に
魅了されて
無許可で土足で踏み込む前に、

相手の利益や
家族などの共同体の利益を
見ていくことで、

無許可で土足で踏み込まずとも、
共同体感覚を高めていけます。

自然と互いに
「相手の課題は相手のもの」が
形になっていきますね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


《関連記事》
親がはめる型は、外せる
感情の目的も気にすると、より幸福になる
恐怖のケーキ
注目されたい執念を満たす方針

【常楽のコーチング】
コーチング、とは。7年目にして思うこと。
コーチングって、刺激の活用
コーチングで最も大切なこと
コーチングの基本:守秘義務
コーチングの基本:評価判断を下さない
コーチングの基本:沈黙OK
コーチングの基本:中断スキルの使用
コーチングの基本:時間管理はコーチがする
コーチングの基盤:アドラー心理学
ACEコーチングのサイト