アルフレッド・アドラーの言う
「共感」とは、

相手の目で見て
相手の耳で聞いて
相手の心で感じること

です。



相手の外から
相手を見て、
相手の状況を
思考を使って
評価することではありません。

自分の立場で
相手の状況を感じることでも
ありません。

相手の中から
相手の今の関心事は何だろう?と
感じようとすることが
「共感」です。



DV・虐待する配偶者に
苦しんでいる頃。

訊かれて話すと、
「大変ですね」と
返ってくることがあります。

深く話すと
お互い大変ですから
「話をした」
「それを聞いた」
「これで話は終わり」
そんな流れになっていると
感じてました。

苦しい状況を
詳しく話すと大変なので
訊かれることも
苦しいことです。

そんな流れで
話が終わってくれることは
私にも助かることでした。



「大変ですね」と言われたとき、
この言葉を言う人によって
違う感覚を感じていました。

その人が自分の立場で
話の中で得た情報で
私を評価して
「大変ですね」と言う。

その人が私の立場に立ってみて
あれこれ思考した結果に
大変だと思って
「大変ですね」と言う。

スルッと話が終わる感じ。
訊かれたから答えたという会話が
普通に終わる感じ。



一方でその人が
私の目から何が見える?
私の耳には何が聞こえる?
私はその状況でどんな気持ちを感じる?
そんな問いを持って
私の立場に立ってみて
同じものを
見て、聞いて、感じてみようとしてみる。

そうして感じた末に
「大変ですね」と口から出てくる。

それを聞いたときには
もう泣きそうな私。

同じ「大変ですね」の
たった一言なのに。



相手は私と
同じものは見ていません。
同じものを聞いてもいません。
同じ状況に立ったことはないから
私と同じ気持ちはわかりません。

それでも、
同じものを見ようとする
同じものを聞こうとする
同じ気持ちを感じようとする、
そう試みる心の姿勢が
「共感」を発動するのですね。



話を聞くときに「共感」を使えば
話した人は
「わかってもらえた感」や
「話したいこと話せた感」を
より多く感じてもらえます。

そんな感覚は
話す人の癒しにつながります。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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