アルフレッド・アドラーは

「人生のあらゆる失敗の原因は、
自分の利益にしか
関心がないことにある」

と言いました。



さらに、

「私(アドラー)は、
人々が互いに協力しあう関係を
最終目標とする
あらゆる活動や努力に賛成する」

とも言っています。

失敗したければ
自分の利益だけを求めれば
実現できる、というわけです。

でも
成功への一歩を踏み出すなら
相手がどうであれ、
相手の利益も大切にしてみようと
行動してみることです。



自分にやさしくしてくれる相手には
自分も相手にやさしくしたくなります。

自分を大切にしてくれる相手は
自分も相手を大切にしたくなります。

反対に、
自分に無関心な相手には
自分からやさしくしたり
大切にしたいと
なかなか思えません。



自分の利益だけを求めると
自分に無関心な人に
やさしくしたり
大切にしようとしたりは
思いません。

自分の利益に
役立つ人にしか
興味がなくなります。

相手を利用しようとするばかりだと
利用されたくない人は
自分から離れていくことになります。



自分の利益を
追い求めすぎると
相手の自己犠牲にも
気付けなかったりします。

自分の利益の実現が最優先ですから
相手に損失が出ても
自分の利益が出ていれば
問題はないと見えてしまうのです。



外勤営業をやっていた頃、
売れるノウハウを
仲間と共有するなんて
考えられませんでした。

企業秘密みたいなもので
仲間も売れてしまうと
他より売れてる自分の価値が下がると
信じていたのですね。

当時、
部下にも教えないようにして
自分の利益を守ることしか
考えてませんでした。

これも、
父親に性被害まで受けて
搾取され続けた経験が
あったからだと思います。



ある時、
一般社員に係長が研修をして
チーム全体の営業力を
向上させようと
ボスが決めました。

「え~~~~」と
嘆く私。

なんで教えなくちゃいけないの?
これ知るために苦労したのに。

おそらく他の係長クラスの人も
思っていたでしょう。



確か5人いた係長は
順番で研修をします。

研修はチーム全体が対象なので
私も受けることができます。

そこで、
他の係長の研修を
受けたときに、
「え、そんなことまで言っていいの?」
とビックリしました。

その係長が実際にやってる
様々な技術やアイデアを
惜しむことなく
共有してくれたのです。

その技術やアイデアを
営業活動に活かしてみると
本当に売れました。

すると、共有してくれた人に
感謝の気持ちが湧きました。

売れる秘密を仲間に共有しても
価値は減らないこともあるのか...

ちょっとわかった感じを得ました。



私が研修する番になり
研修テーマの範囲で
可能な限り自分のノウハウを
仲間に公開しました。

もうこれ以上
出ません、くらいに。

これで自分の価値は
地に落ちた、との感覚を
感じました。

しかし、
仲間は共有されたことを喜び
私に感謝の言葉を
言ってくれました。

不思議な感覚。



その後、私の研修を
営業活動に活かしたら
売れた、と言ってくる人が
出始めました。

他の係長もそうでしたが
私まで英雄扱いされて
びっくりでした。



仲間の成績が上がったために
私の成績は目立たなくなりましたが
「研修して、売れた」という価値が
私に足されたために
職場での私の価値は下がらず
逆に上がった感じです。

自分以外の利益も考える、
自ら与える、とは
こういうことなのか、と
体感した感じです。



相手の利益を考える自分は
相手から見たら
ありがたい存在です。

ありがたい存在には
何か喜ぶことをしたくなります。

そうして
互いが互いの役に立ちたい、と
交流が起きたら、
すてきな関係ですね。

今起きていないなら
自分から起こす一歩を
踏み出すタイミングかもしれません。





お読みいただき、
ありがとうございます、

プロコーチ8年目、常楽でした。



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