「よくできたね」と
褒める前提には
「できないと思ってた」が
あります。

なので褒めるのは
相手を見下すことに
なります。



上下関係で
「上」を取りたいなら
褒めれば取れます。

でも相手が「下」を
受け入れなければ
良好な関係には
なれません。

でも、
自ら進んで
「下」になりたい、とは
なかなか思いませんね。



心の基本姿勢が
上下関係の人は
自分が「下」になりたくないから
褒める行為を選びがち。

自分が先に
相手を褒めてしまえば
自動的に相手が「下」に
なりますから安心です。

でも、
相手と良好な関係に
なりたいなら
褒めることは
避けたいですね。



良好な関係を築けるのは
「対等」です。

上下ではなく横。
相手も自分も同じ、ということ。
差別のないこと。

「対等」は
お互いに勇気づけ合うことで
たやすく実現します。

「よくできたね」と褒める代わりに
それが自分の役に立ったことを
相手に示すことで
勇気づけできます。

例えば、

達成したあなたを見て
自分にもできるはず、と
勇気をいただきました。
ありがとう。

大変な中で
あなたが成し遂げたこと、
私もうれしいです。
困難があっても
諦めなければできるんだ、と
信じることができました。
ありがとうございます。



心理学を学んでいた頃、
セミナー講師が
参加者の前で
私の写真について
評価してくれました。

写真を撮影して差し上げた方から
光栄にも感謝をいただいたり
していたのですが、
このセミナー講師は
そう話す私を信じていなかったようです。

講師は私を指しながら
こう言いました。

「SNSを見たら、
この人はすてきな写真を
撮るんですね。
話だけだと思っていました。
まわりが気を遣って
いいねと言ってるだけだと
思ってました。
あなたいい写真を撮りますね。」

言われてすぐに
この人に見下されていたんだと
感じました。

子を溺愛する親が
子が何しても
ベタ褒めするかのように
私が周囲に甘やかされていたと
思っていたかのよう。

もう少し対等だと
思っていたので、
残念でした。



一方で、こんなことも。

コーチ仲間との話の中で
「今、自分が何をしたら
変われると思う?」
との質問をもらいました。

「映画の主人公が
様々な困難を乗り越えて
たどり着いた
”ロサンゼルスのあの場所”
に自分も実際に立ったら
変われると思う」
と即答。

そして本当に
行ってきました。



急だったので
現地2泊の弾丸ツアーでした。

帰国して
質問をくれたコーチ仲間に話すと
「本当に行ってきたんだ。
すごい!そんなあなたを見ると
何でもできちゃう気がする!」と
話してくれました。

そう話されると
勇気づけられちゃいます。

そこには少しの上下関係もなく
ただただ対等な関係があるだけ。

これまでも良好でしたが
関係はさらに良好になりました。

勇気づけ、すばらしいです。



褒めると
上下関係の「上」となり
簡単に安心できたりするので、
褒めることが
日常的になりがちです。

「下」になりたくないと
怖れていると
褒める行為によって「上」を
取りたくなったりします。


そもそも
「褒める」を使わなければ
上下関係は実現しにくくなります。

褒めたくなったときには
すぐ行動を起こさずに
そこで一旦止めて

勇気づけを再選択できるように
自分を促してあげると、

相手と良好な関係は
築きやすくなります。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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