頭痛 あれこれ -17ページ目

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 現在、ネット上のサイト「健康長寿ネット」では、以下のように記載されます。


酸化ストレス      


酸化ストレスの定義


 酸化ストレスとは、「酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用」のことで、活性酸素と抗酸化システム(抗酸化物質)、抗酸化酵素とのバランスとして定義されています。ここでいう「酸化」とは、何らかの分子に酸素原子が結合することです。

 地球をとりまく大気には、酸素が約21%含まれています。私たちは呼吸をすることでこの酸素を取り入れ、食品を食べることにより糖質、脂質、たんぱく質などの栄養素をからだの中に取り込んでいます。取り込んだ栄養素から、私たちのからだの働きの元であるエネルギーをつくるためには、栄養素を燃やすこと、すなわち"酸化"が必要なのです。

 一方で、酸化は体の中の全体で起こっているため、酸化によって細胞が傷つけられることがあります。これが酸化ストレスです。


 酸化ストレスの原因・仕組み


 発生した酸化ストレスに対し、抗酸化能(活性酸素を除去する能力)が追い付かない状況になると、酸化ストレスがたまっていくことになります。その原因には、虚血や心理的・肉体的ストレスといった病気によるもの、紫外線や放射線・大気汚染・タバコ・薬剤・金属・酸化された食べものなどをとるなどの日常生活の要因によるものがあります。また、過度な運動も酸化ストレスを高める要因の一つです。

 摂取した栄養素は身体の中で分解され、細胞の中にあるミトコンドリアの酸化反応により、エネルギー源に変換されます。この過程で過剰に発生した活性酸素によって酸化ストレスは亢進し、DNAやたんぱく質といった生体成分を酸化させているのです。酸化されたDNAやたんぱく質の中には、血中や尿中に出てくるものもあるため、血液検査や尿検査で分かることがあります。


活性酸素とは


 活性酸素とは好気性生物が酸素を消費する過程で発生する副産物のことです。体に取り込まれた栄養素の多くは分解され、グルコース(糖の一種)や脂肪酸となり、細胞の中にあるミトコンドリアで酸化されます(酸化的リン酸化反応)。この時、酸素は他の分子との間で自身がもつ電子をうけわたすことで不安定となり、活性酸素と呼ばれる物質に変わります。活性酸素は、元の物質である酸素よりもずっと、他の分子を酸化する能力が高いという性質をもっています。


 活性酸素の多くは、それを除去する酵素や抗酸化剤で消去されます。この仕組みを「酸化ストレスの防御系」と呼びます。


 しかし、過度の運動や運動不足、偏った食事、喫煙などの不健康な生活習慣、あるいは慢性炎症などによって、活性酸素の生成と消去のバランスがくずれると酸化ストレスが生じ、老化や老年病の原因となる可能性があります。

 一方、活性酸素はこれまでに述べたような有害な作用だけではなく、体にとって有用なものでもあります。例えば感染がおこった時、好中球などの炎症細胞からつくられる活性酸素は、病原微生物を殺すのに役立っています


 活性酸素と老化の関係


 活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化し、細胞で行われる「栄養と老廃物の出し入れ」が、スムーズに行えなくなります。また、細胞の核が損傷すると細胞が死滅したり、LDLコレステロールが酸化されると血管の老化を促進します。このように活性酸素は細胞を傷つけたり死滅させることによって、老化を促進するということが分かっています。


酸化ストレスによる症状・病気


 酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやたんぱく質、脂質、糖質が酸化されていきますが、現在ではさまざまな病気において、これらの酸化ストレスにより変化した分子が、蓄積していることがわかってきました。例えば糖尿病では、酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えていることがわかっています。また、動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっています。


 さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したたんぱく質などが蓄積していますし、酸化ストレスによって細胞が損傷を受けると、その細胞はやがてがん化します。

 このように、強い酸化ストレスにより酸化された生体内の分子は、さまざまな病気の原因となっている可能性があるのです。


活性酸素の除去


 近年、様々なメディアで「活性酸素の除去」が取り上げられています。しかし、活性酸素は必ずしも身体にとって有害なわけではありません。場合によっては、有益に働いていることもあります。

 例えば白血球は、活性酸素の作用によって感染防御の重要な役割を果たしています。活性酸素にはその他にも、血管を弛緩させ末梢の血流を確保する役割や、細胞の分化やシグナル伝達にも関係しています。

 ですから、活性酸素の除去に目を向けるよりも、不要な活性酸素の攻撃力を減らすことや、高齢になると減ってくる「抗酸化力」を高めることの方が、重要であると考えられています。


 これと同様のことが、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトで示されています。
    
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html


 このように、「酸化ストレス・炎症体質」という概念そのものは一般化され、生活習慣病や慢性病の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」であると認識されています。
 そして、前回は、この「酸化ストレス・炎症体質」に生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と片頭痛に、“となると述べました。
 ということは、片頭痛の遺伝素因(生まれつき“ミトコンドリア活性が弱いという)があっても、「酸化ストレス炎症体質」でなければ片頭痛は発症することはありません。
 ですから、今回のシリーズで述べた「ミトコンドリアの機能を悪化させる要因」=頭痛の種のもと・・=「酸化ストレス炎症体質」を形成する要因を悉く消去してしまえば、片頭痛を発症させることは理論的にあり得ないことになります。
 そうは言いながら、私達の生活環境および生活習慣にはミトコンドリアの機能を悪化させる要因に満ち溢れています。
 このミトコンドリアの働きの悪さが、「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。
 このような、「ミトコンドリアの働きを悪くさせる要因」は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活・食事摂取方法などの生活習慣が挙げられます。


 それでは、「酸化ストレス・炎症体質」になれば、片頭痛ではどのようになるのでしょうか。


 慢性頭痛の発症過程でも述べましたが、「酸化ストレス・炎症体質」を形成する要因が全て揃えば、第3,4段階まで、進展していることを意味し、片頭痛がすでに形成されることになります。ですから、今回のシリーズで取り上げた、頭痛の種のもととなるものが、一つづつ追加されるにつれ、日常的に感じる極く軽度の頭痛をスタートにして、徐々に増悪し、最終的に片頭痛まで進展していくことを意味しています。


 ミトコンドリア活性が低い=酸化ストレス体質が片頭痛を招く


 私たちの体は食事などで体内に取り込んだ脂肪や糖分といった燃料分を燃やしてエネルギー(ATP)を作り出すときに「酸素」を使います。車のエンジンが、ガソリンに酸素を加えて爆発させることによってエネルギーを得ているのと同じです。これと同じことが細胞内のミトコンドリアでも起きています。このときに発生するのが「活性酸素」なのです。
 じつは、活性酸素にはウイルスなどの外敵を撃退してくれる働きもあるのですが、活性酸素が過剰に産生されると、体を傷つける悪い働きをしてしまいます。同様に、脳血管や脳細胞に作用して、片頭痛の発作や痛みを引き起こす生理活性物質を発生させる原因となります。このように、活性酸素が人体に有害な影響を及ぼす状態のことを「酸化ストレス」といいます。
 こうした状態になっても、通常人体は活性酸素を打ち消すための抗酸化物質を適度に産生します。また、食事によって抗酸化物質を体内に取り込むことも可能です。
 しかし、片頭痛持ちの人はもともとミトコンドリアの活性が低いため、健康な人ならばほとんど問題にならないような血流の変化や、ちょっとした血流の増加であっても、活性酸素が過剰に発生してしまうのです。


 それでは、「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてしまえば・・


片頭痛における痛みの発生機序


 「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を基盤として、ちょっとしたことで(ストレスなど何らかの理由で・・後述します)「活性酸素」や「遊離脂肪酸」が過剰に発生して、”血小板が凝集する”ことによって生理活性物質のセロトニンが血小板から血管外へ放出され、脳の血管が収縮して血流が減り(片頭痛前兆期)、その後、しばらくすると、役割を果たしたセロトニンは減少しやがては枯渇し、その反動で脳血管が拡張し、多くの血液が脳に流れるようになります。このように今度は逆に血管は拡張します。


 血管が拡張することによって血管に絡みついた三叉神経が刺激され、頭痛が起きます。


 さらに、三叉神経が刺激されると、そのとき発生する炎症を起こす物質・炎症性生理活性物質(サブスタンスPやCGRPなど)が放出され、血管を刺激して、心臓の鼓動に合わせてズキンズッキンと拍動性の強い痛みを生じるのです。


 このようにして、脳神経の三叉神経を圧迫し刺激を与えます。三叉神経では痛みの原因物質「神経ペプチド」が放出され、血管周囲で炎症が起こり、血管を拡張する神経伝達物質が分泌され、周囲の神経も刺激を受け、痛みが大脳へ伝わります。
 吐き気は、脳の延髄にある嘔吐中枢(狐束核)が刺激されることで、吐きたいと感じています。その嘔吐中枢の刺激が、迷走神経、脊髄神経、横隔膜神経へと伝わることで、実際に嘔吐が起こります。
 嘔吐反射中枢は髄液を含んだ第4脳室のすぐ近くにあり、副交感神経や運動神経などの自律神経が密集しています。
 そのため頭痛を起こす神経と嘔吐反射中枢もすごく近い場所にあり、頭痛を起こす神経が脳に痛みを伝える時に嘔吐反射中枢まで刺激してしまうのが原因で、吐き気を感じてしまうのです。


片頭痛の発作の”引き金”は??


  先述のように、「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を基盤として、ちょっとしたことで(ストレスなど何らかの理由で)「活性酸素」や「遊離脂肪酸」が過剰に発生することによって血小板を凝集させ、血小板から血管外へセロトニンが放出され、血管を収縮させます。その後、役割を果たしたセロトニンは減少し、やがては枯渇し、今度は逆に血管は拡張します。
  この一番”最初の”片頭痛の発作を引き起こす引き金(トリガー)となる「血小板を凝集させるもの」が、「活性酸素」や「遊離脂肪酸」です。


 それでは、「活性酸素」や「遊離脂肪酸」はなぜ発生するのでしょうか?


「活性酸素」はなぜ発生するのでしょうか?


 人は精神的なストレスを受けると、アドレナリンというホルモンを分泌し、血圧が上がり、心拍数が増えて血糖値が上がります。これは、緊張状態に備えるための体の変化です。
 このとき、体内を循環している血液は、おもに心臓や肝臓、筋肉に集中し、脳への血流は低下します。
 脳細胞への血液が不足・減少すれば、細胞内にあるミトコンドリアで産生されるエネルギー発生物質(ATP)も減少します。脳は、体の各器官に指令を送るときに、カルシウムなどのイオンの濃度調整によって伝達物質を送り出して指令を伝えます。
 しかし、ATPが不足すると、脳細胞内のミネラルイオン濃度を調整するポンプが正しく機能しなくなり、いわゆる”機能停止状態”になってしまいます。
 その後、ストレスから解放されると再び脳血管への血液の供給がよくなり(再潅流)、機能停止状態になっていたミトコンドリアは急速に機能を回復させます。このとき、過剰な活性酸素を発生させます。これが片頭痛の発作の”引き金”になります。
 健常人では問題となることのない血流の変化であっても、片頭痛持ちの人は元来ミトコンドリア機能の活性が低く、わずかな血流の増加であっても活性酸素を発生しやすい状態になっています。
  同じようなことは、運動をすることや飲酒、入浴などによって急に血行が良くなる場合や、早朝の自律神経の切り換えにともなう血流の変化やホルモンの分泌量の変化にともなう僅かな血流の変化も片頭痛持ちの人では活性酸素の発生の要因となってしまいます。


 私達は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加します。
 血流が増加することによって、活性酸素が産生され、これが刺激となって、頭痛を引き起こしてきます。片頭痛で明け方に発作を起こしたり、睡眠時頭痛を引き起こす一因になったり、群発頭痛が夜中に起きるのはこのためです。


 脳幹の縫線核は、脳内セロトニンを分泌する大切な場所です。
 セロトニンを分泌する縫線核は、呼吸中枢にセロトニンを送って呼吸量を調整しています。縫線核は毛細血管中にセンサーを持っていて、血液中の酸素量などをチェックしているのです。体内の酸素量が不足したときにはセロトニンの分泌量を増やし、呼吸中枢を刺激します。
 したがって、セロトニンが不足すると中枢神経を充分に刺激できなくなります。そうなると酸素不足のままか、より不足した状態におかれることになりますので、息苦しくて睡眠が何度も中断し、熟睡できないことになります。
  セロトニン神経の活動は睡眠中に弱くなり、深い眠りを演出します。朝方になるとセトニンも増えるのです。
 問題の頭痛は就寝から4時間後に起きていました。私たちの睡眠は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。そして、頭痛に襲われていたのは浅い眠りのときでした。じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加することによって、過剰な活性酸素が発生することによって片頭痛発作を引き起こすことになり、これに脳内セロトニン不足ため、メラトニンが不足することにより、睡眠中の”中途覚醒、頭痛”(「睡眠時頭痛」)を引き起こすに至ったと考えられます。
 このように考えますと、「睡眠時頭痛」は”群発頭痛”のようなものなのかもしれません。
  そして、根源的には、片頭痛も群発頭痛も一連のものと考えるべきと思われます。


 低気圧や人ごみ(酸素濃度のわずかな低下)や季節の変化(寒暖にともなう血流の変化)もミトコンドリア機能の活性が低い片頭痛持ちの人ではミトコンドリアの代謝機能の低下と、それに引き続きおきる血流の回復により過剰の活性酸素が発生してしまうことになります。
 また、小麦などに含まれるタンパク質の成分であるグルテンに過敏な人では免疫系のマクロファージ(白血球の一種)がグルテンを異物として排除するときにも多くの活性酸素を発生することになり、片頭痛の発作の原因となります。
  風邪を引いた場合にも同様に風邪ウイルスに対する免疫系からの過剰な活性酸素が発生し片頭痛の引き金となることもあります。
  なお、風邪ウイルスは直接的に筋肉細胞や血管細胞を攻撃し、片頭痛の発作や痛みを引き起こす生理活性物質をも発生させます。
  このようにして、ストレスや運動、飲酒、入浴、風邪などの要因が活性酸素を発生させ片頭痛を引き起こしていくことになります。


 片頭痛の根底に存在する「酸化ストレス・炎症体質」が、活性酸素を異常に発生する原因になっています。
 活性酸素が発生しやすい「酸化ストレス・炎症体質」に加え「ミトコンドリアの活性の低さ」が重なれば非常にわずかな刺激であっても活性酸素が過剰に発生されてしまうのです。
 また、「酸化ストレス・炎症体質」では体内で過酸化脂質が生成されやすく、過酸化脂質も活性酸素を過剰に発生させる原因物質となります。
  ただし、過酸化物質については実際に体内で脂質が酸化され生成されること以上に加工食品などの過酸化脂質をすでに含む食品を摂ることの方が現実の問題としては大きいように思われます。


遊離脂肪酸はどのようにして生じる?


  精神的なストレスによりアドレナリンが分泌されると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)は上がり、体脂肪も分解され始めるため体脂肪からの遊離脂肪酸が生成されるようになります。
  本来、これらの体の変化は獣(外敵)などに襲われた時に人間が外敵と戦ったり逃げたりする時にエネルギー不足を起こさないための緊急的体勢の備えとして身に付いたものと考えられます。
  通常、体脂肪のエネルギーへの利用は空腹時(食事を摂らない時)にエネルギーの不足分を補うために生じ、生成した遊離脂肪酸は直ちに体に必要なエネルギーとして使用されます。
  しかし、エネルギーとして必要性がほとんどなく、単に精神的なストレスだけによる緊張のためだけに生成した遊離脂肪酸は血中の遊離脂肪酸濃度を高めるだけの結果となります。ストレスから解放されると消費されるあてのない遊離脂肪酸は一時的に血中の濃度を高めるだけの結果となってしまうのです。
 その結果、血小板に直接作用して血小板の凝集を促進することや脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させるなどの現象を引き起こすと考えられます。
  このため、ストレスを受けている時に発症するのではなくストレスから解放された時に片頭痛を発症しやすくなるのです。


  また、植物油(リノール酸)の摂りすぎやトランス脂肪酸を摂ると、体内での脂質代謝が遅延することになりますので、血液中の遊離脂肪酸濃度をいつも高い状態にしてしまうことになります。
  このように、血液中の遊離脂肪酸濃度が常に高い状態であれば、ストレスなどのわずかな刺激であっても血小板の凝集や活性酸素の発生が起こり易くなると考えられます。
  一方、糖飲料などを飲みすぎにより急激に血糖値が上がりすぎますと、血糖の急激な上昇を抑制するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。過剰に分泌されたインスリンは血糖を下げすぎることになります。
  血糖値が下がりすぎると、血糖を適正なレベルに戻そうとするからだの仕組みが働き、体脂肪から遊離脂肪酸がエネルギー源として放出されるようになります。
  体脂肪からブドウ糖などエネルギー源としての生成とその消費のバランスとれておれば問題を生じることはありませんが、急激な血糖値の変化にそのバランスが崩れてしまうと血液中の遊離脂肪酸濃度を高めることになります。
  特に片頭痛持ちの人はミトコンドリアの活性が低く(冷え性や低体温症など)、ブドウ糖の生成とその消費のバランスは乱れやすい傾向にあります。
  糖飲料の摂りすぎ以外にも、過激な運動や絶食(長い間の空腹)なども糖への代謝とその消費のバランスを乱しますので血液中の遊離脂肪酸の濃度を高めることになります。
  このようにして放出された遊離脂肪酸が血小板に直接作用して血小板の凝集を引き起こすことにより脳血管内のセロトニン濃度が上昇することで片頭痛を発症すると考えられます。
  遊離脂肪酸には細胞を傷つける性質が強いという特徴があります。通常は血液中のアルブミン(Lカルニチン)というタンパク質成分と結合して毒性が弱められた状態で存在しているのですが、遊離脂肪酸が毒性を発揮して細胞を傷つけるということは、アルブミンとの結合可能な限界量(間値)を超えてしまっているということです。
  このような状態を招く原因は、間違った日々の食習慣・過食なのです。特に、植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸を多くとり過ぎると、体内での脂質代謝が充分に行われず、血液中の遊離脂肪酸濃度が高い状態になることがわかっています。
  このような状態になれば、ストレスなどのわずかな刺激であっても、片頭痛の引き金となる脳血管内の血小板凝集が起きてしまいます。


  または、遊離脂肪酸が脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させ、その活性酸素が三叉神経や脳細胞を傷つけることにより片頭痛を発症させると考えることもできます。


脂質のとり過ぎが活性酸素の発生原因に!


 ところで、「酸化ストレス・炎症体質」の人は、体内で過酸化脂質が生成されやすく、これが活性酸素を過剰に発生させる原因物質となっています。
 過酸化脂質というのは、コレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されてできたものです。これらは体内で作られるのですが、それ以上に、そもそも過酸化脂質を多く含む加工食品などを過剰にとる食習慣のほうに問題があると考えられます。
 ポテトチップスなどのスナック菓子、インスタントラーメン、ピーナッツ、マヨネーズ、マクロの缶詰(缶を開けたあと)、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあります。

 

 こうしたことを踏まえて、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は「3つの約束」のなかで「日常の食生活での注意点」として、以下のように述べています。


低血糖にも注意が必要


 ところで、皆さんは甘い清涼飲料水やお菓子をよく召し上がりますか? これらに含まれる糖質は、私たちの体が短時間に分解・処理可能なレベルを超える量が含まれているものが数多く見受けられます。
 体内でどのような変化が起きるかを見てみると、清涼飲料水やお菓子を過剰に摂取すると急激に血糖が上がり、その上昇を抑制するために、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンには血中のブドウ糖濃度を調整してくれる働きがあることはご存知のとおりです。清涼飲料水などの消化吸収のよい糖質を短時間でとると、体はたくさんの糖質が摂取されたと認識してインスリンを過剰に分泌します。その結果、血糖値が必要以上に下がり過ぎるという現象が起きます。これが低血糖です。
 急激な血糖値の低下も、体がストレスを感じている状態です。そうなると、今度はそれを適正なレベルにまで戻そうと体が働き、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。すると、体脂肪が分解されて遊離脂肪酸が血液中に放出されて濃度が高まり、これが活性酸素を発生させて片頭痛の原因となるわけです。
 スポーツドリンクや清涼飲料水などを大量に飲み続けることにより引き起こされる「ペットボトル症候群」という現代病もこのようにして発症します。体がだるい、のどか渇く、トイレに行く回数が増えるなどの急性糖尿病的な症状や、ひどい場合には血液が酸性になり昏睡状態に陥ることもあります。
 清涼飲料水やお菓子のとり過ぎ以外にも、過激な運動や無理な絶食なども血液中の遊離脂肪酸の濃度を高めることにつながります。ご注意ください。


精製・加工処理された植物油をとらない


 片頭痛にはいろいろな症状の違いがあり、発症の原因もさまざまです。でも、どのようなタイプの片頭痛の人にも共通した発症要因が「酸化ストレス・炎症体質」です。
 ここでは、どうすれば改善できるのかを解説することにしましょう。その筆頭に挙げたいのが食習慣の見直し、その中でも特に「食用油に気をつけること」です。


 皆さんの中には、「植物油は健康によい」と思っている方も多いのではないでしょうか? もしあなたが「植物油は健康によい」と信じているのであれば、「植物油のとり過ぎが、じつは健康を害する最大の原因である」と認識を変えてほしいのです。
 もちろん、植物油の中にも「よい植物油」と「悪い植物油」があるので一概にはいえないのですが、悪い油のとり過ぎが、片頭痛発症の引き金となる「活性酸素」と「遊離脂肪酸」を発生させることにつがなっていることは確かです。よいものと悪いものを見極める目を持つことが大切です。
 私かお勧めする植物油は、昔ながらの製法「低温圧搾」で造られたシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油などのオメガー3系脂肪酸を多く含む植物油と、エクストラバージンオリーブ油、低温圧搾で作られたゴマ油やナタネ油などの植物油です。これら以外の市販されているサラダ油など多くの植物油は、いずれも「悪い油」といってもよく、多くとってはいけないものばかりです。また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。
 こうした「悪い油」を原材料とするマヨネーズやドレッシング、植物性ヨーグルト、ケーキ、ビスケット、クッキー、チョコレート……なども、できるだけ避けたい食品といえます。加工食品の成分表を見ればわかるのですが、植物油が加えられていない加工食品はまれにしかありません。これらの植物油のほとんどは悪い油です。注意してください。


危険な「トランス脂肪酸」について


 悪い植物油というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で副産物として生成されるトランス脂肪酸という非常に危険な有害物質を含んでいます。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあることがわかっていて、動脈硬化や心臓病につながるなど、健康被害の原因となります。海外では、加工食品にトランス脂肪酸がどれくらい含まれているかを表示する義務や含有量の制限がある国もあるほどです。

 このトランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。
 ところで、今でもマーガリンが「健康によい」と信じている人は結構多いようです。
 もし、料理にマーガリンを使う必要があるのであれば、ただちにバターに切り替えてください。バターのとり過ぎも体にはよくないのですが、それでもマーガリンよりは健康上の問題は少ないといえます。


 マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。


市販の揚げ物を食べてはダメ’・


 市販の揚げ物にも、油の”持ち”をよくするために、トランス脂肪酸を多く含む硬化油という植物油が使用されています。硬化油を使用した鶏の唐揚げやポテトフライなどの揚げ物類も極力とらないようにしたほうがよいでしょう。揚げ物を食べたい場合は家庭で作るようにしてください。その際には、圧搾製法で造られたナタネ油やゴマ油、またはオリーブ油を使うようにしましょう。
 また、悪い植物油はドレッシングやマヨネーズをはじめ、多くの加工食品に使用されています。ですから、加工食品を手にとったら、必ず成分表を見るようにしたいものです。「植物油使用」と書かれているものは、いずれも悪い植物油が使われていると思ってください。マヨネーズやドレッシングは、エクストラバージンオイルやシソ油を使った自家製のものにすると、健康にもいいし、美味しく安心していただくことができます。
 日常の調理には加熱用としてエクストラバージンオリーブ油を使い、ドレッシングやマヨネーズなどの非加熱用途には、シソ油(エゴマ油)またはエクストラバージンオリ-ブ油を用いるとよいでしょう。
 また、穀類、種実類(ナッツ)、豆類、芋類など、天然の植物に含まれる油分にはリノール酸が多く含まれていますが、これらはよい油分であり、有害なトランス脂肪酸は含まれていません。
 なお、リノール酸は必須脂肪酸です。摂取不足が気になるところですが、通常の食事(穀類や豆類を含む)をしているかぎり、あえて植物油や植物油を含む加工食品をとらなくても摂取不足を起こすことはありません。
 また、穀類や豆類を中心とした通常の食事では、リノール酸のとり過ぎを起こすこともありません。知らず知らずのうちに加工食品から摂取されるトランス脂肪酸やリノール酸のとり過ぎ、ドレッシングやマヨネーズ、唐揚げなどからの直接的な植物油のとり過ぎが問題です。


脂肪酸の種類


 たとえばビタミンにもいろいろな種類があるように、脂質(油脂)にもいくつかの種類があります。これらは、分子構造上・脂肪酸として次のように分類できます。


I.飽和脂肪酸……酸素などと反応しやすい「二重結合」を持たないもの
  (ヤシ油や牛乳・バターに多く含まれる)
Ⅱ.一価不飽和脂肪酸……「二重結合」がひとつだけあるもの
  (オリーブ油の主成分であり、ナタネ油や牛脂に多く含まれるオレイン酸など)
Ⅲ.多価不飽和脂肪酸……複数の「二重結合」を持つもの
  (シソ油に多く含まれるα-リノレン酸や植物油に含まれるリノール酸、青魚に含まれるEPA・DHAなど)


 飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸は、おもに体を構成する細胞膜に使用されたり、中性脂肪として体に必要なエネルギーとなったりするものです。ただし、体をコントロールしている生理活性物質(私たちの生理活動に影響を与えるホルモン様物質)の合成に使用されることはありません。
  一方の多価不飽和脂肪酸には、細胞膜の構成やエネルギーの供給源となるほかに、「酸化ストレス・炎症体質」を決定する生理活性物質の原料になるという重要な役割があります。


 最近注目されているのが、多価不飽和脂肪酸の中の「オメガー3系脂肪酸」です。シソ油(エゴマ油)、亜麻仁油の主成分であるαーリノレン酸をはじめ、青魚に含まれるEPA(エンコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などが代表です。サプリメントとしても発売されていますから、皆さんもご存知のことでしょう。
  多価不飽和脂肪酸には、このほかにもリノール酸やアラキドン酸などのオメガー6系脂肪酸のグループがあります。体内でEPAやDHAはα-リノレン酸からも合成され、アラキドン酸はリノール酸からも合成されます。このように、同じグループ内の脂肪酸は体内で必要に応じて作りかえられるのですが、オメガー6系からオメガー3系などグループを超えての合成は決して起こりません。


大切なのは「オメガー3系脂肪酸」

 
  一般にオメガー6系脂肪酸をとり過ぎると「酸化ストレス・炎症体質」を形成し、逆にオメガー3系脂肪酸は「酸化ストレス・炎症体質」の形成を抑制する働きがあります。


 今日の食生活では、オメガー6系脂肪酸はとり過ぎとなり、逆にオメガー3系脂肪酸は不足しがちです。これは近年急激に摂取量が増えた植物油に、リノール酸などのオメガー6系脂肪酸が多く含まれること、さらに私たちが主食とする米をはじめ、小麦やトウモロコシ、そばなどの穀類の油分にもオメガー6系脂肪酸が多く含まれるからです(オメガー3系脂肪酸の15~30倍)。
 当然、片頭痛にならないためには、オメガー3系脂肪酸を含む食べ物を積極的にとるようお勧めするわけですが、なかでもEPAやDHAを多く含む青魚が有望です。
 ただし、ここで注意しておきたいことがひとつ。青魚のうち、ブリやマクロなどの大型魚には、メチル水銀やダイオキシン類といった環境汚染有害物質を多量に含むものが多いということです。小さければ小さいほど、こうした有害物質をわずかしか含みませんから、目安としては「手先から肘までより小さな魚」であるイワシやアジ、サバなどの小型の青魚がお勧めです。
  また、オメガー6系脂肪酸とオメガー3系脂肪酸の摂取比率は、体質改善当初は[1:1]、改善後は[2:1]が望ましく、私はシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油を日常の食生活に取り入れることを勧めています。
  ところで、もしあなたが花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患で悩んでいるのであれば、これまで述べてきた植物油にかかわる注意事項を忠実に守るだけで、その悩みは解消に向かうことでしょう。
  片頭痛の場合には、残念ながらこれだけでは充分な改善効果を実感することはできないのですが、まずはこの植物油の問題をクリアすることが、片頭痛体質にならないための第一歩です。ぜひお試しください。

 
 そして、後藤日出夫先生は、「酸化ストレス・炎症体質」改善のために、以下を提唱されます。


片頭痛体質改善のための「3つの約束」
 

1.悪い植物油(市販のサラダ油など)や加工油(マーガリンなど)を摂らない
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443579506.html


2.「万能健康ジュース」
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443583693.html


3.「ラブレクラウト」
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443587078.html

 

 

 

 

 以上のように、生活習慣病、ガン、認知症など慢性疾患に関する考え方が従来とは変化してきています。
 片頭痛も同様に、このように見直すことによって、その本態の全貌が明らかにされてきました。このように見直すことによって、片頭痛は改善に導かれています。

 

 


 参考までに・・・、「万能健康ジュース」を試された方の体験談を・・


◎健康ファイル 片頭痛が日に日によくなっていきます 40歳代後半女性


 「私は若い頃から片頭痛持ちで、子供が生まれてからさらに悪くなりました。 朝は主人の朝食作りのために起きるのですが、作るとすぐに横になっていました。昼も寝てばかり。寝ないと夕食を作ることさえできなかったのです。
  寒い日、雨の日、季節の変わり目など、ほぼ毎日病院で処方された発作止めを飲んでいました。激しい頭痛と嘔吐を起こすので、たまに体調がよいからと気晴らしに外に出かけるときでも、薬が手放せませんでした。
  お風呂に入ると発作が起きるので、ここ数十年お風呂に入ったことがなく、いつもシャワーで済ましていました。かつての主治医は、「温い湯で入浴をし、体を癒すべきだ」、「軽い運動をしなさい!」というのですが、それができないから苦労しているのがまったくわかってもらえませんでした。
 冷え性もひどく、手や足の先だけでなく、太ももや二の腕までもが極端に冷たくなってしまいます。夏でも二の腕に使い捨てカイロを貼りますが、温かくなることはなく、腕は熱のため黒ずんでしまい、まったく腕を出すことができません。
 大学病院では徹底的に検査して頂くために入院しましたが、あまりのつらさに先生と口論になったこともあります。結局、何の改善策も見つかりませんでした。でも一番つらかったのは、主人から「特に異常もないし、たかが頭痛くらいで大げさだ。甘えるな!」と言われたことです。悔しくて悲しくて涙が出ました。
 そんなとき、この「万能健康ジュース」のことを知りました。半信半疑でしたが、飲み始めて数日も経たないうちに、血液が体を流れ始めるのが実感できたのには本当に驚きました。そして1週間もすると、朝もすぐに起きられるようになり、苦もなく朝食が作れるようになったのです。
 こんな経験は初めてでしたので、「万能健康ジュース」だけではなく、先生のアドバイス通りに生活習慣全般を見直すようにしたところ、1ヵ月もすると薬を飲む回数が週に一回程度にまで減りました。それ以前は、月に20~25日は飲んでいたのです。昼に寝ることもなくなり、いろいろとやる気も起きてきて、昔よく作っていたケーキを焼いて主人に喜ばれたり、天気の日には近くを散歩したりするようにもなりました。でも、急に寒くなったり、運動をし過ぎたりしたときにはまだ薬が必要です。
 先生に教えていただいた、ビタミンB2のサプリメント(含有量の多いもの)をアメリカから取り寄せて2週間ほど続けましたが、これは特に大きな変化はありませんでした。
 その後、マグネシウムを1日400ミリグラムとるとよいとお聞きしたので、試してみました。発作の前には肩がガチガチに固まってしまう感じがするのですが、マグネシウム水溶液を飲むと、首の付け根あたりから肩にかけて、温かい血液が流れていくのがはっきり実感できるのには驚きました。それからは、食事のたびにマグネシウムをとっています。
  また、常時マグネシウム濃縮液(50ミリグラム/cc)を小瓶に入れて携帯し、もし肩がこってきたら(発作の前触れです)、薬の代わりに小さじ一杯分を飲料水に溶かして飲んでいます。
  いろいろな生活習慣の改善も影響していると思うのですが、「万能健康ジュース」と「マグネシウム」の効果は衝撃的でした。私と同じように苦しんでいる人は、ぜひ一度試してみてほしいと思います。」


 この方は、その後ヨガを始められ、テニスボールマッサージを続け、今では薬はほとんど必要なくなったとのことです。
お風呂に入るとまさに天国ですね!」ということでした。血色も良くなり、実年齢よりも10歳は若く見られるようになったとのことです。

 

 

 

 

 このように、こうした考え方の信憑性が明確になってきています。
 ということは、片頭痛の本態を理解した上で、勇気ある第一歩を踏み出して、煩わしい頭痛を追い払うことも無駄ではないと思います。
 前回も申し上げましたように、片頭痛を改善させれば、健康と美容のおまけまで付いてくることになります。
 それに引き替え、カリスマ医師や、権威ある頭痛専門医の言いなりにして、「辛い頭痛を緩和させること」だけでお茶を濁しておれば、確かに次々と新薬は作られてきますが、お金だけをむしり取られ、一向に煩わしい頭痛に呪われ続け、健康と美容を引き替えに貧乏生活を強いられることになりかねません。
 あなたなら、どちらを選択されるでしょうか???

 

 

 

 

ここで、コマーシャルです。

 

 頭痛が気になったら・・以下へアクセス
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html

病気の90%は活性酸素が関与


 現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、活性酸素が原因と考えられています。
 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。ということは、ミトコンドリアが関与しているということです。
  すなわち、「後天性ミトコンドリア病」と考えるべきです。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
 このように、ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられております。


未病とは


 私達は、仕事が忙しかったり、ストレスが重なりますと日常的に「体調不良」を感じます。このような「体調不良」は、具体的には、疲れやすい、胃腸の調子がよくない、身体が冷える、身体がだるい、疲れがとれない、よくめまいを起こす、肩こりが酷い、食欲がない、よく眠れない、頭が重い・頭が痛い、足がつる、耳鳴りがする、夢をよくみる、喉のつかえ、むくみやすい、風邪をひきやすい、顔色が悪い、気分が落ち込む・優れない、活力がでない、元気がでない、何となく調子が悪い、寝起きが悪い、等々の訴えです。


 「体調不良」とは、病気とは診断されませんが、健康でもない。いわば、“半健康・半病気”の状態に身体はあるのです。半健康・半病気の状態を、東洋医学では病気になる一歩手前だとして、「未病(みびょう)」と言っています。
 絶対的な健康ではなく、私たちの身体のバランスがどこか歪んでいるのです。
 これは「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。


 このような”未病”とされる病態は、本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」へと進展するものと東洋医学では考えられています。
 このように考えれば、”未病”の段階にある、このような「体調不良」の訴えとは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があるということです。


「健康的な生活を送る」ためには


 「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリア・腸内環境・生理活性物質が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
 このなかでもミトコンドリアはその”要(かなめ)”となっています。
 ミトコンドリアの機能が低下すれば、「後天性ミトコンドリア病」である、ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)を発症してくることになります。
 このように、現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)、体調不良を訴えた段階から「健康的な生活」を送るための正しい知識が必要とされます。
 ということは、もっと早い時期、すなわち「体調不良」を訴える”未病”の段階から、このような「健康教育」を行っていく必要があります。


  参考までに、ミトコンドリア病は大きく分けて2種類あります。


 「先天性ミトコンドリア病」と「後天性ミトコンドリア病」です。


 「先天性ミトコンドリア病」は、極めて稀な病気です。これは、生まれつきミトコンドリアの働きに不具合があります。この病気を持つ人のほとんどが、片頭痛を持病として持っています。このことが、「ミトコンドリア病」が片頭痛のモデル疾患とされる理由です。
  ところが、「後天性ミトコンドリア病」は、ほとんどの現代病に当てはまります。
  水や食生活、放射能汚染や環境汚染、有害物質の蔓延などや酸素不足などを原因として、後天的にミトコンドリアの働きを悪化させて、発症するミトコンドリア病です。
  後天性ミトコンドリア病とは、いろいろな”原因”でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、身体が”酸化”していく全身病なのです。
  ミトコンドリア機能異常は、ガン・糖尿病・筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン病・アルツハイマー病・心臓病・腎臓病・動脈硬化・神経変性疾患・片頭痛・筋骨格系障害など、様々な病気を引き起こします。
 このように、現代病のほとんどが、「後天性ミトコンドリア病」なのです。
  薬の副作用などで二次的にミトコンドリアの働きが低下して起きる「後天性ミトコンドリア病」もあります。


 冒頭で述べましたように、全世界では病気の90 %は活性酸素が原因とされ、ほとんどの現代病は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
  活性酸素はミトコンドリアがエネルギー産生を行う際に必然的に生み出されてくるものだからです。


 「健康的な生活を送る」ためには、”ミトコンドリア”が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
  すなわち、ミトコンドリアは、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものです。
 私達が日中活動している際に、”常時”活動している神経系が「セロトニン神経系」です。 このようにエネルギーを常時たくさん使う「セロトニン神経系」は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系」の働きまで悪くなってきます。
 「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
  この生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
 この「ホメオスターシス」は、自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きによって、生体の恒常性機能が保たれています。
 このホメオスターシスの三角に”歪み”を起こしますと、冒頭で述べたような頭痛を肇とする諸々の「体調不良」の症状が出現してくることになります。
 この「ホメオスターシス」が”健全”に機能することで、「自然治癒力」が保たれています。このことで「健康的な生活」が送れることになります。


「酸化ストレス・炎症体質」とは・・


 酸素は地球上のほとんどの動物にとっては、なくては生きていけない大切なものです。
 しかしその酸素が呼吸によって体内に取り入れられると、その一部が「活性酸素」といわれる不安定な状態になり、近くの物質と結びつこうとします。物質が酸素と結びつくことを”酸化”といいますが、鉄がさびたり、空気に触れたりんごの切り口が茶色になったり、あるいは雨ざらしのゴムホースがぼろぼろになったりするように、活性酸素が体の中でさまざまな「錆び」の状態を作るのです。
 活性酸素が過剰になると、物質が酸化によってぼろぼろに壊れてしまうのと同じ現象が、人体の中でも起こってきます。その結果、片頭痛、がん、動脈硬化、脳梗塞、心疾患、糖尿病、白内障などの生活習慣病を引き起こしてきます。
 また、活性酸素はしみやしわなどの原因になり、老化の最大の原因であることも分かってきました。
 現在の研究では、活性酸素は全疾患の90%以上に何らかの形で関っていると言われています。
 この活性酸素はミトコンドリアと切っても切れない関係にあります。
 活性酸素とはミトコンドリアがエネルギーを作り出す際に生み出されるものだからです。
 ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で活性酸素は必ず発生します。もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
 そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段を持っています。
 ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”抗酸化作用(抗酸化力)”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。
 「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態のことをいいます。
 「酸化ストレス・炎症体質」は、ぼろぼろに錆びた金属にたとえられる、「錆び体質」といわれるものです。ほとんどの現代人が抱える、さまざまな慢性病や生活習慣病の根底にある慢性病の源となっているものです。
 「酸化ストレス・炎症体質」は長い間の生活習慣などにより起こり、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。


 先述のように、現在、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
 今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在は後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。
 生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わって、ミトコンドリアの機能が低下してきます。
  このようにミトコンドリアの機能を悪化させる要因が多くあり、これを取り除くようにしませんと、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。


 「酸化ストレス・炎症体質」とは、体の中から活性酸素がどんどん産生され、抗酸化作用が全く追いつかない状態で、いつも“腫れたり”、”痛みがでたり”、“熱がでたり”、”発赤がでたり”さらには、高血圧になったり、心臓や脳血管で血栓を起こしたり、コレステロール値が高くなったり、アレルギーになりやすかったり、風邪や癌などにかかりやすくなったり、いろんな病気に罹りやすい体質のことです。


 参考までに、この「酸化ストレス炎症体質」に“内臓脂肪”の要因が加わると糖尿病に、生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と片頭痛に、“脳内セロトニンが低下する”とうつ病やパニック障害に、“強い精神的ストレス”の状態が続くとアルツハイマー病に、癌の場合は食品や環境由来の発がん物質が・・・・となります。


 発がん物質を摂っても、「酸化ストレス炎症体質」でなければ発症することはありません。
 アルツハイマー病も「酸化ストレス・炎症体質」でなければβアミロイドは蓄積していきません。
 花粉症は「酸化ストレス・炎症体質」を改善するだけで、自動的に良くなっていきます。
 内臓脂肪が少々多くとも「酸化ストレス・炎症体質」でなければ糖尿病になることはありません。
 このように、生活習慣病や慢性病といわれている病気の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」で、多くの場合「遺伝的体質」や「原因不明」という言葉で表現されているのが現状です。

 

 最近では、酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやタンパク質、脂質、糖質が酸化されていきますが、現在ではさまざまな病気において、これらの酸化ストレスにより変化した分子が、蓄積していることが分かってきました。
  例えば糖尿病では、酸化された糖とタンパク質が結合し、異常な糖化タンパク質が増えていることが分かっています。また、動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質(過酸化脂質)が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっています。
  さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したタンパク質などが蓄積していますし、酸化ストレスによって細胞が損傷を受けると、その細胞はやがてガン化します。
  このように、強い酸化ストレスにより酸化された生体内の分子は、さまざまな病気の原因となっている可能性があるのです。


 このような観点から、「現代病」を理解していかなくてはなりません。
 こうしたことから「おくすり」だけを服用していたからといって、現代病は治ることはないということです。


 西洋医学を基本とする現代医学では、治療の基本は薬物療法が基本となっています。これは、医学界全体が、製薬業界に依存する体質に根本的な原因があります。このような風潮に原因があると認識しなくてはなりません。
 こういったことから、私達は自分の身は自分で守っていくしかありません。
 このようなことから、「健康を志向される方々への一般的な指針」が必要とされ、これが一般化されなくてはなりません。


 脳のなかに異常のない「慢性頭痛」とは、「体調不良」のなかの訴えの一つにすぎないものです。このような観点から考え・対処するのが原則です。
 生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”片頭痛では、このような「酸化ストレス・炎症体質」が、片頭痛発症の根底にあるということです。


 「慢性頭痛治療」とは、慢性頭痛の治療だけではなく、「健康学」であり、「生活習慣病全般の指針」でもあり、「アンチエイジング」・「美容」に、さらに「認知症予防」にも繋がるものです。
 このように考えれば、「臨床頭痛学」とは、人間の健康・美容・アンチエイジング(動脈硬化予防)・認知症予防を希求する学問であるということを意味しています。
 本来、臨床医学とは、人間の健康をめざすのが目的です。このような観点から「慢性頭痛治療のてびき」では、「臨床頭痛学」を述べています。
  本書は、このような意味で、「健康を志向される方々への一般的な指針」ともなるものです。「慢性頭痛」だけに限られたものではありません。
   結局、感染症以外の、現代病、生活習慣病・認知症・心療内科疾患(うつ病、パニック障害)・ガンを予防するための指針ともなるものです。
  今後、このように「医学概論」そのものも改めるべきものです。

 
 これまで、頭痛の種のもと・・はミトコンドリアの働きを悪化させる原因について逐一述べたものであり、すなわち「酸化ストレス・炎症体質」を改善させるためでした。
 結局、「健康学」であり、「生活習慣病全般予防の指針」でもあり、「アンチエイジング」・「美容」に、さらに「認知症予防」を目的としたものでした。

 

 


 健康の鍵はミトコンドリアが握っています


 ところで、あなたは新陳代謝がいいほうですか?それとも、悪いほうですか?


 そのように問われたら、「汗をかきやすいから新陳代謝はいいほうです」とか、「冷え性だから、新陳代謝は悪いほう」とか、体質や自覚している体の状態で答えるでしょう。

  このように、日常会話にもたびたび出てくる「新陳代謝」ですが、じつはこれ、人体を形成する約60兆個の細胞に関わる重要なキーワードにして、免疫力を高める生活にとっても、ポイントとなる言葉です。でも、それを的確に説明できる人は、決して多くはないはずです。

 新陳代謝の本来の意味は、古いものが新しいものと置き換わることです。ビジネスの世界においても「社内の新陳代謝をはかる」などと言ったりする、身近な言葉でしょう。

  これが、人の肌の健康状態のよし悪しや爪の再生などといった、目に見える現象を指すのはご存知のとおりです。

 けれどもそれだけではなく、まさにヒトの生命活動そのものと言えるから重要なのです。

 新陳代謝を「リモデリング」と呼び、みずから新しくつくり換わっていく、生き物の最大の特徴と意味づけます。冒頭の、「汗をかきやすい」とか「冷え性」は、それぞれ、「細胞がつくり換わりやすい」「細胞がつくり換わりにくい」とも言い換えることができるのです。

 リモデリングでは、新陳代謝は、どのように行われているのでしょうか?これは、細胞のなか でミトコンドリアが酸素を使って行う呼吸、つまり、ミトコンドリアの呼吸なのです。

 逆にいうと、ミトコンドリアの呼吸が細胞内で正常に行われていると、若々しい細胞を保つことができ、元気で長生きできるということです。

 いつまでもが活発であることを意味します。

 つまり、新陳代謝そして、ミトコンドリアを元気にするような状態で日々を過ごすことが「免疫力を高める生活」なのです。

 このミトコンドリアこそが、健康長寿の鍵を握る極めて重要な細胞小器官(オルガネラ)です。

 さらに、細胞内の生命体であり、生命科学と医学の主役になる、いのち「生命のなかの生命体」です。


若さを左右する「ミトコンドリア」を大切に


ミトコンドリアの意外な姿


 ひとことで言えば、私達の体は細胞でできています。生き物のなかのいちばん小さな単位は細胞ですが、その細胞は呼吸をしています。その細胞のなかで呼吸をしている主体が、ミトコンドリアと呼ばれる小さな器官です。

  たとえば、日本という国があなただとしたら、国民ひとりひとりがミトコンドリアだと想定するとわかりやすいでしょう。

 そしてそれぞれがミトコンドリアを含むおよそ60兆個の細胞が集合してこそ、私達が存在するのです。

 ミトコンドリアは、酸素呼吸をする生物には必要不可欠なもので、ほとんどの細胞のなかに含まれていて、生体の活動に必要なエネルギーをつくり出しています。


 「ミトコンドリア」は、目に見えないサイズの細胞の中にある小器官ですが、かなり有名な存在です。
 生物の教科書に出てくる細胞の構造図で、丸いカプセルのような形で描かれていたのを思い出した人もいるでしょう。
 ところが、最近の研究者が書いた本などを読むと、私たちのイメージする「ミトコンドリア」は非常にデフォルメされたものだったことが分かります。

 まず、本物の生きているミトコンドリアは、コロンとした形とは限らず、主に糸状です。 色も多様で、鉄を含むため、おおむね赤色です。しかも、活発に動き回り、融合や分裂をくり返していて、1個の細胞内に約100~3000個もあります。

 このように個数に幅があるのは、代謝をつかさどる肝臓の細胞や、大量のエネルギーを使う心臓や筋肉、神経の細胞に特に多いからです。ミトコンドリアは全身を支える「エネルギー工場」であり、せっせとATP(エネルギーを放出する物質)をつくり続けています。
  長さが0.5マイクロメートル(1マイクロメートルum=1000分の1ミリメートル)ほどの楕円形をしていて、外はなめらかな膜でおおわれ、内側は「クリステ」と呼ばれるひだ状の構造になっています。

  内側の膜の上には酵素が含まれていて、ここで酸素を利用して栄養素を分解しながら、「アデノシン三リン酸」(ATP)という化学エネルギーをつくり出しています。

 このミトコンドリアが産出しているATPという化学物質のもつエネルギーが、熱や電流に変換されて体温を維持したり、筋肉の収縮、神経活動、物質の合成や分解などに使われたりしているのです。

  いわば、細胞のなかの発電機のようなものです。

  ヒトの体の細胞は、ミトコンドリアによって行われる新陳代謝により新たにつくり換えられ、 生命を維持しているわけです。

 このように、ミトコンドリアはヒトの体内で極めて重要な働きをしているにもかかわらず、一般的にはあまり注目されていないどころか、昨今の理科離れによって、若い人たちからはその存在までもが忘れ去られようとしているのが実情です。


 ただ、ATPをつくる時に、勢い余って活性酸素もつくってしまうのが難点です。活性酸素は、菌やウイルスなどをやっつけてくれる一方で、その強すぎるパワーで遺伝子DNAを傷つけます。活性酸素を除去する作用や遺伝子DNAの修復が間に合わず、遺伝子DNAに傷が蓄積してエラーを起こす現象こそが、「老化」なのです。

 では、ミトコンドリアが、活性酸素をつくり過ぎないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。そのコツをつかめば、全身の「若返り」も夢ではありません。


「体を若くする機能」をもつ「ミトコンドリア」とは?


  人間の体はどのような場合に、衰えていくのでしょうか? 


 実は体の衰えは、体の「エネルギーをつくる能力」に関係しており、体の「エネルギーをつくる能力」が低下することが、体が衰えてしまう原因です。

 反対に、「エネルギーをつくる能力」が衰えなければ、体の若さを維持することが出来ます。そして、そのエネルギーを生み出しているのが、「ミトコンドリア」なのです。

 先程述べましたように「ミトコンドリア」とは、「私たちの細胞の中にあるひとつの器官で、細胞全体の10~20%を占めています。細胞によって100個から3000個もの数が含まれている器官で、さまざまな役割を担っています。また、「その中でももっとも重要なはたらきが、体を動かしたり基礎代謝を促したりするための「エネルギー」をつくり出すこと」なのです。

  したがって、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力をいかに高く保てるかということが、体の若さを維持する鍵になってくるのです。そのため、体の若さを保つためには、ミトコンドリアの量を増やすことが必要になってきます。なぜなら、ミトコンドリアの量が増えれば増える程、多くのエネルギーが作られるようになるからです。

  そうなるためには、適度に運動することが必要になってきます。もし「疲れるから、体力がないからと、体を休めてばかりいると、ミトコンドリアが極端に減り、エネルギーのつくれない「老いた体」になって」しまいます。

  反対に、ミトコンドリアの量と質を高める生活を意識しさえすれば、潤沢なエネルギーが体に生まれ、老化を防止するだけでなく、代謝も活発になり、体の機能は向上します。
  それに加え、「最近の研究によって、ミトコンドリアが生み出すエネルギーの低下」が、認知症の原因の一つであることが判明してきたため、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力を高く保つことは、認知症の予防にも効果があります。

  普段から脳の血流量を増やし、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力を高く保っておくことが認知症に有効であることは間違いありません。しかもそれだけではなく脳のミトコンドリアが増えると、脳が使えるエネルギー量が増えますので、認知症を防止するだけでなく、集中力が増したり、発想力が豊かになったり、脳の機能全体がよくなります。

 ところで、「体を若くする機能」には「ミトコンドリア」だけではなく、「活性酸素」の存在も関係してきます。活性酸素は健康な細胞を攻撃して老化を促すことでよく知られていますが、ミトコンドリアがエネルギーをつくる工場だとしたら、活性酸素はエネルギーをつくる際に出てしまう有害な排水もしくは排煙のようなものです。


活性酸素を減らし、エネルギーを作り出すミトコンドリアを増やすことが老化を防ぐ。


 また、活性酸素は酸化力が強いため、細胞の中のものを傷つけてしまいます。特に深刻なのは遺伝子を傷つけてしまうことであり、実は、「遺伝子の傷の蓄積」こそが、「老化の正体」なのです。

 その活性酸素はどういった時に生じるのかといえば、まず、血液が流れていなかった状態から、急に血液が流れ酸素がミトコンドリアに入り込んだときにもっとも多く発生します。

 つまり、「酸素がないとミトコンドリアはエネルギーをつくることができないので、いわば休業状態」なわけですが、「急に酸素が投入されると、余分な酸素が活性酸素」になってしまいます。

  そのため、例えば「激しい運動を急にやめるとき」や「運動後に高濃度の酸素を吸うこと」、正座している時に「急に立ち上がろうとすること」などは、活性酸素を急激に増やす原因になりますので、運動を止める時は「次第に酸素が消費されるよう工夫」することが大切です。

  もうひとつ、実際の生活の中で活性酸素を誘発する最大の原因はストレスです。その理由は、ストレスを感じた時、ストレスを打開しようとしてストレスホルモンが分泌されることで、血圧と血糖値が上昇し、私たちの体は臨戦態勢になるからです。その臨戦態勢の状態は急激に運動を開始したときと同じ状態のため、活性酸素を生じさせてしまいやすくなります。

  活性酸素が細胞の中、特に遺伝子を傷つけてしまうのを防ぐには、日常生活の中で、活性酸素が生じてしまうのをなるべく避けることが重要だと思われます。それに加え、人間にもともと備わっている遺伝子の傷を修復する能力が使われたり、活性酸素を取り除く「SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)」がたくさん作られたりするには、より多くのエネルギーが必要になるため、ミトコンドリアを増やしていくことが大切です。

 普段は「体温調節」や「呼吸」など、今を生きるために必要なことにエネルギーが使われているため、優先順位が低い遺伝子の傷の修復にまでエネルギーがなかなか回りにくいのです。また、ミトコンドリアの数が不足してしまったり、ミトコンドリアの質が悪く十分なエネルギーをつくれなかったりすると、どうしてもエネルギーは不足してしいます。
 反対にエネルギーを十分に作る能力が高ければ高いほど、基礎代謝に加え、人間に備わっている老化を防止するシステムや遺伝子の傷の修復能力にもエネルギーが回るようになります。

 つまり、「長寿のためのシステム」をきちんと機能させることができるかどうか、それはエネルギー製造工場であるミトコンドリアがたくさんエネルギーをつくってくれるかどうかにかかっているのです。


ミトコンドリアで若さをキープ!


 「エネルギー工場」では電子のやりとりが盛んで、負担が重すぎると漏電し、より多くの活性酸素ができてしまいます。ですから、老化の主犯でもある活性酸素の発生を抑えたければ、とにかくミトコンドリアに無理をさせないことです。

 なるべく全力疾走のような急激な運動や、消化酵素が急に必要になるような早食いは避けましょう。エネルギーが一気に消耗され、ミトコンドリアが大忙しになってしまいます。

  それから、ミトコンドリアの数を増やし、1つ当たりの負担を減らしましょう。数が少ないほど過労状態になり、活性酸素ができやすくなるからです。

  筋肉、特に赤筋(遅筋)を鍛えると、ミトコンドリアが増えます。息を止めて行う筋トレではなく、有酸素運動で鍛えられるのが赤筋です。背中に最も多いので、背筋をピンと正すことを日々意識するだけでも効果が望めます。

 また、敢えて腹ペコになる時間をつくることも有効です。空腹によって活性化する長寿遺伝子が、ミトコンドリアを増やすためです。そもそも長寿遺伝子がアンチエイジングに役立つのは、ミトコンドリアのおかげとも言われています。

 寒中水泳やサウナの後の水風呂などでブルッとくると、脳が「ミトコンドリアを増やせ」という指令を出します。ミトコンドリアは多忙が嫌いで毒を吐くけれど、ちょっとした我慢(空腹や寒さ)は好きで増えちゃう、と覚えておけばいいでしょう。

  私たちの体は、毎日、自分の体重に匹敵するほど大量のATPを、つくるそばから消費しており、ミトコンドリアは年中無休でよく働いています。その原動力は栄養と酸素です。

 イカや貝類などに含まれるタウリンは、ミトコンドリアの材料になります。また、ココナッツオイルなど中鎖脂肪酸を多く含む油は、そのままミトコンドリアの中に入っていけるので、効率の良いエネルギー源になります。


幸せだから健康なのです。ミトコンドリアを増やしてエイジレス美人になろう!


ミトコンドリアを増やすために最適なスポーツは!?


 ミトコンドリアはとても合理的です。身体にとって必要な量のエネルギーしか生成してくれず、そして身体はそのエネルギー源を生成するための最低限のミトコンドリアしか持つことができません。少し省エネモードで身体を休めていると、エネルギー生産量はそれに合わせて減っていき、どんどん頑張りのきかない身体になりかねません。それを避けるためには、ほどよい運動習慣を持ち、常にエネルギーが必要であることを身体にわからせておく必要があります。またその際に鍛えるべきは、ミトコンドリアを多く含む部位。ミトコンドリアは持久力を司る筋肉の中に多く含まれています。持久力を司る筋肉とはいわゆる赤筋(遅筋)といわれるもの。太ももや背中の筋肉のことで、背筋をのばしたままゆったりと動く運動がミトコンドリアを増やすためにはおすすめ。例えば社交ダンスや日本舞踊、太極拳やヨガなどはまさにミトコンドリアにぴったりのスポーツといえるでしょう。

 

ミトコンドリアの喜びは、自分の喜び!


 ミトコンドリアが活性酸素を多く生み出す時。それは、酸素が一気に取り入れたときや身体が炎症を起こしているときです。怪我や事故で一時的に呼吸が止まった後や、ストレスで緊張した直後に身体が弛緩したとき、また身体のどこかで 炎症が起こっているときに活性酸素が多く生み出されます。逆にいえば、気持ちも身体もリラックスしていてハッピーで健康なときは、ミトコンドリアも問題なくエネルギー生成できていて、活性酸素の発生も抑えられているのです。つまり、幸せや心地よさを追求するということも美容やアンチエイジング、健康には欠かせないというわけなのです。


「幸せな気持ち」と「ミトコンドリア」が握るアンチエイジングの鍵!?


 いつまでも若くて美しい人とそうじゃない人の違いとは?

 「いつまでも美しく健康でいるためにはどうしたらいいの?」とか「年を重ねても若くて美しい人とそうじゃない人の違いってなに?」などと、 疑問に思ったことはありませんか? 実はこれ、ミトコンドリアに違いがあります。


姿勢を良くしてミトコンドリアを増やそう!


 つまり、老化や病気を遠ざけるため=「いつまでも美しく健康でいるため」にはこのミトコンドリアと活性酸素を制する必要があるということ。そのためにできることは次の3つです。

 

1、良質なミトコンドリアを増やす

 

 ミトコンドリアは体にとって必要な量しかエネルギーを作ってくれません。体を休めてばかりいるとミトコンドリアの量もエネルギーの生産量も落ちてしまいます。逆にミトコンドリアを増やしたい場合は、体にエネルギー不足を知らせてあげればいいのです。それには、背筋を伸ばす/背筋や太ももの筋肉を鍛える/マッサージで体を刺激する/空腹を感じる/寒さを感じる、などが有効。具体的には、常に背筋を伸ばして大股で歩くように心がける。食事はお腹が空いてから。そしてクラシカルな手法ですが寒風摩擦なども効果的です。

いつまでも美しく健康でいるためには「幸せ」を感じることが大切!?


2、体内の酸素量を急激に増やさない


 体内の酸素量を急激に増やさないようにするためには、急激な運動は避けるべき。運動時には丁寧にウォームアップやクールダウンを行いましょう。また、余計なストレスを避けること、メンタルを整えることも大切。強いストレスを感じると血流が一時的に悪くなり、それが回復するときに体内の酸素量が急激に増えます。その状態を避けるため、ストレスに強いメンタルづくり、または余計なストレスを避ける環境づくり…自分が幸せを感じられる感覚を大事にすることが大切になります。呼吸法や瞑想、両方を学べるヨガなどからコントロール方法を学ぶのもいいでしょう。


3、発生した活性酸素を除去する


 活性酸素の除去方法については、抗酸化物質が有効です。食事からとれる抗酸化物質が重要です。


 以上、いかがだったでしょうか? ミトコンドリアへのアプローチは意外とシンプル。 年齢を重ねてもいつまでも美しく健康な人は、幸せに溌剌と生きている人なのかもしれません!

 

 


ダイエットとミトコンドリア


 ダイエットで大事なことは代謝を活発にすることです。
 ミトコンドリアはエネルギーを産生するための細胞小器官です。エネルギー産生には栄養素・ビタミン・ミネラルが過不足なくなければなりません。栄養素・ビタミン・ミネラルを補給するには食事が大切であることは容易に理解されるはずです。
 1日のカロリー摂取量のうち、1日のエネルギー消費量を超えたエネルギーは脂肪に変換され、エネルギーが必要な時のために体内に貯蔵されます。体の筋肉を増やし、基礎代謝を上げると1日のエネルギー消費量が増えるため、脂肪に変換されるエネルギーが減り、太りにくい体質になります。
 ミトコンドリアというのは細胞の中にある小器官で、生命活動のエネルギー源となるATPを生成しています。そして、ATPの生成の際には「クエン酸回路(TCA回路)」が使われます。クエン酸回路は、クエン酸サイクル(Tri-Carboxylic Acid)の頭文字を取ってTCA回路とよばれています。主な働きは、食事により取り込まれた脂肪の分解や消化で、アミノ酸やブドウ糖、アセチルCoAなどが生み出されます。また、アセチルCoAがTCA回路に入ることで、脱水・酸化・脱炭酸といった作用が生まれ、反応を繰り返しながら成分が変化していきます。
 TCA回路が活動し代謝効率を上げてくれることで、痩せやすく太りにくい体質に改善されるといった特徴があります。
 ダイエットを効果的に実践する場合、基礎代謝を上げることが非常に重要となります。 基礎代謝というのは、人間が生きていくために必要最低限だとされるエネルギーのことを指します。
 運動などで体を動かしていない状態や眠っているときでも、基礎代謝は常に消費されています。基礎代謝は生命活動の維持に必要なエネルギーですが、男性の場合1500キロカロリー、女性では1200キロカロリーが最低限必要です。
 この基礎代謝は加齢と共に低下していく傾向があり、10代をピークに後はどんどん失われてしまうのです。例えば、歳をとるとすぐに体重が増えてしまうようになるのも、基礎代謝が低下していることが大きな原因だといえます。そのため、10代の頃と同じような食生活を30代40代になっても続けていれば、簡単に太ってしまうわけです。このように基礎代謝が低下している状態では、いくら食事制限などのダイエットを行ってもなかなか成果は出ないものです。

 代謝を活性化させてダイエットする方法で行えば、加齢で基礎代謝が落ちている人にはピッタリのダイエット法です。基礎代謝を高めることはもちろんカロリーを消費しやすい体質に改善することも出来ます。

 食べ過ぎるとミトコンドリアは、栄養が体に行き渡っているため、怠け始めます。
 ミトコンドリアが働いてくれないと、体に入ってくる糖や脂肪はエネルギーに変換されにくくなってしまいます。
 ミトコンドリアは、食事から摂取した栄養をエネルギーに変えてくれるからです。
 余った糖は血液に流れ込み、分解されていない脂肪は細胞に蓄積し始め、肥満へと繋がります。ミトコンドリアはエネルギーを作り出す時に酸素を必要としますが、この酸素が活性酸素に変化して片頭痛悪化に繋がります。
 ミトコンドリアを増やすには、空腹が最も重要です。
 ミトコンドリアは、エネルギーが不足している時や、もっとエネルギーの需要が必要な時に活性化して増殖します。
 空腹になると、体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。


■お腹をすかせて若くなる「週末断食」のすすめ


鶴は千年、亀は万年!?


 実はこれは理に適っているのをご存知でしょうか?
 亀は動きが遅く、エネルギーの消費が少ない徹底した省エネライフスタイルのため活性酸素の発生を大幅に抑えることができるのです。そのため、細胞へのダメージが少なく長寿でいられるのです。ちなみに鶴は、ミトコンドリアの数が多く、非常に多くのエネルギーを作るのに対して活性酸素の発生が少ないためだと言われています。なるほど!だから亀は長生きなんです!!


 自由に食べ物を食べさせた猿とカロリーを70%に抑えた猿との二つの群に分け、20年間比較した研究がありました。カロリー制限した猿は、そうでない群に比べ、生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3程度で、しわや白髪が少なく、目の輝きも違っていたといいます。猿は人間と最も近い動物ですので、カロリーを抑えると若々しく長寿になると考えられます。
 しかし、実際に20年もの間、3割もカロリーを減らし続けるのは至難の業です。その後、研究は進み、総カロリーを減らすよりもミトコンドリアを増やし長寿遺伝子のスイッチをオンにすることが大切なこと、そしてミトコンドリアを増やすには、空腹感が最も重要であることも分かってきました。
 更なる実験の結果、20年間カロリーを7割に抑え続けるのと、週2日、30%のカロリーにすることでは同じ効果があることが分かりました。カロリー制限に捉われるとストレスに繋がりますが、毎日食事制限をしなくても、時々空腹感を味わう「プチ週末断食」をお勧めします。空腹になると体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。
 難しく考える必要はありません。平日は普段通りの食事を摂り、週末の1~2日だけ3割程度のカロリーにすれば良いのです。例えば朝は野菜ジュース、昼はざるそばなどの軽食、軽めの夕食にする程度で十分です。


    ”ほめやせダイエット”の中沢康彦さんの論説
     これが最後のダイエット
      
https://ameblo.jp/yumichan15/entry-11395390985.html


 ダイエットに失敗することは、私達の体の仕組みに合わない方法を行っていたことを意味しています。


参考記事


健康であるためには・・
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12582502232.html


 病気の原因の90%が活性酸素
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12171631037.html


ミトコンドリアDNA
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12171848477.html


細胞膜は活性酸素によって酸化されます
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12171819729.html


 ミトコンドリアを活性化する9つの習慣って??
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12641968690.html


ミトコンドリアは「生命エネルギーの製造工場」
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12290473127.html


細胞内のエネルギー産生の仕組み
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12290495989.html


 以上のようなミトコンドリアの知識は必須のものとなっています。

 

 


ここで、コマーシャルです。

 

 頭痛が気になったら・・以下へアクセス
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html

 

 これまで、「頭痛の種明かし」について述べて参りました。
 そして、頭痛の”種”、いや謂わば、初期には、頭痛の”核”ともなり、以後徐々に増悪・増大していくものとして、「ミトコンドリアの働きの悪さ」を挙げました。


 そして、これまで慢性頭痛の発症過程・・”片頭痛の創られ方”について、以下のように述べました。


慢性頭痛の発症過程


第1段階 「酸化ストレス・炎症体質」の形成
第2段階 姿勢の悪さ
第3段階 ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)

 

  1.自律神経系・・セロトニン神経系
  2.内分泌系・・生理活性物質・・オメガ3とオメガ6のアンバランス
  3.免疫系・・腸内環境の悪化

 

第4段階 「脳過敏」を形成する要因が次々に追加されます
 

  1.ミトコンドリアの機能低下に”常習的な”マグネシウム不足
 2.脳内セロトニンの低下 → 枯渇
 3.体の歪み(ストレートネック)の形成と”長期間”の持続

  

第5段階 慢性片頭痛へ

 

 


 今回のシリーズで取り上げたものは、第1段階の「酸化ストレス・炎症体質」の形成するもの、すなわちミトコンドリアの機能を悪化させる原因を一つづつ取り上げました。
 原因不明とされる慢性頭痛の根本的な原因となるものとして、このように多くの原因を挙げましたが、一言で言えば「ミトコンドリアの機能を悪化させる」原因です。
 お分かりのように、生活習慣によるもの、生活環境によるもの、食事内容によるもの、年齢的な問題と、極めて広範囲に及ぶもので、単純に唯一つの原因を抑えれば解決できるものではないことが理解されたはずです。
 大雑把に言えば、ミトコンドリア、セロトニン神経系、姿勢の悪さの3つですが、この3つとも相互に関係があります。
 セロトニン神経系はミトコンドリアと連動して作用していることを忘れてはなりません。
 ミトコンドリアの働きの悪さは、「脊椎起立筋群」に対して、”筋肉そのもの”への関与、さらにセロトニン神経系は、”神経系の要因”として関与し、姿勢を保持しています。
 こういったことから、ミトコンドリアの機能が悪化している現代社会では、「姿勢の悪さ」が起きやすい生活環境に置かれています。
 このような「姿勢の悪さ」は、猫背や前屈みの姿勢になり、胸郭を大きく開いての深呼吸ができなくなり、結果的に「低酸素状態」を招来し、ミトコンドリア優位のエネルギー産生にならなくなることから、結果的にミトコンドリアの働きを悪くさせることになります。


 ということは、ミトコンドリアの機能の低下が、根本的な原因になっているということです。片頭痛はミトコンドリアの働きの悪さが遺伝素因となっています。ということは、緊張型頭痛は、このような遺伝素因がないものですので、慢性頭痛そのものが網羅されることになります。

 


頭痛の種のもとは?・・はじめに
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711795685.html


頭痛の種のもとは?・・睡眠不足
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711806968.html


頭痛の種のもとは?・・運動不足
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711813134.html


頭痛の種のもとは?・・食べ過ぎ
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711839560.html


頭痛の種のもとは?・・ドカ喰い
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711845523.html


頭痛の種のもとは?・・薬剤
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711850171.html


頭痛の種のもとは?・・マグネシウム不足
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711862862.html


頭痛の種のもとは?・・鉄不足
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711974395.html


頭痛の種のもとは?・・活性酸素
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711981105.html


頭痛の種のもとは?・・有害物質
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711991122.html


頭痛の種のもとは?・・エストロゲンの分泌低下
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12711998301.html


頭痛の種のもとは?・・便秘
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12712026134.html


頭痛の種のもとは?・・姿勢の悪さ
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12712034156.html

 

 


日常的に感じる極く軽度の頭痛
 

 こうした頭痛の原因として、セロトニン神経系、生理活性物質である エイコサノイド(プロスタグランジンなど)・・脂肪酸由来物質、腸内環境の悪化(便秘)を挙げました。
 このような要因は、第3段階の「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」の原因ともなるものです。
 腸内環境は、ミトコンドリアの最も多く生息している場所であり、腸内環境の善し悪しはモロにミトコンドリアの機能、とくにエネルギー産生に影響が及びます。と同時に、セロトニン産生にも悪影響が及ぶことになり、極めて重要な位置を占めています。
 生理活性物質である エイコサノイド(プロスタグランジンなど)・・脂肪酸由来物質は、第1段階の「酸化ストレス・炎症体質」の形成にも関与しています。
 この部分は理解しにくい箇所ですので、もう一度おさらいをしておきます。


 このように、頭痛の”種”、いや謂わば、初期には、わずか”種”に過ぎなかったものがやがて、頭痛の”核”となり、以後徐々に増悪・増大していくものとして、「ミトコンドリアの働きの悪さ」、セロトニン不足、姿勢の悪さ→「体の歪み」を挙げました。
 これらは、片頭痛を特徴づける「脳過敏」をつくり、片頭痛の慢性化に関与してきます。


 このようにして、年々、種から育っていくものです。

 

 


 それでは、復習の意味でもう一度・・


自律神経の乱れ・・セロトニン神経の弱体化


 ストレスは自律神経を乱す根本的な原因になっています。


 私達はストレスが重なりますと、頭痛を肇としていろいろな体調不良を訴えてきます。
 日常的にストレスの多い忙しい生き方が続いていると、自律神経のなかの交感神経が優位に働くことにより血管は収縮し血流障害(「低酸素」)と「低体温」、を招きます。
 ストレスが持続すれば、”マグネシウムを枯渇”させてくることになり、マグネシウムは、体中のインスリンの作用を応援する役割を持っていることから不足すれば、「高血糖」を来すことになります。
 このため、解糖系が働きやすい環境である、「低体温、低酸素、高血糖」の3条件が引き起こされてくることから、ミトコンドリア・エンジンが働かなくなり、慢性頭痛を起こしやすくしてきます。


 慢性的にストレスに晒されることによって、「脳内セロトニン不足」を来すことによって、”痛みの制御”ができなくなって、頭痛を感じやすくなります。


自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与しています。


  ”セロトニン神経系”の機能の低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。


 上記のように脳内セロトニンの低下によって、自律神経の調整がうまくいかない状態が日常的になれば、平生から、脳内セロトニンの低下が潜在的に常態化することになり、ここに生理時にエストロゲンの低下が加わることによって、生理時に頭痛が引き起こされることになります。
 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
 その時に頭の中の血管が拡張することで頭痛が起こると考えられています。
 このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して頭痛が起こりやすいということなのです。
 女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 以上のように、だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。こうした年代に女性の場合は、頭痛を発症してきます。
 エストロゲンが低下することでセロトニン神経の機能が低下し、脳内セロトニン濃度が低下すると考えられています。


脳内セロトニンの低下のあらまし


 片頭痛は、私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアの機能障害”による頭痛です。ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に”常時”活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 言い換えれば、ミトコンドリア働きが悪いと、脳の神経細胞の場合、「セロトニン神経」が選択的に「ミトコンドリアの働き」の影響を受けやすく、セロトニンを産生しにくく、セロトニンの合成やその合成のための酵素も充分な量を生成できなくなってしまいます。 その結果、「脳内セロトニン不足」が引き起こされてきます。
  「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 セロトニン神経は、痛みの感覚を抑制する役割を担っています。
 セロトニン神経が活性化されていると、鎮痛効果が現れます。
 痛み自体がなくなるのではなく、セロトニン神経の活性化により痛みの感覚をコントロールすることで、痛みを感じにくくなります。
 反対にセロトニン神経が弱まると、ささいなことで体の痛みを感じるようになります。
 このため、脳内セロトニンが低下すれば、頭痛が出現しやすくなってきます。

 

 脳内セロトニンの低下は、「衝動性、過敏性、こだわり、緊張」が強くあらわれ、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの五感すべてが過敏になり、わずかな刺激にも敏感に反応してしまい、さまざまな自覚症状を訴えるようになります。


 この「脳内セロトニン低下」が「脳過敏」を引き起こす要因となっています。


 “小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば益々「脳内セロトニンが低下」することになります。さらに生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により「脳内セロトニンの低下」の要因が追加されて、「脳過敏」を増強させてきます。
  「脳内セロトニンの低下」により脳が過敏になり、本来は痛くない刺激を痛みと感じるアロディニア(異痛症)が、片頭痛発症後5年くらい経過して出現することがあります。

 


生理活性物質・・オメガ3とオメガ6のアンバランス


「酸化ストレス・炎症体質」形成に関連して


 食事などから摂取する必要のある脂肪酸を「必須脂肪酸」と言います。
 必須脂肪酸には、オメガ-6系とオメガ-3系があります。
 オメガ-6系の脂肪酸の代表はリノール酸とアラキドン酸です。オメガ-3系の代表はα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)です。オメガー6系とオメガー3系の脂肪酸は互いに抑制し合い、身体内ではまったく逆の反応を誘導するため、このふたつの比率がとても重要です。
 オメガー6系は、炎症やアレルギー性疾患を誘導したり、血管が詰まりやすい状態にしたりします。逆にオメガー3系は炎症やアレルギー性疾患をしずめ、血管が詰まりにくい状態にします。
 簡潔に言い換えますと、オメガ-6系脂肪酸のとりすぎが炎症体質を悪化し、オメガ-3系脂肪酸をとると炎症体質は改善されるということになります。
 これらのことから、摂取する「オメガ- 6 系油とオメガ- 3 系油の比」をもって炎症体質や酸化ストレス体質にならないための油脂の摂取量の目安量を知ることができます。
 いわゆる、オメガ-6系/オメガ- 3 系の比が大きな値を示すほど「酸化ストレス・炎症体質」は悪い状態に向かい、逆に小さな値であるほど「酸化ストレス・炎症体質」は良好な状態に向かうということなのです。
 
 がんなどの生活習慣病のベースには「酸化ストレス・炎症体質」があり、オメガ-6系とオメガ-3系脂肪酸の比率が関係しています。オメガ-6系は、炎症やアレルギー性疾患、血栓(心筋梗塞や脳梗塞)、がんなどを引きおこしやすくするので悪い印象を受けますが、オメガ-6系が働かないと感染に対して炎症を起こして治る力が働きませんし、少しの傷で出血が止まらなくなります。

 
 どちらがいいというよりも、あくまでバランスが重要であり、理想的なオメガ-6系とオメガ-3系の摂取割合は3一1とされています。現代の日本人は、圧倒的にオメガ-6系が過剰で、オメガー3系が極端に少なくなっています(20~40:1)。揚げものや炒めもの、洋食中心の食生活が多い人は注意しましょう。
 オメガ‐3系を積極的にとり、オメガ-6系を控える必要があります。ただし、えごま油やあまに油などのオメガー3系の油は非常に酸化しやすく、加熱料理には向きません。あえものやドレッシングなどで、積極的にとるよう心がけましょう。


 不飽和脂肪酸のオメガ-3やオメガ-6の脂肪酸をバランスよく摂ることが、健康な細胞膜を作ったり、プロスタグランディンやその他の細胞の働きをコントロールする生理物質をつくるのに大切です。
  現代の食生活の中では、オメガ-6の脂肪酸は十分(過剰)に摂っておりますが、オメガ-3の脂肪酸は不足しがちです。
  心臓病、ガン、免疫機能の不全、その他多くの現代病の主要原因がオメガ-3の欠乏にあり、健康を維持するためにはオメガ-3系の脂肪酸を食物により摂取することが重要です。
  また心臓病その他に効果があるオメガ-9の油(オリーブ油)も、適量摂ると良いでしょう。(エキストラ・バージンに限り)


 食物を摂りすぎて運動量が少ないときは、余ったカロリーを体に貯えます。
 このとき糖類として貯えられる量には限界があり、余分な糖類やタンパク質は全て脂肪として貯えられます。
 余分なカロリーを脂肪として蓄積する機構にはどれくらい蓄積したら充分であるという限界がありません。
 意識して食物の量を制限したり運動量を増やさない限り、脂肪の蓄積はほとんど無制限です。
 これが飽食の時代にさまざまな問題をひき起こします。


 オメガ-6の必須脂肪酸のリノール酸からはガンマ・リノレン酸やアラキドン酸がつくられます。
 オメガ-3の脂肪酸のアルファ・リノレン酸リノレン酸からはEPAやDHAが造られます。
 また、オメガ-3の脂肪酸からはオメガ-6の脂肪酸を造ることができず、逆にオメガ-6の脂肪酸からオメガ-3の脂肪酸が造られることもありません。
 ですから、オメガ-3と6の脂肪酸は別々に両方ともバランスよく摂らなければなりません。


プロスタグランディン


 プロスタグランディンは、体の機能をいろいろな場所でコントロールしているホルモン様物質で、分子構造上、必須脂肪酸に似ており、それゆえに「オメガ-3」や「オメガ-6」の必須脂肪酸を原料として、人間の体内で造られています。
 オメガ-3から造られるプロスタグランディンとオメガ-6から造られるものは別の系統のプロスタグランディンなので、原料のオメガ-3と6の体内でのバランスが崩れていればそれから造られるプロスタグランディンのバランスも崩れ、トラブルが生じます。
 プロスタグランディンは、現在わかっているだけでも、いろいろな機能に関係し、それぞれが固有の働きをするとともに、互いに相拮抗する働きをしているものもあります。
 それゆえに、プロスタグランディン同士の体内でのバランスも正常でないと体と心にトラブルが生じます。


 食物を消化する消化器官が、消化器官自身を消化してしまわないのは実は非常に不思議なことですが、これはプロスタグランディンがそれを防いでいるからです。
 ですから、最近では消化器の潰瘍の原因は、消化器の壁を保護するプロスタグランディンの不足と考える研究者が多く、原因はこのプロスタグランディンの原料になっている、「オメガ-3」の不足だという学者もいます。
 ところが、ひとくちにプロスタグランディンといっても、実はたくさんの種類があることがわかっています。
  そして、ある種のプロスタグランディンだけが過剰に作られてもバランスが悪く、やはり体の中で問題を起こしてしまいます。
  私たちの体の中で、「オメガ-6」が原料のプロスタグランディンは十分に足りていますが、「オメガ-3」が原料のプロスタグランディンは決定的に不足しています。
  それが原因でいろいろな現代病が発生しています。
  不足している必須脂肪酸「オメガ-3」を補う目的で亜麻仁油などの「オメガ-3」を積極的に摂ることは、私たちの健康づくりに大変役に立ちます。


脂肪の代謝について


 体についた脂肪は、そのままでは燃えません。まず、燃えやすい遊離脂肪酸に変化し、血液の中に流れ出します。そして、各細胞内のミトコンドリアへと流れていきます。
 ミトコンドリアは、エネルギーを生み出す場所です。遊離脂肪酸を燃料としてエネルーを生み出すのです。こうして、脂肪は燃焼します。
 遊離脂肪酸は”L-カルニチン”CoQ10が不足していては、ミトコンドリアの中に入ることができません。このため、脂肪はうまく燃焼されません。
 遊離脂肪酸は”L-カルニチン”がないと、またCoQ10 が不足していても、脂肪はうまく燃焼されません。L-カルニチンはCoQ10 と一緒にしっかり摂ってこそ意味があるのです。
 この2つが不足すれば、脂質は燃焼されないことになります。


 使い切れなかった脂質は他のエネルギー源同様、中性脂肪に変えられ、体脂肪として蓄えられます。そのため脂質を摂り過ぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらに血液中の中性脂肪やコレステロールが増える脂質異常症や、メタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。
  血液中に溢れる遊離脂肪酸も直接的に酸化ストレスを増加させる要因になっています。 血液中に大量の遊離脂肪酸があると、血液の酸化が亢進します。
  体内で中性脂肪・コレステロールから活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素やフリーラジカルを作り、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。
  血管内に貯まったLDLコレステロールが酸化して発生した過酸化脂質は、動脈硬化などの原因となります。
  細胞を包む膜の活性酸素産生、細胞内のミトコンドリアでの活性酸素産生も促進します。
  また、肥満化した脂肪細胞からは様々な生理活性物質(アディポカイン)や炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が分泌されます。
  これらの生理活性物質や遊離脂肪酸などが合わさって、身体の「酸化ストレス」を促進する要因となり、全身の障害を招くことになるのです。


 体の中で消費されずに貯まった脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分が余っていますから、プロスタグランジンも多く作られてしまいます。
 緊急時には、細胞が脂質を分解して、私たちの体を守る物質を作ってくれます。
 例えば、私たちの体に病原菌などが感染してしまったとき、病原菌が感染した周囲の細胞からプロスタグランジンやロイコトリエンという物質が、細胞膜の脂質から作られます。 プロスタグランジンやロイコトリエンは、病原菌を退治してくれる白血球という細胞を病原菌が感染した部位に集める役割を持ちます。オメガ6からのアラキドン酸が問題です。
 これらの「生理活性物質」は発熱や痛みを生じさせたりしてしまうことがあります。このように「生理活性物質」は相反する作用を持っています。
 女性の場合、そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出過ぎて、子宮内膜に収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛が酷くなってしまうのです。


 ですから女性の場合、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛・頭痛を和らげることに繋がります。
  このように相反する作用を持っている「生理活性物質」の摂取アンバランスは、「酸化ストレス・炎症体質」を作る基になっています。


日常茶飯事にみられる頭痛の原因としてのプロスタグランジン


 必須脂肪酸である「アルファ・リノレン酸(オメガ3)」と「リノール酸(オメガ6)」は、体のほとんどすべての機能を調節するホルモン様物質(局所ホルモン)・プロスタグランジンの原料となる不可欠な脂肪酸です。
 現在、プロスタグランジンの材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。
 そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられ、炎症を悪化させるプロスタグランジンだけが過剰に生成されることになります。
 現在のような「オメガ3欠乏」の状態では、圧倒的に「アラキドン酸」由来のプロスタグランジンが生成されることになります。
 プロスタグランジンの原料になるのは食物の中に含まれる脂肪です。
 このため、脂肪分の多い食事を摂り過ぎますと、炎症を悪化させる”生理活性物質”であるプロスタグランジンが産生され、頭痛・痛みそのものが出現しやすくなります。
 実際に、このようなことは、”刺激を受け組織が損傷すると、まず細胞膜にあるリン脂質はアラキドン酸に変わり、更に体内にあるシクロオキシゲナーゼという酵素の働きにより発痛増強物質プロスタグランジンが生成される”といった場面で起きることです。
 (プロスタグランジンは、熱感や腫れ、発痛の増強作用があります。)
 このようにして、プロスタグランジンは日常茶飯事にみられる頭痛を引き起こしてきます。

 また、生理痛や生理時の片頭痛の原因にもなります。このことは、これまで、当ブログでも度々掲載しており、重複しますので、下記の記事をご覧下さい。


  「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-11945913540.html


  蛇の生殺し?・・月経時の片頭痛
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12580582237.html

 
片頭痛の発生機序に関連して


遊離脂肪酸はどのようにして生じる?


 精神的なストレスによりアドレナリンが分泌されると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)は上がり、体脂肪も分解され始めるため体脂肪からの遊離脂肪酸が生成されるようになります。
  本来、これらの体の変化は獣(外敵)などに襲われた時に人間が外敵と戦ったり逃げたりする時にエネルギー不足を起こさないための緊急的体勢の備えとして身に付いたものと考えられます。
  通常、体脂肪のエネルギーへの利用は空腹時(食事を摂らない時)にエネルギーの不足分を補うために生じ、生成した遊離脂肪酸は直ちに体に必要なエネルギーとして使用されます。
  しかし、エネルギーとして必要性がほとんどなく、単に精神的なストレスだけによる緊張のためだけに生成した遊離脂肪酸は血中の遊離脂肪酸濃度を高めるだけの結果となります。ストレスから開放されると消費されるあてのない遊離脂肪酸は一時的に血中の濃度を高めるだけの結果となってしまうのです。
  その結果、血小板に直接作用して”血小板凝集反応”を促進することや脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させるなどの現象を引き起こすと考えられます。
  このため、ストレスを受けている時に発症するのではなくストレスから開放された時に片頭痛を発症しやすくなるのです。
  また、植物油(リノール酸)の摂りすぎやトランス脂肪酸を摂ると、体内での脂質代謝が遅延することになりますので、血液中の遊離脂肪酸濃度をいつも高い状態にしてしまうことになります。
  このように、血液中の遊離脂肪酸濃度が常に高い状態であれば、ストレスなどのわずかな刺激であっても血小板の凝集や活性酸素の発生が起こり易くなると考えられます。
  一方、糖飲料などを飲み過ぎにより急激に血糖値が上がり過ぎますと、血糖の急激な上昇を抑制するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。
  過剰に分泌されたインスリンは血糖を下げ過ぎることになります。
  血糖値が下がり過ぎると、血糖を適正なレベルに戻そうとするからだの仕組みが働き、体脂肪から遊離脂肪酸がエネルギー源として放出されるようになります。
  体脂肪からブドウ糖などエネルギー源としての生成とその消費が平衡を保っておれば問題を生じることはありませんが、急激な血糖値の変化にそのバランスが崩れてしまうと血液中の遊離脂肪酸濃度を高めることになります。
  特に片頭痛持ちの人はミトコンドリアの活性が低く(冷え性や低体温症など)、ブドウ糖の生成とその消費のバランスは乱れやすい傾向にあります。
  糖飲料の摂り過ぎ以外にも、過激な運動や絶食(長い間の空腹)なども糖への代謝とその消費のバランスを乱しますので血液中の遊離脂肪酸の濃度を高めることになります。
  このようにして放出された遊離脂肪酸が血小板に直接作用して血小板の凝集を引き起こすことにより脳血管内のセロトニン濃度が上昇することで片頭痛を発症すると考えられます。
  または、遊離脂肪酸が脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させ、その活性酸素が三叉神経や脳細胞を傷つけることにより片頭痛を発症させると考えることもできます。

 

脂質の摂り過ぎが活性酸素の発生原因に!


 ところで、「酸化ストレス’炎症体質」の人は、体内で過酸化脂質が生成されやすく、これが活性酸素を過剰に発生させる原因物質となっています。
 過酸化脂質というのは、コレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されてできたものです。これらは体内で作られるのですが、それ以上に、そもそも過酸化脂質を多く含む加工食品などを過剰に摂る食習慣のほうに問題があると考えられます。
 ポテトチップスなどのスナック菓子、インスタントラーメン、ピーナッツ、マヨネーズ、マグロの缶詰(缶を開けたあと)、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあります。
 精神的なストレスを受けてアドレナリンが分泌されると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)を高めるために体脂肪が分解されます。このとき、体脂肪から遊離脂肪酸が生成され、血液中に溶け出して全身に送られます。
 通常、体脂肪は空腹時のエネルギー不足を補うために分解されます。ところが、精神的なストレスからアドレナリンが分泌されて遊離脂肪酸が生成されると、エネルギーとして消費されることがほとんどありませんので、その後ストレスから解放されると、血中の遊離脂肪酸濃度だけが高くなった状態になってしまうのです。この遊離脂肪酸は、血小板の凝集を促進したり脳血管壁を傷つけたりしますから、これが活性酸素を発生させる原因となってしまいます。
 遊離脂肪酸には細胞毒性(細胞を傷つける性質)が強いという特徴があります。通常は血液中のアルブミン(Lカルニチン)というタンパク質成分と結合して毒性が弱められた状態で存在しているのですが、遊離脂肪酸が毒性を発揮して細胞を傷つけるということは、アルブミンとの結合可能な限界量(間値)を超えてしまっているということです。
 このような状態を招く原因は、間違った日々の食習慣なのです。特に、植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸を多く摂り過ぎると、体内での脂質代謝が充分に行われず、血液中の遊離脂肪酸濃度が高い状態になることが分かっています。
 このような状態になれば、ストレスなどのわずかな刺激であっても、片頭痛の引き金となる脳血管内の血小板凝集が起きてしまいます。

 

 


「酸化ストレス・炎症体質」を改善させるためには・・


   1)毎日の食事とともに摂取される有害物質をとらないこと
 
            日頃から、デトックスを心掛けましょう
       
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293333401.html
 

    2)腸内環境を整える
     

            腸内環境を整えましょう
            
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293343888.html

  
     3
)生理活性物質(エイコサノイド)のバランスをよくする
    

           脂質の摂り方が「片頭痛根治の鍵」になります
           
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293077912.html


    4)インスリン過剰を起こさない
 
        早食い・ドカ喰いは慎みましょう
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293130327.html
 

  これらは、これまで述べてきたことです。

 


 ミトコンドリア研究の第一人者とされる日本医科大学教授・太田成男先生によれば、「すべての細胞に存在するミトコンドリアの研究は、全身を対象とするものです。ミトコンドリアを考えることで、脳や心臓といった身体の部位を一つひとつ切り離すのではなく、総合的にとらえる視点を得ることができるのです」と、極めて含蓄ある表現をされています。


 片頭痛を改善させた方々は、皆さん、実年齢よりずっと若返って、見違えるように美しくなっていることを忘れてはなりません。

 

 

 

 

ここで、コマーシャルです。

 

 頭痛が気になったら・・以下へアクセス
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html