「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 前回の第2弾です。


生理痛とは


 最近、興味あるブログを目にしました。それは「生理痛」に関するものです。それは、「kaolune のSweet Days 」(http://ameblo.jp/kaolune/entry-10582677361.html )です。kaoluneさんによれば、「生理痛」の原因として、10 の要因を挙げておられます。「冷え」「血液の量」「血液の量」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」です。
 これらを詳細に述べることが一番なのですが、著作権の問題で省略致しますが、決して「ストレス」だけが原因ではないようです。単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(脂肪酸・環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。
一度、ご覧下さい。極めて興味深いブログです。


質の悪い脂肪の多い食生活と冷えがプロスタグランジンを増やしている


生理痛の激痛の原因になっているのがプロスタグランジンです。


 生理のときに子宮内膜をはがすのをはたらきかける物質ですが、必要以上に多くですぎてしまうことで、生理痛が激痛になってしまいます。
 ですからのこのプロスタグランジンが必要以上に多くですぎる原因を知って、多くですぎないようにすることが生理痛を改善するうえでとても大切なポイントになります。


プロスタグランジンが多くですぎる原因は?


プロスタグランジンが多くですぎてしまう原因は主に2つあります。


1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」


 それぞれに簡単に説明をしましょう。


1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事


 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなんです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので
 しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
 良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
 ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。
 といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。
中性脂肪としてたまってしまっているのが現状です。
 そして、体の中で消費されずにたまって脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。
 体の中には脂肪分があまっていますから、プロスタグランジンも多くつくられてしまいます。
 そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出すぎて、子宮内膜に 収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛がひどくなってしまうのです。
 ですから、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛をやわらげることにつながります。


2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」


 プロスタグランジンは生理のときにでてくる物質ですが、血液の中を通って子宮までたどりつき子宮に収縮しなさいとはたらきかけます。
 このときに、体が冷えているとプロスタグランジンが子宮のところで長居してしまいます。なぜ長居してしまうのかというと、冷えていると血液の流れが悪くなるからです。
 血液の流れが悪くなることで、血液の中にあるプロスタグランジンが子宮に長くとどまってしまうのです。
 プロスタグランジンが長くとどまれば、その間にずっとプロスタグランジンが子宮に収縮しなさいとはたらきかけてしまうので、生理痛の痛みが長く続いてしまう原因になるのです。ですから、体とくに子宮のある骨盤周辺を冷やさないようにするのが、生理痛をやわらげるのにつながるのです。


 ここで、子宮の筋肉が収縮・弛緩する仕組みについて、簡単にご説明します。


筋肉の収縮にはミネラルが関わっています。


 細胞内のカルシウム濃度が高くなると筋肉がきゅっと収縮します。
 そのカルシウムはどこから来るかと言うと細胞外からと細胞内のカルシウム貯蓄庫から の2パターンがあります。


 大まかに言うと


脳からの指令を自律神経が筋肉に伝える
               ↓
細胞外からカルシウムが流れ込み細胞内では貯蔵庫からカルシウムを出す
               ↓
細胞内のカルシウム濃度が高くなる
               ↓
         筋肉が縮む


という流れになっています。


 逆に 弛緩させるためには細胞内のカルシウムの濃度を減らす必要があります。
 どうやってカルシウムを減らすのかと言うと細胞膜にあるポンプで 細胞外にカルシウムを汲み出し細胞内の貯蔵庫にも 貯蔵庫のポンプでしまい込むのです。
 このポンプを動かすエネルギー源を作るのにマグネシウムが関わっています。
 ここで もしマグネシウムが足りないとポンプを動かすエネルギーがないため(いわば バッテリー切れ状態)カルシウムを汲み出せませんし 貯蔵庫にもしまえません。
 細胞内はカルシウムが多い状態が続き筋肉は収縮し続けることになります。


 それからもう一つ、収縮を伝える神経伝達にもカルシウムとマグネシウムが関わってます。

 

 カルシウムはメッセンジャーをたくさん出しますが、マグネシウムはメッセンジャーが出過ぎないようにします。
 ということは、マグネシウムは神経伝達において「収縮せよ」という信号が届きすぎないよう調節してくれているのです。
 これらのことから、筋肉が収縮しすぎず弛緩するには マグネシウムが必要であることが理解されるはずです。
 マグネシウム不足では、子宮筋層はギュ~っと収縮しっぱなし になります。
 すると 子宮筋層の血行はもちろん悪くなり、細胞は酸欠を起こしますから SOS信号である発痛物質がでてきますし、その状況を助けるために プロスタグランジンが活躍することになります。このために痛みが出てくることになります。


 前回も述べましたように、月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、脳内のマグネシウムの割合が低下します。その為、月経中にに片頭痛を起こしてきます。


生理周期との関連


 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質のセロトニンも急激に減ります。その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。
 このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後、さらに排卵日にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→ 頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいのです。
 月経周期に関係する片頭痛は、エストロゲンの変動の少ない妊娠中や閉経後には治まってくる人も多くなります。
 片頭痛を発症し始める年齢は生理が始まる11 から13 歳ごろが多いのも理解されると思います。
 セロトニン神経の起始核である縫線核にはエストロゲンの受容体が豊富であり、性周期に伴う気分の変動についても、エストロゲン濃度の変動が影響していることが考えられます。


改めて、生理痛と片頭痛の関係


 生理中の痛みの症状として、腹痛のほかに頭痛を挙げられる方は多いかもしれません。
 頭痛を生理痛の延長と考える方が多いようですが、生理痛は、痛みがおこるメカニズムから片頭痛そのものだ、ということがわかります。

 

 生理がはじまる1 ~ 2 日前や、生理がはじまってからの2 ~ 3 日目に、片頭痛はよく起 こります。
 片頭痛は、「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌と関係があるといわれています。
 体を妊娠しやすい状態に整えるエストロゲンは、生理が終わるころから排卵の直前まで多く分泌されます。エストロゲンは、卵巣で大きくなった卵の排卵を促し、子宮内膜を厚くして妊娠の準備をします。そして、妊娠しなかった場合、エストロゲンの分泌が減り、いらなくなった子宮内膜が体外に排出されます。  

 その際、エストロゲンと一緒にセロトニンの分泌が減ってしまうため、生理の際に片頭痛がおこるのです。
 痛みの原因は、脳の血管が拡張して引き起こされた炎症だと考えられています。
 そしてその血管拡張は、セロトニンという神経伝達物質の不足で起こるといわれています。
 月経の際の片頭痛は、それ以外の時期のものに比べて、強い痛みが長く続くのが特徴です。
 さらに、この時期の痛みには、鎮痛剤が効きにくいといわれています。その理由は前回述べました。


局所ホルモン(プロスタグランジン)の働き


プロスタグランジンとは?


 必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6は、全身のさまざまな生理機能を調節する局所ホルモンの原料になります。この脂肪酸からつくられる局所ホルモンはエイコサノイドと言われ、「プロスタグランジン」「ロイコトリエン」「トロンボキサン」などの種類があります。そうした調節物質を、ここではまとめて「プロスタグランジン」と呼ぶことにします。
 従来のホルモンが特定の内分泌腺でつくられ、全身を支配しているのに対して、プロスタグランジンは個々の細胞でつくられ、細胞レベルでの調節を行っています。(※そのため局所ホルモンと呼ばれています。)しかし、その働きはきわめて重要で、身体全体の機能に関係していると言ってもよいほどです。   片頭痛でも重要な位置を占めています。


プロスタグランジンの生成過程と種類


 プロスタグランジンは、次のようなプロセスで生成されます。

 

 必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6が体内で化学変化を繰り返し、各種の「プロスタグランジン」が生成されていきます。(※食物として体内に吸収されたオメガ3・オメガ6の大部分は、他の脂肪酸と同じく燃焼に回されますが、細胞膜からピックアップされた一部がプロスタグランジンに変換されます。)
 プロスタグランジンは原料である脂肪酸の違いによって、3つのグループに分けられます。そして、そのグループ内でさらに複雑な変化をして数十種類のプロスタグランジンがつくられます。


プロスタグランジンによる生理調節作用


 ここで大切なことは、プロスタグランジンは大きく3つのグループに分かれ、グループごとに異なる働きをしているということです。なかでも「オメガ3系のEPA」からつくられるプロスタグランジンと、「オメガ6系のアラキドン酸」からつくられるプロスタグランジンは、相反する働きをして細胞機能のバランスをとっています。
 もう少し詳しく見てみると、オメガ6系からは2つのグループのプロスタグランジンがつくられ、互いに相反する働きをしています。現在、その材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられることになります。つまり1グループ目に比べ、2グループ目のプロスタグランジンだけが過剰に生成され、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 2グループ目のプロスタグランジンと、オメガ3系からつくられる3グループ目のプロスタグランジンも、相反する働きをしています。しかもこの2つは、オメガ6系のグループ同士より強力な競合関係にあり、一方が大量につくられると、他方はその分だけつくられなくなります。ということは、現在のような「オメガ3欠乏」の状態では、圧倒的に「アラキドン酸」由来のプロスタグランジンが生成されることになるのです。「オメガ6」と「動物性食品」の過剰摂取から2グループ目のプロスタグランジンだけが異常に多く生成され、「オメガ3」の欠乏から3グループ目のプロスタグランジンが極端に不足してしまっているということです。そのために細胞機能のバランスが大きく崩れ、酸化ストレス・炎症体質を形成することになり、片頭痛体質を作ってくることになり、活性酸素をちょっとしたことで産生することにより発作を起きやすくすることになります。

 

 また“炎症”という作用の場合、それを抑制するプロスタグランジンが「オメガ3」からつくられるのに対して、アラキドン酸由来の「オメガ6」からは炎症を激化させるプロスタグランジンがつくられます。このように―「血栓を減らしたり、増やしたり」「発ガンを抑制したり、促進したり」「子宮を弛緩させたり、収縮させたり」「血管を拡げたり、狭めたり」して、互いに相反する働きかけをしています。車にたとえれば、アクセルとブレーキのようなものです。1つの生理作用に対して、それぞれ反対の働きかけをしながらコントロールしているのです。多種類のプロスタグランジンが互いに関係をもちながら、身体全体の機能を維持しているのです。
 「オメガ3」と「オメガ6」の脂肪酸は、単なるカロリー源や組織の構成成分となるだけでなく、細胞機能を調節するプロスタグランジンの材料となっています。プロスタグランジンは、神経系・ホルモン系に続く「第3の調節系」と言われ、油の中でも最新の研究分野となっています。1982 年には、欧州の3人の研究者がノーベル医学生理学賞を受けています。


肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂取すると


 アラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられることになります。アラキドン酸由来の「オメガ6」からは炎症を激化させるプロスタグランジンがつくられます。子宮を収縮させる原因となってきます。
 脳内セロトニンの働きと増やすために、とても大事なセロトニンの原料はトリプトファンです。それを効率よく取り込むためには、必須アミノ酸(フェニルアラニン、ロイシン)との含有比率が大切です。バリン・ロイシン・イソロイシンなどの必須アミノ酸であるBCAA が多い環境では脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要で BACC とは動物性蛋白質に含まれており、食品では牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉などが挙げられます。食べ物はバランスが大事なので、極端に摂取を制限すると逆に体調不良の原因になるので注意です。牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりす。

 

 この結果、片頭痛を悪化させる原因となってきます。


 以上のように、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂りすぎ、必須脂肪酸である「オメガ6」と「動物性食品」の過剰摂取、マグネシウム不足と、食事の取り方にすべてが関係しているということを理解して頂けたかと思います。


 このように、月経時片頭痛も生理痛も「食生活の改善」により、起きなくなってきます。