頭痛 あれこれ -16ページ目

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

1.脳内セロトニンの低下


 前回は、片頭痛発作は、排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすい、と述べました。
 このように、生理に関連して起きる片頭痛は、月経時のエストロゲンの低下に伴う脳内セロトニンの低下が主要因になっています。月経時のエストロゲンの低下は、生理現象であり、どうにもなりませんので、対策として、日頃から脳内セロトニンを増やす工夫をする必要があります。要は、生理時の脳内セロトニンの低下が問題にならないレベルに、平静からそのレベルを高水準に維持しておくことです。


 女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われていることを想い出す必要があります。


 脳内セロトニンを増やすには、セロトニン生活に加えて、食事から補うしかありません。
 その詳細は、以前にも記事にしています。


     食事によって「脳内セロトニン」を増やす
      
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12637156909.html


 これとは別に、脳内セロトニンを低下させる要因として、鉄不足があります。
 前回も述べましたように、女性では生理の出血により鉄分が少しずつ失われていくことで鉄欠乏性貧血になる人が多く、20代、30代、40代と年齢が高くなるにつれて貧血の人が増える傾向にあります。40代になると女性の約3割が貧血になっています。
 体内で鉄が減少すると、貯蔵鉄であるフェリチンが使われ減っていきます。フェリチンが不足すると血液中の鉄分も徐々に不足し、最後にヘモグロビンが減少し貧血が起こります。
 貯蔵鉄のフェリチン、理想値は100~300 で、男性の99.9%はフェリチン100以上です。 50歳以上の女性の80%はフェリチン100以上です。
 しかし、15~50歳女性の80%はフェリチン30以下の鉄不足で、40%はフェリチン10以下の深刻な鉄不足です。
 鉄欠乏性貧血にまで至らない鉄欠乏状態である方々は成人女性の約40%存在します。
 鉄不足はTCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
 鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られないので、貧血が起こります。貧血が起こると、脳内にも酸素や栄養素がしっかりと届かなくなるため、十分なセロトニンを合成することもできなくなります。
 鉄分は実はセロトニンなどの神経伝達物質を作るときの酵素を助ける「補酵素」として機能しているため、鉄分が十分潤っている体内ではセロトニンがスムーズに作られますが、鉄分不足だと、セロトニンの生成自体が出来なくなるわけです。
 つまり、セロトニンの合成には、トリプトファンとビタミンB6とマグネシウムとナイアシンが必要!であり、実は「鉄分」も必要なのです。


 カフェインは鉄分の吸収を阻害しますので、貧血気味の女性、貧血の人は、せっかく他で鉄分を補ってもカフェインのせいで鉄分吸収がうまく行われないことがあります。
 その他にも体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群を奪うことが知られており、このためエネルギー代謝を始め、多くの代謝に支障がでます。
またカフェインの過剰摂取(1日300mg以上)はホルモンバランスを崩しますので、こちらも様々な影響を及ぼします。
  コーラ類や紅茶にはインスタント・コーヒーと同じくらいカフェインが含まれていますし、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれます。市販薬に多量のカフェインが含まれている場合もあります。
 このために知らず知らずのうちに、自分が思っている以上にカフェインを摂ってしまう状況があります。カフェインは有効な部分ももちろんあるのですが、摂りすぎには注意した方がいい成分、ということです。
 そのいい例が、カフェインは頭痛を抑える働きがあるのですが、飲みすぎると逆に頭痛を引き起こす、という作用です。
 市販の鎮痛薬にはかなり大量のカフェインが入っていますので、急激に血管が収縮する代わりに効き目が切れたときには急激に拡張し、その反動でまた痛くなります。痛くなれば薬を飲む、一瞬は良くなっても、また反動で痛くなる、また飲む、と、これも悪循環です。
  うまく摂り入ればいいのですが、過剰になると毒となります。注意したいものです。


 ミトコンドリア系では、ATPを作るために、クエン酸回路を働かせます。
  この際に、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、 葉酸、ビオチン、ビタミンCといったビタミンが必要になります。
  ビタミンB2はミトコンドリアの電子のやりとり(電子伝達によりエネルギーを産生する)を円滑にします。
  腸内細菌は、ビタミンB1、B2、B6、そして、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシンというビタミンB群、さらにビタミンKを合成する能力を持っています。
  このため、腸内環境を整えることが極めて重要になっています。

 脳に存在し、精神を安定させる神経伝達物質、セロトニンの95%が腸で作られることが指摘されています。
 なぜ腸内環境を大事にしたいかといいますと、腸内の常在細菌もトリプトファンからナイアシン(ビタミンB3)を作ってくれるからです。常在細菌がナイアシンをたくさん作ってくれれば、その分を体内で作る必要がなくなって、脳内セロトニン用の材料となるトリプトファンを余分に確保できるのです。
 腸内環境が悪いとセロトニンもスムーズに分泌されないことが判明しています。
 便秘や暴飲暴食による腸の疲労状態を改善することが、幸せかどうかを感じることに大きく関係しています。


 このように、ビタミンB群には、B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸の8種類があります。これらはお互いに影響しあいながら働きます。そのため「B群」として一緒に摂ったほうが効果が期待でき、多くのサプリメントはB群がまとめて配合されています。
 ビタミンB群の最大の役目は、生きていくうえで必要なエネルギーの産生を促すことです。B1は糖質の代謝を助けますので、エネルギーの多くをご飯などの「糖質」に頼っている日本人にとって重要なビタミンです。
 B2は脂質の代謝を助けるとともに、体内で過酸化脂質が生成されるのを防ぎます。過酸化脂質は片頭痛や動脈硬化を進行させる有害物質。B2をしっかり摂ることで、片頭痛や動脈硬化、さらには心疾患、高血圧など生活習慣病の予防が期待されています。


 頭痛に限らず、関節リウマチ、線維筋痛症、腰痛、股関節痛、など痛みを伴う疾患はたくさんありますが、いずれも患者数は女性が多いのが特徴です。
 女性の場合、家族・夫婦間および職場でのストレスにさらされることが多く、長期間のストレスは、「脳内セロトニン」を枯渇させることにつながってきます。
  こうしたストレスは、「脳内セロトニン低下」を引き起こしやすく、「脳内セロトニン」が、痛みの感覚を抑制する役割を担っていることから、「脳内セロトニン」が低下すれば、痛みを感じやすく、このため痛み・頭痛が出現しやすくなってきます。

 このような脳内セロトニンの低下は、女性の場合、程度の差はあれ、潜在的に存在しており、ストレスに晒されることによって容易に顕在化してきます。
 女性の片頭痛では、すべてのステージで、ストレスがすべて関与しています。


  ストレスは自律神経を乱す根本的な原因になっています。
  私達はストレスが重なりますと、頭痛を肇としていろいろな体調不良を訴えてきます。
  日常的にストレスの多い忙しい生き方が続いていると、自律神経のなかの交感神経が優位に働くことにより血管は収縮し血流障害(「低酸素」)と「低体温」、を招きます。
 ストレスが持続すれば、”マグネシウムを枯渇”させてくることになり、マグネシウムは、体中のインスリンの作用を応援する役割を持っていることから不足すれば、「高血糖」を来すことになります。
 このため、解糖系が働きやすい環境である、「低体温、低酸素、高血糖」の3条件が引き起こされてくることから、ミトコンドリア・エンジンが働かなくなり、慢性頭痛を起こしやすくしてきます。


 私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
  そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系の働き」まで悪くなってきます。
  言い換えれば、ミトコンドリア働きが悪いと、脳の神経細胞の場合、「セロトニン神経」が選択的に「ミトコンドリアの働き」の影響を受けやすく、セロトニンを産生しにくく、セロトニンの合成やその合成のための酵素も充分な量を生成できなくなってしまいます。
  このようにセロトニン神経系はミトコンドリアと連動して作用しています。


 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与しています。
  ”セロトニン神経系”の機能の低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
  慢性的にストレスに晒されることによって、「脳内セロトニン不足」を来すことによって、”痛みの制御”ができなくなって、頭痛を感じやすくなります。


 上記のように脳内セロトニンの低下によって、自律神経の調整がうまくいかない状態が日常的になれば、平生から、脳内セロトニンの低下が潜在的に常態化することになり、ここに生理時にエストロゲンの低下が加わることによって、生理時に頭痛が引き起こされることになります。


2.マグネシウム不足


不足しやすいマグネシウム


 マグネシウムの大きな作用には次の3つがあります。


  1.  PMS(月経前症候群)や慢性的な疲労を緩和する
  2.  インスリンの感受性を正常に保つ、血圧を下げる
  3.  代謝を上げ、ダイエットに役立つ

 

 こうした大切な栄養素であるマグネシウムですが、日本人には慢性的にマグネシウムが不足しています。その原因は、昔と比べ欧米化した食生活にあります。
  厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査」によると、マグネシウムの平均摂取量は20歳以上の男性では264mg、20歳以上女性では234mgです。食品からの摂取量だけで男性では100mg前後、女性では50mg前後のマグネシウムが毎日不足していると推定されます。
 日本人のマグネシウム不足の原因として「食生活の“欧米化”」と「精製塩の過剰摂取」を挙げられています。粗塩にはマグネシウムをはじめとするミネラルが多く含まれます。
 また、塩分の過剰摂取により、体内からのマグネシウムの排泄が増えると、マグネシウムは不足気味になります。その他、マグネシウムはストレスが加わると尿中にたくさん排泄され、さらに不足傾向になります。ストレスにさらされる現代人は、マグネシウムが不足しやすい生活になっているのです。
 マグネシウムは代謝に関係する酵素の活性化や、糖をエネルギーに変換する働きがあります。また、体内の水分を腸に集める働きがあり、腸に残っている宿便が、体外に排出されやすくなると言われています。このため、ダイエットで不足しがちになります。
 PMSと呼ばれる月経前症候群がある女性の血中マグネシウム濃度は、月経前症候群がない女性に比べ低いと報告されています。
 これにより月経前症候群の緩和にマグネシウムが役立つと言われています。
  また、妊娠中に起こる「こむらがえり」の原因の1つにマグネシウム不足あげられています。


それでは、これ以外のマグネシウム不足の原因はなんでしょうか?


 次のような身の回りの生活環境は、容易にマグネシウム不足を起こしてきます。


   ・アルコールの飲み過ぎ
  ・毎日の牛乳摂取
   ・ストレス
  ・激しい運動や暑すぎる環境
   ・食材のマグネシウム含有量が低い
  ・白米、小麦粉など精製食品の摂取
   ・白砂糖の摂取
   ・加工品や清涼飲料水の摂取
   ・食品添加物や農薬等の摂取
   ・エストロゲン過剰(環境ホルモン含む)
   ・食の欧米化
   ・生理時には減少・・


 このように、私達の生活環境は容易にマグネシウム不足を来しやすい環境にあります。


女性とマグネシウム不足

 
  ストレスに弱い女性のほとんどが、じつはマグネシウム不足です。
  月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。
 過食、甘い物の摂りすぎは、マグネシウム不足を引き起こすことになります。
 お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。
 マグネシウム不足が、片頭痛を増悪させる元凶になっていることを忘れてはなりません。 PMS(月経前症候群)の症状緩和にマグネシウムが非常に有効であることは、この1年間の研究報告によって明らかにされています。特に、足のむくみ、体重増加、胸の張りにマグネシウムは有効です。
 PMSの症状だけでなく、月経中でもマグネシウムはきちんと働いてくれます。子宮の筋肉が収縮しやすい生理中の時期は、マグネシウムの助けにより、筋肉の緊張を緩和していきます。そのため、生理痛などに悩む方も、排卵期からマグネシウムを多めに摂取しておけば、生理痛緩和にも役立ちます。 また、マグネシウム自体を摂取しすぎても、体外に排出されやすいため、多めに取っても問題ありません。
 一般にマグネシウムが不足すると筋肉の痙攣を来すことは知られていますが、女性の場合には、月経困難の主たる原因ともなります。また、マグネシウムが不足すると、キャンディ、チョコレートなどの甘いものが欲しくなります。
 PMSの症状に体重の増加、ニキビが見られるのもこのためです。
 人はマグネシウム不足によって脳がストレス状態にあり、甘いものを切望するシグナル出すとき、これに抵抗するための意志をほとんど持っていません。結果として、この強い切望状態に陥った女性の多くは、糖分過多状態になります。
  ですから、考え方によっては、減量のためのダイエットや体重コントロールを無理無く実現させるためには、PMSをコントロールすることが重要であると言えます。


 女性の生理周期を考えた場合、エストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンが生理がはじまってから10日目ころから上昇し、13から14日目の排卵期をピークに下降しますが、血中のマグネシウムがエストロゲンの作用によって骨と筋肉に集中するため、このときに血中および脳内のマグネシウム量は低下します。生理の中期に慢性頭痛がおこる原因の1つにはこのマグネシウムが背景にあり、脳内のマグネシウムが低下することで起こることが少なくありません。
 閉経初期の女性でホルモン補充療法(HRT)を受けた女性の中に、エストロゲン補充開始当初に頭痛がひどくなるケースの多くは脳内のマグネシウム量の低下であることがあります。


 生活様式の変化によって、昔では考えられないほど私たち人間の周辺には様々な化学物質が存在するようになりました。除草剤や工業薬品あるいは環境中にある化学物質で生物にエストロゲン作用を示す物質(ゼノエストロゲンという )もその1つです。
 何も中高齢の女性がホルモン補充療法(HRT)でエストロゲンを使うまでもなく、環境中にはこのようなゼノエストロゲンが溢れています。この20年ほどの間に人間の体内のホルモンバランスが崩れてきた背景にはこのゼノエストロゲンの影響が少なくありません。
  慢性的なマグネシウム不足、欠乏もその影響です。


 骨粗鬆症や生理不順、PMS、閉経前症候群、更年期障害など、女性のホルモンに関る様々な症状の治療改善、緩和には、合成されたホルモン剤やカルシウムばかりが取りあげられる日本の状況がありますが、マグネシウムの影響が多いことを忘れてはなりません。


 女性は、牛乳や乳製品を好きな方々が多い傾向にあります。
 牛乳や乳製品は、カルシウムとマグネシウムの比率が悪く、マグネシウムがほとんど含まれておりません。牛乳を多飲し、乳製品を多食するという生活を続けていれば、食事全体のカルシウムとマグネシウムの摂取比率が大きく崩れた状態になり、マグネシウム不足になってしまいます。


「エストロゲン過剰症」


 エストロゲンとは単独の化学物質を示す言葉ではなく、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、エステトロール(E4)などと、それらと同様の生物活性を有する化学物質の総称です。分泌源は主に卵巣の卵胞ですが(したがって卵胞ホルモンとよばれます)、副腎や精巣からも分泌されます。
 エストロゲンは「女性をつくるホルモン」で、第二次性徴の発現、子宮内膜の増殖、月経周期の成立の媒介、乳腺管の増殖分泌促進などの作用がありますが、副腎や精巣でも分泌されることからおわかりのように、男性の体の中にも存在しているのです。
 もちろんエストロゲンは男女ともに必要なホルモンですが、現代ではプロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモンの一種)との比率が、本来あるべき姿から逸脱し、エストロゲンが過剰に人体に存在するようになってしまいました。
 「エストロゲン過剰症」とは、この状態を示します。
 そして、これが次のような、さまざまの病気や症状の原因の一つとなっています。

 子宮筋腫・子宮がん・子宮頚部異形成・乳がん・前立腺がん・デプレッションや不安・気分の動揺・いらいら感・不眠・頭痛・疲労・むくみ・性欲の減退・甲状腺機能障害 の一つの症状である手足の冷え・不活発な代謝・生理不順・PMS・不妊・乳房の圧痛・多嚢胞性卵胞・喘息、蕁麻疹、湿疹、鼻づまり といったアレルギー症状・加齢亢進、特に腰まわりと太ももの脂肪の蓄積・胆嚢の病気 ・血栓の増加(脳卒中の危険性の増大)・低血糖・銅の過剰と亜鉛の欠乏・マグネシウム欠乏・ビタミンB群の欠乏・閉経前の骨密度低下・骨粗鬆症・全身性エリテマトーデス、橋本病、シェーグレン氏病といった自己免疫疾患・無精子症や新生児の尿道下裂。

 以上のように現代人が罹患する多くの病気にエストロゲン過剰が災いしているのです。


 これだけの病気や症状を述べると、いかにもエストロゲンが悪役のような印象を与えてしまいますが、問題はバランスなのです。もちろんエストロゲンも必要です。しかし、現代は、男女ともに他のホルモンと比較すると、相対的に過剰なのです。

 その理由の一つは、内分泌攪乱物質、つまり環境ホルモンです。
 環境ホルモンと考えられるものは、約70種類あるといわれています。
 代表的なものは、①ダイオキシン ②DDT ③PCB ④ビスフェノールA⑤ノニルフェノール ⑥フタル酸エステル ⑦有機スズ⑧スチレンダイマー ⑨スチレントリマー ⑩合成エストロゲン などがあります。

 環境ホルモンはビスフェノールA、ダイオキシンの2つを始めとして、殺虫剤、工業廃棄物、自動車の排気ガス、石けんやシャンプー、ネイルポリッシュ、家具や建材の塗料にも環境ホルモンが含まれており、これがエストロゲン様作用を示すのです。
 つまり、私たちはエストロゲンの大海に住み、乳飲み子の時から、いやもっと正確にいうと、胎児の時から過剰なエストロゲンにさらされているのです。
 特にアメリカ産の肉には多く含まれており、食事からもエストロゲンが入ってきます。
 本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下し、子宮収縮が強まります。
 このように、肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知でしたでしょうか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があります。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが、乳腺炎を起こしやすくなります。その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。ホルモン剤に抗生剤を含んだお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです。
 殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり、飲んだり、塗ったり、口からも、鼻からも、皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます。
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
 なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。

 不規則な睡眠などでメラトニンの分泌が少なくなると、卵巣からのエストロゲン分泌が過剰になってしまいます。
  睡眠が美容にとって重要なのは、むしろ成長ホルモンの分泌が起こるからです。成長ホルモンはお肌の細胞分裂を促し、メラトニンは成長ホルモンの分泌を促します。


3.腸内環境の悪化


  腸内環境を悪化させる最大の原因は便秘です。便秘などで排泄物がたまると食べ物に含まる添加物などの影響で、腸内の腐敗が進みます。これが大腸の粘膜に接し続けるとがんなど様々な病気の原因になるといわれています。


便秘の理由 ワースト 3


 食生活に問題あり ・・・お肉や加工食品ばかり、過剰なダイエット
 睡眠不足・運動不足 ・・不規則な生活、運動もしない怠惰な習慣
 精神的なストレス ・・・仕事場、学校、子育てなど家庭での悩み


  一般的に、便秘には多くの原因がありますが、まず見直すべきは、食事の内容であり、特に動物性たんぱく質の取りすぎと食物繊維不足です。大腸の長さの違いにもあるように、私たち日本人は、草食向きに出来ている長い腸のため、ただでさえ便がたまりがちなことに加え、急速に変化した食生活がさらに追い討ちを掛けています。
 また、自律神経が関係している場合もあります。便秘、頭痛ともに、大きく関係しているのが自律神経です。
 自律神経は呼吸、体温調節や血液の循環、消化吸収など生命を維持するのに重要な機能を司っています。ところが、便秘が慢性化して腸内環境が悪化すると、自律神経のバランスが乱れるのです。自律神経は、血管の収縮や拡張などもコントロールしていますので、便秘によって自律神経が乱れたとき、血管の収縮・拡張のバランスも崩れてしまいます。
 「脳内セロトニン」は、この自律神経の働きを調整しています。
  “小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば、「脳内セロトニンが低下」することになります。
 このように運動不足や脳内セロトニン不足で腸の蠕動運動が鈍くなって便秘になりやすくもなります。このセロトニンが不足するとイライラしたり、キレやすくなったりします。すぐ怒るようになったという人も含まれます。
 脳内セロトニンを増やすには睡眠をしっかりとると増え、運動であれば、リズム運動でも増やすことができるといいます。


女性は便秘が多い


 ある健康食品メーカーの統計によれば女性の5割近くが便秘で悩まされているようです。女性はどうしても慢性の便秘に陥りやすいといわれています。ある統計によると女性の2人に1人が便秘であるともいわれており、軽い便秘も含めると非常に多くの女性が便秘の症状に悩まされているということが報告されています。
  実は女性の便秘は、先程述べたような食生活や生活習慣だけが原因ではないのです。


 なぜ、女性の方が便秘になりやすいのでしょうか?


ホルモンの影響


 生理前になると毎回便秘になるという方は、少なくないでしょう。
 これは女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」の影響です。
 黄体ホルモンは腸の蠕動(ぜんどう)を弱める性質があるため、これが多く分泌される生理前は便秘になる方が増えます。
 また、黄体ホルモンには体に水を溜め込みやすくする働きもあるのです。
 その為、生理前は体が重く感じられて動くのがおっくうという方も多いでしょう。
 運動不足も便秘になる一因です。
 このように排卵後に分泌される女性ホルモンの「プロジェステロン」が原因によるものです。
  「プロジェステロン」は水分や塩分を溜め込む作用があり、便秘になりやすくなります。 また、食欲も旺盛になります。甘いものが食べたくなるので、バランスのよい食事とはいえない内容になってしまうことが多いのです。
 生理直前や生理になると、プロジェステロンの分泌がなくなり、かわりに「プロスタグランディン」というホルモン様物質(ホルモンに似た働きをする物質)が分泌されます。 この物質は腸を収縮させる作用があり、便秘になりやすくなります。


筋力の低下


 男性に比べると女性は筋力が弱いです。
 特に腹筋が弱いと腸が重力に押されて下方へ下がり、便秘になりやすくなります。


ダイエット


 女性で「ダイエットをしたことがない」という方は少ないでしょう。
 特に若い女性の中には、短期間で体重を落とそうと厳しい食事制限をする方も多いです。
 日本人の便は大体7~8割が水分です。残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、食べ物の残りかすが1割強、残りは脂肪やその他のものという構成になっています。
 ダイエットすると、そもそも便のかさが減って便秘になりやすくなります。水分が不足すると、便が硬くなって便が移動しずらくなりますし、あまりに脂肪分を控え過ぎると、便のすべりが悪くなるということも起こり得ます。


便意を我慢しがち


 女性は男性に比べると、外聞を気にしてトイレに行きにくい人が多いようです。
 特に外出中や人と会っている間はトイレに行けない、という方もいるでしょう。
 便意は我慢していると、そのうち感じなくなることも多いです。
 しかし便意を我慢し続けていると、そのうちに腸の蠕動までよわまってしまうでしょう。
 そうなれば、便秘になってしまいます。


 その他、構造的な理由としては女性は骨盤が広くなっています。骨盤は腸の近くにありますが骨盤に腸が下がってしまうこともあり、腸の形が不安定になって蠕動運動を起こしにくくなるというのも女性ならではの便秘の原因です

 

 


  腸内環境はいろいろな原因で変化しますが、なかでも食生活は大きな影響を及ぼします。 欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。食物繊維が不足した「不健全な食事」では、腸内細菌のよい働きを引き出すことはできません。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
  また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。


  こうした食事やライフスタイルの間違いが、腸内細菌のバランスを崩し、人体にマイナスの働きを引き出すことになってしまいます。人間と共存・共生している細菌のトータル的な働きを、よい方向に向けられるかどうかは、人間サイドの姿勢によって決まるのです。
  特に食事のよし悪しは、腸の健康にとって決定的ともいえる重要性をもっています。高タンパク・高脂肪の肉や牛乳などを減らし、野菜料理に漬物や納豆などの発酵食品を加えた伝統的な日本食にすれば、“腸内フローラ”の崩れたバランスは回復し、健康を取り戻すことができるようになります。「食物繊維」の豊富な食事によって、腸内細菌をよい状態に維持することができるのです。欧米型の食事をやめて、野菜や発酵食品を中心とした伝統的な日本食にすることが、腸内細菌をよい状態に保つ強力な方法となります。腸の健康のためには、真っ先に「食事改善」に取り組まなければなりません。


         頭痛の種のもとは?・・便秘
          
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12712026134.html


4.食生活・・女性特有の嗜好


1.脂肪分の摂りすぎ

 

 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなのです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
  菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
  良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
  これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
  ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。
  といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。中性脂肪として貯まっているのが現状です。
  そして、体の中で消費されずに貯まった脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分が余っていますから、プロスタグランジンも多く作られてしまいます。
  そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出過ぎて、子宮内膜に収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛が酷くなってしまうのです。
  ですから、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛を和らげることにつながります。

 

 食べ物に含まれる脂質は体内で分解され、細胞の中で1g あたり9kcal のエネルギーを産生します。エネルギーは炭水化物やたんぱく質からも作られますが、これらのエネルギー産生量が1g当たり4kcal ということと比べると、脂質はエネルギー効率が高い栄養素といえます。


 体についた脂肪は、そのままでは燃えません。まず、燃えやすい遊離脂肪酸に変化し、血液の中に流れ出します。そして、各細胞内のミトコンドリアへと流れていきます。ミトコンドリアは、エネルギーを生み出す場所です。遊離脂肪酸を燃料としてエネルギーを生み出すのです。こうして、脂肪は燃焼します。
  遊離脂肪酸は”L-カルニチン”CoQ10が不足していては、ミトコンドリアの中に入ることができません。このため、脂肪はうまく燃焼されません。
  遊離脂肪酸は”L-カルニチン”がないと、またCoQ10 が不足していても、脂肪はうまく燃焼されません。L-カルニチンはCoQ10 と一緒にしっかり摂ってこそ意味があるのです。
  この2つが不足すれば、脂質は燃焼されないことになります。
  使い切れなかった脂質は他のエネルギー源同様、中性脂肪に変えられ、体脂肪として蓄えられます。そのため脂質を摂り過ぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらに血液中の中性脂肪やコレステロールが増える脂質異常症や、メタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。
  血液中に溢れる遊離脂肪酸も直接的に酸化ストレスを増加させる要因になっています。 血液中に大量の遊離脂肪酸があると、血液の酸化が亢進します。
  体内で中性脂肪・コレステロールから活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素やフリーラジカルを作り、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。
  血管内に貯まったLDLコレステロールが酸化して発生した過酸化脂質は、動脈硬化などの原因となります。
  細胞を包む膜の活性酸素産生、細胞内のミトコンドリアでの活性酸素産生も促進します。
  また、肥満化した脂肪細胞からは様々な生理活性物質(アディポカイン)や炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が分泌されます。
  これらの生理活性物質や遊離脂肪酸などが合わさって、身体の「酸化ストレス」を促進する要因となり、全身の障害を招くことになるのです。


 体の中で消費されずに貯まった脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分が余っていますから、プロスタグランジンも多く作られてしまいます。
  緊急時には、細胞が脂質を分解して、私たちの体を守る物質を作ってくれます。
  例えば、私たちの体に病原菌などが感染してしまったとき、病原菌が感染した周囲の細胞からプロスタグランジンやロイコトリエンという物質が、細胞膜の脂質から作られます。 プロスタグランジンやロイコトリエンは、病原菌を退治してくれる白血球という細胞を病原菌が感染した部位に集める役割を持ちます。オメガ6からのアラキドン酸が問題です。
  これらの「生理活性物質」は発熱や痛みを生じさせたりしてしまうことがあります。このように「生理活性物質」は相反する作用を持っています。
    このように相反する作用を持っている「生理活性物質」の摂取アンバランスは、「酸化ストレス・炎症体質」を作る基になっています。


2.乳・乳製品の摂りすぎ


 トリプトファンが脳内へ通る場所(血液脳関門)に問題があって、血液脳関門はほかの必須アミノ酸も通っていく場所でもあるのです。この必須アミノ酸というのは、「フェニルアラニン」とか「口イシン」というものですが、食品によってはトリプトファンよりもこれらの必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあります。これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしいます。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。……。
  必須アミノ酸の中でもバリン、ロイシン、イソロシンは総称してBCAAと呼ばれる持久系のアミノ酸で、まぐろの赤身、肉や卵などの食品に含まれているほか、最高の栄養といわれる母乳にも含まれています。
  このようにBCAAが多い環境ではトリプトファンの脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要です。
  牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは逆に「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。


 ”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンの低下」につながります。
 女性では「乳・乳製品」(ケーキ含む!)を好むことから、とり過ぎがあると思います。  パンやパスタ、ピザなどの小麦製品、牛乳や乳製品中心の食事ばかりでは、いつまで経っても脳内セロトニンは増えることはありません。
  これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があります。


3.お菓子などの甘いものの摂りすぎ


 お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。
  マグネシウム不足は片頭痛を増悪させる元凶になります。


  欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。


 トランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。
  マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。


 こうしたことから、日々の生活習慣の改善が必要になってきます。

 
5.「姿勢の悪さ」


 女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。そして、女性の場合、掃除・洗濯・炊事と日常的に前屈みを強いられる生活環境にあり、事務系の仕事が多いことから、常に頸部筋肉群に負担がかかり、これが「姿勢の悪さ」となり、これが日常的に感じる極く軽度の頭痛を引き起こしてきます。
 

         頭痛の種のもとは?・・姿勢の悪さ
          
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12712034156.html

 

6.ミトコンドリアの関与

 
  一般的に片頭痛は、母親の”ミトコンドリアの活性低下”という遺伝素因がミトコンドリアDNAを介して、子供へと引き継がれてきます。
  母親のミトコンドリアの代謝活性が低ければ(働きが悪ければ)、その影響を子供は当然受けやすくなります。
  受け継がれたミトコンドリアの働きが悪ければ、当然、セロトニン神経系の機能が低下することになり、ここに生活習慣の問題点(「慢性頭痛 発症の要因」をご覧下さい)が加わることによって「脳内セロトニン」は低下します。
  女性は健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する、と言われています。
   この母系家族から引き継がれた”ミトコンドリアの活性低下”は、生後、ミトコンドリアを悪化させる要因か加わることによって、さらにミトコンドリアの機能が悪化することによって、ミトコンドリアのエネルギー産生能力が低下が引き起こされて、さらに、「脳内セロトニンを作る能力」が低下することになります。
 このため、女性では、「脳内セロトニンの低下」した状況に置かれていることを忘れてはなりません。

 

  

  以上のように女性特有の嗜好の問題やら特殊な事情が存在し、一概に「性差別」と言えるかどうか問題がありそうです。

 

 


ここで、コマーシャルです。

 

 頭痛が気になったら・・以下へアクセス
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html

 片頭痛は、女性には毎月生理があり、これに伴って起きる人も多く、生理現象は避けられないが故に、不治の頭痛と長い間、私達は思い込まされていました。
 女性の一生は、女性ホルモンに支配されていると言いますが、“女性の頭痛も女性ホルモンにかなり支配されています”。
  エストロゲンが急に変動することで、脳の血管や脳内物質のセロトニンに影響を及ぼして、頭痛が起こりやすくなります。
  このように、女性ホルモンのエストロゲンの影響があげられます。
 そして、女性の片頭痛は、思春期に初潮が始まる頃から出現し、更年期に入って、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が次第に減少し、最終的に分泌の終了する老年期になって、片頭痛は消滅していきます。老年期では、緊張型頭痛のみになります。
 ということは、更年期以降、なお35年前後「片頭痛なし」で生活していくことになります。これ以降の生活が生死を分けることになります。


 一方、ミトコンドリアの働きは私達が生きるためのエネルギーを産生することです。
 私達のエネルギー産生には解糖系とミトコンドリア系の2つがあり、この2つのシステムを使い分けることで、外界の様々な環境に適応して生きています。
 そして、年齢によっても以下のように変化します。

 

   ・20歳位までは、解糖系が優位
   ・20~50歳代:解糖系とミトコンドリア系の比率が1対1
   (年代により、多少の比率は変わります)
   ・40~50歳代:解糖系からミトコンドリ系への移行が強くなります。
   ・60歳代以降:ミトコンドリア系が主体

 

 ミトコンドリアのエネルギー産生は、思春期にある20歳以下では、解糖系が優位になっており、20歳から40歳の成熟期では、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になり、更年期に入ってからはミトコンドリア系への移行が強くなり、60歳になりミトコンドリア系が主体になってきます。
  20歳から40歳の成熟期では、女性ホルモンのエストロゲンの分泌も安定し、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になり、片頭痛発作を繰り返すことになります。
 それは、生理時と排卵期に女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下することによって、「脳内セロトニンが低下する」ことによって、片頭痛発作を引き起こしてきます。
 さらに、この時期では、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になっています。
 解糖系が働きやすい「低酸素」「低体温」「高血糖」の環境下に置かれると、ミトコンドリア系が働かなくなって、片頭痛発作を引き起こしてきます。


 思春期や更年期は、エストロゲンの分泌が安定しておらず、エネルギー産生系も一定していないため、片頭痛の起こり方も変わってくることになります。
 このように、60歳を過ぎますと、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が止まり、エネルギー産生系がミトコンドリア系が主体になって、片頭痛は終息してきます。
 このように、60 歳以降では、片頭痛は、男性・女性ともに消滅し、緊張型頭痛だけが残存することになります。それは、「体の歪み(ストレートネック)」が生涯を通じて継続しているからです。
 ということは、片頭痛は、女性では、思春期から更年期までの間、男性では、20歳以降 60 歳までの約40年間だけの人生の1コマだけに出現するものです。
 生涯を通じて、診られるものではないということです。
 ただ、生まれつきミトコンドリアの働きが極端に悪ければ、小児期から診られることもあり得るということです。


  ところが、60 歳を越えても、ミトコンドリアの機能を悪化させるような以下の要因が継続すれば、「酸化ストレス・炎症体質」が残存することにより、「後天性ミトコンドリア病」である現代病の生活習慣病、がん、認知症を引き起こしてくることになります。
 片頭痛を完璧に予防することは、将来、生活習慣病・がん・認知症を予防することに直結していますので、極めて重要になっています。
 ミトコンドリアの機能とセロトニン神経系の機能は連動していることから、セロトニン神経系の機能を悪化させる要因、例えばストレスが持続的に加われば、「脳内セロトニンの低下」がもたらされることによって、緊張型頭痛やうつ状態にまで進展することになります。

 

 ミトコンドリアの機能を悪化させるような要因としては・・


   1.生活習慣の問題
 

       睡眠不足
       運動不足
        食べ過ぎ・過食
       早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
       薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬

 

  2.食事内容の問題
 

      マグネシウム不足
       必須脂肪酸の摂取のアンバランス 
       鉄不足
         食生活の欧米化・・腸内環境の悪化

   
   3.生活環境の問題

 

     活性酸素    野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
     有害物質
    

  4.年齢的な問題


    女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下


 こうしたことから、60 歳までの片頭痛が消失するまでの間に、こうした「ミトコンドリアの機能を悪化させるような要因」をすべてなくしておかなくてはなりません。
 これが、後の「後天性ミトコンドリア病」である現代病の生活習慣病、がん、認知症の予防に繋がってくることになります。

 片頭痛は”未病”の段階にあるもので、最終段階は「後天性ミトコンドリア病」である現代病の生活習慣病、がん、認知症です。
 片頭痛とは、この途中の段階にある、いわば”症状”に過ぎないものです。
 すなわち、「健康的な生活」が送れていないという警告信号である”症状”として、”片頭痛という症状”で、危険信号を発しています。
 言い換えれば、「治癒反応」として、片頭痛発作を起こしているのです。
 専門家達は、片頭痛に対して、トリプタン製剤の服用を勧めます。
 ところが、「治癒反応」である「頭痛(片頭痛)」をこうしたトリプタン製剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、「治癒反応」が停止・固定され、その結果 片頭痛は慢性化し、悪化してきます。
 これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。


 このように片頭痛とは、永い人間の一生のなかの「1コマ」の症状に過ぎないものです。


 女性の片頭痛の最大の特徴は、このように、女性には「生理」があることです。
 女性には、このような「生理」があるために、逃れることのできない生理現象であるが故に、「片頭痛が不治の病」とされていた理由にもなっています。
 しかし、生理に伴う「生理痛」で女性の”すべて”が苦しんでいるとは限らないことを知っておく必要があります。
 そして、 kaoluneさんによれば、ブログの「kaolune のSweet Days 」のなかで示されるように、片頭痛も生理痛も同一のものであり、生活習慣を見直すことで、なくすことができると明快に示されています。


生理周期と片頭痛発作


 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
 その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということなのです。


 女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。


 このため、だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。 こうした年代に女性の場合は、片頭痛を発症してきます。
 エストロゲンが低下することでセロトニン神経の機能が低下し、脳内セロトニン濃度が低下すると考えられています。


 このように、排卵や月経に伴うエストロゲン血中濃度の急激な低下がセロトニン濃度の低下、ひいては脳血管の拡張を引き起こすことが指摘されています。


 これが、片頭痛の発作を引き起こすと考えられています。
 このため、片頭痛は男性より女性に多い頭痛なのです。

 

 


女性のライフステージからみた片頭痛


 以上のように、女性ホルモンのエストロゲンの影響があげられます。エストロゲンが急に変動することで、脳の血管や脳内物質のセロトニンに影響を及ぼして、頭痛が起こりやすくなるのです。片頭痛と気づかずにいる人も少なくありません。生理時に頭痛が起こると、生理痛と思って我慢している人の中に、実は片頭痛の人がいます。
 同様に、更年期障害と思っていても、実は片頭痛ということもあるのです。
 女性の一生は、女性ホルモンに支配されていると言いますが、“頭痛も女性ホルモンにかなり支配されています”。
 初潮から、妊娠、出産、更年期、閉経と、女性ホルモンの変動がある時期に、片頭痛が増加・減少する傾向があるからです。


 受験、就職、結婚、育児、仕事と家庭の両立、子供の独立、親の介護、夫の定年…、と女性のライフステージのポイントとなる時期が、女性ホルモンの変動する時期と重なることもあり、片頭痛が起こりやすく、女性を悩ませているのです。


 このように、女性は、男性よりも片頭痛に悩みやすいという特性があります。
 同じ痛みのようでも、小児から更年期まで大きな変化に富むライフステージが進んでいくに従い、片頭痛の内容は変化していきます。
  ここでは、片頭痛に悩む女性がたどりやすい、症状の変化を説明します。


 月経周期に関係した片頭痛が始まる


 片頭痛は、初潮を迎える12歳頃から増加し始め、14歳ごろには“魔の14歳片頭痛”と呼びたいほど、頭痛症状が”一度”悪化します。
 これは生理周期による片頭痛に加え、友人関係や高校受験などの要因が加わるためです。 メンタル面の病気を気にしながら、片頭痛の治療をすることが重要です。
 これは「脳内セロトニンが低下」するために、悪化します。


 この思春期の 20 歳位までは、エネルギー産生系は解糖系が優位になっていることを忘れてはなりません。
 この時期はミトコンドリア系は優位になっていませんので、セロトニン神経系も脆弱な状態にあり、ストレスの影響をダイレクトに受けることになります。
 ですから劣位にあるミトコンドリアを保護するためにも、規則正しい生活が求められ、睡眠時間を減らさないことです。これが原則です。
  スマホをこの年齢で買ってもらう人も多く、友達とlineで遊んでいて、睡眠不足は厳禁。


仕事は待ってくれない!鎮痛薬を多用する人も


 18歳頃には片頭痛はいったん落ち着き、学生時代は生理時の片頭痛が主となり少し一段落します。
 卒業して社会人になるとまた悪化します。月経周期による片頭痛に加え、生活リズムの乱れ、ストレスなどによる片頭痛が加わり、「仕事を休めない!」と鎮痛薬を多用するようになってきます。このような安易な市販の鎮痛薬の服用は、後天性ミトコンドリア病を作る根源にもなっています。
 結果、鎮痛剤を連用する薬物乱用による片頭痛が激増していきます。


家事、育児、仕事・・・片頭痛が悪化しやすい時期


 結婚後は、自分の事だけで無く家事も増え片頭痛を悪化させる要因が増えます。しかし妊娠すると片頭痛の頻度は減少し、全く無くなる人も。つかの間の平穏が訪れます。
 出産後は、授乳による睡眠の分断、ホルモンの影響により、頭痛が再発して悪化。
 子育て中は、旦那さんは夜遅く帰ってきて、お弁当や行事などで早起きが必要に。
 行事も目白押しで忙しくなると同時に、睡眠不足になりやすくなります。睡眠不足は、”確実に”ミトコンドリアの機能を悪化させます。
 生理による片頭痛も悪化しやすい年頃なので、頭痛の頻度が加速度的に増加します。
 片頭痛は、音や光などの外界の刺激に過敏になり、いつもはかわいい子どもの声すらも、つらく感じることも。片頭痛の頻度を減らさないと、自分を責めたり追い詰めてしまったりすることになりかねません。


  この 20 ~45 歳代はエネルギー産生系は解糖系とミトコンドリア系の比率が1対1になっており、解糖系が同比率で働いていますが、解糖系が働きやすい環境である「低体温、低酸素、高血糖」の状況になることによって、この年代では片頭痛発作を繰り返すことになります。


 女性は月経の出血により鉄分が少しずつ失われていくことで鉄欠乏性貧血になる人が多く、20代、30代、40代と年齢が高くなるにつれて貧血の人が増える傾向にあります。40代になると女性の約3割が貧血になっています。
 体内で鉄が減少すると、貯蔵鉄であるフェリチンが使われ減っていきます。フェリチンが不足すると血液中の鉄分も徐々に不足し、最後にヘモグロビンが減少し貧血が起こります。
 貯蔵鉄のフェリチン、理想値は100~300 で、男性の99.9%はフェリチン100以上です。 50歳以上の女性の80%はフェリチン100以上です。
 しかし、15~50歳女性の80%はフェリチン30以下の鉄不足で、40%はフェリチン10以下の深刻な鉄不足です。
  鉄欠乏性貧血にまで至らない鉄欠乏状態である方々は成人女性の約40%存在します。


 鉄不足ですと電子伝達系の機能が低下し、十分なATPが産生できません。
 このように、鉄不足はTCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
 このように、鉄分の不足は、ミトコンドリアのエネルギー代謝がスムーズに行かなくなるため、片頭痛を引き起こしやすくなってきます。


 私達の体には活性酸素を取り除く手段として、「抗酸化物質」が備わっています。
 このなかで、スーパー・オキサイド・ディスムターゼ SODの産出能力は25歳から下降しはじめ、40歳を過ぎて急速に低下することが分かっています。
  コエンザイムQも同様に40歳を境に減少してきます。


片頭痛が去っても、頭痛に伴う症状が残る!?


 閉経を迎えると片頭痛は次第に減っていきます。しかし鎮痛剤の連用を続けたまま更年期へと突入する人も多く、もともとは片頭痛の合併症だったはずの、肩こり、めまい感、不眠など、“もやもや”した症状が続く状態になります。
 頭痛は弱いけれど連日で、時には朝から痛むといったものに変化します。
 これは片頭痛に伴う症状(随伴症状)の方が「頭痛の痛みよりも目立つ状態」ともいえます。
  これは「体の歪み(ストレートネック)」が長期間に渡って放置されたためです。
 そして、エネルギー産生系も、更年期になってきますと、解糖系からミトコンドリ系への移行が強くなります。
 更年期の片頭痛は少なくなるものの、「女性ホルモンの減少」や「体の歪み(ストレートネック)」ストレスによる「脳内セロトニンの低下」の要因が関与するために、悪化してくる場合も多いのが実情です。
  そして、閉経を迎えるとやっと、片頭痛は次第に減っていきます。
 これは、エネルギー産生系の解糖系が殆ど働かなくなるためです。

 
更年期の頭痛


 女性の閉経の前後5年間(約10年)のことを「更年期」といいます。更年期の女性の体は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減ります。
 このエストロゲンの急激な減少によって引き起こされる症状は「更年期障害」といわれ、「顔のほてり(ホットフラッシュ)」「動悸・息切れ」などの身体的な症状と、「疲れやすい・憂うつ」「もの忘れ・神経質」などの精神的な症状があらわれるようになります。
 これらの症状は40歳から60歳頃にみられるものですが、近年では若年の傾向にあります。また、症状の種類や程度、時期がさまざまですので、自分が更年期障害であることに気づかない場合もあるようです。
  女性に頭痛が多いのは、女性ホルモンのエストロゲンの影響があります。エストロゲンが急に変動することで、脳の血管や脳内物質に影響を及ぼして、頭痛が起こりやすくなります。


女性ホルモンの低下と更年期障害の関係


 女性ホルモンのエストロゲンは、子宮に作用して月経を起こす、脳の視床下部の体温調節中枢などに作用する、骨を作る働きを促進する、活性酸素を消去する、心臓や血管に作用する、皮膚に作用してシミのない弾力のある肌を作るなど、身体のさまざまな部位に作用しています。そのため、エストロゲンが減ることで生じる更年期障害は生理不順、ホットフラッシュ、関節痛、不眠・憂うつ、動悸、シミ・たるみと、さまざまなのです。


なぜ更年期の重い人と軽い人がいるのか


「顔のほてり」や「うつ状態」を引き起こす活性酸素


 更年期障害の発症には、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少が深く関与しています。さらに、年齢的には子供の反抗期や受験、結婚といった家庭の問題や、仕事の対人関係などの心理的なストレスがかかる時期。このようなストレスと女性ホルモンの減少が重なることで更年期の症状があらわれやすくなり、「顔のほてり」や「うつ状態」などのさまざまな症状が出てくるのです。


ストレスは活性酸素を発生させる

 
 心理的ストレスや肉体的ストレスを受けると、体内ではたくさんの活性酸素が発生してしまいます。実はこの過剰な活性酸素が更年期障害・片頭痛を引き起こす引き金となっています。しかも活性酸素の発生量の多い人ほど、更年期障害が重いといわれています。


女性ホルモンのエストロゲンは活性酸素を消す「女性の強い味方」


 エストロゲンには、活性酸素を消す抗酸化作用があります。
 女性ホルモン自身が活性酸素を減らすわけではありません。
 まず、女性ホルモン(エストロジェン)が活性酸素を減らすメカニズムですが、女性ホルモンは、活性酸素を減らす酵素を増やす働きがあるのです。
 しかも、その増やし方は巧みで、活性酸素が少なくなると活性酸素を減らす酵素を増やす働きも失われるのです。つまり、完全に活性酸素をなくしてしまうことはないのです。活性酸素には、いろいろな役割があって活性酸素を完全になくしてしまえばよいというものではないのです。うまく制御しながら活性酸素を減らすエストロジェンの働きは巧みで、そのために女性は長生きできるのです。


 エストロジェンにはもうひとつの役割、ミトコンドリアを増やす機構があります。エストロジェンはミトコンドリアに直接働きかけてミトコンドリアを増やしてくれます。


ミトコンドリアの働きを悪くする「活性酸素」
 

 活性酸素は、体内に入り込んだウイルスや細菌をやっつけ、殺菌する役割を持ちます。
 一方で細胞を酸化させ老化促進や健康トラブルにつながるデメリットも持ち合わせます。
 ミトコンドリアは、その活性酸素の生産源として注目されました。
 私達が呼吸した際に取り込む酸素の90%以上が、ミトコンドリアで使用されます。ミトコンドリアがエネルギーを作る過程で、酸素の一部が活性酸素に変わると考えられているのです。 皮肉なことに、ミトコンドリアから作られる活性酸素は、ミトコンドリア自身も傷つけます。傷ついたミトコンドリアは働きが悪くなるだけでなく、より多くの活性酸素を作るという悪循環が生まれるのです。


 女性ホルモンがミトコンドリアの活動を助ける
 

 女性ホルモンには、活性酸素を減らすメカニズムがあることが分かっています。女性ホルモンは、活性酸素を減らすための酵素を増やす働きがあるのです。
 しかも、活性酸素が減ってくると、酵素を増やすのを止め、活性酸素がなくならないように調整してくれます。
 体を酸化させ老化を促進する活性酸素ですが、完全になくなると、体内の殺菌効果も弱くなります。そのため、上手く調整する女性ホルモンの働きではとても重要と言えるでしょう。 女性の平均寿命が男性よりも10歳ほど長いのは、すぐれた抗酸化物質である女性ホルモンの存在が役立っているのです。
 出産や閉経でホルモンバランスが崩れると、体調不良や病気になりやすいのも、そういった理由があるのかもしれません。


 女性ホルモンの抗酸化力は抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンEなどよりもはるかに高く、活性酸素から女性の心と体を守る強い味方として働いているのです。
 成熟期の健康な女性はエストロゲンが十分に分泌されており、脳の視床下部などにある活性酸素はエストロゲンによって消され、増えすぎることはあまりありません。
 しかし、更年期の女性はエストロゲンの分泌量が急激に減少することによって活性酸素を消す力が弱まるため、体が活性酸素にさらされやすくなります。


顔のほてりやうつ状態を引き起こす活性酸素


 体温調節を行う脳内の「視床下部」という部分が多くの活性酸素にさらされると、ホットフラッシュを引き起こすホルモンが分泌され、顔がほてる、汗をかくなどの不快な症状があらわれます。
 脳は活性酸素にさらされると、傷ついたり、機能が低下する危険性があります。そこで、活性酸素から脳を守るエストロゲンの代わりに、活性酸素を消す「ノルエピネフリン」という物質が放出されるのですが、ノルエピネフリンはホルモン分泌を促す働きがあるため、活性酸素を消すとともに、ホットフラッシュを引き起こすホルモンの分泌を異常に増やしてしまうのです。
 さらにストレスによって脳がより多くの活性酸素にさらされると、うつ状態を引き起こすコルチゾールというホルモンがたくさん分泌されます。そして血液中のコルチゾールが高濃度のままになると、脳の機能が低下し、うつ状態に陥ってしまうのです。

 

活性酸素を消すと更年期障害は軽くなる
 

 更年期障害の女性の脳内は過剰な活性酸素にさらされていて、症状が重い方は活性酸素を消す力が低下して、脳機能の低下や調節力の乱れが生じやすくなっています。この過剰な活性酸素が、うつ状態、もの忘れ、不安感、そしてホットフラッシュなどを引き起こす大きな要因といわれています。
 従って、過剰な活性酸素を消すことが更年期障害を軽くする重要なポイントなのです。


生理に関連して起きる頭痛


 女性の片頭痛患者さんの約半数は片頭痛発作が月経と関連して起こるということを自覚され、実際に頭痛ダイアリーで確認しますと、月経2日前から月経中に片頭痛が起こることが多いとわかります。月


 「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同


 kaoluneはブログ「kaolune のSweet Days 」のなかで、「生理痛」について述べておられ、その原因として、10の要因を挙げておられます。それは「冷え」「血液の質」「血液の量」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」とされます。
 単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。
 kaoluneさんの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」


  このように、生理痛とは、まさしく「月経時の片頭痛」のような印象を持たされ「痛み」という症状の発生機序を考える上で、極めて貴重なブログと思われます。 
  

質の悪い脂肪の多い食生活と冷えがプロスタグランジンを増やしている

 
 生理痛の激痛の原因になっているのがプロスタグランジンです。


 生理のときに子宮内膜を剥がすのを働きかける物質ですが、必要以上に多く出過ぎてしまうことで、生理痛が激痛になってしまいます。
 ですからのこのプロスタグランジンが必要以上に多く出過ぎる原因を知って、多く出過ぎないようにすることが生理痛を改善する上でとても大切なポイントになります。

 
プロスタグランジンが多くですぎる原因は?

 
プロスタグランジンが多く出過ぎてしまう原因は主に2つあります。

 

  1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
  2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮に働きかけてしまう「冷え」

 
 それぞれに簡単に説明をしましょう。


1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
 

 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなのです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
 良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
 これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
 ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。
 といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。中性脂肪として貯まっているのが現状です。
 そして、体の中で消費されずに貯まった脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分が余っていますから、プロスタグランジンも多く作られてしまいます。
 そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出過ぎて、子宮内膜に収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛が酷くなってしまうのです。
 ですから、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛を和らげることにつながります。


2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮には働きかけてしまう「冷え」
 

 プロスタグランジンは生理のときに出てくる物質ですが、血液の中を通って子宮まで辿り着き、子宮に収縮しなさいと働きかけます。
 このときに、体が冷えているとプロスタグランジンが子宮のところで長居してしまいます。なぜ長居してしまうのかといいますと、冷えていると血液の流れが悪くなるからです。


 血液の流れが悪くなることで、血液の中にあるプロスタグランジンが子宮に長く止まってしまうのです。
 プロスタグランジンが長く止まれば、その間にずっとプロスタグランジンが子宮に収縮しなさいと働きかけてしまうので、生理痛の痛みが長く続いてしまう原因になるのです。ですから、体とくに子宮のある骨盤周辺を冷やさないようにするのが、生理痛を和らげることに繋がるのです。
  (低体温はミトコンドリアの働きを悪くさせます)。


  ここで、子宮の筋肉が収縮・弛緩する仕組みについて、簡単にご説明します。
 

 筋肉の収縮にはミネラルが関わっています。細胞内のカルシウム濃度が高くなると筋肉がきゅっと収縮します。そのカルシウムはどこから来るかと言うと細胞外からと細胞内のカルシウム貯蓄庫から の2パターンがあります。
 大雑把に言えば


 脳からの指令を自律神経が筋肉に伝える
        ↓
  細胞外からカルシウムが流れ込み細胞内では貯蔵庫からカルシウムを出す
        ↓
    細胞内のカルシウム濃度が高くなる
        ↓
       筋肉が縮む


 という流れになっています。


 逆に、弛緩させるためには細胞内のカルシウムの濃度を減らす必要があります。
 どうやってカルシウムを減らすのかと言うと細胞膜にあるポンプで細胞外にカルシウムを汲み出し細胞内の貯蔵庫にも貯蔵庫のポンプでしまい込むのです。このポンプを動かすエネルギー源を作るのにマグネシウムが関わっています。ここで もしマグネシウムが足りないとポンプを動かすエネルギーがないため(いわば バッテリー切れ状態)カルシウムを汲み出せませんし、貯蔵庫にもしまえません。
 細胞内はカルシウムが多い状態が続き筋肉は収縮し続けることになります。


 それからもう一つ、収縮を伝える神経伝達にもカルシウムとマグネシウムが関わってます。
 カルシウムはメッセンジャーをたくさん出しますが、マグネシウムはメッセンジャーが出過ぎないようにします。ということは、マグネシウムは神経伝達において「収縮せよ」という信号が届きすぎないよう調節してくれているのです。
 これらのことから、筋肉が収縮しすぎず弛緩するには マグネシウムが必要であることが理解されるはずです。
 マグネシウム不足では、子宮筋層はギュ~っと収縮しっぱなし になります。
 すると子宮筋層の血行はもちろん悪くなり、細胞は酸欠を起こしますから SOS信号である発痛物質が出てきますし、その状況を助けるために、プロスタグランジンが活躍することになります。このために痛みが出てくることになります。
  月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、脳内のマグネシウムの割合が低下します。その為、月経中に片頭痛を起こしてきます。


エストロゲン過剰と生理痛・片頭痛


 「エストロゲン」は次の妊娠へ向けて機能層を再び増殖させ、ふっくらと厚みをもたせるホルモンです。
 子宮を赤ちゃんのベッドだとすると「エストロゲン」によって新しいシーツのかけ直しが行われるのですが、もしこの「エストロゲン」が過剰だとシーツを必要以上に重ねてしまいます。シーツを何枚も何枚も重ねてベッドに敷き詰めてしまうと、いざ シーツ交換という時にもの凄く大変です。
  子宮も同じで、機能層が厚みを増す過ぎると古くなった機能層を剥がすのもそれを子宮から押し出すのも大変です。
 月経の開始や経過にはプロスタグランジンE & F2αが関わっています。
 出すのが大変となると、このプロスタグランジンE & F2αがたくさん必要となります。
 プロスタグランジンE & F2αは、発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強され、ひどい生理痛が発症します。


 では 「エストロゲン」が過剰になる原因は何でしょうか?


☆その1「夜型生活」


 夕方~夜間星空にかけて「メラトニン」という催眠ホルモンが分泌されますが、日没後に光を浴びるとその分泌は抑制されてしまいます。
 「メラトニン」は、自然な眠気をもたらす働きだけでなく、抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります。
 現代では夜中まで電気を煌煌と灯すことが出来ますし、テレビテレビやパソコンパソコンなどの光も目から取り入れています。
 この夜も光を浴びつ続ける生活により、「メラトニン」がキチンと分泌されないと体内リズムが狂うだけでなく、老化が進んだり、「エストロゲン」の産生が過剰になることが分かっています。
  スタンフォード大学医学部の研究によると


夜型生活で「メラトニン」分泌減少
        ↓
・メラトニンの抗酸化力が足りず DNAのがん誘発性変異が起こりやすくなる
・乳がんの癌細胞を活性化するエストロゲンの分泌が過剰
        ↓
乳がんリスクが上昇アップ & マウスでの腫瘍成長が早まる


 という事が分かっています。


  夜型生活の女性は そうでない女性と比べて、生理痛もPMSも重く 周期も不規則だと言う事も分かっています。


☆その2「エストロゲン様環境ホルモンの摂取」


 肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があるようです。日本では規制も表示義務もないみたいです。
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害すると裁判が起こり、区別しちゃいけないようになってるのです。
 政治と経済の癒着が何も知らない国民の健康を犠牲に利益を得ているのです。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが乳腺炎を起こしやすくなります。
 その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。
 ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです。殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり 飲んだり 塗ったり 口からも 鼻からも 皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます。
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンに晒されて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。


☆その3「肝機能の低下」


 過剰の「エストロゲン」は 肝臓で代謝され、体内で増えすぎないようにホメオスターシスが働いています。
 しかし 肝臓が疲れて肝機能が低下してしまうと、「エストロゲン」の代謝が出来ず 多過ぎる状態が続いてしまいます。
 血液の浄化作用も弱まりますので 血行も悪くなり、肝臓の疲れ自体が生理痛と無関係とは言えません。
 肝臓が疲れてしまう原因は何でしょうか?
☆食べ過ぎ 飲み過ぎ 薬 農薬 食品添加物の摂取、食べ物も飲み物も 薬物も 肝臓が代謝分解に関わっています。
  そこに力を取られてしまうと エストロゲンの代謝に手が回りません。


☆目の使い過ぎ


 東洋医学の見方では 目と肝臓は深い繋がりがあります。
 目の蒸しタオルや耳引っ張りなどを取り入れながら目を酷使しないように 気をつけましょう。


☆ストレス


 ストレスの解消は ココでも大切になってきます。


  早めに寝ること
  環境ホルモンをさけること
  暴飲暴食をさけること
  目を酷使しないこと
  ストレスをためないこと


 これらが「エストロゲン」から見た生理痛対策となります。

 

  以上のように、「kaolune のSweet Days 」のなかで、kaoluneの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」 このことが全てを物語っているものと思われます。


        「かおりのコトノハ」より引用しました
          
https://ameblo.jp/kaolune/theme-10024006090.html

 

 

 これまで最初は片頭痛は遺伝疾患とされ、原因遺伝子が究明され、遺伝子治療をしないと根治できないとされ、原因遺伝子が不明の現時点では、片頭痛は不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”とされ、遺伝様式は不明のまま、現在に至っています。


 前回は、片頭痛の遺伝素因とは、生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と述べましたが、この理由について改めて述べることにします。


ミトコンドリアの視点から・・


 ミトコンドリアとは、私達のからだの組織・臓器を構成する個々の細胞のなかにある小器官で、私達が生きるためのエネルギーを作っており、生命活動に直結する役割を果たしています。

   ミトコンドリアは、通常では長さが1~4ミクロン、大きさが0.5ミクロンで、バクテリアとほぼ同じ大きさです。
   このように、ミトコンドリア自体の大きさは、バクテリアと同じ大きさですが、体全体からみれば、全体重の10 %を占めています。
 ミトコンドリアが最も多く存在するのが「腸」です。つまり、腸内環境を整えておくと、「ミトコンドリア・エンジン」も効率よく働きます。


ミトコンドリアは細胞核にあるDNAとは違う、独自のDNAを持っています。


 片頭痛では、このミトコンドリアの働きの悪さ(活性低下)という”遺伝素因”が存在し、この”ミトコンドリアの働きの悪さ(活性低下)”が、ミトコンドリアDNAによって、母親から子供に受け継がれることになります。
 このように、先祖代々、主として母系家族から継承されてきます。
  
 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、このミトコンドリアDNAが関与しています。遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、先述のように、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。

 ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個と言われています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。

 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子供へと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。
 男性のミトコンドリア活性がその子に引き継がれていくことはありません。
 もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければ、その影響を当然受けやすくなります。

 ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。
 すなわち、ミトコンドリアの機能が低下すれば、当然、同時にセロトニン神経系の機能は低下してきます。
 それは、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってくることになります。
  
 男性に比べて女性のほうが脳内セロトニンの合成量がもともと少なく、女性ホルモンであるエストロゲンが生理時に低下することによって、さらに「脳内セロトニン」が低下することによって、片頭痛の症状が発生しやすくなります。こうしたことから、母から娘へと片頭痛が遺伝しやすいのには、こういう理由があったのです。
  

 そして、このように先祖代々引き継がれたミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。・・ミトコンドリアDNAは傷つきやすい


 細胞は増える時に、自らの遺伝子をコピーします。このコピーですが、時々間違ってコピーされることがあります。この間違いを塩基置換と言います。

 また、コピー時だけでなく、何らかの刺激などで、DNAの配列が変わってしまう塩基置換もあります。塩基置換は致命的なときもありますが、なにも影響がなかったり、少し影響したりする場合があります。
 塩基置換は生物が環境に適応するのに、とても大切なことです。
 もし遺伝子が完璧にコピーばかりされていたら、環境が変化した時、その生物はそれに適応できずに絶滅してしまいます。
  このように生活環境によってミトコンドリアDNAは変化してきます。


 ミトコンドリアは酸素を使ってATPを産生します。この際、体内に取り込まれた酸素の数%反応性の高い活性酸素やフリーラジカルになります。すなわち、ミトコンドリアは生体内における主要な活性酸素の産生部位でもあります。
  正常な状態でも活性酸素は産生されていますが、電子伝達系や呼吸酵素系の活性が低下すると、電子伝達系から電子が漏れて活性酸素が生じやすくなります。
  ミトコンドリアは活性酸素を多く産生するため、ミトコンドリアDNAに突然変異が起こりやすい環境を作り出しています。
  しかも、ミトコンドリアDNAは核DNAと比べて修復能力が低いため、ミトコンドリアDNAで突然変異が起こる割合は核DNAの約10倍と考えられています。
 ミトコンドリアDNAの塩基置換は通常の核DNAと比べると、5 ~ 10 倍早いとされています。


  このように、ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。


 私達の体は約60兆個の細胞からなりますが、老化に伴いその数が減少します。
 ミトコンドリアは大量の酸素を消費しており、その過程で多くの活性酸素を発生します。これにより細胞が酸化障害され、ミトコンドリアDNAに損傷が蓄積するとミトコンドリアの機能も障害されます。
 異常なミトコンドリアが多い細胞では必要なエネルギーが産生できなくなり、細胞の自殺(アポトーシス)を起こしやすくなります。
 特に、エネルギー代謝が盛んな骨格筋や神経細胞では、ミトコンドリアの劣化に伴うアポトーシスが原因で機能も低下します。
 お年寄りの体が小さくなったり機能が低下するのは、このようなミトコンドリアの劣化やアポトーシスが原因の1つとなっています。

  このように生後、ミトコンドリアの働きを悪化させる以下に述べるような要因が加わることによって、ミトコンドリアDNAは変化してくることになります。


  「ミトコンドリアの機能を悪化させる要因」
 
    1.生活習慣の問題
 
       睡眠不足
       運動不足
        食べ過ぎ・過食
       早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
       薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
 
  2.食事内容の問題
 
      マグネシウム不足
       必須脂肪酸の摂取のアンバランス 
       鉄不足
       食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
  
    3.生活環境の問題
 
      活性酸素    野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
       有害物質
    
    4.年齢的な問題

      女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下


 いろいろな原因でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病が、「後天性ミトコンドリア病」です。
 ミトコンドリアDNAはミトコンドリアの中に存在していますが、実は1個のミトコンドリアの中に5~10個くらい入っています。そのようなミトコンドリアはひとつひとつの細胞に数十から数百個あるので、1細胞でみるとミトコンドリアDNAは数千個も存在していることになります。ですので、数千個もあるミトコンドリアDNAのほんの一部が変化しても細胞のはたらきに何も影響しないし病気にもなりません。
  ところが、ミトコンドリアDNAの変化で病気になっている人は、通常は変化したミトコンドリアDNAの割合が高いことが知られているのです。
 このようにして傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、片頭痛を発症させ、さらに「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
 卑近な例では、水や食生活、放射能汚染や環境汚染、有害物質の蔓延などや酸素不足、薬物などを原因として、後天的に発症するミトコンドリア病です。


  このように、片頭痛は生活習慣病そのものであるということです。


 すなわち、私達の生活環境および生活習慣にはミトコンドリアの機能を悪化させる要因に満ち溢れています。
 このミトコンドリアの働きの悪さが、「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。
 このような、「ミトコンドリアの働きを悪くさせる要因」は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活・食事摂取方法などの生活習慣が挙げられます。


 このような発症様式をするものは、生活習慣病そのものであることを示しています。


片頭痛は”多因子遺伝”なのか??


  これまで、鳥取大学神経内科グループは以下のように述べていました。
 
 
 片頭痛は、あたかも「遺伝」しているような「印象」はあります。
 しかし、その遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。


 ”多因子遺伝”とは


 多因子遺伝の概念(Frants RR,1999)は、以下のように考えられています。


1) 正常では,保護的遺伝子と有害遺伝子のバランスが保たれており疾病が発症しない.
2) 優性遺伝疾患では単一の有害遺伝子により疾患が発症する.
3-5)多因子遺伝疾患では3 種類以上の遺伝子において異常があれば発症するが,ひとつの遺伝子異常では発症しない.二つの遺伝子異常があるときには軽症であるか,あるいは無症状である.環境要因がこの表現型を修飾するものと考えられています。


 このように、”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。
 ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。


 片頭痛を生じる単一遺伝子性疾患としては、家族性片麻痺性片頭痛Ⅰ型、家族性片麻痺性片頭痛Ⅱ型、CADASIL、MELAS、Osler-Rendu-Weber症候群がこれまで確認されております。このようなタイプは極めて頻度的に少ないものです。例外的です。
 これに対して、大部分の片頭痛では”多因子遺伝”であろうと推測されています。
 その可能性のある遺伝子として、これまでセロトニン受容体及びドパミン受容体の遺伝子多型のほか,メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR),アンギオテンシン変換酵素(ACE)の遺伝子多型などが検討されています。しかし、いまだ明確にされていません。


片頭痛が多因子遺伝であるとの根拠として・・


 ”遺伝素因”が同一であるはずの一卵性双生児の場合、必ずしも2人とも片頭痛を発症することはありません。
  すなわち、一卵性双生児で、”遺伝的素因が全く同一である”はずのものが、必ずしも2人とも片頭痛を発症するわけではありません。
  これは、何を意味しているのでしょうか? その後の後天的な要素、環境因子等々が関係している証拠ではないでしょうか?
  一卵双生児の「片頭痛を発症」していない方に、もう片方の片頭痛を発症している人の「片頭痛の環境因子」を多数負荷すれば、恐らく、頭痛は誘発されるでしょう。
  ただ、このような「実験」は人道上、許されることではないため、されていないだけの話です。
  単純に言えば、一卵性双生児の子供の2人の学業成績が全く同じ成績かどうかをみれば理路整然としているはずです。2人とも必ずしも成績優秀とは限りません・・・


 もう一つ興味ある事実があります。それは、東京女子医科大学の清水俊彦先生が「頭痛女子のトリセツ」(マガジンハウス)の中で、以下のような興味深い記述をされています。


 もともと母親が頭痛持ちだったのですが、本人は今まで全く頭痛というものを経験したことがなかったある女性がおられました。
 嫁いだ先では、旦那さんを含めて、おじいちゃん、おばあちゃん・・家族みんなひどい頭痛持ちの家系でした。ところが頭痛の経験のなかった彼女が、嫁いだ途端にひどい頭痛に悩まされるようになり、私のところへ来たのです。
 話を聞いてみると、嫁姑の争いもなく生活環境的にはストレスも全くなく、特に問題はありませんでした。もしかして「片頭痛は伝染する病気なの?」といった疑問も湧いてきます。
 が、実はそうではありません。さらに話を聞いてみると、この嫁いだ先の食生活に問題があることが分かりました。ほぼ毎日、洋食の連続。彼女は、もともと母親と同じ片頭痛を起こすかもしれない”遺伝素因”を持っていました。そこへ、血管拡張物質を多く含んだ毎日の食事が刺激となり、ついに脳の血管が耐えきれず、片頭痛を発症してしまったというわけです。


 片頭痛のあなたの御兄弟・姉妹すべての方が片頭痛を発症しているのでしょうか?
 恐らく、あなただけか、もしくは片頭痛でない方もおられるのが大半です。
 同じ家族でありながら、あなただけが片頭痛を発症したということは、片頭痛をお持ちでない他のご兄弟姉妹との”生活習慣・環境の相違がどこかにある”と考えなくてはなりません。
 もし、あなたの御兄弟・姉妹すべての方が片頭痛を発症しているのであれば、極めて特殊なケースと考えるべきです。あなたの家族全体の食生活・食習慣・住環境に問題があるものと推測されます。ここを糸口に解決策を模索します。


”多因子遺伝”をする生活習慣病


 このような”多因子遺伝”をする病気としては、身近なものとして、生活習慣病であるⅡ型糖尿病があります。
 Ⅱ型糖尿病は、糖尿病になりやすい素質(遺伝素因)をもっている人に、”環境因子”として、食べ過ぎや運動不足による肥満、アルコール、精神的ストレス、年をとること、その他多種多様の要因が加わって発症します。
 こうしたことから、糖尿病の治療方針として、この環境因子の是正に努めるべく「食事療法」と「運動療法」がまず行われ、これに「薬物療法」が追加されます。
 本態性高血圧の場合は、遺伝的体質的素因に加え、食塩摂取量、肥満、寒冷、ストレスなどの環境因子が加わり発症すると考えられています。
  このように生活習慣病すべては、”多因子遺伝”と考えられています。


 その他、”多因子”神経疾患として、特発性(真性)てんかん、孤発性パーキンソン病、多系統萎縮症、片頭痛、多発性硬化症が挙げられています。


ミトコンドリアのDNA活性が主因


 これに対して、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生によれば、片頭痛の遺伝的因子としては、核遺伝子(DNA)のミトコンドリアへの影響も否定できませんが、ミトコンドリアのDNA活性が主と考えるべきであるとされます。


 ミトコンドリアのDNAの遺伝子は母親の遺伝子だけが引き継がれ、女性は男性に比べセロトニンの合成能力が低いため、母と娘の間で遺伝しやすい、これが「単一遺伝子異常」を除く、唯一の遺伝的な要因だと考えられます。
 それも、ミトコンドリアのどの部分のDNAがどうだから、どうなるといった類のものではなく、人にも背が高い人、低い人、肥えた人、痩せた人があるように、ミトコンドリアにも元気なもの、元気の無いものがいて、元気のいい母ミトコンドリアからは元気のいいミトコンドリアが生まれやすく、元気の無い母ミトコンドリアからは元気の無いミトコンドリアが生まれやすい程度のことです。ミトコンドリアは今の環境に満足してしまえば数を増やすことも元気に働くこともしない怠け者ですので、何らかの刺激で慌てさせるとその数や活性を増す生き物と考えられます。
 ということは、少々元気の無いミトコンドリアであっても鍛えればそこそこ強くなるし、殺してしまえば(アスピリンなど)どうしようもなくなってしまうということです。
 片頭痛の方はもともと活性の低いミトコンドリアを引き継いでいるわけですので、直ぐに活性を高めるということは困難だと思いますが、少なくとも殺すことを止め、元気を取り戻す刺激を与えれば、片頭痛の原因とならない程度には回復できるものと考えています。
 先述の可能性のある遺伝子としての、ドーパミン受容体、セロトニン受容体の遺伝子多型、メチレンテトラヒドロ葉酸酵素、アンギオテンシン変換酵素遺伝子多型などについては、代謝異常であろうと思われます。
 ドーパミン受容体やセロトニン受容体についても、さまざまなホルモンのバランスで受容体の活性は異なりますし、そこに活性酸素(電磁波、化学物質などの刺激による)が加わることや、さまざまな生理活性物質の影響を受けて、受容体の活性は異なると考えています。
 当然、代謝の一種と考えると酵素、補酵素、ビタミン類、ミネラル類などの因子も考えねばなりません。
  結論として、「片頭痛は決して遺伝だけにより起きる病気ではなく、生活習慣の乱れによって惹起される病気であり、生活習慣を正すことにより治る病気である」と述べておられます。


 さらに、後藤日出夫先生は、片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病とされると述べておられます。
  そして、片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。


 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生きざま”すべてが関与して起きてくるものです。
  これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。このために、あたかも”遺伝的疾患”であると誤解された理由でもあります。とくに食習慣の関与が大きいのが特徴です。ということは、代謝異常そのもの、ということになります。


これまで、片頭痛はミトコンドリアとどのように関与しているのでしょうか?


 1.片頭痛は15億年前の因縁?


 1996年に間中信也先生が開設されたネット上に「頭痛」の老舗ともいうべきHP「頭痛大学」があり、この当時から、以下のような記載があったことを忘れてはなりません。


 ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを産生する「発電所」のはたらきをしています。
  それは約15億年前のことでした。当時酸素が嫌いなノンビリやの単細胞生物”A”がおりました。
  当時増えつつあった酸素を利用してエネルギッシュな好気性生物”B”もいました。”A”が”B”に提案しました。
 「Bさん僕と結婚しよう。僕のウチに住んでいいよ。そのかわり君のエネルギーを僕にわけて頂戴」。
  プロポーズが成功して、”A”と”B”の同棲生活が始まったのでした。


 片頭痛には、このミトコンドリアが関係しています。
 片頭痛では、ミトコンドリアの”酸化燐酸化の障害”があり、これによる代謝の異常が、神経機能障害を引き起こし、それが”脳過敏”を強めて片頭痛発作を発現させます。
  ミトコンドリアの代謝機能を是正すれば、片頭痛にならないということになります。


 それを裏付けるものとして、ミトコンドリアの働きを助ける物質にビタミンB2があります。実際ビタミンB2をとると片頭痛になりにくいのです。
 とすれば、15億年前に細胞AとBが同棲しなければ、片頭痛という病気は生まれなかったかもしれません。


 こういったことから、片頭痛は全身的な”ミトコンドリアの機能の低下することによって起きる頭痛”と考えられています。


 従来から、片頭痛は”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されています。


 Welch KMA, Ramadan NM Review article; Mitochondria, magnesium and migraine. J Neurol Sciences 134 (1995) 9-14


 片頭痛患者においてミトコンドリア機能の低下,脳内マグネシウムの低下とマグネシウムの発作抑制作用,脳内セロトニン減少の可能性,血小板内ラジカルスカベンジャー(SOD)の低下などの臨床的根拠(エビデンス)があることから、1990年代に鳥取大学医学部・神経内科の下村登規夫先生は以下のような DASCH diet .(MBT療法とも言われていました)を提唱されておられました。そして、これが片頭痛の食事療法の基本とされていました。


 慢性頭痛は”未病”の段階にある


 日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛、片頭痛では、未だ自然治癒力の低下状態(ホメオスターシス三角の歪み)の段階・すなわち”未病”の段階にあり、単なる「症状」でしかなく、「病気」に至る途中の段階にあり、ここに諸々の生活習慣の問題が加わることによって、初めて「病気」としての「生活習慣病」・「がん」「認知症」へと進展していくものです。


 そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。
  片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しますので、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
  このため、片頭痛では、緊張型頭痛に比べて、比較にならない程、頭痛の程度が極端に酷くなってきます。
  ところが緊張型頭痛の場合でも、片頭痛のように遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しなくても、生活習慣の問題によってミトコンドリアの働きが極端に悪くなり、さらに「脳内セロトニンが枯渇」してくれば、片頭痛と同様の難治性の頭痛(慢性緊張型頭痛)を引き起こしてくることになります。


 これを図表で表せば、以下のようにイメージされます。


 片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine
  

              慢性片頭痛  ・・・・    慢性緊張型頭痛
     片頭痛                      頻発反復性緊張型頭痛
    big(true)migraine             稀発反復性緊張型頭痛
    連続体                                 ↑↑                       
 緊張型頭痛 ・・・・         
日常的に感じる極く軽度の頭痛
  small migraine                


 ということは、片頭痛での緊張型頭痛はsmall migraine で、本格的な片頭痛はbig true migraine で、これが連続しているということです。
  緊張型頭痛はこれとは別に、独立して、存在するということです。
  この差異は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因の有無で決まります。
  このように緊張型頭痛も片頭痛も連続した一連の頭痛であるということで、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な相違点は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因の有無でしかありません。

 以上のように、脳のなかに異常のない慢性頭痛とは、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛、これらを別個に個別に捉えることなく、すべてを一連の頭痛として、それもミトコンドリアの観点から考えることが重要になってきます。このような考え方で慢性頭痛の研究を進めるべきと考えます。


 世界的名医とされる専門家は、自分の片頭痛を引き起こす誘因を知り、こういった誘因を極力避けることが原則とされ、このことが片頭痛の予防に繋がり、このことで「片頭痛が治った・・片頭痛から卒業できた」とされています。
 そして、多因子遺伝、すなわち体質の遺伝とされ、受け継いだ遺伝子だけでは発症しない、生活習慣、環境の変化などが引き金となって片頭痛が引き起こされています・・
 ということは、片頭痛は手付かずのまま永久保存され、このため「脳過敏」は「生まれつきの体質」とされ、どうにもならないとされます。
 このようにして、片頭痛そのものは治すことが出来ない、だから誘因を取り除きましょうと主張されます。

 

 私達は、何をどのように信用すればよいのでしょうか?


 このような馬鹿馬鹿しい議論にまでお付き合いをしなくては解決しないという”頭痛の種”が厳然と存在します。これが、頭痛学会の存続の意義なのかもしれません。

 

 

 

 

 ここで、コマーシャルです。

 

 頭痛が気になったら・・以下へアクセス
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html