頭痛の種のもとは?・・睡眠不足 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

(1)睡眠不足


エネルギーの生産には休息が必要です


 私たちが食物からとった、炭水化物(糖)や脂肪は代謝されて、ミトコンドリアの中でTCAサイクルに放り込まれて酸素を消費しながら、活動していくのに必要なエネルギーに変えられています。
 糖にはTCAサイクル以外に、酸素を使わずミトコンドリア以外の場所でエネルギーを生産するシステム(解糖系)もあります。
 この場合は乳酸ができますので、激しい運動(無酸素運動)をした時などは、筋肉内に大量の乳酸が貯まることになります。
 しかし、このエネルギーの作り方では効率が良くないので、解糖系で分解した糖も、酸素が十分にある場合は、途中からミトコンドリアの中でTCAサイクルに渡されて、エネルギーに変えられることになります。
 つまり、ミトコンドリアは体温や生体が活動するエネルギーを生産するにはなくてはならない場所なわけです。
 そして、ミトコンドリアは生体がちゃんと休息をとらないと働けなくなってしまうのです。ですから、ちゃんと睡眠時間を確保することが大切になります。
 地球の重力に逆らって動物が立ったり、座ったり、動いたりするには、相当なエネルギーの消耗があり、眠らなくても重力に逆らわないように横になっているだけでも休息をとっていることになります。
 直立2足歩行は人間に大変な重労働を課しています。
 生物が水の中で暮らしていた頃は水の浮力によって1/6Gの重力しかなかったのが陸にあがって1Gに変わり、なおかつ5キログラムもある頭を150~180センチの高さに保つには相当なエネルギーが必要です。
 血圧を例にとると、4足歩行の45キロ位の大型犬で血圧は90ミリHgほどです。人間は120mmHgなければ160センチの位置にある頭の活動を生き生きと保つことが出来ません。しかし、横になればイヌと同じ血圧90mmHgでも細胞レベルの呼吸は十分維持できます。
 体重を支える骨には大きな負荷がかかります。骨が体重を支えているときはただ柱のようにさせているのではなく、酸素を消費し、骨の中のリン酸を消費しエネルギー使って支えています。ここで重要なのは骨は体を支えるだけではなく造血もしているということです。立っているときは体重を支えることでエネルギーが消費されてしまい、エネルギーが不足して造血したくても出来ません。ですから新陳代謝は睡眠中に行われます。1晩で1兆個の細胞がリモデリング(新陳代謝)しています。つまり、睡眠をとらないと新陳代謝というプロセスが行われないということです。


睡眠は脳の疲労を回復する栄養剤


 太古から人類は、日の出とともに狩猟や農耕に精を出し、日が沈むとともに体を休め眠りにつく一日を過ごしていました。睡眠とは、重力に逆らい二本足で昼間活動していた人類が、疲れを取るために横になって眠る時間です。重力の影響は大きいので、横になって体を休め、その影響を解除しないと骨髄の造血機能が働きません。骨休めという言葉の意味でもあります。
 眠っている間は副交感神経が優位になり、成長ホルモンが最も多く分泌され、細胞の成長や修復を行ったり、脂肪を分解させたり、病気をもたらすウィルスなどの体内への侵入防ぐ免疫力も高めたりします。
 また、睡眠は体ばかりでなく、何よりも脳の疲労を回復させてくれます、長い時間運動を続けていると、筋肉に疲労物質が貯まって、充分な力が発揮できなくなるように、脳でも同様のことが起こります。脳は働く時間と量に比例して、睡眠促進物質プロスタグランディンやサイトカイン、神経ペプチドなどが貯まってきてしまいます。
 睡眠促進物質が増えすぎると脳が壊れてしまうので、睡眠促進物質の生産を止め、これを分解するために、脳の働きを止めて眠る必要があるのです。そのため大脳が疲れてくると自然に眠くなり、眠ることによって脳の疲労を回復して定期的なメンテナンスを行っています。
 嫌なこと、辛いことを眠って忘れると言うように睡眠中には心の修復、記憶(情報)の整理までもが行われています。
 記憶が整理され、定着するのは、深い睡眠中です。このため、睡眠時間を削ってまで、勉強をすることは極めて効率が悪く、学習機能は向上することはありません。寝る子の方が成績のよいことは、海外の最新の睡眠研究で明らかにされています。


睡眠中に分泌されるホルモンの役割


 夜、眠りについてから朝起きて活動を始めるまでに、体の中ではさまざまなホルモンが分泌され、大切な働きをしています。
 ノンレム睡眠中には、新陳代謝を活発にする成長ホルモンや免疫細胞同士の情報伝達の役割をするサイトカインなどが活発に分泌され、病原菌に対する抵抗力が強化されたりします。成長ホルモンは22時頃から活発になり2~3時頃にピークを迎えます。「寝る子は育つというように」、睡眠の深い子供程たくさん分泌され、子供の成長に重要なホルモンですが、大人にとっても体の修復に欠かせません。タンパク質や骨などを合成する働きの促進、疲労回復、リンパ球の働きを活発にさせて傷の修復、お酒を飲んで代謝に使われた肝臓細胞の再生など、細胞を活性化させ、体全体のダメージを回復するホルモンです。
 女性にとってもこの4時間は、お肌のゴールデンタイムといわれ、肌の生まれ変わりが最も活発になり、熟睡によって皮膚の新陳代謝が促進され、肌が瑞々しく、艶々していきます。
 このように、成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復したり、新陳代謝を促し老化防止するなどミトコンドリアを守ってくれます。
 レム睡眠中には、生命維持に不可欠なホルモン、コルチゾールが分泌され、睡眠中のエネルギー供給のために脂肪を燃やしたり、肝臓にあるグリコーゲンをブドウ糖に分解して血糖値を高めてすぐに活動できるようにします。


 不規則な就寝時間や浅い睡眠は、ホルモンの分泌時間や量を乱し働きを低下させた体温調節ができなくなります。ホルモンや免疫から考えると、遅くても午前0時には入眠するのが望ましいでしょう。


 それでは、睡眠時間に関して最近一番よく聞くのが、6時間半~7時間半くらい、つまり平均して7時間くらいが良いということです。従って11時頃就寝し、6時頃起床するのが理想的と言われています。この点に関しては、本人にとって適正な時間であれば十分であり、それよりは起床時間と就寝時間を一定にさせることが最も大事な点です。
 適切な睡眠時間は、各人によって異なっていることを理解され、睡眠時間を適正に確保し、起床・就寝時間を一定にすべきです。これが最低限必要とされています。
 とくに、仕事の関係で十分な睡眠時間が確保できない状況においては、最低限、朝の起床時間を一定にする必要があります。

  
”規則正しい生活”がなぜよいのでしょうか


 「規則正しい生活」は健康のためにいい、とよく言いますが、実際どんなメリットがあるのでしょうか?


 「規則正しい生活」は、睡眠の質がアップすることにあり、不規則な生活をしていると体内時計が狂ってしまい、夜きちんと眠くならなかったり、寝ても疲れが取れなかったりということが起こり、睡眠時間が十分とれなかったり、睡眠の質が下がってしまったりすると、体にさまざまな不調が起こる可能性があります。
 逆に言えば睡眠の質がアップすることで不調が改善され、さまざまなよいことがある!ということになります。


1.痩せる


 睡眠時間が短いと「グレリン」という成分が過剰分泌されてしまうと言われています。 グレリンの働きは何と、脂肪を増やすことなのです。寝てないで起きて動いていれば痩せるような気がしてしまいますが、実は正反対なのです。
 また質の良い睡眠をとると「成長ホルモン」がしっかり分泌されます。成長ホルモンは成長期にだけ必要なものではなく、代謝の促進にも関わっています。
 つまり、質の良い睡眠を取ると痩せやすい体になるということなのです。


2.肌がきれいになる


 成長ホルモンは、肌の修復にも関係しています。傷ついた細胞を修復したり、肌の生まれ変わり、ターンオーバーのサイクルを正常化したりする働きがありますので美肌効果があるのです。
 寝不足は肌に悪い、というのはなんとなく知っている人が多いと思いますが・・


3.冷え性が改善


 冷え性の原因は、血行不良のほかに、自律神経の乱れやストレスなども影響しています。 規則正しい生活を送ることで自然と自律神経の乱れも正常に戻っていきます。
 また、不規則な生活をしていると、心では感じていなくても体はストレスを感じてしまいます。規則正しい生活を送るとストレスも自然に緩和されて冷え性の改善やさまざまな不調の改善にも繋がっていきます。


4.心配事が解消


  規則正しい生活のメリットは、体に関することだけではありません。
  規則正しい生活を続けていくと心配事も解消すると言われているのです。
  心が不安定な人は生活リズムが乱れていることが多いようです。いつも自分なりの一定のペースで生活を送ることで、不安はあまり感じなくなるようです。
 うつ病や、心配事が原因で起こると言われている胃潰瘍の治療にも、規則正しい生活は不可欠なのです。当然、慢性頭痛治療でも必須です。


それでは、なぜ十分な睡眠が必要なのでしょうか?


 活性酸素等で傷ついた組織(ミトコンドリア)の修復は寝ている間に行われるため、修復には睡眠が不可欠です。もし傷が大きければそれだけ長い睡眠が必要になります。
 そうなのです、必要とされる睡眠時間は状況によって大きく変わるのです。例えば1日中テレビを見たり本を読んで過ごした日は6 時間の睡眠でいいかもしれませんが、殴り合いのケンカで死にそうになった日は15 時間でも足りないかもしれません。
 起きている間の活動で細胞が傷つき、寝ている間にそれを修復します。しかし前述したように完全には修復できないため徐々に傷が蓄積し、それが致命的な状態にまで達したときお迎えが来るわけです。つまり起きている間にできる傷が大きいほど睡眠時間は長くなって寿命は縮むのです。


 それではミトコンドリアに傷をつける原因は何でしょうか。それは生活習慣に問題があったり過大なストレスに晒されていることが考えられます。睡眠時間が長いと感じる人は生活習慣に問題がないか、ストレスを貯めていないか、よく考えてみてください。それらを改善することで睡眠時間は縮むかもしれません。
 スポーツをやっている人も多くの酸素を消費するため睡眠時間が長い傾向にあります。
 スポーツマンに早死にする人が多いのもこれと関係があるようです。
 このように、生活習慣に問題があるとか、ストレスを貯めているために、結果的に、睡眠時間が長くなって、早死にするということのようです。


それでは、片頭痛の場合は・・寝過ぎはなぜ悪い???


 片頭痛の場合、特に子供の場合、片頭痛の発作を起こした際に、一眠りした後に頭痛が軽快することはよく経験されます。これは、寝ている間に、活性酸素等で傷ついたミトコンドリアが修復されることによって、頭痛が軽快したものと思われます。
 大人の場合、生活習慣に問題があるとか、ストレスを貯めているために活性酸素等で傷ついたミトコンドリアを修復させるために、自然と睡眠時間が長くなりますが、過大なストレスに晒されている状態が持続していれば、傷ついたミトコンドリアは、長時間睡眠をとったにも関わらず、完全には修復されないため、頭痛が起きやすい条件が残ることになり、朝食を抜いて寝ていれば、低血糖・脱水などの要因が加わり起床後に頭痛に見舞われることになります。
 こうしたことから、寝過ぎによる片頭痛発作をなくすためには、日頃から「生活習慣の問題点を是正」し、「ストレスを貯めないための対策」が必要となってきます。


 このため寝不足は”論外”ということになります。


  以上、睡眠は、片頭痛治療上、極めて大切であるかが理解して頂けたかと思います。


 しかし、問題は職業柄夜勤だけの場合です。ガードマン、夜警などの方々は、このような考え方では睡眠がとれません。このため、このような方々の慢性頭痛のコントロールには難渋していることは事実です。こうしたことは、睡眠が十分に確保できないとどのようになるかを証明していると言えます。
 経験的に、睡眠時間の問題が解決しなければ、いかなる手段を用いようとも、慢性頭痛を改善させることは不可能といえる程、重要な位置を占めております。
 慢性頭痛に「不眠」があれば、その不眠の原因・背景を探ることを出発点にすることが大切になってきます。ここから、慢性頭痛の発症要因を探る手がかりになることもあります。
 このように睡眠は、ミトコンドリアを元気にさせるために絶対的に必要なものです。


 こうしたことから、十分な睡眠は慢性頭痛を改善・コントロールしていくためには必須の生活習慣であることを忘れてはなりません。


ミトコンドリアと生体リズム(体内時計)


「ホメオスターシス」


 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。
 そして、このストレスが、「ホメオスターシス」を乱す根源になります。
 「ホメオスターシス」の維持には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、それはストレスなどに大きく影響されます。
 ストレスは自律神経を失調させ、内分泌系を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 さらに、ストレスは、マグネシウムの不足をもたらし、活性酸素を増加させ、ミトコンドリアの機能を悪くさせ、セロトニン神経系の機能を低下させ、「健康的な生活」を送るための根源に問題を引き起こすことになります。


 この3つのバランスが崩れてホメオスタシス機能が保てない状態になると、”頭痛”を始めとするいろいろな”体の不調”が現れることになります。
 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
 この生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。


体内時計と生体リズム


 体内時計や生体リズムという言葉が一般に使用されるようになってきました。
 最近の研究から、体内時計は体中にあることが知られています。その中で全体の体内時計を司っているのが脳の視交叉上核にある体内時計です。
 体内時計を元に、身体のなかではさまざまなリズム、つまり生体リズムが刻まれています。睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。

 睡眠と覚醒のリズムは、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌と深く関連しています。メラトニンとは、日中に光を浴びることで作られ、夜になって暗くなると分泌を始めます。朝強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、夜暗くなると再び自然にメラトニンが分泌されて眠気を促し睡眠と覚醒のリズムが作られます。


 このように、生体リズムを保つには睡眠が極めて重要になっています。


 体内時計とは、私達自身の体、臓器や器官がそれぞれ持っている時計で、地球の自転(24時間)とは1時間ずれ、体内時計は1日25時間と言われています。この時間を調整し、地球の自転とあわせてくれているのが朝日なのです。ですから、放っておくとリズムが崩れ、生活リズムが乱れていきます。そのリズムを元に戻してくれるのが朝日なのです。
 また、太陽の光は、脳の中にある視交叉上核から松果体を刺激し、セロトニンやメラトニンというホルモンを作ってくれます。
 この二つのホルモンは、ミトコンドリアの天敵「活性酸素」を除去する働きがあります。 メラトニンは睡眠ホルモンとして、セロトニンは心を鍛え、バランスを整えるホルモンとして有名ですが、この二つとも、ミトコンドリアにとって天敵の活性酸素を除去する働きがあります。
  活性酸素は、細胞を傷つけたり壊したりする働きがあるので、ミトコンドリアだけでなく体にとっても天敵で、片頭痛の原因でもあるのです。


 朝日を浴びることは、この活性酸素を減らすホルモンを出す効果もあるのです。


 この生体時計は、ミトコンドリアとセロトニンにより制御されています。


ミトコンドリアと体内時計の関与


 カリフォルニア大学アーバイン校の研究者を中心とした国際研究チームは、体内に概日リズムを生み出すシステム、すなわち体内時計が、細胞のエネルギー代謝を制御するメカニズムが明らかになりました。さらに、代謝の調節に関わる物質の同定にも成功しました。 生物にみられる生理活動や行動には、約24時間周期の変動があり、これを概日リズムといいます。概日リズムを生み出す体内時計は、24時間周期の外部環境の変化に合わせて、生命活動を適切な時間に行うための重要なシステムです。
 研究者によれば、人間の全遺伝子の15パーセントは体内時計に制御されているといいます。したがって、体内時計の乱れは私たちの生理機能や行動に大きな影響を及ぼし、不眠症や肥満だけでなく、糖尿病やガンなど様々な病気の原因になりかねません。
 今回研究者らは、細胞内のミトコンドリア(エネルギー代謝を行う細胞小器官)において、体内時計が酵素の働きを調節していることを発見しました。中でもSIRT1という酵素は、体内時計のリズムに合わせてタンパク質のアセチル化という反応を引き起こし、エネルギー代謝に必要な遺伝子発現を調節していることが分かりました。逆にこれらの酵素の働きのバランスが崩れると、体内時計に狂いが生じると考えられます。
 さらに研究者らは、マウスを使った実験で、SIRT1を活性化させる低分子物質の働きを調べました。その結果、低分子物質の投与によって、概日リズムに従って働く遺伝子の働きを調節できることが分かりました。


植物概日時計とミトコンドリア機能の蜜月な関係を発見


 体内で約24時間周期のリズムを生み出し、生体の行動や生理現象を調節する体内時計の存在が知られています。体内時計は、細菌から人までさまざまな生物に組み込まれており、高等植物でも光合成や植物の生長・発達などに関与し、重要な役割を担っていることが分かってきました。


 遺伝子レベルの解析が急速に進み、時計関連遺伝子やタンパク質が見つかり、これらが相互に連携してリズムを生み出すことなどが明らかになっています。朝方、昼、夕方位相遺伝子の同定も進み、なかでも、低温ストレス応答の遺伝子が昼位相遺伝子に多く含まれていることも分かってきました。しかし、こうした植物の概日時計システム機能の理解も、代謝物のレベルではほとんど未知の状態でした。


 理研植物科学研究センターのメタボローム基盤研究グループは、名古屋大学と協力して植物代謝物を一斉に分析し、細胞内の概日時計と生体活動に必要なエネルギーを産出するミトコンドリア機能とが密接な関係をもっていることを発見しました。時計関連遺伝子を欠損させた変異植物体では、光や時間の条件に左右されず、ミトコンドリアの代謝経路であるクエン酸回路を構成する物質が、劇的に増加していたのです。


 概日時計システムとミトコンドリア機能の関係は、動物や細菌で示唆されていましたが、植物では初めてのことです。システムの理解から、ストレス耐性植物や有用物質産生植物の開発が可能になると見込まれます。同時に、代謝産物の一斉分析を可能にしたメタボローム解析が、複雑な生命現象を包括的に理解する戦術として確かであることが明らかになりました。
  日光を浴び続ける植物にこそ、むしろ体内時計は必要なものなのかもしれません。太陽の光の方向に伸びたり、葉を効率的に日光に当てるようになったりしています。


 参考までに、セロトニンとの関連です。


睡眠・覚醒機能と24時間リズムをセロトニンが束ねる
-睡眠・覚醒のサーカディアンリズム形成機構を神経活動レベルで解明-


 「睡眠のリズムが崩れた」とか、「生活リズムが単調で」とか…。日常の会話でも体調に関わるリズムが話題になります。実は、単細胞生物からヒトにいたるまで、24時間周期のリズムが自律的に働いていて、睡眠や覚醒も制御されているのです。
 これをサーカディアンリズムといいます。ラテン語でサーカは「約」、ディアンは「1日」という意味。それで「約1日のリズム」。そのまま分りやすいと思います。


 これまでの研究で、脳の奥にある視交叉上核(SCN)が、この24時間周期のリズムの主たる“時計”の役割を担っていることが分かっていました。しかし、SCNからの信号がどこに伝えられ、どのように睡眠・覚醒のリズムを作っているのかについては、よく分かっていませんでした。


 2012年10月17日、脳科学総合研究センターの研究者らは、この課題の解明に取り組みました。実験では、神経伝達物質の1つ「セロトニン」を除去する物質をラットに投与し、数週間、脳の各領域の神経活動を解析しました。その結果、睡眠・覚醒のリズムは崩れても、SCNのサーカディアンリズムは保たれ、睡眠と覚醒に伴う神経活動も正常であることを見いだしました。
 一方で、睡眠・覚醒を実行する前脳基底部・視索前野(BF/POA)という領域の神経活動はサーカディアンリズムを失っていました。この領域のセロトニン受容体を働けなくしたところ、徐波睡眠(ノンレム睡眠)のサーカディアンリズムが消失しました。これらにより、 SCNからの信号は、セロトニンの作用を受けたBF/POA領域に伝えられ、そこで睡眠・覚醒機能と統合して、24時間周期の睡眠・覚醒リズムを作り出していることを発見しました。


  このように「体内時計」とミトコンドリア、セロトニンの関連は指摘されています。


 ミトコンドリアとセロトニン神経系は連動して働いていることを忘れてはなりません。
 このようにミトコンドリアはセロトニン神経系と連動して体内時計・「ホメオスターシス」を制御・コントロールしています。


 現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24 時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、様々な不調を感じるようになります。
 生体リズム、自律神経、ホルモンはすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスターシス機能(自然治癒力)を乱すのです。


 最後に、私達が注意すべきことは、こうした不眠を訴えて心療内科もしくは精神科を受診されますと、安易に睡眠導入剤を処方する医者がいます。皆さんも、きっとご記憶にあるかと思います。こうした医師は敬遠すべきです。あなたの最後まで責任を持って診てはくれないからです。
 上記に示した、体の仕組みに従って、こうした薬剤を利用すべきであり、安易に服用すれば、2,3カ月継続して服用しており、こうした段階でも離脱に苦労することになり、結局何をしているか、分からなくなるからです。それ程、ベンゾジアゼピン系薬剤の恐怖を念頭において、心療内科もしくは精神科を受診されませんと、トンでもないことになりかねません。頭痛治療の騒ぎではなくなってしまうからです。

 

 また、専門家は、こうした睡眠不足を片頭痛の”単なる誘発因子”(引き金)程度の認識しかありませんが、慢性頭痛、とくに片頭痛治療の中核になる程、重要なものであり、これが解決しなければ、どのような手段を行っても、片頭痛の改善は望めません。それ程、重要な位置を占めています。

 

 

ここで、コマーシャルです。

 

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