lt's a small world 's end ① | 君を殺しても

君を殺しても

THE NOSTRADAMNZ Lucifer K nemoto

こんばんは、自称ルシファーです。

余韻残りまくりの5/15に発売いたしましたTHE NOSTRADAMNZ初のフルアルバム『It's a small world 's end』について、できる限り客観的にレビューします。

何故って宣伝ですよ。
ひとりでも多くの人に聴いて頂いて、これは非常にいいじゃないかと褒めて頂きたいんですよ。
ひとりでも多くの人の人生に踏み込みたいんですよ。

まず表ジャケですね。
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ファーストアルバムにメンバー全員の写真を使うパターンて最近あんま無い気がしてて。

ビートルズなんかはほとんどメンバー写真ですよね。

あとベタどころだとこれとか
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これとか
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これなんかもそうですね。
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3枚目は名盤揃いのエクスタシーレコードの中でも名盤中の名盤なんですが、RYUICHIさんの髪の毛に沿って見える木の枝が『ス〜』という字に見えて仕方ないのは私だけでしょうか。

あとはミスフィッツのファースト『STATIC AGE』の雰囲気とか
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ランシドのファーストじゃないけど『let the dominoes fall』なんかも彷彿とさせますね。
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何よりこの黒地に赤一点のアクセントというのはIBMの名機Thinkpadの影響を感じざるを得ません。
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ここまでで、見る人が見るとパンクロックとV系の本物の源流をキチンと踏まえつつ、かつ合理的なキー配列と1発1発のタイピングが非常に気持ちがよくて丈夫なアルバムなんだなあというのが解るわけです。

あとメンバーのポーズは、目を塞ぐピエロ、口を噤むルシさん、耳を覆うえんどうさんですが、これはもうこれですよね。
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UKハードコアパンクの名盤中のド名盤、ディスチャージの『ヒアナッシングシーナッシングセイナッシング』。
ディスチャージはサウンド面で後のエクストリームミュージックに多大な影響を及ぼしつつ、歌詞が非常に政治的な内容なんですね。
これも見る人が見たら「あ、ちゃんと世の中のこと考えてる人たちなんだな」「あ、社会福祉に貢献するために真面目に納税してるんだな」というのがすぐにピンとくると思います。

そして同時にこれも彷彿とさせますね。
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三猿の発祥は日本じゃないんですが、世界中に数多ある三猿モチーフの中で、この日光東照宮の三猿は世界的に有名ですよね。筆者は小学校の修学旅行で見ましたね。

ロックという音楽は1950年代にアメリカで生まれ、ロックバンドの形態は1960年代にイギリスのビートルズやローリングストーンズの成功で日本でもグループサウンズとして認知されるようになりました。
パンクロックの文化は1970年代にアメリカで発生し、イギリスで開花しました。
パンクは1980年代にかけて様々な派生ジャンルを生み、同時期のハードロック/ヘヴィメタルと共にそれぞれが日本に輸入され、再構築されてひとつのムーヴメントに収束していく形でヴィジュアル系というカテゴライズが発生しました。
そして今や「VISUAL KEI」は世界の共通語となり、「FUJIYAMA」や「SAMURAI」や「SUKIYAKI」や「HENTAI」などと並んで有名な日本語となり、世界中から注目を集めるようになりました。
なので見る人が見たら「あ、ちゃんと世界から俯瞰した日本のロックについて文脈捉えてる人たちなんだな」というのは一目瞭然なわけです。

そして裏ジャケ。
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これもまた安易にLAメタルの代表バンド、モトリークルーの名ベスト盤中の名ベスト盤のこのへんとか
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ゴス/ポジパンの中心バンド且つ異端児エイリアンセックスフィーンドの名ベスト盤中の名ベスト盤のこのへんとか
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からのイメージ引用が甚だしいですね。

つまりはちょっとロックに詳しい人なら
「あ、ファーストアルバム且つベスト盤的立ち位置なんだな」というのがまるっとわかってしまうわけですね。
凄いですね。

そして帯。
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画像は印刷やさんに出すデータをそのまま書き出したものなので、塗り足しがあるから実物はもう一回りトリミングされてるんですが、もうこれは完全にブックオフで並んだときに「あ、名盤なんだな」感が半端ないですね。

こういうさ
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こういうラインナップの中に
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紛れ込んでいても恥ずかしくない仕上がりです。
つまり頭のキレる人がみれば「あ、ノストラダムスと名乗るだけあってちゃんと中古市場に出回ったあとのヴィジョンも予見してるんだな」ということがわかるギミックになっています。

「終わりゆく世界で大合唱が〜」というコピーも、追い詰められたヤケクソ騒ぎ的な終末観が現れていて非常にいいです。

音楽や笑いはストレス回避行動なんじゃないかと思います。

他の動物より高い知能を手に入れたヒトは、それ故の逃れようのない、見えないけど自覚せざるを得ない大きなストレス下に置かれても笑い飛ばして生きていけるように、他の動物には無い「笑う」という機能が備わったんじゃないかと。
だからブラックなことや下品なこと、そして恐怖と笑いとは紙一重なんです。

音楽も、古来からヒトはストレス回避行動として状況や時勢や立場に応じた発展をしてきたんだと思います。
特にビートというか、打楽器によるグルーヴは、そのままカウンターカルチャーの精神に繋がるというか、西洋のクラシックや東洋の雅楽とか思い浮かべてほしいのだけど、高貴な方々が聴いてきたような音楽ってそんなにビート無いんですよね。
基本的に和音と旋律の音楽。
拍子はあるけどビートではないんですね。
ある種、楽しむ為には相応に頭を使うとか素養がないとわかんなかったりすることも多いというか。

他方、民の音楽はビートがある。
日本の祭りばやしとか、カントリーウエスタンとか、アイリッシュとか、未開の部族の音楽とか、基本的にドンドコスッタンしてるんですよ。
現代においても、ロックやクラブミュージックは基本的に打楽器がグルーヴの骨子だったり、打楽器が刻むリズムパターンによってジャンルまで細分化されてたりするわけですね。
ギターやベースやターンテーブルだって、演奏方法はバイオリンや管楽器と比べると打楽器的ですよね。
デスボイスやラップなんかも、クラシックや能の歌唱法と比べると打楽器的な響きや役割がありますね。

これらは多分身体を動かすか動かさないか、動かすとしても動かし方の違いなんじゃないかと思っていて、まあ奴隷の苦しみとか、飢餓の苦しみとか、自然への畏怖とか、豊作の喜びとか、でもその次の収穫はないかもしれない恐怖とかは、リズムに合わせて身体を動かしたり声をだしたりして呪ったり祝ったりしないとやってられなかったんじゃないかなと。
そりゃあ世界が終わるともなれば、拳を挙げて頭を振って大合唱でもしないとやってられませんわな。

この帯のこの狭い範囲だけで人類と音楽の歴史的役割にまで言及されていますね。

そして盤面。

と行きたかったところですが画像の貼り付け枚数の限度を超えてしまったので、一旦ここまでとします。
この調子じゃ全然中身に辿りつかないやんけ。

まあそれだけ色々考察できるってのはいいことですよ。見識が拡がりますね。

次回をお楽しみに。