※※以下、各シリーズの感想です※※
実際のパズルのスクショなどは載せておらず、ネタバレは概ねないと思いますが、内容の話をしているので、未プレイの方はご注意ください。
HER TREESシリーズ面白かった
stone氏による、パズルを次々に解いていくゲームです。
クリアしました。3作品すべてとても面白かったです。
各パズルの答えは、ABCDEFGHIの最大9文字の中から正しい文字列と順番で入力し、最後に白い木をクリックして正解であれば木の枝の先端にポッと実が灯ります。
すべての木の枝に実を灯したらクリアです。
モノトーンで統一された描写ながら、不穏さや不気味さは私はあまり感じられなかったのが魅力的です。勿論不穏さや不気味さを覚える方もいるだろうけど、なんだろう、絵本みたいだけど……他の作品でもあまり得られない感覚。
ストーリーらしい繋がった物語はないのですが、おそらく出てくる女の子、「HER」にはなんらかで構築された世界があるんだろうな、というふんわりした読後感。
音楽やオブジェクトを動かしたときの操作音も心地よいです。
操作は直感的であり、9つのアルファベットを形として認識できいれば、老若男女が解け、テキストによる説明がほぼないので、言語によらず誰もがプレイできます。
またモノトーンであるため、色覚にも依らない。アンビエントミュージックも美しいけれどそれ自体はパズルに影響しない。
ノンバーバルであって、ユニバーサルを実現し、かつインクルーシブでもあるのでしょう。すごすぎない???
ゲーム的な観点でいうと、難易度設定が絶妙です。直観的だけど、決して「簡単」ではない。しっかり頭を悩ませてしまう。
でも、確実に納得する答えが用意されていて(確かにアルファベットだと認識できる)、「あ、これはこう繋がってアルファベットの形が見える!」とパッと見え方が変わって理解が繋がる瞬間に、凄まじい脳の報酬系が得られるのが実感として分かります。インサイト学習のプロセスを感じます。
また、各パズルは全てヒント&アンサーを見ることができます。
行き詰って、他の攻略サイトを見に行くとか誰かの実況プレイを参照しに行かなくても、ゲーム内で完結できるのがコンパクトで良いです。
夢中になってやってしまう心理学的な背景は「フロー状態」にあると感じます。フロー状態に入るには以下3つの条件があるとされていますが、このゲームは見事にそれを達成していると感じます。
①目標が明確である
このゲームは各パズルの答えが「アルファベット」と、それを押す順序の「数字」であることが原則として確実にが分かっています。パズルを解くという目指すべきゴールも明確です。
そしてその進捗は、白い木に成る実の数で把握できます。
②挑戦と能力の釣り合いを保つ
パズルがあまりに簡単だと退屈してしまい、逆に難しすぎると途中で放棄してしまいます。そこでヒント・アンサーが用意されていることでプレイヤーがゲームを離脱することを防ぎ、常にフロー状態を維持できるようにコントロールしているのでしょう。
③即時にフィードバックを受ける
各パスルの正解はすぐに提示されます。このゲームの特徴は「解けなかった原因が、ゲーム側の不親切さではなく自分の視野の狭さにあった!」と深く納得できることなのでしょう。
私も数回ヒントとアンサーを見ましたが、なんでこれに気付かなかったのだろう?という心地よい悔しさと隙のない納得感が残ります。
・モノトーンの雰囲気
・直観的かつ多くの人に開かれたパズルデザイン
・心理学的な背景に基づいた心地よい難易度
以上が、このゲームの魅力だなあと感じます。
答えに必要なのは「アルファベット」と押す「順番」だけなのに、それを理解させるレパートリーの多さが本当に面白いです。
入力インターフェースのアルファベットの位置情報が、以下のように3×3でそこで固定されているから成り立つんですよね。必要最低限の情報だけで答えを示す非常に洗練された美を感じます。
ABC
DEF
GHI
以下の観点で読み解いてみました。
自分は、どういう認知でこれを解いているんだろうって。
A.パズルに入力すべき「アルファベット」が隠されている
B.パズルに入力すべき「順序を示す数値」が隠されている
C.左から右に、縦から横のデザインが「順序」を示す
D.完成した「起点の終点の線」が入力ボックスの「順序」を示す
E.3×3の入力インターフェースの「座標」を示す
HER TREES : First Puzzle(2022)
HER TREES : First Puzzle by stone
なんと無料で遊べます。
空間の音の響きが重なるようなBGMの中でパズルが始まり、最初なのでオブジェクトの動かし方や回答の入力方法などは丸や矢印で示しされ、教えてもらえます。
1作目の舞台は「部屋」のようです。
頭のてっぺんに白い木を生やした女の子のいる部屋に設置されたパズルを解きます。この白い木は右に示されているパズルの進捗と同期しています。
最初の葉のパズルが女の子の足元に置かれていて、彼女視点で説いたということなのかな。少女の胸には小さな窓があります。
一方の壁の穴をクリックしたときのノイズめいたエコーの音が良かったです。ラストを迎えるのにもプレイヤーの操作がいる感じも良かった。
葉のパズル(A,C)
手のパズル(A,C)
サイコロのパズル(D,E)
直線動物のパズル(D)→ひとつヒント見ました
紙と花のパズル(A,C)
コップの泡のパズル(B,EとA,C)→ひとつヒント見ました
微生物みたいなパズル(A,B)
虫食い葉のパズル(B,EとA,C)→ひとつヒント見ました
木の枝のパズル(B,E)
花弁のパスル(C,E)
一見無意味な線の一部を隠して数字やアルファベットを見つける
オブジェクトを使って点を経由する線を繋ぎ「順序」を見つける
「アルファベット」を示すオブジェクトと「順序」を示すオブジェクトの組み合わせ方を考える
微生物みたいなパズルが可愛かったです。あと直線動物のパズルのラストの問題にはうわ~!分からなかった~!となりましたが直線動物が可愛いです。
シンプルな線で描かれたキャラがすごく好きなんですよね。ミッフィーとか、やさしいおおかみウルフくんとかUAMOUとか。素敵なデザインです。
HER TREES : THE PUZZLE HOUSE(2024)
Steam:HER TREES : THE PUZZLE HOUSE
Steamで購入し、プレイしました。
1作品目と同じくチュートリアル的なパズルがあるため、2作目から始めても安心!
森の中、黒い箱の中にある家の模型のパズルを解いて視線を挙げればそこは部屋の中。招かれた「家」が今回の舞台のようです。部屋の中の少女の胸には、縫い目のような亀裂があります。見た目に似合わず、クリックするとコロン、という音がします。オブジェクトを動かしたときの陶器をイメージさせる幽かな音、などが快いです。
あと森にいた黒いねこちゃんがかわいいです。
今回から、パズルに行き当たるためのギミックがあるのがワクワクします。散らばった宝物を集めていくみたいな。ラストはメタっぽくてドキドキしました。
スタッフクレジットまで見事に美しかったです。
葉のパズル(A,C)
家のパズル(A,C)
石のパズル(B,E)
3つの家のパズル(A,C)
黒猫のパズル(A,C)→ヒント見ました
オブジェたちのパズル(A,C)
魚の骨のパズル(A,C)
白猫のパズル(B,E)
茎のパズル(D,E)→1枚目のヒント見た
瓶のパズル(B,E)
花瓶のパズル(B,E)
ビル影のパズル(A,C)→2枚目のヒントまで見ました
蛇のパズル(A,C)
水槽のパズル(A,C)
蝶のパズル(D,E)
虫食い葉のパズル(A,B)
細長い葉のパズル(B,E)
マグカップのパズル(A,C)
黒猫タワーのパズル(A,C)
ひび割れのパズル(A,C)
考え方のコツは、
線やオブジェクトの形がかみ合うように配置する。
個ではなく全体で一つの形をつくるように配置する。
遮蔽することで見えるようになる。
半透明・穴を重ねることで見えるようになる。
パズル内に散らばる要素の個数の一致に着目する。
ネガティブスペースへの着眼点。
……でしょうか。
パズルの完成形の絵自体が美しく、だまし絵を想起させます。オブジェたちのパズルめっちゃおしゃれで可愛かったです。白猫のパズルは猫を解体して臓物が見えているようで可愛らしいデザインながらぞくりとしました。マグカップのパズルは謎の実から液体が抽出されておもろかったです。
虫食い葉のパズルは、他のパズルと比べて珍しく答えに数字とアルファベットが出てくるのですが(A,B)ギミックが面白かったです。分かりやすい分どこに困難さをデザインするか、を感じました。
HER TREES : PUZZLE DREAM(2026)
Steam:HER TREES : PUZZLE DREAM

『HER TREES : PUZZLE DREAM』実況・配信ガイドライン+素材 – stone
Steamで購入し、プレイしました。
木の根本にあいた洞に入ると扉が。パズルを解き進めると、とある家の中へ入っていきます。黒猫に導かれるように、次々とパズルのある部屋へ進んでいきます。
ゲームシステムとして、今作からヒントとアンサーが解放される時間が、パズルを開いてから少し経過した後に解放されようにアップグレードされていました。
クリア後にどれだけヒントと答えを見たかの実績が見られました。ヒントからアンサーまで閲覧すると電球が割れるモーションがあるのですが、こんなに電球割ってたんだ……私……となります。
今作からレベルごとに部屋が区切られていて、、確かにレベルが上がるにつれて難易度が上がっていくように感じます。アイテムを使って次のステージへ進むような仕掛けも面白かったです。
レベル別のパズルを解ききっていなくても、次の部屋に行くパズルを解けば、自由度高く探索できるのも良かったです。
木製ドアのパズル(A,C)
-Level0-
電球のパズル(A,C)
栞のパズル(A,C)
落ちた花びらのパズル(B,E)
道順のパズル(D,E)
木製の馬のパズル(A,C)
崩れた家のパズル(A,C)
-Level1-
黒と白の葉のパズル(A,C)
葉の標本のパズル(A,B)
綿毛のパズル(A,C)
数字ブロックのパズル(A,B)
茎と葉のパズル(A,C)
石と葉のパズル(A,C)
丸鍵のパズル(A,D)
ボードゲームのパズル(A,B)
ハシゴのパズル(A,C)
-Level2-
雑草のパズル(A,B)→ヒント見ました
葉の標本のパズル②(A,C)
四角錐のパズル(A,C)
猫鍵のパズル(A,C)
シダ植物のパズル(A,C)
草花と穴あきシートのパズル(D,E)→ヒント見ました
ブロックシートのパズル(D,E)
プラナリアのパズル(A,C)
家の絵画のパズル(A,C)
-Level3-
家のシートのパズル(A,C)→答え見ました
蕾のパズル(A,D)
白い植物のパズル(A,C)
黒い影のパズル(A,C)
白い花のパズル(B,E)
道順のパズル②(D,E)→答え見ました
黒猫のパズル(A,B)
木の実のパズル(A,C)
割れた鏡のパズル(A,E)
-Level4-
黒い馬のパズル(A,C)
蝶の絵画のパズル(A,C)
家の絵画のパズル(A,C)
綿毛花のパズル(A,C)
星座のパズル(D,E)
黒い茎のパズル(D,E)
2つの立方体のパズル(B,E)→ヒント見ました
釣りのパズル(B,E)
白い木のパズル(A,C)
level0の木製の馬のおもちゃのデザインが可愛かったです。落ちた花びらのパズルは形が見えた瞬間の気持ちよさすごかったですね。
キーとなる崩れた家のパズルも実体が浮かび上がる瞬間の美しさに、正解を入力するのが惜しかったほど。主観的輪郭というやつでしょうか。
level1の数字ブロックのパズルすごかった!デザインの妙……普通に玩具として売ってもよさそうなくらい。
A,Dの組合わせはここで初めて見たかもしれませんが、これも入力インターフェースが固定されているからこそですね。
level2から、前のレベルと同じオブジェクトが使われているが解き方が異なるパズルが出てきて面白かったです。
葉の標本のパズル②はlevel1でも出てきた形なのですが、解き方が異なるので発想の転換にしっかり頭を悩ませました。
level3の黒い影のパズルはネガティブスペースへのアプローチが難しくて面白かったです。人間ってこれくらい実線が結ばれなくても認識できるんだなあと。
道順のパズル②もlevel1と同じ考えにとらわれていると解けない!
level4の方がするする解けたかもしれません。黒い馬のパズルかわいい!
アフォーダンスとシグニファイヤという概念がありますが、この違いってなんだろう。
私はデザインについては全く詳しくないので今後調べていきたいです。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございます。
