よそうかい - トレーダーの独り言 2 -10ページ目

インフレ懸念が後退

株は続伸。朝方発表されたGDP改定値や企業収益が強気の
内容だったことを手掛かりに幅広く買いが集まった。

一昨日の急落の手掛かりとなったドル安が一服したことも買いを後押し。
原油が1ドル以上の上昇となったが、特に嫌気されることもなく、
むしろ石油セクターの上昇が市場を牽引する格好だ。

本日は個別銘柄よりも、指標発表やベージュブックなど
マクロな面から幅広く買いが集まる展開となった。
企業業績は前期比 17.7%と好調、単位労働コストが
前期より下がったことや、消費価格指数(PCE)が
僅かながら引き下げられたことも
インフレの沈静化につながると、買い材料視された。

ユーロはついに1.32ドル台

ドルは対ユーロを中心に続落、ユーロ/ドルは一時1.32ドルドル台をつけた。

指標や要人発言に一喜一憂する展開が続いたが、
最後に流れを作ったのはバーナンキ発言だった。
CPIコアは明らかに高い水準にあるとインフレに対する警戒感を改めて表明、
フィラデルフィア連銀総裁も同様にタカ派色の強い発言で後押ししたが、
市場はドル売りで反応した。

議長は確かに物価は高いとしているものの、同時にこの数ヶ月間は
沈静化の兆しがあるとも指摘。住宅や資本、労働コストがこの先
スローダウンするとの見通しも示している。物価水準が高いのは
周知の事実で、市場は目先の変化により大きく反応する。

議長は目先インフレが加速する可能性について具体的な理由を
挙げて説明することもなかったようで、その分、今の見通しが正しければ
この先インフレも沈静化するという方に注目が集まったのだろう。

前議長に比べ明朗で論理的な説明なのは良いが、
こういう場面では正直さが裏目に出ているようだ。

明日はGDP改定値や新築住宅販売、ベージュブックの発表があり、
引き続き相場の変動要因となりそう。

GDPは恐らく小幅上方修正となるのだろうが、
市場の流れを変えるほどのインパクトは期待できない。
2.0%を超えるようなビッグサプライズもないだろうし、
据え置きや下方修正になろうものなら更にドル売りが進むだけ。

新築住宅販売も本日の中古住宅販売の直後だけに、
よほど良い数字が出ないと市場は動かないだろう。

ベージュブックでは引き続き穏やかなながら底堅い経済成長、
といったところに落ち着くのだろうが、雇用や物価見通しに
前回から変化が見られるようなら、材料となるかも知れない。

目先は引き続きユーロ/ドルが主役となるだろう。1.32ドルの大台まで
値を伸ばしたことでやや警戒感が出るかもしれないが、
ユーロの利上げ/米国の利下げという見方が継続する限り、
流れは変わりそうにない。

欧州諸国からユーロ高への警戒発言が本格化するのは、
1.35ドルを意識する水準になってからとなるだろう。

原油大幅反発

4連休明けの原油は大幅反発。

サウジ石油相が週末に改めて追加減産の意向を示したことや、
目先気温が低下するとの予報が出たことを手掛かりに上昇。
ナイジェリアの新たな生産停止や、イラク北部で石油施設が
攻撃を受けたといった産油国の情勢不安も材料視された。

サウジ石油相の発言を見る限り、追加減産はほぼ確実のような
雰囲気だが、市場では依然として加盟国の減産遵守を疑問視
する声が強い。しかしながら、次回総会で50万バレル以上の
減産を決定すれば、いくらなんでも市場への影響がゼロと
いうわけには行かないだろう。

総会が開かれる来月15日ごろには、10月総会の減産遵守状況も
かなり明らかになっているはず。憶測によって大きく値が振れた
今回の局面も一旦は終了、新たなトレンドが形成される可能性は
高いのではないか。

60ドルの大台を上抜けたことで、テクニカルな買いが入ってくる可能性も高い。

先週の上昇局面はアラスカのパイプライントラブルという一時的な
材料によるものだったのに加え、翌日に在庫統計で弱気の数字が
出たために買いが続かなかったが、今回の材料は比較的しっかり
していることもあり、当面は大きく値を崩すこともないだろう。

目先の気温低下見通しが強まれば、63ドル台あたりまでは楽に伸びていきそうだ。

ドル急落

今日はドルが急落

サンクスギビングの休みを前に参加者が少なかったことも
あるのだろうが、弱気の経済指標をきっかけにそれまで
我慢していた向きも含めドルロングを整理する動きが
一斉に出てきたといった感じの展開だった。

特に失業保険申請件数の大幅増は、
11月雇用統計の悪化を連想させるだけに性質が悪い。

10月雇用統計で8、9月の数字が大幅に上方修正されたのは、
最近の経済指標(インフレ指標を除く)の中で唯一と
いっても良い強気材料だっただけに、次回悪い数字が
出るようなら影響も大きいだろう。

しかもFEDはインフレへの警戒感を緩めない理由として、
労働市場の逼迫に伴う物価上昇圧力を挙げており、
雇用の数字が悪化すればますます利下げ転換を
予想する向きが増えてくるというものだ。

明日はサンクスギビングで、米国人の多くは翌金曜も
あわせて休みを取る。テクニカルな動きでドルが一時的に
買い戻されることはあるかもしれないが、それ以外で
相場が大きく動くこともないだろう。

中長期的には、日欧と米国間の金利差縮小を見た
ドル売りが継続すると予想するが、日本の景気や
利上げについて、やや弱気の気配が
見え始めているのが気になる。

やはりユーロの方が安心して買えるようだ。

プラチナETFの噂は何故浮上するのか

今日の金相場は反発、原油高などを好感し
ファンドを中心に買い戻しが膨らんだ。

一方、ETF上場絡みでプラチナは乱高下。

一旦は立ち消えとなったかに思われたこの噂、
今週に入ってまたまた相場を賑わせている。
目先の供給不足を反映してプラチナの
リースレートは急上昇、先週末4%程度だった
1ヶ月もののレートは、20%以上に跳ね上がった。

もっとも本日はSECが上場の話を否定した上、
バークレーをはじめとしたETFを手がける複数の
金融機関がそうした事実はないとコメントしたとの
ニュースが流れ、後半の相場急落につながっている。

現物市場の流動性の低さを考えれば、
常識的にETFは不可能だろう。私が話をした
業界関係者も、口を揃えて頭から否定している。

にもかかわらず、何故ここまで噂が先走るのか。
現物保有を担保にしない新たな枠組みを模索している
ところでもあるのだろうか。

で、話を金に戻そう。今日の上昇はドルでも
プラチナでもアジアの現物需要でもなく、
原油の上昇に連れた面が大きい。

最近は原油の値動きさえ見ていればそれで十分、
といった感じさえ出てきた。

市場でFEDが利下げに転じるとの見方が増え、
資金が新たに流入するとの期待がある限り、
相場は底堅く推移しそうだ。

OPECの減産では不十分か

週明けの原油市場は小幅反落

市場の注目と今後の価格動向は、OPECが実際にどの程度
生産を減らすのかにかかっていると言っても過言ではないだろう。

先週後半に輸出量がこの先増加するとの見通しから
大きく売りが膨らんだことを受け、週末には加盟国高官が
相次いで減産の遵守状況、あるいは追加減産の可能性に
ついて発言している。

市場の見方はこの先どちらに傾くのだろうか。

市場は確かにOPECが先の緊急総会で合意した
120万バレルの減産を遵守しないと見ているが、
それでもまったく生産量が減らないとは思っていない。

EIAの局長は減産量を日量80万バレル程度と予想しているが、
これははたして弱気の数字なのだろうか?

今後本格的な冬を迎え需要が伸びていく時期に、私は
80万バレルの減産でもかなり需給が引き締まると見ている。

また、仮に減産が不十分で価格が上昇しないようなら、
12月の総会で追加減産に踏み切ることはほぼ確実だろう。

この点については加盟国高官からも様々な意見が出ているが、
サウジの石油相が減産の意向を示していることが大きい。

OPEC内では、結局のところサウジの意見が通るからだ。

OPECが12月に50万バレル、あるいは100万バレルの
追加減産を発表したとして、市場はそれでもまだ減産に
懐疑的だからと下がり続けるのか?

答えは恐らく否だ。

極端な景気の落ち込みと記録的な暖冬が重なりでも
しない限り、現在の世界市場における需給バランスは
OPECの減産で十分に引き締まるはずだ。

FED高官のインフレ警戒発言に思う

17日のNY為替市場は住宅着工件数が予想以上に
悪かったことを嫌気し、ドルロングを手仕舞う動きが加速した。

10月の新規住宅着工件数は00年7月以来、
先行指標となる建築許可件数は97年12月以来の低水準と、
予想よりかなり弱い数字が出たことは間違いない。

このところ市場にはややドル高のバイアスが
掛かっていたこともあって、発表後にはドル売りが加速したようだ。

フィッシャー・ダラス総裁の発言は、どちらかといえばハト派との
印象が強い人のものだけにドルの下支え要因となったが、
内容自体は今週に入って伝わった他のFED高官のそれと
あまり大きな違いは見られない。

このところインフレに対する楽観論を諌める
発言が相次いだのは、それだけ直近に発表された
指標がそういった方向を示唆しているという事だろう。

彼らは所詮役人だから、指標発表でインフレ沈静化への
期待が高まっているところに、敢えてそれを助長するような
発言をする筈はない。

自分の発言がドル安を加速させたなどと
政府から責められてはたまったものではないからだ。

ただし、誰一人として足元の数字に疑問を呈した訳ではないし、
むしろ数字は良い方向に進んでいると認める
内容が多かったことも忘れてはならない。

発言の趣旨は将来インフレが再燃する可能性も残っているよと、
行き過ぎた動きを抑えるものであって、
インフレを警戒して追加利上げをしますよというのではない。

今後もこうした傾向の指標発表が続けば、彼らも徐々に
インフレの沈静化を認める方向に進むだろうし、
その可能性はかなり高いのではないか。

原油の急落に思う

今日は原油が2ドル以上の急落

朝方はペトロロジスティクスが11月のOPEC生産量が
前月比で110万バレル減少するとの推定を発表、
これで減産に対する懐疑的な見方も後退するかに思われたが・・・

その後同じタンカー調査会社のオイルムーブメントが、
12月初めにかけてのOPEC輸出量は前月から増加するとの
見通しを発表、大幅下落のきっかけとなった。

一体どちらの数字を信じれば良いの?と思わず
言いたくなるような内容だったが、
それだけ市場での見方が分かれている証左と
素直に受け取っておくのが一番だろう。

あせらなくとも、あと2週間も経たないうちに
実際のところが明らかになってくるはずだ。

OPECもこれ以上の値下がりはなんとしても食い止めたいところだ。
この先実際にOPECが生産を減らし、暖房需要が伸びてくれば、
米国をはじめ先進国の石油在庫は確実に減少する。

加えて米国内では製油所稼働率の低迷が続いており、
これが石油製品需給の逼迫を引き起こす恐れも高い。
特にディーゼル燃料はこのところの取り崩しが激しいし、
気温が下がれば暖房油も同じような状況になるだろう。

いくら平年を上回る在庫があったとしても、一旦取り崩しが
加速すればほとんど何の意味も持たなくなる。

本日の下落は色々な面で今後の影響が大きい。
チャートを見れば、直近の安値を大きく割り込んだことで、
下落トレンドが再開したと受け取ることが出来るし、
実際にそうした考えに基づいたトレードを仕掛ける向きも出てくるはずだ。

一方、ここまで下がるのを待ってましたとばかりに押し目買いが
膨らむかもしれない。上下どちらにしても、これをきっかけに大きく
値が動き始める可能性は高いのではないか。

こういう局面で買いを仕掛けるのは勇気がいるが、
明日の午後か週明け一番に動き出したいところだ。

それにしても、OPECの減産状況はどちらを信じればよいのだろう・・・

FOMC議事録に思う

今日の為替市場の注目はFOMC議事録。発表後はお決まりの乱高下となった。
内容が強弱入り混じるのは当然だし、第一あんな長い文を短時間で全て理解し、
なおかつ正しい判断を下せる人間などいやしない。

流れてきたヘッドラインから自分の見方に一致するものを探し出し、
それを基にバタバタと売り買いするのが関の山だ。
まあ、それでも反射神経の優れている人は利を取れるのだろうが・・・

肝心の内容は、足元の数字はインフレの沈静化を示しているが、
将来的にはどうなるかわからないよ、といったところか。
極めて大雑把なまとめ方だが、結局はインフレがどのようになるのか、
今後出る数字を見て判断するしかないと言っているに等しい。

いきあたりばったりは個人的には好きなのだが、
一国の中央銀行の方針としてはいかがなものか。

景気見通しについてはやや楽観的過ぎるのでは、との印象がある。
住宅の落ち込みをあなどってはいかんぜよ。

ならば推測は自前でしよう。理論派のバーナンキ議長のことだけに、
出てきた数字には素直に判断し、教科書的な反応をすることになるだろうから、
余計な勘繰りを入れる必要がないので楽だ。エネルギー価格の変動が
他の物価に影響するまでのタイムラグがどの程度あるのかの判断にもよるが、
目先のインフレは引き続きスローダウンすることになるだろう。

原油価格はこの先上向くと見ているが、それらが再び物価に影響を
及ぼし始めるのは、来年の春以降ではないか。
銅が緩やかなダウントレンドを続けていることも大きい。

原油価格だけに注目していれば良いというものではないのだ。

結論:利上げよりも利下げの可能性がやっぱり高く、金利差を見たドル売りが続く

よそうかい

今日は月一回NY在住の金融関係者が集まる「よそうかい」の日。

基本的には飲兵衛が取るに足らない話をするだけなのだが
中にははっとするような話も飛び出してくる。

ある債券トレーダーとの会話を紹介しよう。

「株式の人間は、やっぱり何考えているか分からないですよ」
「なんで?」
「今日、株すごかったじゃないですか」(ダウは史上最高値を更新)
「うんうん」
「なかでもホームデポ」
「うん、よう分からんけど、とにかく上がってたな」
「朝方出た小売売上、軒並み増加する中で、
建設資材の分野だけ落ちてたじゃないですか」
「そうそう、あれは悲惨やった」
「何でホームデポ買われるんですか?」
「・・・・・」
「やっぱり株の世界って分からないでしょ?」
「うん、よう分からん」
「彼ら、こういうデータは見てるんでしょうかね」
「多分見てないと思う・・・」

こういったたわいもない会話で、ニューヨークの夜は更けるのだった