金大幅反発
終始堅調な相場展開が続いた。
PPIは32年ぶりの上昇幅を記録、住宅着工件数も市場予想を上回るなど
必ずしも材料は金にとって強気ではなかったが、
ドルの反応が限定的だったのも買い安心感につながった。
ユーロは独ifo景況感指数が予想を上回ったことなどを
手掛かりに大きく買い進まれ、金相場にもかなりの下支え。
為替の動きが今の金市場に対し決定的な影響力が
あるとは思えないが、やや売られすぎ感が高まっていたこともあり、
買戻しの絶好の手掛かりとなったようだ。
一方、米国指標ではPPIが前月比で大幅上昇となったが、
これは前月の落ち込みの反動という面もあり、
一概にインフレが再浮上とも言えない。
住宅着工件数も予想を上回ったが、先行指標となる建築許可が
97年12月以来の低水準に落ち込んだとなれば、
あまり楽観視もしていられない。
どちらの数字も見かけほどドル買いにつながらなかったことで、
改めて金が買い進まれる格好となったわけだ。
目先は630ドルの節目をすんなりと回復できるかが鍵となるだろう。
先週金曜の大幅安に比べると、本日の反発はやはり物足りない。
月初から続いている価格調整の流れを断ち切るには、
ドル安よりも弱気の指標やそれに伴う目先の利下げ観測再浮上などの
支えが必要だろう。21日のGDP改定値や22日の個人消費、
耐久財受注などの結果が気になるところだ。
原油大幅反落
目先の暖冬予報が大きく材料視され、
暖房油主導で終日軟調な相場展開が続いた。
中西部や北東部など暖房需要地区を中心に平年以上の
気温が続くとの予報は昨日や今日に出されたわけではないが、
OPEC総会に絡んだ動きが一服した今、改めて注目を集めたようだ。
ナイジェリアでは武装勢力による新たな石油施設への
攻撃が見られたが、ほとんど材料になることもなかった。
暖冬予報がまだしばらく続くようなら、
年内は上値の重い展開が続きそうだ。
これにより暖房需要が平年をどの程度下回るのか、
そしてOPECがこの先どの程度減産を遵守してくるのかが
相場の注目点となるが、どちらも正確に予想することは至難の業だ。
少なくともクリスマスをはさんでしばらくの間は、不正確な見通しを
手掛かりに積極的に取引を仕掛ける向きも出てこないだろう。
相場が動くとすれば、20日の在庫統計。前週は原油在庫の
大幅積み増し、製油所稼働率の大幅低下と強気の材料が
揃ったにもかかわらず反応は限定的だったが、今回はどうか。
稼働率の低迷は冬を通り越して春以降のガソリン需給に
関わってくる問題、90%台回復がなければガソリン中心に
買いが膨らむ可能性もある。また、先週から霧の影響で
テキサス州の輸送水路がスムーズに航行できない状態が続いており、
今週か来週の輸入に影響する可能性もある。
OPECの意地
決定したことを受け、大きく値を伸ばした。
OPEC総会では前日サウジをはじめ主要閣僚の発言が
トーンダウンしたことから減産見送りになるかと思われたが、
結局は来年2月1日からと1ヶ月時期をずらしはしたものの、
50万バレルの減産を強行した。
IEAのリサーチ部責任者が暖房需要のピークを迎える時期に
減産を決定したことに対し、即座に批判的なコメントを出しており、
消費国の反発は相当なものとなりそうだ。
OPECもそれなりの意地をみせたということか
減産量の割当比率は前回とほぼ同じ、後はこれが一体どの程度
遵守されるかだろう。OPECは声明で10月の減産を十分効果が
あったと自己評価、加盟国も真剣に減産に取り組んでいるとしているが、
これはOPECの結束が固いことを内外に知らしめるためのもので、
現実にはインドネシアがまったく協定を無視しているなど、足並みはバラバラだ。
年末年始にかけて価格が65ドル以上に高止まりしようものなら、
たちどころに協定は無視されるだろう。
反って生産が増えることすら考えられる。
もっとも、これはあくまでも価格が上昇を続けた場合の話。
今の水準でそういうことをすれば、市場に足元を見られることは彼らが
一番良く分かっているはずだ。10月に決定された120万バレルの減産が
しっかりと実行されるだけで、冬場の需要が多い時期なら
十分に供給は引き締まる。
少なくとも年内は堅調な相場展開が続くだろう。
OPEC総会の行方
OPEC総会では、追加減産は恐らく見送られることになるだろう。これまで強気一辺倒だったサウジのヌアイミ石油相が、一転慎重な発言をしたのがその理由。前日までは減産間違いなしといっていたが、彼の発言内容が正しいとすれば方針を変更せざるを得ない。IEAが本日発表したデータで消費国の在庫が10 月に大きく減少していたのを引き合いに出し、これまでの減産をしっかりと遵守していれば十分との見方に変わったようだ。IEAの月報自体にほとんど市場の反応は見られなかったが、とんだところで影響を与える格好となった。今のところアルジェリア、イラン、ベネズエラが執拗に減産を主張しているが、これは総会前にいつも見られる光景、彼らの主張が通ることはない。結局はサウジの言う通りになるのがOPECの実情なのだ。
恐らくは今回減産は見送り、来年1月か2月初めに臨時総会開催を決め、そこで改めて検討するという結果に落ち着くだろう。サウジも最後まで減産と言っていただけに、少しは強気派の主張が通るかもしれないが、日量30万バレルの減産を勝ち取るのすら難しいだろう。10月に決定した120万バレルの減産がまだ達成されていないことから、これの遵守を徹底させることを確認する程度に落ち着くのではないか。ただ、減産を行うつもりがまったくないインドネシアをどうするのかという問題もあり、インドネシアの分をサウジが肩代わりする可能性は残る。
減産見送りなら、60ドルを割り込むあたりまで売られる可能性は高いが、これはあくまでも一時的なもの。OPECは60ドルの価格維持をおおっぴらに口にするようになってきており、この水準では買戻しを入れる動きが加速するだろう。また、10月の減産がしっかりと遵守されれば、それだけで十分に需給が引き締まるという事実を忘れてはならない。サウジが意見を変えたのも、前回の減産で十分との自信が芽生えたことが背景にあると思われる。現在の価格水準は、10月の時点とほとんど変わっていない。当時から少なくとも100万バレル近く生産が減少する一方、暖房需要が増えていることを考えれば、やはり価格は割安と言うことになる。
ここまで書いたところで、事前に会合を開き市場分析を行う閣僚監視委員会(MMC)が、30万バレルの即時減産決定か、2月1日から50万バレルの減産のどちらかの案を加盟国閣僚に提案するとのニュースが飛び込んできた。前に書いた30万バレルの減産の可能性もまだ残っているようだ。ただし、MMCの提案が無視された例は以前にも何度かある。今回はどのような結末になるか、本当に最後まで分からない。
FOMC
FF金利誘導目標を5.25%に据え置いた。
声明文は景気見通しの部分が控えめに
なった程度で、その他の部分は変更なし。
ラッカー・リッチモンド連銀総裁だけが利上げを主張、
据え置きに反対票を投じたのもこれまでと変わらない。
景気見通しでは住宅市場の落ち込みに大幅な
(Substancial)という形容詞が加わった他、
直近の経済指標が強弱入り混じる内容だったことを認めている。
また穏やかな経済成長が続くとの部分では、
その範囲を目先何回かの四半期に限定している。
"Quaters" と複数になっているので何回かと表現したが、
4回では "Year" になってしまうので、実際には2回か3回だ。
それ以降は成長が加速するのか、それとも失速するのか、
今後の状況次第ということだろう。
これまでより見通しが不透明になったと
受け止めれば良いのではないか。
景気見通しは弱気なったが織り込み済みだとすれば、あ
まりサプライズのない内容だったいえよう。
とはいえ、発表後は債券が上昇、ドルは下落と、
市場はかなり弱気の反応を見せた。
もう少しタカ派の内容を予想していたということか。
いずれにせよ、目先の利下げ転換見通しを
変更する必要はなくなった。
引き続き金買い、ドル売りで攻めていこう。
グリーンスパンがドル安見通し
対円ではかなり長く続いたようだが、先週金曜午後の
ドル大幅買い戻しの流れはグリーンスパン発言で
ようやく終止符を打たれたようだ。
雇用統計発表後の市場はかなりの大混乱となったが、
結果を見る限り現在のドル反発は自然な流れ。週明けの
東京市場で混乱が蒸し返されることもなかった。
グリーンスパン発言は、国際収支の不均衡を理由に、
今後数年にわたって不均衡が解消されるまでドル安が続くというもの。
短期的な見通しには言及しておらず、見通しの内容も極めて常識的、
特にサプライズというわけではなかったが、少し行き過ぎた感のある
ドル買戻しの流れを止めるきっかけとしては最適だったようだ。
雇用統計が弱かったら話は違っていたが、明日のFOMCで
大きなサプライズが出る可能性は低くなった。賃金上昇による
インフレ懸念が完全に払拭されない中、FEDが早急に利下げに
向けて舵を切ることはないだろう。声明文にそうしたニュアンスが
出てくることもなさそうだ。
目先はやはりユーロが強い。混乱のきっかけとなった先週金曜の
時事通信報道ではないが、日銀の政策は先が見えにくいのに比べ、
ECBはかなり分かり易い。少なくとも07年前半は引き締めスタンスを
変更することもなさそうだ。
また、雇用統計がいくら強かったといっても、FEDによる利下げ転換の
可能性を全て消し去り、利上げ継続の見方を浮上させるには至っていない。
一旦大きな価格調整が入ったことで、ユーロの上昇は反って長続きするのではないか。
原油あれこれ
大きなものはなかったが、買いを支える小さな材料がいくつか見られた。
ナイジェリアでは新たな石油施設への攻撃が発生、
職員が誘拐された。生産には影響はないというし、
正直「またか」という感もしないではないが、国内情勢の不安定さが
根っこのところで供給不安につながっているのは確実だ。
少し忘れかけた頃に次の事件が発生するというタイミングは、
相場の動きを見ながら攻撃を仕掛けているのではと
勘ぐってしまうほどの見事さだ。
また、オイルムーブメントはOPECの現時点の減産量は
80万バレルとの見通しを発表、前週の70万ばれるから引き上げた。
11月中旬には減産決定にかかわらずこの先増加するとの見通しを発表、
市場の売りを煽った経緯があるが、ここへきて生産並びに輸出見通しを
下方修正している。その時にロングしていたから言うわけではないが、
まったく人騒がせな話だ。
修正するのならもっと慎重にデータを出せといいたい。
一方、BPはテキサスシティー製油所の主要ガソリン生産装置の
稼動再開を発表。ここは一連の精油所トラブルの象徴となっていただけに、
製油所稼働率の上昇という面以上に石油製品の供給不安を和らげる
心理的な効果があるのではないか。
もっとも、皆がこういうことを知っていればの話だが・・・。
目先は14日のOPEC総会まで底堅い値動きが続くだろう。
総会での追加減産はかなりの確率で決定されると思われ、
その前に積極的に売りを仕掛ける向きがいるとは思えない。
直前になればまた加盟国閣僚からいろいろと話が出てくるだろうから、
それで大きく値が動くことはあるだろう。
ただし、ナイジェリアという場所が場所なだけに、
ウィーンの時ほど自由な取材が行われるとは思えない。
前回のドーハのようにほとんど事前に情報が出てこない可能性もある。
金大幅安
下げ幅は予想よりもやや大きなものとなったが、今回の下落は
基本的に上昇トレンドの中の価格調整と考えている。
まったくとは言わないが、ドルが買い戻されたのは
それほど大きな要因でもないだろう。
今回の上昇は、FEDが利下げに転じるとの期待から投機資金の
流入が活発になっていることが原因で、ドルの下落ではない。
利下げというのがドル安の理由とたまたま重なっているので、
相関関係が強まっているように見えてしまうが、根っこのところは違うものだ。
為替市場では明日のECB理事会を控え、ドルを積極的に
買い戻す動きは見られなかったが、今の金にとっては、
ユーロの上昇はそれほど重要ではない。
朝方発表されたADP雇用レポートが強めの数字だったことで、
金曜の雇用統計も自信を持って悪いです、とも言えなくなり、
ポジションを縮小する動きが強まったのだろう。
もっとも、 ADPが強かったからといって雇用統計も強くなるとは限らない。
これは別にADPが外れているという意味ではなく、
単に集計方法の違いによるもの。
やはり、雇用統計はかなり悪くなる 可能性が高く、
再び金の買いが加速することになるのではなかろうか。
商品市場に再び本格的な投機資金流入の兆候
特に材料もない中、狭いレンジでの上下を繰り返す展開が続いた。
前日の大幅下落が嘘のように動意の薄い展開。
砂糖に限らず、前日商品相場に吹き荒れた手仕舞い売りの嵐は、
たった一日で見事に収まったようだ。
強気筋にとってこういう傾向は確かに良いことだが、
全ての銘柄が同じように動くのは、商品市場が金融相場化しており、
投機資金の出入りに大きく左右されている証拠。
当然ながらファンダメンタルズを無視した動きも
多く出てくるので、その点だけは注意したい。
投機資金が目立ち始めているのは、FEDによる利下げ観測が
強ま10月後半から既に上昇を始めているが、どうやらこの流れは
金に少し遅れて商品全体に波及してきたようだ。
市場の活況度を表す取組高も、過去最高の水準まで膨れ上がっている。
こうした推測が当たっているとすれば、あまり細かいことを考えず、
とにかく買っておけばよいことになる。
目先 大きな弱気材料でも出てこない限り、強気姿勢を維持したい。
ドル全面安
NY朝に発表されたISM製造業指数が予想以上の
落ち込みを見せたことを受け、一気にドル売りが加速した。
ドル/円は8月10日以来の115円割れ、ユーロ/ドルは
05年3月以来の1.33ドル台まで上昇。
まさに駄目押しという感じでISMが節目の50を割り込み、
最後の望みも絶たれたドル強気派からの投げ売りが加速。
年内に追加利上げをする可能性が高いユーロをはじめ、
欧州通貨は特に買い進まれ、英ポンド/ドルは14年ぶりの
高値で2ドル台が目前となった。
ますますロンドンに行きにくくなる・・・。
短期金利の先物市場はISMの結果を受け急上昇、
FF先物では3月までに0.25%の利下げを70%、
ユーロダラー市場では86%織り込んでいる。
少なくとも次回のECB理事会までは金利差縮小観測が
弱まることはないだろう。ユーロはまだ上値余地があると
思っておいた方が良い。
恐らくは年末、あるいはユーロ発足後の最高値を
更新するまで続くのではないか。
そうそう、バーナンキFRB議長をはじめFED高官のスピーチが相次ぎ、
相変わらずのインフレ警戒を主張したが、まさに焼け石に水。
バーナンキ議長とラッカー・リッチモンド連銀総裁は、
金融政策や目先の景気見通しには触れなかったようだ。