こんにちは。
私の人生を振り返りながら、昔の思い出をブログに書き残しています。
今回は私が小学5年生だった当時、遊戯王デュエルモンスターズ・オフィシャルカードゲームの大会に出場した思い出を書きたいと思います。
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※本題に入る前に…
今回のブログ記事は遊戯王カードの内容に偏っており、専門用語やカード名などを事前説明なしにどんどん書いていきます。
遊戯王カードに馴染みのない方は、ひとまず「カードゲームで対戦してる」とだけ解釈し、難しく考えずに、対戦内容に関するくだりは適当に読み流していただいて大丈夫です
また、今回の記事における遊戯王カードのルールは、遊戯王カードが世に発売されだした当時のルールを元に書いています。
時代としては、遊戯王カードの販売パックがまだ「ボリューム1、ボリューム2」と呼ばれていた頃です。スターターキットが発売された頃でもあります。
モンスターカードもまだ「攻撃力」「守備力」「攻」「守」と漢字で記載されていた時代で、上級モンスターを召喚する際のコストも「生贄」とよんでいました。
…はい、かなり古いですね
なお私自身、遊戯王カード自体は小学校卒業と同時に引退しております。
ですので、現在の遊戯王カードがどのようなルールになっており、どのようなカードや戦略が主流になっているかは私はわかりません。
そのあたりも含めて、当時はこうだったみたいな気持ちで読んでいただけますと幸いです
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私が出場した大会はコナミが主催する公式大会であり、千葉・幕張メッセで開催されました。
ただ、現在のような数百人規模が参加する大きな大会ではなく、40人ちょっとの参加者で行われる小規模な大会となっておりました。
もともと私が参加した大会はジャンプ・フェスタと呼ばれる週刊少年ジャンプ関連のフェスティバルにおいての、イベントのひとつとして開催されました。
したがってコナミ主催の公式大会ではありつつも優勝賞金などは無く、優勝者や参加者に与えられる限定カードなども一切無い、本当にただ参加して楽しむだけの大会となっておりました。
参加者は抽選で決定されました。
まず週刊少年ジャンプの誌面で大会告知・参加者募集がされていましたので、参加希望者はハガキに応募券を貼り付けて運営へ送付する形で抽選に応募します。
後日、当選した40人ちょっとの人達へ、大会への招待状が届くという流れになります
ただ、この”応募者の抽選”ですが、本当にランダムで選んでいたのかは怪しいところでした。
というのも、参加者のうち90%は小中学生の子供であり、残りの10%ほどが大人だったからです。
もし本当に完全ランダムであったなら、いくらなんでも参加者のうち子供が9割を占めるというのは考えにくいと思います。
応募用紙には年齢と性別を書く欄もありましたので、大会運営側はおそらく、意図して子供を優先して当選させていたのかなと私は思っています。
また、応募用紙には「遊戯王への熱い想いを書いてください!」みたいな欄もあり、当時11歳だった私は、その欄に「俺のエクゾディア・デッキには誰も勝てない…ふふふ…俺こそが…最強のデュエリストだ!!!」と書いたんですよね
うー…恥ずかしい…まぁ子供ですから…
私が当選したのは、もしかしたらそのメッセージを読んで胸を熱くした(?)選考スタッフさんに認められたからなのかもしれませんね。
届いた招待状は結構立派なものでした。
当選した旨を説明する用紙にくわえて、現地で運営スタッフに提示するための「参加証明証」が入っていました。
この参加証明書は偽造防止のためか、特殊な材質の紙で出来ており、文字の印刷も特殊な感じで施されていました。
当時の私は、そりゃ興奮しましたね!
だって参加者40人ちょっとという決して多くない枠に当選し、さらに会場が千葉・幕張メッセで、運営が公式ときたら、小学生の男の子にとってはディズニーランドとは比較にならないぐらいの大冒険の幕開けとなりますからね!
早速、大会の招待状が届いたことを父に報告。
開催時期は夏休みなので学校のほうは問題なく、父も仕事の休みを取れる時期だったので、父同伴のもと私の大会参加が決まったのでした。
もう、本当にワクワクドキドキが止まりませんでした
あのときの私の気持ちは、さながら遊戯王の漫画本編における”ペガサスの王国に向かうデュエリスト”そのものでしたね!
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【大会当日】
天気は晴天!
体調もバッチリで、デッキの準備も万全。
この日のために友人に協力してもらってデュエルの特訓もしたし、友人からは「行ってこいよ相棒!」との力強い言葉もいただきました
お気に入りのリュックサックに、大会用のデッキとライフポイント計算用の電卓を入れ、帽子を被っていざ出陣しました!(そのときの私の姿はポケモンのサトシそのものでした)
なおデッキとは、対戦で使用するカードの束のことをいいます。
遊戯王カードの場合は、40枚以上のカードでデッキを作成するルールとなっておりました。
始発の電車に乗ってる間はもう、心臓がバクバクでした。
いろんな思いが頭の中を駆け巡りましたね。
会場はどんな雰囲気なんだろう?
ギャラリーとかいるのかな?
そしてなにより…
なにより気になったのは…
俺の対戦相手は、どんな人なんだろう?
どんなデッキを使ってくるのか
果たして俺は勝てるのだろうか?
海馬みたいな人だったらやだなぁ…
などといろんなことを考えていました
そして現地に到着。
幕張メッセは想像していたよりもはるかに巨大な建物で、大勢の来場者数でごった返しの状態となっていました。
父からは「はぐれないように近くにいてね」と念を押され、会場の雰囲気に圧倒されていた私は父の腕を掴みながら歩いていったのでした…
試合会場の受付に到着すると、運営スタッフの方が笑顔で「参加者の方ですか?」と聞いてきたので、私は震える手で招待状を渡しました。
その招待状を確認した運営スタッフが笑顔のまま「君が参加者だね!では、保護者の方と一緒に会場控室でお待ちください」と私達に告げ、別の係員に案内される形で控室まで向かいました。
控室といっても部屋ではなく、ブースで区切られた特設エリアにテーブルと椅子がある場所となっていました。
その場所には、私と同じ年齢と思われる男の子が大勢座っていました(もちろん保護者の方々も同伴です)
女性はひとりもおらず、全員が男性でした(ちょっとだけ孔雀舞みたいな参加者も期待していたため、少し残念な気持ちにはなりました)
そのほとんどが小中学生と思われる方でしたが、なかには髭を生やしたバンデット・キースみたいな大人の男性もいました。手にカードを持って他の大人の参加者と談笑していましたので、彼もまた参加者であることはすぐにわかりました。
このなかの誰が俺の対戦相手になるのか…
私はもう心臓が爆発しそうで、ただただ父の隣で震えて座ることしかできませんでした
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【大会スタート】
大会開始の時刻になり、運営の方が控室にやってきて参加者全員に声をかけてきました。
「それではデュエリストの皆さん!これより大会の会場へご案内いたします!」
きた!
ついに…
ついに、きてしまった!
私はその場で父と別れ、震える手でデッキと電卓を持って会場へと向かいました。
会場の対戦ステージに入れるのは当然ながら参加者のみです。
保護者を含めたギャラリーの人達は、対戦ステージを囲む柵の向こう側から、対戦ステージを観戦する形となっていました。
その対戦ステージ(会場)ですが…
私が想像していたものより、3倍ぐらい豪華な作りになっていました
対戦するためのテーブルと椅子が会場全体に配置されており、テーブルにはカッコいい装飾が施されていたんですよね。ちなみに長テーブルではなく、ちゃんと1vs1専用の小さなテーブルで、2人1組につき1つのテーブルが割り当てられていました。
もう子供心をくすぐりまくる、まさに「闘いの場」みたいな雰囲気がそこにはありました。
大会の開催形式は、トーナメントとなっていました。
シードとかは一切無く、ランダムに割り当てられた参加者が勝ち進んでいく一般的なトーナメントです。
対戦相手の組み合わせは運営側があらかじめ決めてあり、対戦ステージに入場して席に着くまで相手が誰だかわからないという内容になっていました。
これは当然だと思います。
あらかじめトーナメント表を発表してしまうと、控室で八百長の交渉をされたり、対戦相手を脅したりといったトラブルが発生しかねないので、直前まで発表をしないようにしていたのでしょう。
そしていざ、対戦ステージに入場!
入場の際は、なんと参加者がひとりずつ名前を大音量で呼ばれ、会場備え付けの巨大スクリーンに入場する参加者の姿がアップで映されるという大サービスの演出になっていました!
私の名前も大音量で呼ばれ、私は全身をガタガタと震わせながら指定された対戦テーブルに着いたのでした
11歳の男の子には刺激が強すぎる演出ですよ!マジで!
着いたテーブルの作りも凄い。
地元でいつも友人達と遊んでるボロいテーブルなんかじゃなく、運営が用意したピカピカの黒いテーブルとなっていました。
その黒テーブルの中央には、ガラス張りでコーティングされたデュエル・シートがありました。
まさに大会仕様ともいえる作りになっていましたね
そして…
そして、ついに私の目の前に対戦相手がやってきました!!
私の対戦相手は、ちょっと太めの同い年ぐらいの男の子でした。
本当に私より1つ上か下かぐらいの感じです。
あの髭を生やしたバンデット・キースみたいな大人の男性じゃなくて良かったと、心から安堵しましたね
対戦相手の子も緊張しているのか、座ったあとは何も喋らず、ただ黙ってテーブルを見つめているだけでした。
まぁ私も全く同じだったんですけどね
周囲にいるギャラリーの数も結構いました。
対戦ステージ全体を囲むギャラリーの数は、おそらく200人ぐらいはいたと思います。
対戦テーブルにはそれぞれ審判員が1人ずつ付き、不正防止や試合進行のサポートを担当していました。
ほどなくして簡単なルール説明ののち、デュエルの準備が始まりました。
まず、対戦者同士で握手をして「よろしくお願いします」と一言
その後、不正防止のため対戦相手に自分のデッキをシャッフルしてもらう。
デッキがテーブルに置かれ、しばらくの沈黙。
緊張感はもう最大レベルに到達しています
そして、デュエル開始のアナウンスが会場全体に響き渡りました。
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【デュエル】
試合は3マッチ制で行われ、先に2マッチ先取したほうの勝利となっていました。
いわゆる3回勝負のことですね。
私は、エクゾディア・デッキで大会に挑みました。
通常、遊戯王カードの対戦では対戦相手のライフポイント(開始時は8000ポイント)をゼロにすることで、こちら側の勝利が決まります。
しかし、いくつか例外もあり、その例外のひとつとしてエクゾディアのパーツを5枚手札に集める方法があります。
エクゾディア・パーツとは、
「封印されし者の左足」
「封印されし者の右足」
「封印されし者の左腕」
「封印されし者の右腕」
「封印されしエクゾディア」
の5枚のことをいいます。
この5枚を手札にすべて揃えると、その時点で揃えた側のプレイヤーが勝利となります。
場にどれだけカードが残っていようと、お互いのプレイヤーのライフポイントがどれだけ残っていようと、パーツを揃えた側の勝利がその時点で確定し、デュエルもそこで終了となります。
無論、このパーツ5枚を手札に揃えるのは簡単にはいきません。
エクゾディアを完成させる(5枚を手札に集める)ことができるかどうかは、プレイヤーの腕前やカードの引き運に左右されていきます。
なお、エクゾディア・パーツは各1枚までしかデッキに投入できないルールになっています(通常、同名カードは3枚までデッキに投入可能とされています。そのなかでもあまりに強力だとされるカードのみ、1~2枚までといった特別制限がかけられる形となります)
当時、私が考案した戦略としては、
「人食い虫」や「ハネハネ」で相手のモンスターカードをフィールド(以降「フィールド」の事を「場」と明記します)から離脱させつつ、「クリッター」と「黒き森のウィッチ」でエクゾディアの各パーツを手札に集めていく戦い方となります。なお、ここで書く内容はすべて当時のもので、効果モンスターカードの効果内容はすべて現在のエラッタ前となります。
もちろん「強欲な壺」や「天使の施し」での手札補充もします。
「サンダー・ボルト」や「ブラックホール」、「ハーピィの羽箒」も完備。「マジック・ジャマー」で相手が使う手札破壊の魔法カードも無効化。
「落とし穴」「地割れ」もデッキに組み込み、相手の場をとにかく充実させない対策をとっていました。
当時は手札破壊のカードはまだまだ少なく、エクゾディア・デッキがそこそこ有効な時代となっていました。
私はデッキに「デーモンの召喚」などの攻撃要因も組み込んではいましたが、戦略はあくまでエクゾディアの完成なので、そのあたりの区別はしっかりとしていました。
万が一、エクゾディア・パーツが墓地に行ってしまった場合、「死者蘇生」や「リビング・デッドの呼び声」で場に復活させ、「ハネハネ」で手札に戻す対策もとっていました。この戦法はエクゾディアのパーツの墓地回収以外でも、「クリッター」と「黒き森のウィッチ」を対象にして、その効果を再利用する目的でも利用していました。
ちなみに…
遊戯王カードの対戦(デュエル)では、各プレイヤーは開始時にデッキから5枚のカードをドローします。
つまり理論上は、この最初に引いたカード5枚のすべてがエクゾディア・パーツだった場合、対戦が開始された瞬間に、その揃えたプレイヤーの勝利となります。
1ターンキルならぬ、0ターンキルになります。
しかし、これはあくまで理論上の話にすぎません
40枚あるデッキの中から、最初のドローカード5枚でエクゾディア・パーツを全て揃えるのは宝クジに当たるような確率ですし、実際それを本当に実現させた場合、まず間違いなく対戦相手から不正を疑われます(汗)
では本題に戻ります!
≪デュエル 1マッチ目 スタート≫
お互いに手札を5枚ドローして、デュエル開始。
相手が先攻で、場にヂェミナイ・エルフを攻撃表示で召喚。
4つ星モンスターの中で当時最上位の攻撃力を誇る定番カードですね。
私のターン。
最初のドローの時点で、手札にはエクゾディア・パーツが1枚。
場にクリッターを裏側守備表示で出し、ターン終了。
相手のターン、相手は追加でモンスターカードの召喚はせず、ヂェミナイ・エルフで私の裏側守備表示のクリッターを攻撃。
クリッターは破壊され、墓地に。
同時にクリッターの効果も発動するので、私はデッキからエクゾディア・パーツを1枚選び、それを対戦相手に見せて手札に加えました(現在はわかりませんが、当時は対戦相手に見せる必要があった)
そして、ここからが本当の勝負となります
私が対戦相手にエクゾディア・パーツを見せたことにより、対戦相手は私の戦略、デッキの構築内容に気が付くことになります。
エクゾディアの完成を目論む私に対して、相手がどう出るのか。
手札破壊をしてくるのか、火力のゴリ押しでくるのか。
ちなみに申し訳ないのですが、20年以上も前の思い出のため、デュエルの進行内容は完全には記憶していません
したがって、ここからは全体の流れを説明する感じで書いていきます。
相手はその後、デーモンの召喚やサンダー・ボルトを駆使し、火力のゴリ押しで攻めてきました。
私もなんとか応戦し、手札にエクゾディア・パーツを3枚まで集めることに成功しました。
幸いなことに、対戦相手は手札破壊のカードを全く使用してきませんでした。
エクゾディア使いにとって一番怖いのは手札破壊なので、その類のカードを相手が使ってこないことは精神的にかなり楽だったといえます。
しかし、残念ながら…
1マッチ目は相手の火力に押し通され、ライフポイントを削りきられる形で私の負けとなりました…
負けた時の私の手札にはエクゾディア・パーツが3枚揃っていました。
でも、まだ試合は終わっていません。
相手にマッチを1本先取されましたが、マッチ戦はまだ続きます。
遊戯王カードには、メイン・デッキとは別に、サイド・デッキとよばれるものがあります。
サイド・デッキとは、対戦で使うメイン・デッキとは別に用意できるカードの束のことで、枚数は最大で15枚となります。
プレイヤーは対戦マッチのインターバル中に、このサイド・デッキのカードをメイン・デッキに加えることが許されます。逆にメイン・デッキから抜いてサイド・デッキに預けることも可能です。
ただし、デュエル開始時は必ずメイン・デッキの枚数は40枚以上でなければなりません。
早い話、私は対戦相手が手札破壊のカードをサイド・デッキからメイン・デッキに組み込むのではないかと戦々恐々としていたわけです
私もサイド・デッキは用意していましたが、戦略はとくに変えることなく、2マッチ目に挑むことにしました。
ただ驚くことに、対戦相手は私の戦略がエクゾディアの完成だとわかっているにも関わらず、サイド・デッキによるメイン・デッキの調整を一切しなかったんです。
手札破壊のカードをそもそもメインとサイドの両方に用意していなかったのか、それとも火力のゴリ押しで勝ちきれると判断したのか…それはわかりません。
いずれにしても、手札破壊の戦法をとってこないなら私としては好都合でした
≪デュエル 2マッチ目 スタート≫
1マッチ目は私が負けたので、2マッチ目は私が先攻で開始となります。
デュエル開始時の時点で、手札にはエクゾディア・パーツが2枚揃っていました。
黒き森のウィッチも手札にあり、スタートとしてはなかなか良い感じです。
対戦相手は1マッチ目と同様に攻撃力の高いモンスターカードを場に出しますが、2マッチ目は私の引き運が良く、魔法・罠カードで相手の場の充実をことごとく防いでいました。
そしてなんとデュエル開始から私の3ターン目にして、すでに私の手札にはエクゾディア・パーツが4枚も揃っていました。
2ターン目で黒き森のウィッチによってパーツを1枚回収し、その後、強欲な壺によって新たなパーツをもう1枚ドローすることに成功したためです。
まぁ、とてつもなく運が良い展開ですね。
これほどの幸運は、地元で友人達と対戦してるときでさえ滅多にありません。
ただ、これは対戦相手が手札破壊のカードを全く使ってこないことが影響しているともいえます。
そして…
そのときは、やってきました。
エクゾディア・パーツが手札に4枚ある状態で、クリッターを1枚ドローしました。
心臓が高鳴ります。
私は震える手でクリッターを裏側守備表示で場に出して、ターンを終了しました。
心臓のドキドキが止まりません。
相手のターン。
相手はモンスターカードで攻撃宣言をしますが、攻撃の対象はクリッターではなく、私が別に裏側守備表示で出していたハネハネでした。
ハネハネの効果によって相手のモンスターカードが1枚、場から手札に戻ります。しかし、それでもまだ相手の場には別のモンスターカードが1枚存在しています。
気は抜けません。
そして私のターン。
このとき、私は気がつきました。
べつに相手モンスターからの攻撃による自軍クリッターの破壊を待つ必要ないよね?ということに…
いや、もともと知ってはいたのですが、大会という異常な緊張感の中で一時的に忘れてしまっていたんです。
私は裏側守備表示のクリッターを、表側攻撃表示に変更しました。
そして相手の場にある攻撃表示のモンスターカード(攻撃力1900)に向けて、クリッターで攻撃を宣言したのでした。
攻撃力差は歴然で当然ながら私のクリッターは玉砕するわけですが、それでも構わないんです。
なぜなら私の勝ちが確定していたからです
私がクリッターを玉砕させた時点で対戦相手もなにかを悟ったのか、ギョッと目を丸くして、テーブルから身をのけぞらせる動作をしたのがわかりました。おそらく、状況を理解して血の気が引いたんだと思います。
通常、エクゾディア使いは手札にパーツが4枚揃っている状況以外では、回収要員モンスターの玉砕戦法はとりません(当たり前ですね)
それは逆に言ってしまうと、エクゾディア使いが回収要員モンスターを玉砕させるということは、もうすでに手札にパーツが4枚揃っていて勝ちを確信しているという意味にもなります。
そして私の手札には無事、エクゾディア・パーツが5枚揃い、その5枚を場に置きながら私は宣言しました。
「エクゾディア、揃いました」
対戦相手も静かな声で「はい。わかりました」と答え、そこで2マッチ目のデュエルは終了しました。
これにより、2マッチ目は私の勝ちとなりましたやった~!
試合は、お互いにマッチを1本ずつ取った上での3マッチ目に突入。
泣いても笑っても、次の対戦で試合の勝敗が決まります。
緊張感でまたもや手が震えてきます
3マッチ目でも対戦相手はサイド・デッキに手をつけることはしませんでした。
私もサイド・デッキには手をつけず、運命の3マッチ目に突入したのでした。
≪デュエル 3マッチ目 スタート≫
2マッチ目は対戦相手が負けたので、最終マッチは対戦相手が先攻となります。
これまでと変わらず、対戦相手は攻撃力の高いモンスターカードを場に出してターン終了。
私の手札にはエクゾディアのパーツが…なんと1枚も無い!!
うわああああああああ
幸いにも黒き森のウィッチと人食い虫がありましたので、焦らずに黒き森のウィッチを裏側守備表示で場に出す。
天使の施しを使い、手札を補充。
しかし、それでもパーツは1枚もこなかった。
その後も対戦相手はブラックホールやサイクロンを使い、私の場のモンスターカードと伏せカードの駆除をしつつ、高火力のモンスターカードで猛攻を仕掛けてきました。
3マッチ目の私の引き運は2マッチ目のときほど良くはなく、私のライフポイントが半分ほどに減った時点で、手札のエクゾディア・パーツは2枚しか揃っていませんでした。
非常に厳しい戦況です。
場には裏側守備表示のクリッターがあるとはいえ、それの効果を使ってもまだパーツが3枚しか見込めない。
私のライフポイントが残り半分なのを考えると、相手の猛攻を耐えしのげるかはかなり微妙なところになっていました。
しかし、そこで、なんと今回の試合で初めての事故が起こります。
対戦相手は焦ってしまったのか、私が破壊されたクリッターの処理(墓地にいったん置く作業)をしている間に、追加で地割れを手札から使用してしまったんです。
しかし、私はすでにクリッターを普通に墓地に移動させてしまっており、私の場にはもうモンスターカードが1枚も存在しない状態となっていました。ゼロです。
当然ながら、この状態で地割れを使用しても私には全く影響が無いわけですが、どうやら対戦相手は極度の緊張と焦りで状況判断を誤ってしまったようなんです。
対戦相手は正確な状況を理解すると、すかさず「あ、すみません!」と一言謝り、その使用した地割れを手札に戻そうとしました。
しかし、その瞬間、対戦テーブルの中央に審判員の手が伸びてきました。
そして審判員が言いました。
「一度使用した魔法カードをプレイヤーの意思だけでキャンセルすることは、いかなる状況であってもできません。その地割れカードの効果は通常通り発動されましたので、そのまま墓地に置いてください」
対戦相手はすぐに地割れを墓地に置き、「すみませんでした」ともう一度謝ったのでした。
私はこのとき、ラッキーだとかそういう感情じゃなくて、ちょっと怖いなという感情を抱いていました
これが地元の友人同士との対戦なら「間違っちゃった♪」「ったく、しょーがねーなぁ!」で手札に戻して済むのでしょうが、今のこの対戦は公式大会であり、ルールはルールとして厳格に守られます。
正直、私は緊張のあまり審判員が横にいることを忘れてしまっていたため、いきなり審判員が対戦に介入してきたことに驚いてしまったんですよね
私も当時は11歳の子供でしたから…
やっぱり、あの大会という非日常の空気は独特なものがあります。
対戦はその後も激しい攻防が続き、私の手札にはエクゾディア・パーツが3枚揃っていました。
しかし…
私には対戦相手の猛攻を耐えしのぐ手は残ってなく…
エクゾディア・パーツを3枚集めた時点で私のライフポイントはゼロになり、3マッチ目は対戦相手の勝ちとなりました。
結果、合計2マッチを獲得した対戦相手が次の試合へ駒を進めたのでした。
私、散る
私の千葉・幕張メッセにおける大冒険は、初戦敗退という結果で幕を閉じたのでした…うわーん!
ストレート負けでなかったのが救いではありましたが、それでも負けは負けです。
当時は悔しかったですね~
でも子供だったので、本当に涙を流すほどではありませんでした。
私としては、これほど大きな会場で公式大会に出場できただけでも素晴らしい思い出になりましたし、普段友人達と楽しむ対戦と違い、真剣勝負の対戦はやっぱり緊張感が段違いでしたからね
敗退決定後、私は父と一緒にすぐ会場を後にしたので、私に勝利した対戦相手がその後どこまでトーナメントを戦い抜いたのかはわかりません。
今になって思えば最後までトーナメントを見ておけば良かったですね。まぁ当時は子供でしたから
あの髭を生やしたバンデット・キースみたいな大人の男性は勝ち進めていけたのだろうか…
っていうか強かったのかな、あの人?
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【幕張メッセ近くのフリーマーケットに寄った思い出】
初戦敗退後、会場を抜けた私は父と一緒に幕張メッセのすぐ横にある中華レストランに行きました。
昼食ですね!
私は、あんかけ焼きそばを注文
父が何を注文したかは忘れてしまいました。
味は…正直微妙でした
大会で負けて意気消沈していたからではなく、なんか麺もあんかけもイマイチだったんですよね…(汗)
その中華レストラン、今でもあるのかなぁ?
長い階段を上がりきった先の左手側にある中華レストランなのですが、店名はおろか正確な場所も覚えてなくて…
昼食後、幕張メッセの近くで偶然開催されていたフリーマーケットに立ち寄りました。
いろんな出し物を見て回り、そのなかで気に入った「ゲゲゲの鬼太郎の消しゴム人形セット」を父に買ってもらいました。
鬼太郎、目玉おやじ、砂かけ婆、小泣き爺、ぬりかべ、いったんもめん、ネズミ男などメジャーなキャラクター達が小さな消しゴムとなって封入されていました
でも、なぜか猫娘だけがありませんでした。本当に何故?
その後は幕張メッセ周辺でお土産をいくつか購入し、そのまま岐路についたのでした。
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長くなってしまいましたが、以上が私の「遊戯王カードの大会に出場した思い出」となります。
遊戯王カードはこのあと1年ほど続けたのちに引退してしまったのですが、それでもやっぱりこの大会の思い出は今でも私の記憶に残り続けています。
そしてなにより、父との数ある思い出の一つでもありますからね!
父は約7年前に胃ガンで旅立ってしまいましたが、機会があればまた幕張メッセに足を運んで、当時の父との思い出に想いを馳せてみたいものですね
とてつもなく長い記事を最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
では、また!