音楽頭 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 仮面屋で音楽頭を購入したので私はそれを路上で被ってみた。すると、周囲の繁華街に飛び交っている騒音に潜む確かな秩序を認識できるようになった。人々の話し声も自動車の走行音もすべてが絡み合って複雑な一つの楽曲を奏でているように感じられた。

 音楽はどこまでも遠くへ広がっていくようだった。聞こえてくる物音が悉く心地良かった。私はもっとたくさんの耳が必要であると感じた。音楽をさらに壮大な規模のものへと発展させたいと望んだ。道を歩きながら私は周囲を行き交う人々の姿に目を配っていた。世界中の耳が聞いている音を組み合わせた楽曲を聴いてみたくなっていた。


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