山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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アメーバブログにて超短編小説を発表しています。
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短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

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目次です。※作品数が増えてきたので十作ずつに分けました。
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目次(超短編小説)

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 習字の授業中に私は机の上に置いた紙に筆で線を引いていた。『蝉』という文字を書くように指示されていたのだったが、どうも全体的な形状が気に入らないと感じていた。すると、隣の席に座っている同級生が私の方に顔を近付けて言ってきた。「そんなに丸々と太った蝉はいないよ」 


  その指摘を聞いて私は蝉の身体はもっと細かったかもしれないと考えた。それで、参考になるかもしれないと期待しながら同級生の机の上の紙に書かれた文字を見てみた。その同級生が書いた『蝉』の文字は確かに私が書いた『蝉』の文字よりも長細いのだが、貧弱そうだった。「そんなに痩せていたら大きな声が出ないよ」と私は言い返した。