【61-70】シルク2023年度募集馬全頭評価⑦ | バッタの一口馬主データ分析室

バッタの一口馬主データ分析室

私を楽しむ。それが競馬。

  はじめに

 シルクホースクラブの2023年募集馬の全頭分析【61~70】です。


 期待値評価はS以上、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、Eの10段階です。

 評価は、事前に基準を決め、機械的に出しています。(詳しくはこちら

 そのため、自分の評価と齟齬が生じる場合もあります。【総評】に書いてあるコメントが機械的に出した評価も踏まえた私の最終評です。

 

 あくまで私個人の評価です。 『私を楽しむ。(それが競馬)』という昔のJRAのキャッチコピーのとおり、皆さんそれぞれの一番があるはずなので、皆さんの一番を大切にしていただければと思います。

 

 Twitter:@drosshopper01

 ツイッターでは、シルクツアーの写真、動画などをアップ予定!

 

【全頭分析リンク集】

シルク01~10

シルク11~20

シルク21~30

シルク31~40

シルク41~50

シルク51~60

シルク61~70←いまここ

シルク71~77

 

 

  評価の見方

【価 格】 募集価格と一口価格
【血 統】 父と母父の組み合わせ
【厩 舎】 厩舎名
【馬 格】 誕生日

      募集時馬体重

      誕生日と募集時馬体重から推測されるデビュー時の馬体重

      管囲(標準管囲との差)
【母能力】 母の最終クラス

      獲得賞金

      主に走っていた距離
【繁殖力】 牝系活力ポイント

      母の出産時の年齢

      第〇仔

      仔の勝利数(左端が第1仔、Xは未出走引退、-は競争登録なしを意味する)
【総 評】 個人的な評価

 

 

  評価一覧(61~70)

シ61 シーヴ 牝 期待値C
シ62 キープシークレット 牝 期待値A
シ63 アドマイヤアロー 牡 期待値SS
シ64 モアナ 牡 期待値A+
シ65 プチノワール 牡 期待値C
シ66 ジャポニカーラ 牝 期待値D+
シ67 ギエム 牡 期待値B+
シ68 モルジアナ 牡 期待値A
シ69 マルーンエンブレム 牡 期待値C+
シ70 パールデュー 牝 期待値C

 

 全体のまとめはこちら

 

 

  個別評価(61~70)

シ61 シーヴ 牝 期待値C

【価 格】4000万円(一口8万円)
【血 統】父リアルスティール×母父Mineshaft
【厩 舎】安田翔伍厩舎
【馬 格】2月12日生 418kg 予想馬体重440kg 管囲19.8cm(+0.52)
【母能力】未出走
【繁殖力】牝系活力60pt 出産時13歳 第10仔 6X210120未

~総 評~

 母は不出走ですが、第1仔でケンタッキーオークス馬を出し、繁殖として結果を出しました。

 しかし、その後は堅実ながら目立った仔は出せずにいます。

 どこかで聞いたことある名前だなと思って仔を見ると、5億円ホースとして話題を集めたショウナンアデイヴのお母さんなんですね。

 母母は米国ダート中距離GⅠ勝馬で、牝系の活力は上々で、それなりのサポートが期待できます。

 

 ディープとの組み合わせなら芝も走れるようで、馬格的には芝を走ってほしいところですが、父リアルスティールとの組み合わせだと血統構成がかなり米国に寄るので、ダートでつぶしも効きそうです。

 

 競争能力の裏付けがない母が初期の産駒で名馬を出した場合、その後の産駒の期待値は、なかなかに厳しいものがあるので、字面的にはあまり魅力的とは言えません。

 

 これまでセールでずっと出されていたのに、本馬だけ突如シルク募集になった経緯も若干不気味です。

 馬格も少し小さいですし、見送ります。

 

シ62 キープシークレット 牝 期待値A

【価 格】2800万円(一口5.6万円)
【血 統】父ブリックスアンドモルタル×母父ダイワメジャー
【厩 舎】高柳大輔厩舎
【馬 格】2月24日生 438kg 予想馬体重460kg 管囲20cm(+0.21)
【母能力】2勝C 賞金1300万円 ダート中距離
【繁殖力】牝系活力15pt 出産時7歳 第2仔 未

~総 評~

 母はダート中距離で2勝を挙げますが、その2勝はいずれも人気薄での激走で、2勝クラスに上がってからは2桁順位続きで、競争能力的には若干物足りません。

 初仔はドレフォンとの産駒で、芝短距離で下ろすようです。

 牝系は、叔母に重賞2着馬がいるぐらいで、特筆すべき牝系とはいえず、大きなサポートは期待できません。

 

 馬格は標準サイズで、管囲も問題ありません。

 

 第2仔という買い頃の産駒なのですが、母の競争能力、牝系がイマイチで、条件が揃っているかというと微妙なところです。

 父ブリモルは魅力で、字面での評価は高いですが、細かく条件を見ていくと気になるところが多く、本馬なら同じ父のスナッチマインドやアルジャンテの方が魅力は大きい気がします。

 悪い馬ではないんですけど、人気もあるし、そこまでして取りに行く馬かなという印象。

 でも、馬体はバランスが良くて結構好みです。

 

シ63 アドマイヤアロー 牡 期待値SS

【価 格】3000万円(一口6万円)
【血 統】父ヘニーヒューズ×母父ワークフォース
【厩 舎】渡辺薫彦厩舎
【馬 格】2月23日生 416kg 予想馬体重460kg 管囲21.4cm(+1.65)
【母能力】2勝C 賞金1380万円 芝中距離
【繁殖力】牝系活力34pt 出産時8歳 第3仔 0未

~総 評~

 本年の字面での最高評価の馬ですが、後述のとおり、私自身の評価はめちゃくちゃ高いというわけではありません。

 

 母は、ワークフォース産駒らしく、芝の中長距離を主戦場に2勝しましたが、故障で早期引退となり、競争能力的にはそこそこといったところでしょうか。

 牝系はかなり発展しており、叔父に重賞2勝馬アドマイヤデウス、叔母からの派生で重賞1勝馬サンレイポケット、3代母からの別の派生でも重賞馬が複数出ています。牝系のサポートはそれなりに期待できるでしょう。

 

 父ヘニーヒューズ産駒は、極めて高い勝上率を誇り、AEIの値も相応に高い優秀な種牡馬で、種付料こそ上がっていますが、馬代金はそこまで上がっていない、期待値的には最高の種牡馬です。

 しかし、ヘニーヒューズは、どちらかというと堅い捌きの馬を組み合わせてコッテコテのダート馬を出すという手法での成功例が圧倒的に多く、母父ワークフォースがマッチするとは思えません。

 これまでこの組み合わせ例は、母の初仔であるスウィフトアローの1頭で、4戦して2桁着順3回とかなり厳しい結果になっています。

 組み合わせが悪すぎます。

 

 馬格もヘニーヒューズ産駒なら最低480kg、高望みするなら500kg欲しくて、予測460kgという馬体重は不満ですし、前駆の肉付きももっと欲しいです。

 

 3000万円でヘニーヒューズ牡馬というのは大きな魅力ではあるのですが、ヘニーヒューズ産駒の必勝パターンと大きく離れているため、機械的な評価では拾えないところの減点が大きいです。

 出資候補にはしますが、ツアーでいい話が聞けないことにはといった感じ。
 

シ64 モアナ 牡 期待値A+

【価 格】3200万円(一口6.4万円)
【血 統】父ミッキーアイル×母父キンシャサノキセキ
【厩 舎】奥村豊厩舎
【馬 格】3月11日生 425kg 予想馬体重480kg 管囲21cm(+0.93)
【母能力】OP 賞金9950万円 芝短距離
【繁殖力】牝系活力10pt 出産時8歳 第1仔 

~総 評~

 母は、キンシャサノキセキ産駒の快速馬で、芝1400m~マイルで4勝を挙げ、5歳でOPクラス入りしました。重賞では通用しませんでしたが、条件戦では相手なりに堅実に走り、1億円を稼ぎました。競争能力は上位の力があります。

 3代母が重賞勝馬という以外に目立った活躍馬はおらず、牝系のサポートはそれほど期待できません。

 

 そんな母に父ミッキーアイルなら芝ダート兼用の短距離馬でしょう。

 父ミッキーアイルは牡馬なら現状はダートに出る傾向が強いですが、正直、芝だろうがダートだろうが、短距離に求められる能力はトップスピードとそれを維持できるだけの持続力なので、牡馬はダートが多いというのは偶然だと思われます。

 

 馬格はベストに近く、管囲も十二分で、故障リスクは低そうです。

 信頼と実績の奥村豊厩舎なら、気性面で心配な血統もうまく誘導してくれるでしょう。

 

 文句なしの出資候補筆頭です。

 

シ65 プチノワール 牡 期待値C

【価 格】4000万円(一口8万円)
【血 統】父サトノダイヤモンド×母父シングスピール
【厩 舎】斉藤崇史厩舎
【馬 格】4月16日生 390kg 予想馬体重460kg 管囲20.7cm(+0.95)
【母能力】未出走
【繁殖力】牝系活力64pt 出産時17歳 第12仔 X3-0-3241300未

~総 評~

 ローブティサージュを出し、シルクに初GⅠをもたらしたお母さんです。

 近年まで非常に優秀な繁殖成績だったのですが、最近デビューした2頭はいまだ中央で勝てず、高齢出産の影響を感じさせます。

 

 仔に活躍馬がいるが、最近は高齢出産の影響もあり繁殖成績が落ちてきたというのは、期待値的には買いづらいパターンです。

 

 父サトノダイヤモンドも買い材料とは言えません。

 私は見送ります。
 

シ66 ジャポニカーラ 牝 期待値D+

【価 格】2500万円(一口5万円)
【血 統】父サトノダイヤモンド×母父ジャングルポケット
【厩 舎】杉山佳明厩舎
【馬 格】1月24日生 407kg 予想馬体重430kg 管囲19.1cm(+0.19)
【母能力】2勝C 賞金3475万円 芝中距離
【繁殖力】牝系活力20pt 出産時10歳 第3仔 0-未

~総 評~

 母は芝1800mで2勝、芝2600mで1勝しましたが、2勝クラスでは通用せず、競争能力はそこそこでした。

 フサイチエアデールの牝系の傍流で、牝系の活力はそこそこあります。

 

 父サトノダイヤモンドにこの母なら芝の長距離馬狙いでしょうが、長距離馬ねらいの配合はスピードに欠けるケースが多発し、ダートでのつぶしも効きにくいので、個人的にはあまり好みの配合ではありません。

 

 母も馬格に問題がある馬で、初仔もデビュー時420kgと小さい馬でしたが、第3仔の本馬になってもその問題は解決していません。

 

 条件的に買える要素が乏しく、私は見送りです。

 

シ67 ギエム 牡 期待値B+

【価 格】4000万円(一口8万円)
【血 統】父アドマイヤマーズ×母父Medaglia d'Oro
【厩 舎】藤原英昭厩舎
【馬 格】3月29日生 416kg 予想馬体重480kg 管囲20.3cm(+0.23)
【母能力】未出走
【繁殖力】牝系活力88pt 出産時8歳 第4仔 23未

~総 評~

 母は米国2歳女王オーサムフェザーの初仔でしたが、デビューできず。

 第2仔で若葉S勝馬ショウナンバシットを出しました。

 母母オーサムフェザーはここまで十分な繁殖成績とはいえず、牝系の活力は若干疑問はありますが、母の繁殖成績は期待以上です。

 

 ここまで仔は2頭とも長距離に寄っていますが、アドマイヤマーズとの組み合わせならマイルか1800mぐらいまででしょうか。こればっかりはアドマイヤマーズのタイプ次第なのですが、今のところ産駒の形はダイワメジャーに似たムキムキタイプが多いように思うので、マイルぐらいが得意そうな気がしてます。

 

 馬格は理想で、管囲もじゅうぶんです。

 

 この繁殖成績で、牡馬4000万円は、最近の基準からすると安く、人気なのもうなづけます。
 

シ68 モルジアナ 牡 期待値A

【価 格】4500万円(一口9万円)
【血 統】父サートゥルナーリア×母父Dubawi
【厩 舎】新規開業厩舎
【馬 格】2月22日生 435kg 予想馬体重480kg 管囲20.8cm(+0.68)
【母能力】3勝C 賞金7700万円 ダート短距離
【繁殖力】牝系活力52pt 出産時10歳 第4仔 20未

~総 評~

 モルジアナはサマーハの初仔で、芝ダートの短距離で3勝クラスまで上り詰め、準OPでも3着が2回ありました。母の競争能力は上位です。

 牝系という意味では、弟に日経賞勝馬のシャケトラが、叔父に海外GⅠ勝馬、3代母も重賞勝馬と近親に活躍馬が多く、活力のある牝系です。

 

 母母の産駒は、シャケトラ(父マンハッタンカフェ)以外は短距離に寄っており、本馬も短距離馬でした。そして、母モルジアナの仔はこれまで例外なく一目見ただけでわかるぐらい筋肉もりもりの短距離馬であり、いっつもモルジアナです。

 本馬は、これまでのモルジアナの仔よりは若干胴が長くて重苦しさがなく、距離はマイルまでならギリギリ持ちそうな気がします。でも、中距離は無理でしょう。

 

 父サートゥルナーリアは、別の記事でも書いたように、本質的にはマイル~2000mの馬だったと思っており、母モルジアナの組み合わせとなら、やはり血統的にもマイルが限界だと思います。

 馬格的には何の問題もありません。

 

 血統的に父にかかる期待は大きく、本馬がその飛躍の一端を担えればと期待しています。
 

シ69 マルーンエンブレム 牡 期待値C+

【価 格】3000万円(一口6万円)
【血 統】父スワーヴリチャード×母父オルフェーヴル
【厩 舎】武英智厩舎
【馬 格】2月3日生 415kg 予想馬体重450kg 管囲20.3cm(+0.74)
【母能力】2勝C 賞金2440万円 芝中距離
【繁殖力】牝系活力68pt 出産時7歳 第1仔 

~総 評~

 母は、ブラックエンブレムの仔で、芝中距離で2勝を挙げるも、2勝クラスでは通用せず、そのまま引退となりました。競争能力はそこそこです。

 牝系は、ブラックエンブレムの仔ということもあり、母、兄弟いずれも活躍馬がおり、活力は十分です。

 

 父スワーヴリチャードは早熟性を見せつけ、様々な条件で早々に4勝を挙げており、いい滑り出しを見せました。

 そんな調子のいい父スワーヴリチャード、母能力そこそこで牝系上等の牡馬で3000万円という価格は明らかに安く、人気になるのはわかります。

 

 初仔とはいえ、馬体重は許容範囲内で、管囲も問題なく、不安要素がすくない堅実なタイプのように思います。
 

シ70 パールデュー 牝 期待値C

【価 格】2800万円(一口5.6万円)
【血 統】父スワーヴリチャード×母父キングカメハメハ
【厩 舎】庄野靖志厩舎
【馬 格】2月12日生 401kg 予想馬体重430kg 管囲19.2cm(+0.24)
【母能力】3勝C 賞金2900万円 ダート中距離
【繁殖力】牝系活力45pt 出産時6歳 第1仔 

~総 評~

 母はマイルCS勝馬ブルメンブラットの仔で、まずは芝でと期待されましたが、実際にはダート中距離を走って、早々に3勝を挙げ、3勝クラスに昇級し、それと同時に地方交流重賞に参戦しましたが、そこで競争中止となり、そのまま引退となりました。競争能力は高かったです。

 牝系は、ブルーメンブラット以外特段活躍馬は出ていませんが、ブルーメンブラットがいれば十分でしょう。牝系の後押しはそこそこ期待できるでしょうか。

 

 初仔の牝馬らしく、馬格に問題があります。

 父スワーヴリチャードは魅力ですし、母の競争能力も高いので、これだけなら同じ父のマルーンよりもと思いますが、予測430kgはいかにも初仔の牝馬という感じなので、手が出ません。

 母の産駒が今後もシルクで募集されるのであれば、そのときに期待したいと思います。

 

 

 

【全頭分析リンク集】

シルク01~10

シルク11~20

シルク21~30

シルク31~40

シルク41~50

シルク51~60

シルク61~70←いまここ

シルク71~77