一口馬主でしか味わえない最高の喜び ~レッドソルダードについて~ | バッタの一口馬主データ分析室

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私を楽しむ。それが競馬。

 私は、普段、あまり自分の出資馬についてあまりブログに書きません。

 しかし、今日は、書きたくなったので、私の出資馬の一頭、レッドソルダードについて書いてみようと思います。

 そこそこ長いですが、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

 

 

 

  第1章 順調なデビュー

 レッドソルダード(レッドソンブレロの18)は、東京サラブレッドの2019年度募集馬です。

 父マジェスティックウォリアーは少ない輸入馬の中から南部杯(JpnⅠ)2連覇のベストウォーリアを出したことが評価され日本に輸入され、レッドソルダードは、輸入初年度の産駒でした。

 母は、未出走ではあったがヴァーミリアンの妹で、マジェスティックウォリアーの配合相手には最高

 馬格も立派で、名門須貝厩舎。

 ここまで買える要素がそろっていながら値段がなんと1800万円。

 私は、一切迷うことなく、本馬に優先権を使い、無事、出資を決めました。

 

 その後の育成過程も順調で、日々成長する馬体を見ながら、果ては博士か大臣かと日々期待は膨らんでいきました。

 

 デビュー戦は阪神ダート1400m。2番人気と差のない1番人気でしたが、調教でも相当いい動きをしていただけに、まず勝つだろうと思っていました。

 しかし、、、

 スタートでとんでもない出遅れ、、、

(画像一番左)

 終わった・・・(俺の単勝馬券)

 トップとはぱっと見で5馬身、1秒近くは離されており、さすがにこれは勝負にならないと思いうなだれていると

 

(画像2番手)

 なんかきた・・・・・・・!!!

 残念ながら2着どまりで、単勝馬券はさようならだったものの、1秒近く出遅れて2着は勝利に近い価値があり、これは大物の予感!!と、気持ちは大盛り上がり

 果ては博士か大臣かが夢絵空事ではないような気がしてきました。

 

 第二戦は札幌ダート1700m、2番人気。

 強すぎぃ!!!!

 おいおいおい、1800万円だぜこの馬。見る目ありすぎて困っちゃうなーーーーー(鼻のびのび)

 はぁー、これは年末は川崎遠征かな!!忙しいのに困っちゃうなー!!!

 

 ということで、2戦目は1秒の大差をつけての圧勝。

 私の鼻は空高く伸び上がっていました。

 このときまでは。

 

 

  第2章 大スランプ

 しかし、当然、そううまくことは運びません。

 第三戦は中京ダート1400mで、その後、兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)を勝利することとなるデュアリストに完敗の2着でした。

 現実を見せつけられます。

 とはいえ、負けたのは1400m。圧勝した中距離に戻れば大丈夫。川崎は1600で1周コースだからレッドソルダードに分がある。

 それに、もし、仮に、万が一、重賞級じゃなかったとしても、1勝クラスは楽勝で勝ちあがれるだろうし、長く3勝クラスやOPで走ってくれればかなり稼いでくれるかな。少なくともあと2戦で条件戦を突破して、うまくいけば年末の2歳優駿。うまくいかなくても3歳のダートOPには出走してくれるだろうと思っていました。


 ところが、ここから、終わりの見えない大スランプに入ってしまいます。
2020年10月25日    京都    なでしこ賞      ダ1400    10着/10頭

2021年01月17日    小倉    3歳1勝クラス    ダ1700    5着/9頭
2021年01月31日    中京    3歳1勝クラス    ダ1400    3着/10頭
2021年02月13日    阪神    3歳1勝クラス    ダ1400    14着/14頭
2021年04月25日    阪神    3歳1勝クラス    ダ1400    5着/12頭
2021年05月09日    中京    3歳1勝クラス    ダ1400    14着/16頭

2021年06月26日    札幌    3歳上1勝クラス    ダ1700    競争中止

 

 とにかく、スタートが決まらず、砂をかぶるともう走る気をなくして後方ママでしんがり負けを繰り返す。

 コメントも「まともに走っていない」「なんとかきっかけをつかめれば」と一本調子。

 あれだけ長かった鼻はポキリと折られてしまいました。

 勝たないまでも、せめてまともに走っているレッドソルダードをもう一度、と期待してレースを待つのですが、いつも展開は同じで、スタートに失敗して後方ママ。

 一向に光明は見えてきません。

 去勢もしました。

 未勝利戦を圧勝した札幌1700mも走りました。

 しかし、展開は変わらず。

 札幌では競争中止も経験します。

 競走中止でも馬体には何事もなかったのは幸いでしたが、馬体に何事もないのに競争中止になってしまうというのは事態の深刻さをよりいっそう際立たせているように感じました。

 いつの間にか、3歳ダートOPは終わっていました。

 

 

 原因は明らかでした。

 

 メンタルです。

 

 私は、一口馬主をやるまでは、馬がここまでメンタルに影響されるものなのだということを意識したことはあまりありませんでした。あえていうならメイショウマンボが急に走らなくなったとき、馬も走るのがいやになったりするものなのかなと思うぐらいでした。

 しかし、一口馬主を続けていくうちに、馬のメンタルは、競争成績に直結するきわめて重要な要素だと感じるようになりました。

 そして、メンタルがやられた馬は復活することは、残念ながらほとんどありません。

 

 力のない馬が1秒差で勝てるはずありませんし、坂路を52秒で駆け上がれるわけはありません。

 力は絶対あるはずです。

 しかし、それが出せないのです。

 レッドソルダードもこのまま引退なのだろうかと思っていると、転厩の一報が入ってきました。

 須貝厩舎から、奥村厩舎への転厩でした。

 

 ああ、、、見捨てられた、、、

 

 そう、思いました。

 

 

  第3章 転厩

 奥村先生のことは、正直、転厩するとなって始めて知りました。

 調べてみると、比較的最近開業した若い先生で、ディアンドルを管理しているそこそこ期待されている若手調教師の一人のようでした。

 もともとが名門須貝厩舎ということもあり、これで劇的に変わるなんて事はあまり期待できないなと思いましたが、レッドソルダードの転厩が決まって一発目のコメント

 

奥村豊調教師「レッドソルダード号の移籍先として選んでいただけたことを嬉しく思っています。次走までに平地調教再審査を受ける必要があり、いきなり課題が待ち受けていますが、厩舎スタッフらと色々と模索し、まずはレースで馬本来の走りを取り戻すことを目標に進めさせていただきます。初日の今日は角馬場や坂路で調整をおこないました。落ち着いていましたし、調教中に集中力を欠くこともなかったのですが、1頭だと気持ち良さそうに走っている反面、周りに馬がいると自分の走りができていないように映りました。また、運動を終えたところで急に発汗量が増えたように何かしらの不安を抱えているようなので、もう少し様子を見てしていければと考えています。まずはウチの調教にパターンに慣れてもらうことから始めていくことになるでしょう」

「レッドソルダード号の移籍先として選んでいただけたことを嬉しく思っています。」

 この言葉は、「捨てられた」「口減らしだ」「押し付けられた調教師も迷惑とか思ってるのかな」とか、完全にむくれていた私の心に、しみるものがありました。

「調教中に集中力を欠くこともなかったのですが、1頭だと気持ち良さそうに走っている反面、周りに馬がいると自分の走りができていないように映りました。また、運動を終えたところで急に発汗量が増えたように何かしらの不安を抱えているようなので、もう少し様子を見て対処していければと考えています。」

 この言葉からは、課題を的確に把握して、何とかしようと試行錯誤しようとする気概を感じました。

 少なくとも、この先生は、レッドソルダードを押し付けられたとは思っていない。

 レッドソルダードをもう一度本気で復活させようとしてくれている。

 それなら自分もむくれずにもう一度一生懸命応援しなくては。

 そう思いました。

 

 それから、レッドソルダードの復活への試みが始まりました。

9月22日

奥村豊調教師「今朝はCウッドコースを普通キャンターで1周しました。自分のリズムで走っている時のキャンターは良かったですが、時折何かに追い込まれているような感じで気が入ったり慌てたりすることもありました。その後にゲートで駐立の確認もおこなったところ力んで心拍が高まり、後ろにモタれるなど、『これはレースで出遅れるだろう』といった内容でした。いつも騎乗している助手とも話し合ったのですが、今の精神状態でゲート練習をおこなっても煮詰まる一方で逆効果になる可能性が高いということで、まずは落ち着きを取り戻してもらうために、今日(水)午後からプール調整をおこなうことにしました。少なくとも今週一杯は強めの調教はおこなわず、メンタル重視の調整を続ける予定です」
 

9月23日

助手「角馬場でハッキング調整をおこなってからCウッドコースを普通キャンターで1周。その後はプールにも行きました。角馬場での運動中は他の馬に抜かれたり、近づかれると頭を上げるなど周りに気を使いながら走っていましたが、コースに出ると多少の焦りはあっても我慢してゆったり走っていました。角馬場のような小さいコースでの仕草やゲートの駐立が悪いことからも、どうやら狭いところを苦手としているようなので、昨日からプールを使った調整を始めています。プールでは直線のコースを泳がせるとともに水を張ったところに立たせて背中にシャワーをあててもいますが、嫌がる素振りは見せておらず、昨日に比べてだいぶ受け入れてくれるようになっていましたよ。狭いスペースに慣れることが目的ですが、リラックス効果や体を動かすことにも効果も見込めるので、引き続き活用していこうと考えているところ。噛み合えば走りそうな雰囲気は持っているので、やれることはどんどんチャレンジしていかせていただきます」

 

10月6日

奥村豊調教師「今朝(水)は角馬場で体をほぐしてからBダートコースを普通キャンターで1周。その後ゲート練習にも行きました。再審査の後は日によってテンションが上がったり下がったりと波が大きいです。特に他の馬がイレギュラーな動きをした時にスイッチが入ることが多いですが、それでは競馬に平常心で臨めないでしょうから、どんなことが起きても淡々と走れるよう敢えて周りに馬が多い時間帯を選んで乗っています。日々の調教で特徴を掴みつつ課題とも向き合って少しずつ改善していこうと取り組んでいる最中で、馬に今すぐ変化を求めるのも酷ですから、4歳になる来年以降、競馬で安定した走りをお見せできればと考えています。とはいえ、一度自分たちの手で仕上げてレースに使わないとわからないことも多いので、再来週のレースを目標に調整を進めていきますが、明日も追い切る予定はなく、週末に70-40くらいの時計を出すことになりそうです」
 

10月7日

助手「今朝の雰囲気が良かったので、坂路で15-15を消化しました。テンから平均的なラップを刻もうと思っていたのですが、馬場入りしてからもいい意味で落ち着いていたので、あえて急かさず17秒で入り、終いだけスーッと伸ばす形を選択。道中は力むことなく、こちらの指示通り走ってくれました。いい形だったと思います。ゲートでの駐立もソワソワすることがなくなり、隣に馬がいても我慢できるようになるなど日に日に進歩していますよ。レースに向けてトレーニングを積むことはもちろん重要ですが、今日のように穏やかに過ごす日を一日でも増やせれば競馬での走りにつなげられるかもしれませんね」
奥村豊調教師「今朝(水)は坂路で時計を出しました。近くに馬を置いて15-15から少し伸ばした程度でしたが、いつもより穏やかで動きも良かったですね。ゲート練習も冷静な状態でこなしていたことからも、今の急かさない調教スタイルも合っているのかもしれません。だいぶ手の内に入ってきたと手応えを感じているところです。明日(木)も休むことなく角馬場での調整やゲート練習をおこなう予定でいます」


10月14日
助手「今朝(木)は始めに角馬場でフラットワークをおこないました。現状トモが緩くて体を使い切れないので、踏ん張って蹴るという動作ができるようにするための運動を取り入れていますが、馬も苦しいのか跳ねるなど逃げてしまうことがあります。求めたことには応えようとしてくれているのは感じるだけに、長い目で見ていくつもりです。最後におこなったゲート練習では、あえて馬が多く集まっているゲートに連れていって反応を確認しましたが、隣に馬を入れても大丈夫でしたし、ゲート裏などでも終始穏やか。入厩して練習を始めた時はしっかり立っていられない状況だったので、それを考えれば練習の成果が感じられるというか大きく進歩したと思います。来週のレースに向けて週末もCウッドコースで70-40を消化する予定です」

 

 なんか、、、、前進している気がする、、、、、、!!!

 少なくとも、奥村先生や助手の方が本当にいろいろと考えて、工夫して、レッドソルダードをなんとかしようとしてくれているのがすごく伝わってきます。この厩舎、毎回の更新コメントがとっても長いのです。

 今どんな課題を抱えていて、それをどのように克服しようとしているのか、それをわかりやすい言葉で伝えようとしてくれています。

 もしかしたら、もしかしたら、次のレースでは前進を見せてくれるかもしれない。

 そんな期待が高まりました。

 

 そして、運命の10月23日。阪神7R、3歳上1勝クラスダ1400m。

 その日がやってきました。

 結果は、、、、

 

 

※画面に映っていません

 

10月23日レース後コメント(15着)
奥村豊調教師「ジョッキーが乗るまでも乗ってからも冷静さを保っていましたし、ウォーミングアップもしっかりできていました。いい雰囲気だったので、レース前の時点ではこれなら競馬でもと思ったのですが…。申し訳ありません。藤岡康太騎手は『ゲートの駐立は問題なく、ポンと出た。指示どおり急かさず進めたかったが、促していないとあっという間に離されてしまいそうだったのである程度出していった。最後方付近まで下がり、隣に馬が来たときにハミは取ってくれたが、それも一瞬のことで3コーナー過ぎには急ブレーキをかけてビタっと止まりそうなくらいだった。扶助に反抗したわけでもなく何が原因かはわからない。直線でキックバックを受けない外に出してからはもう一度走る気を出してくれたが、それ以上はこの馬の良さを引き出せなかった。すみませんでした』と話していました。レースに向けていい準備はできたとみていたのですが、やってきたことが結果に結びつかなかったことは残念で申し訳なく思っていますし、今後に向けたきっかけを得られないままレースを終えることになったことについては正直ショックが大きいです。競馬後もケロッとしていて全く力を出しきっていないようですからね。本当に手ごわいです。今後については馬の状態を見てからになりますが、レースを組み立てやすくなる地方交流戦も視野に入れていきます」

 

 大敗でした。

 最後歩いてましたようちの子。。。。

 ダメか、、、やっぱりダメか、、、、

 心が折れました。もう期待するのもいやです。悲しい気持ちになるので。

 

 しかし、私の心が勝手に折れている中、奥村先生とレッドソルダード号は諦めていませんでした。

奥村豊調教師「昨日(水)に引き続き角馬場で調整しましたが、体へのダメージは確認されていません。もう少し騎乗者へ意識を傾けてもらうため、横木を跨がせるなど簡単な障害練習も取り入れていますが、手伝ってくれている小坂騎手の話では『体は動いているが、気持ちの面がついてこない。嫌だと感じると瞬時に拒否反応を示すし、それが長引く』と話していました。日々ソルダードに接してきたことでどんな馬なのかわかってきましたが、わかればわかるほど難しい馬ですね。どうするのが正解はわかりませんが、まずは馬に色々な方面からしっかりと向き合って、できることをひとつひとつやっていくしかありません。次走は予定通り来週火曜日に園田でおこなわれる地方交流競走に向かうつもりで、週末に15-15くらいの時計を出すことになるでしょう」

 

 次戦は園田1870メートルで行われた地方交流競争、大和田特別でした。

 久々にまともにスタートし、そして押して押して無理やり先頭に。いつもとは違う展開です。

 

 一周目のスタンド前でも先頭キープ。まあ、最後ずるずるいっちゃうだろうけど、馬が走る気を出してくれてる。

 正直、これだけでも今日は収穫です。

 

 第3コーナーでもまだ先頭!ええやん!!これは次にむけて大きな収穫!!

 ん?

 というか、引き離してない????

 

 おいおいおいおいおい!!勝つよ!!!これ勝つよ!!!!!

 

 いけいけいけいけ!!!がんばれ!!

 あとちょっとがんばれ!!!!!

 

 お願いお願い!!!

 何もこないで!!

 何もこないで!!!!!

 何もこないで!!!!!!!

 

 勝ったあああああああああああああああああああああああああ!!!!!

 

 長いトンネルを抜けた瞬間でした。

 

奥村豊調教師「出資会員の皆様おめでとうございます。ソルダード本来の走りをお見せできたことは本当に良かったですし、ゴールした時は携わってきた厩舎スタッフとともに大喜びしてしまいました。それにしても、自分のペースを守って自分のタイミングで動くことさえできれば、こんなにも走りが変わるんですね。驚きました。笹田知宏騎手にはハナに拘って欲しいということと、いつ止めようとするかわからないのでコンタクトを取り続けてもらいたいとお願いしていたのですが、主導権を握って道中でペースを落とすという理想的な競馬をしてくれました。笹田騎手は『返し馬を入念にできたのでレースでも体はよく動いていたのですが、道中は何度か頭を上げて止まりそうになっていました。最後までよく我慢してくれたと思います』と話していたので、どちらに転ぶか紙一重の部分はあったのでしょう。上がってきて息はそこまで乱れていなかったことからも、心肺機能はなかなかのものがあるのは間違いなさそうですが、久々に走り切ったことで疲れも出るかもしれないので、今後については栗東に帰ってからの状態を確認してから決めたいと思います。今後も長い距離の自分でレースを組み立てやすい条件を選んでいくつもりです。これからも応援よろしくお願いします」


 

  第4章 成田特別

 大和田特別での勝利で、レッドソルダードは2勝クラスに上がりました。

 大和田特別の賞金は200万円、中央の1勝クラスの賞金は760万円。

 大和田特別の勝利でクラスが上がるのは割りに合うか合わないかで言うと割りに合いません。

 しかし、そんなことはどうでもいいのです。

 レッドソルダードがまた走る気を見せて、それだけじゃなくて先頭でゴールしてくれた。

 それだけでもう大満足です。

 2勝クラスでは厳しい戦いが待っているでしょうが、あれもこれもというのは贅沢が過ぎます。

 もう、しんがりで歩きながらゴールとかそういう競馬さえしなければ、それでいいのです。あれは本当に見てて悲しくなるので。

 

 2勝クラスの一戦目は、ハナの競馬をしたいということで、成田特別(中山ダ2400m)に決まりました。

 いいチョイスです。

 腕試しにはぴったりで、ここで5着以内に入れれば、今後に大きな期待が持てます。

 いやいや、期待しない、期待しない。もう一度レッドソルダードがまともに入るところが見れて、それで満足じゃないか

 いや、でも、もしここで5着入れたら、今後も・・・

 なんて、期待したい気持ちと失望したくない気持ちが綱引きをしていました。

 

 調教の過程は上々でした。

 

奥村豊調教師「大晦日は坂路で、一昨日(4日)はポリトラックコースで追い切るなど年末年始の変則日程の中でも順調に調整することができました。追い切りに騎乗した厩舎スタッフは『追い出した時に耳を絞って反抗するところを見せていましたが、動き自体は問題ありません。息遣いは若干重めでも、今回負荷を掛けたことで変わってくるでしょう』と話していました。今朝はゲート練習をおこないましたが、以前のように調教の前後にイレ込んだり大量の汗をかいたりすることはなく、駐立に関しては何の問題もありません。コースや距離など初めてづくしですし、クラスも上がるので楽な競馬にはならないとは思いますが、能力はあるので自分の競馬さえできれば頑張れるだろうと期待しています」

 

「今朝はゲート練習をおこないましたが、以前のように調教の前後にイレ込んだり大量の汗をかいたりすることはなく、駐立に関しては何の問題もありません。」

 成長したんやね、ソルダード。しんみりしてしまいます。

 

 地方交流と中央のレースの差は大きく、地方交流を勝ち上がってきたレッドソルダードは単勝20倍の6番人気。

 まあ妥当な人気でしょう。

 とにかく、このレースは、ハナを切って、最後まで走りきるということが肝心です。

 また、後方ママなんてレースをしてしまったら、昔に逆戻りです。

 そんな期待と不安が入り混じる中、レースが始まりました。

 

 スタートはいつものように若干立ち遅れながらも、強くハナを主張して先頭へ。

 いいよ、作戦通りだ。

 

 ところが、一周目の第3コーナーで14番にかぶされて、一時は先頭を奪われます。

 このまま気持ちが切れてしまうかもと心配しましたが、再度強くハナを主張し、第4コーナーを抜けるころには再度ハナに。

 しかし、これでペースが上がり、前の馬にはかなり厳しい展開になってしまいました。気持ちがプツンと切れなければいいのですが・・・

 

 向正面でも先頭キープ。堂々とした走りです。

 常に14番からプレッシャーを受けていますが、それでも気持ちを切らさず走っています。

 

 第3コーナーに入るころには2番手の馬の手が動き始めますが、ソルダード鞍上、大野騎手の手はまだ動きません。

 抜群の手ごたえです。これは、、、ひょっとすれば、、、ひょっとするのか、、、しかし、道中はかなり前に苦しい流れ。

 確実にやってくる。差し馬が。

 

 第4コーナー、ついに大野騎手の手が動き始めます。

 そして、やはり来ました。

 内からするすると一番人気オンザフェーヴル(緑帽)が

 頼む。。。。がんばってくれ。。。。。。

 

 手ごたえいい!!!後ろも離した!!

 でも一番人気が来てる!!!!

 がんばれ!!!がんばれ!!!

 

 一番人気との一騎打ち!!!!

 いけ!!!!粘れ!!!!!勝てる!!!!!

 

 

 差は。。。

 詰まらない!!

 差は詰まらない!!

 いけ!!あとちょっと粘ってくれ!!!!!

 

 

 強すぎぃ!!!!

 

 

 レッドソルダード、復活しました。

 

奥村豊調教師「出資会員の皆様おめでとうございます。年明けの東サラさんの好調さに少しだけ乗っからせていただきました。とにかく今日も作戦がハマりましたね。作戦は徹底先行で『行ってくれ』の一つ。レース後の大野拓弥騎手の話によると『展開は楽ではなく、どちらかというと厳しくて前半に余計な体力を使ってしまったが、よく凌いでくれた。形に拘った方がいいタイプだと思う』ということでした。返し馬をじっくりこなしたことでトモのハマりもよく、体もよく動いていたということでしたよ。前回園田で勝った時にレース選択について『これで良かったのか、もったいないことをしたのでは』と自問自答していたので、こうやって中央競馬でもしっかり結果を残せたことはすごく嬉しいです。すっきりしました。今回の勝利であっという間に3勝クラスまで昇りつめましたが、このクラスだとなかなかいい番組がないので、ハナに拘るなら芝に戻してもいいかもしれませんね。さらに上を目指して頑張ります」


 

 成田特別は、最高の勝利でした。

 一口馬主でしか味わえない、最高の喜びでした。

 

 

 

  第5章 ???

 

 Coming soon...

 

 

 長文お付き合いいただきありがとうございました。