【新種牡馬を知ろう】サートゥルナーリア編 | バッタの一口馬主データ分析室

バッタの一口馬主データ分析室

私を楽しむ。それが競馬。

 

  新種牡馬を知ろう

 新種牡馬について、①競争成績、②父系ライン、③牝系ラインの3つの視点から分析してみようという企画記事です。

 この記事が納得感をもって出資できる一助になれば幸いですし、私自身も記事を書きながら勉強したいと思います。

 あくまでまだ産駒も走っていない段階での考察なので、妄想に近い内容であることをご了承ください。

 

  サートゥルナーリアを知ろう

 

 

  競争成績

日本芝10戦6勝

主な勝鞍

1    2018/12/28    ホープフルS GI    中山    芝    2000    (アドマイヤジャスタ)
1    2019/04/14    皐月賞 GI    中山    芝    2000    (ヴェロックス)

1    2019/09/22    神戸新聞杯 GII    阪神    芝    2400    (ヴェロックス)
1    2020/03/15    金鯱賞 GII    中京    芝    2000    (サトノソルタス)

 

 今さらサートゥルナーリアの競争成績について書くのも野暮ですが、一応形だけ。

 サートゥルナーリアは、キャロット募集馬として2017年度に1億4000万円で募集され、募集時からシーザリオの最高傑作と評判の馬でした。

 評判通り、デビューから3連勝でホープフルステークスを制すると、皐月賞に直行し、ヴェロックスとのたたき合いを制して皐月賞勝利。このときは、3冠確実という雰囲気すらありました。

 ダービーでは単勝1.6倍の一番人気に推されましたが、後方から届かず4着となり、3冠の夢が潰えました。

 その後、菊花賞には参戦せず、神戸新聞杯から天皇賞秋という最近のノーザン有力馬によくあるローテが発表されました。

 神戸新聞杯は危なげなく勝利して復活を印象づけたものの、天皇賞秋は見せ場なしの6着に終わります。

 復活を期した有馬記念では、勝ち馬リスグラシューには完敗でしたが、2着で意地を見せました。

 4歳時は金鯱賞を勝った後、宝塚記念に向かいますが、今度はクロノジェネシスに完敗。その後、引退となりました。

 特に加速力は目を見張るものがあり、瞬発力勝負では他馬の追随を許しませんでした。

 競走馬としては素晴らしい成績で、文句なしの一流ですが、一流が集まる種牡馬同士の比較となると中の上といったところでしょうか。

 同じ母のエピファネイアとの比較で言えば、私としてはJCが強烈に印象に残っているので、エピファネイアの方が競争能力は高かったように思いますが、差はそれほど大きくないでしょう。

 競争能力の高さゆえに2000m超にも対応していましたが、本質的には2000mがベストの馬だったと思っています。

 

 

  血統分析

 

父:ロードカナロア キングマンボ系

① 競争成績

日本芝19戦13勝

1    2013    安田記念 GI    東京    芝    1600
1    2013    スプリンターズS GI    中山    芝    1200
1    2012    スプリンターズS GI    中山    芝    1200
1    20134    高松宮記念 GI    中京    芝    1200
1    2013    香港スプリント GI    HKG    芝    1200     
1    2012    香港スプリント GI    HKG    芝    1200     
② 産駒成績:重賞ウィナー30頭

芝重賞ウィナー 28頭

ダート重賞ウィナー 1頭

両刀重賞ウィナー 1頭

 

母父:スペシャルウィーク サンデーサイレンス系

① 競争成績

日本芝17戦10勝

1    1999/11/28    ジャパンC GI    東京    芝    2400
1    1998/06/07    日本ダービー GI    東京    芝    2400 
1    1999/10/31    天皇賞(秋) GI    東京    芝    2000
1    1999/05/02    天皇賞(春) GI    京都    芝    3200 
② 産駒成績:重賞ウィナー19頭

芝重賞ウィナー 16頭

ダート重賞ウィナー 3頭

 

母母父:サドラーズウェルズ サドラーズウェルズ系

① 競争成績
欧州芝11戦6勝
1    1984    愛2000ギニー GI    IRE    芝    8.0F     
1    1984    エクリプスS GI    GB    芝    10.0F     
1    1984    フィーニクスチャンピオンS GI    IRE    芝    10.0F     
② 産駒成績:重賞ウィナー166頭
95%以上が芝馬

 

父系分析

 父ロードカナロア譲りのスピードを、母父スペシャルウィーク、母母父サドラーズウェルズのスタミナで補う形で、血統としての完成度は非常に高く、血統表を見るだけでニヤニヤします。

 ただし、父父にキングカメハメハ、母父父にサンデーサイレンスがいるので、インブリードにはそれなりに注意が必要。

 競争成績の項でも触れたとおり、本質的には2000mかマイルぐらいが向いていた馬だと思っていますが、父系に短距離馬も長距離馬も内包しているので、母次第で色々な馬を出してくれる種牡馬になるのではないかと思います。

 とにかく、血統表の完成度はピカイチです。

 

牝系分析

 母はオークス、アメリカンオークスの勝馬のシーザリオ。母母キロフプリミエールも重賞馬。

 母からは、エピファネイア、リオンディーズ、本馬と3頭のG1馬が出ているほか、未勝利で終わったロザリンドからも重賞馬オーソリティが出るなど牝系の活力は、日本で1、2を争うレベルで、日本の名牝系といえばという問には真っ先にダイナカール牝系と本牝系が挙がるでしょう。

 牝系は文句なしの最高級です。

 一足早くに種牡馬となった同じ母のエピファネイアの種牡馬成績は抜群で、決して素晴らしい競争成績とはいえないリオンディーズもそれなりの成果を出していることを考えると、本馬に非常に大きな期待が寄せられているのは当然と言えます。 

 

  総合評価

 インブリードには気をつけなくてはいけませんが、血統構成はバランスがよくて、マイル~中距離を中心に母によっては幅広い距離に対応できる馬を出してくれそうです。

 父の分だけ、エピファネイアよりは短めの距離に寄りそうだと思いますが、母次第で2400ぐらいまでは十分こなせる馬が出るでしょう。

 ダートは、血統構成的には厳しそうで、ダートでのつぶしは効きにくそうで、もしかしたら勝上率では苦労するかもしれません。

 サートゥルナーリアは非常に立ち姿が美しい馬で、いかにも芝馬という感じだったので、仔もそういうタイプを狙いたいです。中途半端にパワーに寄った馬よりかは、サートゥルナーリアの弾むようなバネを受け継いだ馬を探したいところです。

 今年の新種牡馬では断トツの注目株です。まだ価格の上がり切らない初年度に積極的に狙っていきたいと思っています。

 

  関連記事