【新種牡馬を知ろう】フィエールマン編 | バッタの一口馬主データ分析室

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  新種牡馬を知ろう

 新種牡馬について、①競争成績、②父系ライン、③牝系ラインの3つの視点から分析してみようという企画記事です。

 この記事が納得感をもって出資できる一助になれば幸いですし、私自身も記事を書きながら勉強したいと思います。

 あくまでまだ産駒も走っていない段階での考察なので、妄想に近い内容であることをご了承ください。

 

  フィエールマンを知ろう

 

 

  競争成績

日本芝12戦5勝

主な勝鞍

1    2018/10/21    菊花賞 GI    京都    芝    3000    (エタリオウ)
1    2020/05/03    天皇賞(春) GI    京都    芝    3200    (スティッフェリオ)
1    2019/04/28    天皇賞(春) GI    京都    芝    3200    (グローリーヴェイズ)

 

 フィエールマンは2016年にサンデーレーシングで1億円で募集されました。

 仕上がりは遅く、デビューは3歳になってからでしたが、デビュー後は圧巻のレースぶりで出遅れながらスピードの違いでまくって直線差して勝つというスケール感を感じる勝ち方で2連勝。

 夏のラジオNIKKEI賞では石橋のくそ騎乗により出遅れがあだとなり、2着になるも、むしろあのレースでこの馬の評価はさらに上がったという人が多いんじゃないでしょうか。

 そして、そこからまさかの菊花賞直行というむちゃくちゃなローテで、菊花賞を制すると、4歳になってから、AJCCの後、天皇賞春を勝ち、完全に長距離馬のイメージが定着します。

 その後、札幌記念3着、凱旋門賞12着、有馬記念4着の後、5歳時はぶっつけの天皇賞春で連覇達成。

 秋は天皇賞秋2着、有馬記念3着と勝ちきれず、そのまま引退となりました。

 5歳時に天皇賞秋、有馬記念でしっかり馬券圏内に来ているように、長距離一辺倒というわけではなく、中距離でも十分やれる馬です。ただ、本質的にはやはり長距離戦のバテながらも足を延ばすというのがこの馬の最も得意な条件だったことは間違いないでしょう。

 GⅠ3勝しているわけですから種牡馬の中でも上位の成績なはずなんですが、いかんせん勝ったGⅠがすべて長距離戦ということもあり、決して現状の評価は高くないようで、種牡馬として社台入りとはなりませんでした。

 

 

  血統分析

 

父:ディープインパクト サンデーサイレンス系

① 競争成績

日本芝14戦12勝

1    2006/11/26    ジャパンC GI    東京    芝    2400    (ドリームパスポート)
1    2006/06/25    宝塚記念 GI    京都    芝    2200    (ナリタセンチュリー)
1    2005/05/29    日本ダービー GI    東京    芝    2400    (インティライミ)
1    2006/12/24    有馬記念 GI    中山    芝    2500    (ポップロック)
1    2005/04/17    皐月賞 GI    中山    芝    2000    (シックスセンス)
1    2005/10/23    菊花賞 GI    京都    芝    3000    (アドマイヤジャパン)
1    2006/04/30    天皇賞(春) GI    京都    芝    3200    (リンカーン)

② 産駒成績:重賞ウィナー158頭

芝重賞ウィナー 156頭

ダート重賞ウィナー 2頭

 

母父:Green Tune ニジンスキー系

① 競争成績

欧州芝13戦5勝

1    1994    仏2000ギニー GI    FR    芝    1600     
1    1995    イスパーン賞 GI    FR    芝    1850     

② 産駒成績:重賞ウィナー10頭

芝重賞ウィナー 10頭

ダート重賞ウィナー 0頭

 

母母父:Noir Et Or プリンスリーギフト系

① 競争成績
欧州芝20戦7勝
1    1979    エヴリ大賞 GII    FR    芝    2400     
1    1978    コンセイユドパリ賞 GII    FR    芝    2400     
1    1977    サンロマン賞 GIII    FR    芝    1800     
② 産駒成績:重賞ウィナー3頭

芝重賞ウィナー 3頭

ダート重賞ウィナー 0頭

 

父系分析

 母父、母母父は一流の種牡馬とはいえず、正直、父系から強調できるところはあまりありません。

 母父、母母父、いずれも欧州の重厚な芝血統なので、距離的には長い方がよさそうで、ダートはかなり苦手としそうです。

 芝でダメだった時にダートでのつぶしが効かないので、勝上率にはなかなか苦労しそうです。

 

牝系分析

 母はイタリアの牝馬限定GⅠ優勝馬で、能力的には高く、JC参戦時も7着と善戦している。

 母母も仏での重賞の2着3着とリステッド勝ちがあり、能力十分。

 3代母からは、GⅠ2勝の凱旋門3着馬が出ており、そこからの牝系も伸びています。

 本馬はこの牝系の主流ラインの1本であり、活力は十分といえます。

 

  総合評価

 父系はディープインパクト以外は明確に力不足。

 競争成績は十分も、長距離ばかりで大きくプラス評価とは言えません。

 牝系は種牡馬内でも上位にありますが、それだけに頼れるほど華々しいかというと微妙なところです。

 何というか、あと一歩足りないんですよね。フィエールマンが社台入りできなかったのはこういうところに原因があるんでしょうか。最後、天皇賞秋か有馬記念のどちらか一方でも勝っていれば違ったんですが。

 私はそれほど積極的に買いたい新種牡馬ではありませんが、とはいえ、遺伝力次第では一発逆転も秘めているので、ひとまず産駒の動静を見てから買いかどうかを判断したいところです。

 


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