はじめに
シルクホースクラブの2023年募集馬の全頭分析【51~60】です。
期待値評価はS以上、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、Eの10段階です。
評価は、事前に基準を決め、機械的に出しています。(詳しくはこちら)
そのため、自分の評価と齟齬が生じる場合もあります。【総評】に書いてあるコメントが機械的に出した評価も踏まえた私の最終評です。
あくまで私個人の評価です。 『私を楽しむ。(それが競馬)』という昔のJRAのキャッチコピーのとおり、皆さんそれぞれの一番があるはずなので、皆さんの一番を大切にしていただければと思います。
評価の見方
【価 格】 募集価格と一口価格
【血 統】 父と母父の組み合わせ
【厩 舎】 厩舎名
【馬 格】 誕生日
募集時馬体重
誕生日と募集時馬体重から推測されるデビュー時の馬体重
管囲(標準管囲との差)
【母能力】 母の最終クラス
獲得賞金
主に走っていた距離
【繁殖力】 牝系活力ポイント
母の出産時の年齢
第〇仔
仔の勝利数(左端が第1仔、Xは未出走引退、-は競争登録なしを意味する)
【総 評】 個人的な評価
評価一覧(51~60)
シ51 ローブティサージュ 牡 期待値C
シ52 ガルデルスリール 牡 期待値A
シ53 サロミナ 牝 期待値E
シ54 ステップオブダンス 牡 期待値B+
シ55 ディライトプロミス 牝 期待値D+
シ56 シャクンタラー 牝 期待値C+
シ57 ルナステラ 牝 期待値D
シ58 ハウナニ 牡 期待値B+
シ59 メリーウィドウ 牝 期待値B+
シ60 ジュベルアリ 牝 期待値D
全体のまとめはこちら
個別評価(51~60)
シ51 ローブティサージュ 牡 期待値C
【価 格】1億円(一口20万円)
【血 統】父キズナ×母父ウォーエンブレム
【厩 舎】中内田充正厩舎
【馬 格】1月27日生 439kg 予想馬体重470kg 管囲20.3cm(+0.32)
【母能力】OP 賞金1億6990万円 芝マイル
【繁殖力】牝系活力91pt 出産時12歳 第5仔 421X-
~総 評~
母はノーザン提携初年度にノーザンからプレゼントされたGⅠ馬。新馬を快勝、ファンタジーSを2着の後、阪神JFを勝利し、2歳女王に輝きました。その後は長い低迷期に入りますが、スプリント路線を中心に走り、4歳時にキーンランドCを勝利しました。早熟ではありましたが、早枯れという印象はありません。
母の繁殖成績は4勝、2勝、1勝、未出走引退と素晴らしく、1勝馬はデビュー時400kgを切る小柄な馬体でした。
相応の馬格に出ればそれなりの勝利数が見込めそうです。
馬格は母の産駒の中でもっとも大きくなりそうで、管囲も問題ありません。
私は馬体派ではないので、この情報はあまり買いの参考にはしないのですが、パッと見たときの馬体のバランスは、本馬が最もよく見えます。前後の肉付きのバランス、四肢のコンフォメーションなど文句のつけどころがありません。
父キズナは、大物こそ出ていませんが、AEI、勝上率ともに素晴らしく、大物が出るのは時間の問題で、ひとたび大物が出てしまうと手の届かない価格にぶっとんでいってしまう成績なので、買うなら今です。
1億円という価格が問題で、回収率を考えると厳しいものがありますが、大物狙いなら本馬が最も確率が高いと思います。
シ52 ガルデルスリール 牡 期待値A
【価 格】3500万円(一口7万円)
【血 統】父ハービンジャー×母父ダイワメジャー
【厩 舎】池江泰寿厩舎
【馬 格】2月25日生 416kg 予想馬体重460kg 管囲21cm(+1.21)
【母能力】2勝C 賞金4750万円 芝マイル
【繁殖力】牝系活力13pt 出産時11歳 第5仔 212未
~総 評~
母ガルデルスリールは、芝1800mで初勝利を挙げると、その後、1勝クラスの芝1600mを長らく走り、5歳時に2勝目を挙げ、その後は2勝クラスで走るも掲示板がやっとで勝利には至りませんでした。競争能力はそこそこといったところ。
近親に活躍馬はおらず、牝系の活力には期待できません。
ここまで仔はくずがでず、2勝、1勝、2勝とくずを出さず、第3仔のモリアーナはクイーンC3着、NHKマイル5着と重賞でも好走を続けており、これからも重賞での活躍が期待されます。
馬格は標準サイズ予想も、管囲が太く、予測以上に大きくなるかもしれません。
繁殖能力はたしかで、池江厩舎、牡馬で3500万円は明らかにお買い得感があり、人気になるのもうなづけます。
シ53 サロミナ 牝 期待値E
【価 格】7000万円(一口14万円)
【血 統】父ドゥラメンテ×母父Lomitas
【厩 舎】池添学厩舎
【馬 格】1月27日生 451kg 予想馬体重460kg 管囲19.8cm(+0.01)
【母能力】独G1
【繁殖力】牝系活力191pt 出産時13歳 第9仔 240543X未
~総 評~
母は独オークス勝馬で、第2仔でサラキア、第4仔でサリオスを出し、その他の仔も基本的に複数勝利と繁殖牝馬としての能力は抜群です。
少し遠いですが、叔母の仔に独オークス馬セリエンホルデが、その仔に3歳マイル王者シュネルマイスターがおり、牝系の活力は別筋でも健在です。
馬格的な問題はなく、管囲も十分です。
牝馬で7000万円ならば、この母の繁殖成績を考えると、むしろ安いと感じる人が多いようで、高額馬にしてはなかなかの人気になっています。
セオリーからすれば、重賞馬の後追いは期待値的には低くなり、また厩舎も低評価の厩舎なのでこの評価に留まっていますが、条件的には大物が出てもおかしくないですし、価格も相応の価格に収まっているので、私個人としてはそこまで低い評価ではありませんし、人気なのも納得の1頭です。
シ54 ステップオブダンス 牡 期待値B+
【価 格】3000万円(一口6万円)
【血 統】父ドレフォン×母父ゴールドアリュール
【厩 舎】高野友和厩舎
【馬 格】2月12日生 438kg 予想馬体重480kg 管囲20.5cm(+0.43)
【母能力】OP 賞金5735万円 ダート中距離
【繁殖力】牝系活力38pt 出産時8歳 第1仔
~総 評~
母は大井デビューで地方重賞を走り、賞金を稼ぎました。母の能力を診断するのは難しいですが、中央2勝ぐらいの力はあるのではないかと思います。
3代母にフラワーC2着、クイーンC3着のダンスダンスダンスがいる他、母母からの派生でエルムS勝馬ハイランドピークが出ており、牝系の活力は悪くありません。ただ、近親には地方馬が多いのは注意が必要です。
今年は牡馬だったらなーというダート血統の馬が多いのですが、本馬は狙い通りの牡馬。
初仔ながら予測馬体重は標準以上で、管囲も十分で、馬格負けする心配はなさそうです。
母が地方馬で初仔ということもあり、3000万円という価格に抑えられていることも相まって人気になっていますね。
父ドレフォン×母父ゴールドアリュールの血統はまだ結果が出ていませんが、まあここからでしょう。
ダート路線も整備されるので3歳ダート路線で大暴れしてほしい1頭です。
シ55 ディライトプロミス 牝 期待値D+
【価 格】2500万円(一口5万円)
【血 統】父ドレフォン×母父Lemon Drop Kid
【厩 舎】茶木太樹厩舎
【馬 格】1月28日生 456kg 予想馬体重470kg 管囲21cm(+1.11)
【母能力】2勝C 賞金2335万円 ダート中距離
【繁殖力】牝系活力50pt 出産時7歳 第1仔
~総 評~
母はダート1400mと1800mで2勝するも、2勝クラスでは芝2000mで掲示板に乗るなど、芝ダート両方で走れる馬でした。母の競争能力はなかなかです。
母母は、米国の3歳短距離ダートGⅠを勝利しており、弟に京都2歳S勝馬マイラプソディがいるように、牝系の活力は上位で、牝系のサポートは期待できます。
この母にドレフォンとの組み合わせなら基本的にダートな気がしますが、母父Lemon Drop Kidは芝でも活躍馬を出しており、母も芝でも走れたので、芝でもチャンスがあると思います。
馬格、管囲ともに標準以上であり、ダートでも対応でき、母の能力も問題なく、牝系の活力も高めと、買い条件はかなり揃っています。
初仔の牝馬のダート種牡馬ドレフォンという条件は期待値的にはとても手が出ない条件なので、私は見送りますが、初仔の牝馬の中では一番買える馬だと思いますし、現状あまり人気がないようなので、実績100万円以下でも取れる、あるいは一般でも確率がある中では結構いい馬なのではないかと思います。
シ56 シャクンタラー 牝 期待値C+
【価 格】2800万円(一口5.6万円)
【血 統】父ドレフォン×母父ゼンノロブロイ
【厩 舎】松下武士厩舎
【馬 格】4月5日生 420kg 予想馬体重460kg 管囲19.5cm(-0.29)
【母能力】1勝C 賞金2950万円 芝長距離
【繁殖力】牝系活力1pt 出産時9歳 第4仔 00未
~総 評~
母はゼンノロブロイらしい芝長距離馬で、芝1800m、芝2000mで勝利を挙げ、2勝クラスでは芝2400m3着があり、競争能力はなかなかです。
近親に活躍馬はおらず、牝系のサポートは期待薄です。
初仔、第2仔ともに中央では勝利を挙げられませんでしたが、第2仔はハービンジャー×ゼンノロブロイというスピードに欠ける最悪の組み合わせだったので擁護できます。
ドレフォン×ゼンノロブロイの組み合わせはまだあまり数がないので何とも言えませんが、ドレフォンでスピードを足すという意味で相性は悪くないように思います。
ただ、現状結果の出ていない母で、ドレフォン牝馬2800万円という値付けはかなり疑問です。だからこそ人気が出ていないのでしょう。これで2000万円だったら結構人気だったのではと思います。
逆にいうと、価格が不釣り合いなので人気が出ていないだけで、馬自体は悪くないので、こちらも必要実績はかなり低くなりそうなので(現状20万円予想)、拾う枠としては悪くない1頭だと思います。
シ57 ルナステラ 牝 期待値D
【価 格】3000万円(一口6万円)
【血 統】父ルーラーシップ×母父ディープインパクト
【厩 舎】武幸四郎厩舎
【馬 格】2月8日生 392kg 予想馬体重420kg 管囲19.1cm(+0.33)
【母能力】3勝C 賞金4910万円 芝中距離
【繁殖力】牝系活力58pt 出産時7歳 第1仔
~総 評~
母ルナステラは、名繁殖ピラミマの仔で、勝ち上がりには時間を要しましたが、芝中距離で3勝を挙げました。競争能力は上位です。
兄弟に大阪杯、JCを制したスワーヴリチャードがおり、牝系活力は高く、母の能力も相まって繁殖としてはかなり期待できます。
母が初勝利まで時間を要した原因はやはり馬格にあり、母はデビュー時436kgと小柄な馬でした。本馬はそんな母の初仔で、牝馬392kg、予測420kg。
初仔の牝馬の怖いところが出てしまっている感があります。
条件的に手が出ませんが、本馬がある程度の結果を出すようなら、ルナステラの今後の産駒には大いに期待ができます。
シ58 ハウナニ 牡 期待値B+
【価 格】3500万円(一口7万円)
【血 統】父ナダル×母父ロードカナロア
【厩 舎】清水久詞厩舎
【馬 格】4月28日生 395kg 予想馬体重470kg 管囲20.8cm(+0.87)
【母能力】2勝C 賞金1540万円 芝短距離
【繁殖力】牝系活力50pt 出産時7歳 第1仔
~総 評~
ユキチャンが白毛じゃなくてお前が白毛なんかーい。遺伝子って不思議ですね。
母は、ユキチャンの仔で芝短距離で2勝を挙げましたが、2勝クラスでは通用せず、競争能力はそこそこです。
母母ユキチャンは地方牝馬限定重賞3勝馬で、叔母のシロインジャーからは重賞6勝馬メイケイエールが出ています。3代母のシラユキヒメから、別の牝系も発展しており、レパードS勝馬ハヤヤッコ、牝馬限定GⅠ3勝馬ソダシなども出ている非常に活気あふれる牝系で、牝系のサポートは大いに期待できます。
基本的にダート牝系なので、父ナダルならダートで間違いないかと思います。
欲を言えば現時点でもう少し馬格がほしいですが、初仔でこのサイズなら問題ないと思いますし、管囲が太く、腰高なのでこれからの成長にも期待が持てます。
初仔ということを除いて条件は整っており、出資候補の1頭です。ツアーでよく見ておきたいと思います。
シ59 メリーウィドウ 牝 期待値B+
【価 格】2400万円(一口4.8万円)
【血 統】父ナダル×母父ゴールドアリュール
【厩 舎】西村真幸厩舎
【馬 格】3月5日生 514kg 予想馬体重530kg 管囲21.1cm(-0.23)
【母能力】3勝C 賞金6820万円 ダート中距離
【繁殖力】牝系活力0pt 出産時11歳 第4仔 42-未
~総 評~
でっか!!3月5日生まれで514kg???
母は、キタサンブラックを生産したヤナガワ牧場の生産馬で、ダート1600m~1800mで4勝を挙げました。3勝クラスでは通用しませんでしたが、競争能力は上々です。
近親に活躍馬は皆無です。びっくりするぐらいいません。牝系のサポートは一切期待できません。
ここまで繁殖成績は抜群で、4勝、2勝。もちろんいずれもダートです。
どうして牝馬なんだよの筆頭格で、牡馬ならめちゃくちゃ人気したのではないかと思います。
問題は馬格がでかすぎることですね。流石に現状で514kgは、550kgぐらいまで体が大きくなる可能性があり、そうなると足元や喉なりのリスクは相応に高いと言わざるをえません。
しかし、逆に言えば、その体を使いこなせれば、牝馬ダート界では敵なしの強さを発揮できる可能性があります。
管囲を見ると、21.1cmと十分な大きさがあり、また、コンフォメーションも非常にきれいで足元のリスクはそこまで大きくないのではないかと思っています。喉なりはわかりませんけどね。
これで2400万円はあほみたいに安いですね。文句なし出資候補。
現状、それほど人気高くないですが、これは上がるでしょうねー。なんとか実績で取れる範囲に収まってほしいです。
シ60 ジュベルアリ 牝 期待値D
【価 格】2400万円(一口4.8万円)
【血 統】父ナダル×母父ディープインパクト
【厩 舎】斉藤崇史厩舎
【馬 格】4月9日生 382kg 予想馬体重430kg 管囲19cm(-0.1)
【母能力】未出走
【繁殖力】牝系活力100pt 出産時9歳 第4仔 004--
~総 評~
母は、サンデーレーシングで5000万円で募集されましたが募集中止となり、競走馬にはなれませんでした。
母母は米国2歳女王のドバイマジェスティで、弟に皐月賞、大阪杯勝馬アルアイン、ダービー馬シャフリヤールがおり、日本国内3本の指に入る繁殖牝馬です。牝系の活力は最上位です。
母の募集中止の経緯はよくわかりませんが、母の仔を見ると、みんな420kg前後でのデビューとなっているので、おそらく馬格に問題があったのではないかと思います。
第3仔、第4仔もいたにはいたようですが、血統登録はされず、競走馬にはなれませんでした(おそらく第3仔は死産)。
母の馬格の問題を解決するために巨漢ナダルがつけられて本馬が生まれたわけですが、やはりそれでも馬格に問題のある仔が生まれてしまいました。
牝系の活力は抜群なだけに、一発大当たりする可能性は秘めているのですが、ダート種牡馬であろうナダルで馬格ない馬にはちょっと手が出しにくいというのが正直なところ。
シルクでドバイマジェスティ牝系に出資できる機会はそうそうないですし、しかも値段も2400万円と手ごろなので、芝馬になれと念を込めつつ、牝系の活力に賭けて出資というのはあるかもしれません。
【全頭分析リンク集】
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