1975年1月11日,12日のオランダ,ベルギーの欧州ウォームアップ 2公演に続いて,1月18日ミネソタ州はブルーミントンのメトロポリタン・スポーツ・センター公演を皮切りに,3月27日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(LAフォーラム)公演まで行われた レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の北米ツアー.

 本商品は,上述の北米ツアーから,7公演目に当たる 1月29日ノースカロライナ州はグリーンズボロのグリーンズボロ・コロシアム公演のオーディエンス録音を収録した 『 Greensboro 1975 (No Label) 』 で,昨年 5月に商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテム 『 Greensboro 1975 (Gift 2CDR) 』 として配布されていたものの,アップグレード盤です.

 両方とも 1st Gen コピーを使用しているらしいのですが,マスターからコピーする際の環境・機器等が異なっているのでしょうか.あるいは,昨年ギフト・アイテムで使用していた音源が 1st Gen ではないのか,もしくはギフト・アイテムで使用していた音源は,テープが経年劣化してしまっていたのか....音質は明らかに異なっており,今回の方がアップして聴き易くなっています.
 元々,音像は遠目で,音的に少し団子状態に近い感もあり,時折,曲中でのオーディエンス・ノイズもあり,ヒス・ノイズも多く,私的には充分な音質で,通しで聴く事ができますが,初心者には厳しいかも知れません.

 PAからの出音が安定してくるのか,”Over the Hills And Far Away” 以降は少しだけ聴き易くなります.

 上述の北米ツアーは,2ヶ月半に及ぶ訳ですが,1月は,インフルエンザ感染による ロバート・プラント(Robert Plant)の不調,ジミー・ペイジ(Jimky Pagea)の指の負傷等で,精彩を欠く惨憺たるステージで,この時期は,負傷の影響で,”When The Levee Breaks”(~1月21日),”The Wanton Song”(~1月25日) や ”Dazed And Confused” の代わりに ”How Many More Times”(~2月2日) を演奏している時期でもあります.
 そして,この日も序盤からそうですが,特に ”How Many More Times” 等での,ロバート・プラント(Robert Plant)は 痛々しいです.

 メーカー情報では
 『ジミーが指を怪我、ロバートは風邪をこじらせてしまいながら、それでも始まってしまったツアーを中止させる訳にもいかずスケジュールが決行された1975年アメリカ・ツアーの序盤。そんな苦闘の時期の代表的オーディエンス録音が1月29日のグリーンズボロでしょう。本音源に関しては昨年後半、ファースト・ジェネレーション・コピーを元にしたファイルから作られたギフトCD-R「GREENSBORO 1975」も記憶に新しいところかと。

 ところが昨年末、また違ったカセット・コピーを元にしたバージョンが登場したのです。その音源インフォも「1st Gen」。となると、昨年のバージョンはいったい何だったの?という事になってしまうのですが、一つ明確な違いがあります。それは今回のバージョンの方が音質が明らかに上ということ。それはイコライズなどではなく、明らかにジェネレーションの違いから生じているものであり、だからこそアッパー感もはっきりしている。
 このアッパー感なのですが、この日の目玉でもある75年版「How Many More Times」を聞いていただければ一目瞭然でして、今回のバージョンの方がすっきりクリアーで俄然ナチュラル。今回のバージョンと比べてしまうとギフトに使われたバージョンはこもり気味で抜けの悪い音質に聞こえてしまうことでしょう。
 もっとも今回も「The Rain Song」がエンディングぎりぎりでフェイドアウトする状態は変わらないのですが、こうした箇所などを始めとした録音開始、あるいは終了個所が昨年のバージョンよりも一秒単位ながら長く収録されている点もアッパー感をはっきり証明してくれています。

 もし1990年代のカセット・トレード時代にリリースされていた「FOOTSTOMPING GRAFFITI」や「A QUICK GET AWAY」といった懐かしのアイテム群でこの日を聞かれていたとしたら、ライブ序盤で全然弾けていないジミー、それ以上にまるで歌えていないロバートという二人のコンディションの悪さだけでなく、会場の出音までもイマイチだったせいもあって音源の序盤だけを聞いて敬遠してしまったマニアが多かったのではないでしょうか。ところが本音源の面白いところは彼らの演奏が向上するにつれ、まるで音質まで一緒に向上してくるかのような現象がみられるのです。
 まずジミーが指を酷使しないで演奏できた「In My Time of Dying」で一息ついたことで、序盤の不調が収まりはじめます。さらに「The Song Remains the Same」ではフロント二人と違って好調なボンゾ&ジョンジーのスピーディさが演奏のクオリティを一気に上げてくれる。その点ロバートはまだまだで、当時はリリース直前のアルバムからの新曲という位置づけで披露される「Kashmir」ですら苦しそう。もっとも、序盤のまるで声が出なかった状態と比べたら格段の回復だったのですが。

 こうして状況が上向き始めた中、「No Quarter」ではいよいよフロント二人にエンジンがかかりはじめ、ライブ前半の「公開リハビリ」的な雰囲気から脱出。完全な調子でないなりにちゃんと聞かせてくれるからエライ。この公演をレポートした地元の新聞でも「序盤は低調な滑り出しだったが、途中からウイスキーの助けもあって調子が上向いてきた」などと報じられていたものです。実際にアルコールがどれほど作用したのかは定かではありませんが、確かに序盤からするとはるかに演奏がまとまり始めてきたのは事実。
 そしてこの頃になると音質も十分に聞きやすくなっており、もはや余裕で聞きこめるクオリティにまで昇格。それどころか先の「In My Time of Dying」辺りで既に聞きやすくなっており、そうした聞きやすさ加減も従来のバージョンと比べてアッパー感がはっきりしている。それが今回の限定プレスCDリリースへと相成りました。

 先のような状況から「Dazed And Confused」のインプロがジミーの怪我のせいで展開できない苦肉の策として急遽導入された75年版「How Many More Times」の演奏は、やはり一聴の価値がある。このレアな演奏聞きたさから最初に挙げた90年代リリースはおろか、アナログ時代の「KASHMIR'S WIZARD」にまで手を出したベテラン・マニアもおられるかと。
 「How Many More Times」といえば1969年のデンマークス・ラジオの映像が捉えてくれていたように「Dazed」以外でジミーのボウイングが登場するレパートリーですし、お約束芸でもあったボウイングの演出を期待していたアリーナのオーディエンスを喜ばせるという点でも的確な選曲でもあった。
 ましてやロバートがあのような調子でしたので69年の再現などできるはずもなく、あくまでボウイングの演出の為にレパートリーとして復活させたのは明らか。それでもイントロが始まると往年のスリリングな調子が蘇っており、観客が驚いている様子も伝わってくる。
 別の意味で驚かされるのはジミーのプレイ。何と3分辺りで往年を偲ばせるような早弾きを聞かせてくれるのです。ましてや彼の指が問題を抱えていたことを考えれば、なおさら驚きを禁じえません。ライブ序盤と比べて指が動かせるようになってきたのでしょうか。そこに加えて演奏がストップしてからの「Dazed」的な雰囲気へと移行してのボウイングというのが、やはり同曲の代わりとして急遽導入されたであろうことを物語っていると同時に、このアレンジが非常に面白い。
 そしてボウイング・パートから無理やり「The Hunter」パートへ移行するところがいい意味で69年当時の演奏と異質と言うか、75年らしいところ。おかげさまで昨年のギフトCD-Rバージョンはご好評をいただきましたが、そんな75グリーンズボロが格段に聞きやすくなって見事プレスCDへの昇格リリースが実現。貴重な75年版「How Many More Times」を聞きたかったマニアに待望のベスト・バージョンが登場します!

 (リマスター・メモ)
 ★枝分かれテープで既発より音質が良い。
 ★イントロ/アウトロ/複数のテープチェンジ個所は全て1秒弱長く収録されている。
 ★ピッチはDisc1は微調整。Disc2は基本どんどん速くなるのでなるべく調整しました。
 ★テープヒスは長い個所もありますが全て残しました。ヒスとヒスの間の無音は削除しました。
 ★音質はイコライズしてないそうで、既発より良いのでそのままにしました。』

Greensboro 1975 (No Label)
 
 Live At Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA 29th January 1975
 [UPGRADE]

  Disc 1
   01. Intro
   02. Rock And Roll
   03. Sick Again
   04. Over the Hills and Far Away
   05. In My Time Of Dying
   06. The Song Remains The Same
   07. Rain Song
   08. Kashmir
   09. No Quarter
   TOTAL TIME (66:30)

  Disc 2
   01. MC
   02. Trampled Underfoot
   03. Moby Dick
   04. How Many More Times
   05. Stairway To Heaven
   06. Whole Lotta Love
   07. Black Dog
   08. Communication Breakdown
   TOTAL TIME (63:19)

 Rock And Roll
 
 The Song Remains The Same
 
 How Many More Times
 

[参考]
 詳細情報(メーカー情報より)
  Disc 1
   01. Intro
   02. Rock and Roll
       ⇒ ★0:12の極端なテープ揺れはなるべく修正

1975 North American Tour Dates
 January
  [European Warm-Up Shows]
  11 Ahoy Hallen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Forest National,Brussels,BELGIUM

 [North American Tour]
  18 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IL,USA
  20 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  21 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  22 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  24 Richfield Coliseum,Richfeld,OH,USA
  25 Market Square Arena,Indianapolis,IN,USA
  29 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  31 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA

 February
  01 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  02 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  06 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  07 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  08 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  10 Capital Centre,Landover,MD,USA
  12 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  13 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  16 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  27 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
  28 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA

 March
  01 Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  02 Stokely Athletic Center,Knoxville,TN,USA
  03 Tarrant County Convention Center,Fort Wort,TX,USA
  04 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  05 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  10 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  11 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  12 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  14 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  20 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  24 The Forum,Inglewood,CA,USA
  25 The Forum,Inglewood,CA,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA

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#2022-01-11