1975年1月11日,12日のオランダ,ベルギーの欧州ウォームアップ 2公演に続いて,1月18日ミネソタ州はブルーミントンのメトロポリタン・スポーツ・センター公演を皮切りに,3月27日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(LAフォーラム)公演まで行われた北米ツアー.

 本CDは,上述の北米ツアーからツアー終盤に当たる 3月11日カリフォルニア州はロング・ビーチのシビック・アリーナ(ロング・ビーチ・アリーナ)公演を,伝説のテーパー マイク・ミラード(Mike Millard)が収録したオーディエンス録音(マスター・カセット)を封じ込めて Graf Zeppelinレーベルからリリースされた 『 Long Beach 1975 1st Night (LZSC-311) 』 で,今回は リマスター版と不完全ながら別オーディエンス・ソースを含めた 6枚組で,限定ボーナス・ディスとして Disc 1 相当部分のみですが Millard 1st Generation Tape Remaster(1枚)が付属してのリリースとなっています.
 それにしても,色々なレーベルから目白押しでリリースされましたね.

 今回の収録内容は以下の通り

  Disc 0 [Limited Bonus Disc]
   ⇒ Millard 1st Generation Tape Remaster
     [Disc1相当部分のみ]
  Disc 1 - 3
   ⇒ Recorder 1 Famous Millard Master Flat Transfer Remaster
  Disc 4 - 5
   ⇒ Recorder 2 Incomplete 2nd Audience Source

 何時もながらの Graf Zeppelinレーベルらしい商品の作り方ですね.

 メーカー情報に 「 Disc0、Disc2、3と聴けばベストの状態で伝説の'75年ロングビーチ初日公演が鑑賞できることとなるでしょう。 」 って,確か過日の Graf Zeppelinレーベルの商品にも,同じレベルの記載のものがあったように思いますが,リスナーを考えて聴き易く商品化して欲しいものです(笑)

 メーカー情報では
 『ここ最近毎週のように公開される伝説のテーパー、M.ミラードによるテープですが、遂にZEPが登場!
 近年のミラード音源にまつわる記憶を ザックリ とたどると、2014年頃にDYLANの1978年から1979年にかけてのミラード1st Genが突如公開され話題になったあたりを皮切りに、2019年半ばからさまざまなアーチストのオリジナルマスター又は1st Genのいずれかによる初登場音源を含めた公開が活発化。
 元々ZEPやFLOYD、STONES界隈ではお馴染みのミラード音源でしたが、近年の公開ではそれまで音源の存在自体が知られてなかったアーチストの音源(リンダやサバス、スージー・クアトロ等々)も公開されているのが驚きで、また公開にあたって新事実(処分されたと言われたマスターの存在/ ZEP'75.3.12ロンビー二日目は、定説となっていたミラード自身の遅刻ではなく、車椅子の協力者が遅刻した、等々)も明らかになっています。

 今回は本命とも言えるZEPの登場、しかもミラードがZEPで最初に挑んだとされる'75年3月11日ロンビー初日の公開となった訳ですが、以前からZEPのミラード音源に関してはこの日に限らずさまざまなライブが音盤化済みなのはご存じでしょう。このロングビーチ公演初日に関しても今までに非常に多くのタイトルがあり、今回のバージョンを公開したJEMS自身も数年前には1st Gen(*但し低域がスカスカでくすんだ印象だった)バージョンを公開していました。
 よって今回焦点となるのはオリジナル・マスター・カセットからのデジタル化である点につきると思われますが、今回の登場はイレギュラーな形で、まず、なぜかdadgadのリマスターが登場。氏のクレジットを見て意外に思った方もいるでしょう。イコライジング過剰でデジタル・ノイズリダクションがテンコ盛り拍手パシャパシャ・リマスターにガックリしたファンもちらほら(分かる人には分かる)。
 しかし、これで終わりと思いきや、さすがにそれはなく、dadgadバージョンから間髪入れずに本命のオリジナル・マスターからのflat transferが登場!いやーこれにて一件落着・・・と思いきや、またしてもそうでもなかった。
 まず今回のバージョンはオリジナルマスターからのデジタル化には違いなかったようなのですが、20年ほど前にオリジナル・カセットからDATへ落としたものだったようで、今回改めてデジタル化したものではないようです。加えて当時DATへ落とす際のカセットデッキが上位機種でもなかったようで、これも悔やまれますが、それにもまして惜しいのがDAT特有のノイズが散見されたこと。DAT特有のヘッドがずれると生じるようなジリジリとした微細なデジタル特有のノイズが「Over The Hills」出だしから「Rain Song」演奏後のカットアウト部まで終始生じていました。

 よって、本盤ではflat transferの公開には感謝しつつも、そこから改めて丁寧なリマスターが施され、さらにライブ序盤のDisc1相当部については別途1st Genマスターからのリマスターバージョンもボーナス収録!
 いささかややこしい収録状態となりますが、これでロングビーチ初日公演は完璧なものとなるでしょう。


 flat transferのリマスターとなるDisc1-3に関してはミラードマスターにおいて時に特有と言える(エディみたいなのは、極めてまれである)、スカスカした低域の補強を中心にEQバランス補正・位相の修正が行われており、間違いなく過去最強のバージョンとなっています。上述の「Over The Hills」出だしから「Rain Song」までのデジタル臭も違和感ないように可能な限り補正されています。
 また今回のflat transferバージョンでは「モビー」13:18付近(ドラムのトン・トン・トンのあたり)にて重複カットがありましたが、ここも本盤では丁寧にノーカット復旧がなされているのもポイント。ちなみに、dadgadバージョンでもこの箇所は一聴するとノーカット復旧がなされているように聞こえますが、実際は編集ミスで、同じフレーズ(ドラムのトン)がダブって収録されているというもの。
 さらに本盤では曲間カット部数ヶ所がミラードとは別のSource2で丁寧に補填されており、元々今回登場のflat transferバージョン自体が曲間カット部前後が既発より確実に長くそれがアドバンテージでしたが、この補填によりAudとしては本盤が最長収録タイトルとなることでしょう。


 Disc4-5部分は実質ボーナスDiscで、今回のミラード部分でも補填に使用された同日の別ソース(ネットではない)を現存分が初めて丸ごと収録されています。
 2CDの分量でありライブ序盤が未収ですが、今までここまでのボリュームで収録されたことはなく、一部の既発タイトルでも補填に使用された程度でしたが、音も決して悪いということもなく、ミラード音源が良すぎて埋もれてしまった音源と言えるでしょう。
 収録に際しそこそこの処理が施され一部やり過ぎない程度の補填も施されています。あくまでボーナスとはなりますが、同日公演を別の角度から鑑賞するのも乙かも知れません。


 さらに限定ボーナスディスクとして前述のとおりDisc1相当部分を改めて1st Genバージョンで収録したDisc 0を限定収録!
 裏ジャケのクレジットはされていませんが、Disc0用の曲目入りミニカードが附属しています。
 こちらはネットのSpiderバージョンとされるマスターからのリマスターで収録されています。1st Genというと先にも触れた数年前登場のJEMSのバージョンもあるわけですが、このSpiderバージョンの方が若干ながらベターでしょう。

 リマスターについてですが、先にも触れたとおり本Disc0は本編Disc1を補完するものですので、バランスを重視しつつ低域と高域の補強、位相修正がなされ、違和感なくライブ全編が通して聴けるようになっています。
 またCD出だしや「Rain Song」演奏後の曲間カット部はflat transferで絶妙な補填処理がなされており(繋ぎ目は全く気になりません)、間違いなくDisc1部分を補完する決定盤となっており、Disc0、Disc2、3と聴けばベストの状態で伝説の'75年ロングビーチ初日公演が鑑賞できることとなるでしょう。


 限定ナンバリング入りで、ステッカーが添付された仕様。
 CDラベルはピクチャーディスクの永久仕様の愛蔵盤で登場です!』

Long Beach 1975 1st Night (LZSC-311)
 
 Live At Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA 11th March 1975

 [Mike Millard Flat Transfer Remaster]
  Disc 1
   1. Introduction
   2. Rock And Roll
   3. Sick Again
   4. Over The Hills And Far Away
   5. In My Time Of Dying
   6. The Song Remains The Same
   7. The Rain Song
   8. Kashmir
   TOTAL TIME (56:04)

  Disc 2
   1. MC
   2. No Quarter
   3. Trampled Underfoot
   4. Moby Dick
   TOTAL TIME (55:08)

  Disc 3
   1. MC
   2. Dazed And Confused
   3. Stairway To Heaven
   4. Whole Lotta Love
   5. The Crunge
   6. Black Dog
   TOTAL TIME (56:37)

 Sick Again
 
 In My Time Of Dying
 
 Trampled Underfoot
 
 Black Dog
 

 [Incomplete 2nd Audience Source]
  Disc 4
   1. No Quarter
   2. Trampled Underfoot
   3. Moby Dic
   TOTAL TIME (46:32)

  Disc 5
   1. MC
   2. Dazed And Confused
   3. Stairway To Heaven
   4. Whole Lotta Love
   5. The Crunge
   TOTAL TIME (45:44)

 Trampled Underfoot
 
 Whole Lotta Love
 

 [Mike The Mike: 1st Generation Master]
  Disc 0 [Limited Bonus CD]
   1. Introduction
   2. Rock And Roll
   3. Sick Again
   4. Over The Hills And Far Away
   5. In My Time Of Dying
   6. The Song Remains The Same
   7. The Rain Song
   8. Kashmir
   TOTAL TIME (56:04)

 Sick Again
 

[参考]
 詳細情報
  ミラードオリジナルマスターフラットトランスファーからのリマスター
  Disc 1
   1. Introduction
       ::::
   7. The Rain Song
      ⇒ 曲間カット部は補填ではなくエディット
   8. Kashmir

  Disc 2
   1. MC
       ::::
   3. Trampled Underfoot
      ⇒ 曲間カットはソース2で補填
   4. Moby Dick

  Disc 3
   1. MC
   2. Dazed And Confused
      ⇒ 曲間カットはソース2で補填
   3. Stairway To Heaven
       ::::

  同日のSource 2 (Source2は不完全ながら現存する全てを初CD化)
  Disc 4
   1. No Quarter
      ⇒ カットイン / 曲中カット一部ミラードで補填
   2. Trampled Underfoot
   3. Moby Dick
      ⇒ カットアウト補填

  Disc 5
   1. MC
       ::::
   5. The Crunge
      ⇒ カットアウト

 Limited Bonus Disc (Disc 0との表記で最初に封入されています)
  *本Disc0、Disc2、Disc3と聞くのがベスト!
  Disc 0 : Mike The Mike: 1st Generation Master
 

1975 North American Tour Dates
 January
  [European Warm-Up Shows]
  11 Ahoy Hallen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Forest National,Brussels,BELGIUM

 [North America]
  18 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IL,USA
  20 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  21 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  22 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  24 Richfield Coliseum,Richfeld,OH,USA
  25 Market Square Arena,Indianapolis,IN,USA
  29 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  31 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA

 February
  01 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  02 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  06 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  07 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  08 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  10 Capital Centre,Landover,MD,USA
  12 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  13 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  16 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  27 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
  28 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA

 March
  01 Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  02 Stokely Athletic Center,Knoxville,TN,USA
  03 Tarrant County Convention Center,Fort Wort,TX,USA
  04 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  05 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  10 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  11 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  12 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  14 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  20 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  24 The Forum,Inglewood,CA,USA
  25 The Forum,Inglewood,CA,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA

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