1975年1月11日,12日のオランダ,ベルギーでの欧州ウォームアップ 2公演に続いて,1月18日ミネソタ州はブルーミントンのメトロポリタン・スポーツ・センター公演を皮切りに,3月27日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(LAフォーラム)公演まで行われた北米ツアー.

 本CDは,上述の北米ツアーからツアー最終 3公演が行われたカリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(LAフォーラム)公演から,3公演目(北米ツアー最終日)となる 3月27日公演のオーディエンス録音を収録し 2015年にリリースされた 『 LA Forum 1975 3rd Night : Mike Millard Unmarked 1st Gen Cassette Transfer(No Label) 』 です.
 そして,このオーディエンス録音を行ったのは,伝説のテーパー:マイク・ミラード(Mike Millard)氏なのです.

 最近,マイク・ミラード(Mike Millard)氏のマスター・カセットが発見された事に伴って,既発の関連商品の再紹介という事で,告知があったものですが,私的にはブート購入を中断している時期の商品だった関係で所有しておらず,今回購入したものです.
 間もなくこの日の公演も 氏のマスター・カセット音源を使用した決定盤商品がリリースされるのでは無いかと思うのですが,既発では,古くは Flying Disc Musicレーベルから 1991年に 『 Psychical Graffiti (CD 6-817) 』,Jelly Rollレーベルから 1997年に 『 The Final Show In The Forum 1975 (JR 12/13/14) 』 等がリリースされています. 

 2ヶ月半に及んだ上述の北米ツアー.
 1月は,インフルエンザ感染による ロバート・プラント(Robert Plant)の不調,ジミー・ペイジの指の負傷等で,精彩を欠く惨憺たるステージもありましたが,千秋楽で 3連続となるザ・フォーラム(LAフォーラム)公演に関して,特に最終日は,彼らの威厳もひしひしと伝わってきますし,ある意味,素晴らしい演奏を展開しています.
 ただジミー・ペイジ(Jimmy Page)に関しては,ミス・ピッキングや,進行忘れ?等が若干ありますので,それだけ疲労がピークになっていたのでしょうか.

 オープニングの "Rock And Roll" では,喉の疲れからか声がかすれており心配にもなりますが,最終公演という事もあってかパフォーマンス全体を通してかなり頑張っています.
 この日は珍しく "Since I've Been Loving You" が演奏されていますが,これがまた迫力ある音で捉えられており素晴らしい内容.
 "The Song Remains The Same" や,"Trampled Underfoot" は何時もよりラフな感じの演奏をしていますが,これはこれで格好良かったりします.
 そして演奏史上最長と言われ,45分を超える "Dazed And Confused" は圧巻の演奏.

 このオーディエンス録音は彼の残したオーディエンス録音の中でも最高峰と言われる位,非常に高音質で,座席位置の関係なのかベース音も強めに収録されており,迫力と臨場感があります.流石マイク・ミラードと言うところでしょうか.この日の音源は必聴の価値がありますので,未だ聴いたことの無い人は聴いてみてください.

 メーカー情報では
 『ミラードが遺してくれた1975年のLA三日間はどれも別格の録音クオリティ。
 しかもエディと違い、それらの音源はCDの時代になってから広まったものでして、90年代初頭でそれぞれの日がリリースされた際には、どの日も平然と「サウンドボード録音」だと喧伝されていたことを懐かしく思わずにはいられません。
 どれだけのアイテムが堂々とサウンドボード扱いされていたことでしょうか?実際それどほど驚異的なクオリティな訳でして、最終日の録音の音質がまた素晴らしい…しかもミラードが同じ会場で同じバンドを見続けたことでコツを掴んだのでしょう、三日間でもっとも均整のとれた素晴らしい録音バランスとなっています。
 さすがに二日目のようなプラントの声がサウンドボード状態とまではゆきませんが、それでもやはり彼の数多い音源の中でも抜きん出たクオリティであることは、一聴して理解していただけるはず。しかもこの日がジョンジーのベースをもっとも大きなバランスでキャッチしてくれており、三日間の音源の中でもっともウォーミーな質感がまた大きな魅力となっています。
 それがJEMSによるロージェネレーション・バージョンとなれば、なおさらというもの。ミラードの神業録音というだけでなく、今回の収録状態も素晴らしいものがあります。

 しかし均整がとれているのは録音状態だけではありません。
 ZEPの演奏もさすがに二日間ほどいろいろな要素が重なった上でとっ散らかったライブとなってしまったからでしょうか、これが最終日、しかもお気に入りのLAフォーラムでのライブだというのに、いつものスペシャルな雰囲気やアッパーな調子が感じられません(笑)。むしろ驚くほど丁寧に演奏しようという風にすら映るほどで、これが後のアールズ・コートの落ち着いたライブ内容を予見させると言ったら大げさでしょうか。
 いずれにせよロングビーチ二日目やシアトル、そしてバンクーバーなどで繰り広げられた猛烈な演奏とは完全に異質の雰囲気が完成されており、そこからアールズ・コートの影がちらついているのは事実です。それは過去二日間とも違っている程で、そこでは延長傾向にありながら、ペイジのプレイがそれほど冴えなかった「Over the Hills and Far Away」の後半などは元の長さに戻されていることからも伺えました。
 要は遊びもほどほどにしよう、でないと収拾がつかなくなってしまう…そういった状況をグループ全体が自覚し始めたのかもしれません。

 それにこの日は「Since I've Been Loving You」が演奏されたことも好結果へとつながっています。何故か75年ツアーでは数えるほどしか取り上げられなった曲ですが、1970年以降ペイジがこの曲をプレイすることを好んでいたのは明白であり、ここでも前二日間以上に覚醒したキレのあるギター・プレイが聴かれます。都合LAではこの日だけの演奏となってしまいましたが、ブランクを感じさせることなどなく、ここでの見事な演奏を聴かされると、75年ツアーにおいてもっとライブ演奏した方がよかったのでは…そう思わずにはいられません。
 この曲の演奏によってペイジが調子を掴んだことは明白であり、それを反映したかのようにこの日の「Dazed And Confused」は史上最長の45分という長さに及んでいます。確かにここでも前半はただ引き伸ばしただけのような展開なのですが、プラントの雄叫びが絡むパートが終わり、残りの三人がタイトなリズムの中でインプロビゼーションの駆け引きをみせる展開が実に面白い。そこでペイジがいつもより長く駆け引きを続けており、それに応えるボンゾとジョンジーのがっぷり四つなプレイがスリリングでした。そんな予想外の展開にはプラントまで加わってしまうほど。その割にあっさりと曲本体に戻ってしまうところがこの時期のZEPらしいところではあります。
 何度も申しますように、三日間で何しろ山あり谷ありの75年LAフォーラム三公演、それぞれに聴きどころがあるライブ、その最終日をパーフェクトな音質で捉えたのがミラード録音。
 これら三日間を聴きたくてもアイテムが見つからない…そう思われていた人も多いのではないでしょうか。それだけに今回のロージェネレーション・バージョンのリリースは久々に75年のLA三日間を再評価できる絶好のチャンスとも言えます。
 すべての日が驚異的なクオリティで録音され、しかも最高の状態で収録された今回の限定リリース、どの日も絶対に見逃せません!

 ★残少です。』

LA Forum 1975 3rd Night : Mike Millard Unmarked 1st Gen Cassette Transfer (No Label)
 
 Live At The Forum,Inglewood,CA,USA 27th March 1975
 Mike Millard Unmarked 1st Gen Cassettes Transfer

  Disc 1
   1. Intro
   2. Rock And Roll
   3. Sick Again
   4. Over The Hills And Far Away
   5. In My Time Of Dying
   6. The Song Remains The Same
   7. The Rain Song
   8. Kashmir
   9. Since I've Been Loving You
   TOTAL TIME (70:04)

  Disc 2
   1. No Quarter
   2. Trampled Underfoot
   3. Moby Dick
   TOTAL TIME (71:16)

  Disc 3
   1. Dazed And Confused
   2. Stairway To Heaven
   3. Whole Lotta Love
   4. Black Dog
   TOTAL TIME (76:54)

 The Song Remains The Same
 
 Since I've Been Loving You
 
 Trampled Underfoot
 

[参考]
 The Final Show In The Forum 1975 (JR 12/13/14)
 
 Psychical Graffiti (CD 6-817)
 

1975 North American Tour Dates
 January
  [European Warm-Up Shows]
  11 Ahoy Hallen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Forest National,Brussels,BELGIUM 

 [North America]
  18 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IL,USA
  20 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  21 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  22 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  24 Richfield Coliseum,Richfeld,OH,USA
  25 Market Square Arena,Indianapolis,IN,USA
  29 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  31 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA

 February
  01 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  02 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA 
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  06 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  07 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  08 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  10 Capital Centre,Landover,MD,USA
  12 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  13 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  16 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  27 Sam Houston Coliseum,Houston,TX, USA
  28 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA 

 March
  01 Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  02 Stokely Athletic Center,Knoxville,TN,USA
  03 Tarrant County Convention Center,Fort Wort,TX,USA
  04 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  05 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  10 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  11 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  12 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  14 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  20 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  24 The Forum,Inglewood,CA,USA
  25 The Forum,Inglewood,CA,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA

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