1975年1月19日インディアナ州ブルーミントンのメトロポリタン・スポーツ・センター公演を皮切りに,3月27日カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラム公演まで,2ヶ月半に及ぶ1975年北米ツアー.

 この北米ツアーは,1月に,インフルエンザ感染によるロバート・プラントの不調,ジミー・ペイジの指の負傷等で,精彩を欠く惨憺たるステージもありましたが,丁度,上向きだした頃の1975年2月7日ニューヨークはマディソン・スクウェア・ガーデン公演をオーディエンス録音で収録した 『 Trampled Underfoot (No Label) 』音源の登場です.

 本音源は,アナログ盤 『 Trampled Underfoot 』 落としではありますが,元のアナログ盤は何と公演をオーディエンス収録したテーパーが,単発で作成したと思われるレアと言うかマニアックなブートレッグ盤.
 因みに,このアナログ・ブートレッグ盤は,私自身見た事も,その存在自体を聴いた事もありません.

 アナログ盤に使用されているオーディエンス録音は,音像は遠いものの,各パートの音がバランス良く収録されてり,各パートを明確に聴く事が可能です.
 テープの冒頭に,テーパー自身が MC と言うかアナウンス的に録音している部分があり,後のオーディエンス・ノイズが非常に気になったのですが,それ以降はオーディエンス・ノイズも少なく高音質で一気に聴く事ができます.

 流石のレッド・ツェッペリン人気!
 リリース告知 4日弱で 100枚.
 「 3/24 ★レッド・ツェッペリン「TRAMPLED UNDERFOOT」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.101~120)を用意させて頂きました。
 「 3/26 ★レッド・ツェッペリン「TRAMPLED UNDERFOOT」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.121~140)を用意させて頂きました。

 凄いですねぇ.
 
 メーカー情報では
 『21世紀に入ってすっかりサウンドボード天国と化した感があるZEP1975年のアメリカ・ツアー。
 特にセカンド・レグに関しては将来的に全公演がPAアウトで録音されたサウンドボードで聞けてしまうのではないかと思えるほど。

 ところが、ファースト・レグになると同じ75アメリカ・ツアーでも状況が異なります。2月8日のフィラデルフィア・スペクトラムまでは、その手のサウンドボードが一切発掘されていない。
 よく知られているように、この時期はプラントの風邪による声の不調とペイジの指の怪我が相まった手負いの状態のままでツアーが決行された時期。特に1月のプラントが見せた好不調の波には激しいものがあり、現在の我々が2月10日以降のサウンドボードで楽しむことのできる演奏ぶりとはかなりの別次元な状態のステージ。
 そうした手負いの状態の中においても、当店がリリースした1月31日の「DETROIT 1975」辺りからプラントとペイジの状態(他の二人はツアー初日から安定のバッキング…さすが)がはっきりと上向いて来ます。
 面白いことに、リアルタイムでリリースされていたこのツアーのLPアイテムはデトロイトから2月第一週までのショーに集中しており、後に高音質オーディエンス録音や「FLYING CIRCUS」サウンドボードで定番中の定番と化す2月12日のマディソン・スクエア・ガーデンなどはリリースされていませんでした。

 今回リリースされるのも同じマディソン・スクエア・ガーデン(以下MSGと称します)でのショーを収録していますが、ここで聞かれるのは2月7日。
 このツアーでZEPは2月に都合三回ほどMSG公演を行っていますが、同地が千秋楽となった1973年の時と違って開催はツアー序盤、おまけに数日おきという特殊なものでした。この中で12日は先の音源が有名ですし、3日に関しても当店が「MADISON SQUARE GARDEN 1975 1ST NIGHT」をリリースしたのは記憶に新しいところかと。
 ところが、リアルタイムでリリースされていたのは3日でも12日でもなく、中日に当たった7日のショーだったのです。それを収録していたLPが今回限定のプレスCDにてリリースされる「TRAMPLED UNDERFOOT」。当時のマニアにとって、本盤は先のデトロイト「DETROIT JUST ABOUT BACK」、さらにMSG前日のモントリオール「1975 WORLD TOUR」と並ぶ75アメリカの三羽烏的な存在でした。

 そうは言っても現在でも中古で容易に見つけられるそれら二タイトルと比べ、本盤は俄然レアな存在のLPでもありました。その理由は実に簡単。先の二枚がどちらも「メジャー」なブートレガーからリリースされてビッグ・セールスを記録していたのに対し、本盤は自分の観たショーをポッと作ってみせたマニアの単発手製リリースだった。
 おまけに先の二枚がどちらもスリック・カバーという典型的な70年代のブート・パッケージでリリースされていたのに対し、こちらはシンプルなデザインながらも直刷りのしっかりとしたカバーで作られていたことから制作者の気合が伝わってくるもの。
 案の定、LPに収録されたオーディエンス録音もここでしか聞かれない貴重な音源なのです。それどころか一枚目のディスクA面ではZEPが「Rock And Roll」を始める横で、何とテーパーが「それではじっくりお楽しみください、レッド・ツェッペリンです!」と自分でアナウンスしてしまった(笑)。
 例えばストーンズの「ALL MEAT MUSIC」やフロイドのLA1975のように、テーパーが演奏開始前に録音チェックとしてアナウンスを入れるのは自然としても、こうしてテーパーが演奏開始と同時に司会のアナウンスを入れてしまったのだから愉快なことこの上ない。この行為からも自身で録音した音源をLPとしてリリースする気が満々だったことが伺えます。

 こんな爆笑なオープニングで幕を開ける音源ではありますが、その音質は意外なほど良好なクオリティ。現在では別音源も発掘されており、過去に「STRANGELY ENOUGH」や本盤のパッケージを使いながらも中身はセカンド・ソースというコブラ盤などが作られていました。
 しかし音質は明らかにそれよりも上。それにセカンド・ソースは3日の録音ほどでないにせよ周囲の観客の声が耳障りであったのに対し、こちらは曲間以外で観客のチャットがまったくと言っていいほど入っておらず、俄然聞きやすい。
 もっともクリアネスや鮮度はそれほどでもなく、いかにもアナログブート然とした質感ではありますが、復調し始めたプラントの声を始めとしたオンな音像のバランスが素晴らしい。さらにはジョンジーのベースが大きく捉えている点がまた素晴らしい。そのくせLPのタイトルとなった「Trampled Underfoot」が終盤でフェイドアウトしてしまったかと思えば二枚目のディスクに「Dazed And Confused」を押し込むためにピッチを上げてみたり、LPの4面に相当する箇所では音量が低めなままとなった、いかにもマニア手製ブートらしい粗もみられます。
 今回のリリースに当たっては先の別音源で補填することを敢えて避け、代わりにレアなLPを聞きやすい状態でCD化することのみに神経を注ぎました。よって二枚目のディスクで顕著だったピッチの上昇や例の音量レベルをしっかりとアジャスト。
 基本的に粗い音質のオーディエンス録音である上に、70年代の手製LP特有な盤質の悪さによるノイズも未だに散見されますが、それでも元のLPと比べると圧倒的に聞きやすい。これで大きめな音像の聞きやすさをなおさら実感していただけることでしょう。

 そうした手製ブート故、今までこのLPの音源や演奏を聞いたことがないというマニアが多かったのではないでしょうか。これを書いている私自身も、二年前に某ユニオンのレジ奥でこのLPが取り置きされていたのを見て非常に悔しい思いをした(売価は何と\2000台!)ことを思い出します。
 その驚くほど聞きやすい音質はもちろんですが、演奏がまた面白い。調子が上向き始めた2月第一週も終わろうとしている時期のステージではありますが、ここで聞かれるZEPの演奏はやっとスタート地点に立てたといった雰囲気であり、セカンド・レグのようなインプロの遊びや暴走がまったくない。それでいて調子を取り戻したからこその端正な演奏ぶりというのが今聞くと実に新鮮。
 この音像のおかげでプラントがオープニングから頑張っている様子がはっきり伝わってきますが、さすがにアンコールの「Heartbreaker」にもなると「good evening!」を連発する彼の声が苦しそうなのがこの時期らしいところ。さらに「Dazed And Confused」ではボウイング・セクションが終わった後の展開が後の75年パターンほど暴走せず、シンプルなリフを中心とした展開というのが面白い。この日に端正な演奏ができたからこそ、後の「FLYING CIRCUS」の躍動が実現したことを痛感させられます。とはいえ、プラントの声は10日のランドーバーで最後の試練と立ち向かうのですが。
 このように驚くほど聞きやすい音質だけにとどまらず、演奏内容がまた聞き応え十分。そして「PHYSICAL GRAFFITI」リリース前ですので、同アルバム収録曲で全然湧かないオーディエンスの反応(おかげで聞きやすくもあるのですが)にも驚き。なかなか市場に出回ることがないマニア手製のメガレア75年ツアーLPをCDで手軽かつ安定プレイバックできるマニア感涙のアイテム!』

Trampled Underfoot (No Label)
 
 Live At Madison Square Garden,New York City,NY,USA 07th February 1975
 Taken From The Original 2LP Records "Trampled Underfoot"
 [Cream Of The Crop Records JPP 14001]

  Disc 1
   1. Rock And Roll
   2. Sick Again
   3. Over The Hills And Far Away
   4. In My Time Of Dying
   5. The Song Remains The Same
   6. The Rain Song
   7. Kashmir
   8. Trampled Underfoot
   TOTAL TIME (58:01)

  Disc 2
   1. Dazed And Confused
   2. Stairway To Heaven
   3. Whole Lotta Love
   4. Black Dog
   5. Heartbreaker
   TOTAL TIME (51:52)

 Sick Again
 
 In My Time Of Dying
 
 Whole Lotta Love
 

[参考]
 07th February 1975
 

1975 North American Tour Dates
 January
  [European Warm-Up Shows]
  11 Ahoy Hallen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Forest National,Brussels,BELGIUM

  [North America]
  18 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IL,USA
  20 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  21 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  22 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  24 Richfield Coliseum,Richfeld,OH,USA
  25 Market Square Arena,Indianapolis,IN,USA
  29 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  31 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA

 February
  01 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  02 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA 
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  06 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  07 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  08 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  10 Capital Centre,Landover,MD,USA
  12 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  13 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  16 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  27 Sam Houston Coliseum,Houston,TX, USA
  28 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA 

 March
  01 Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  02 Stokely Athletic Center,Knoxville,TN,USA
  03 Tarrant County Convention Center,Fort Wort,TX,USA
  04 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  05 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  10 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  11 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  12 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  14 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  20 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  24 The Forum,Inglewood,CA,USA
  25 The Forum,Inglewood,CA,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA 

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