1975年1月11日,12日のオランダ,ベルギーでの欧州ウォームアップ 2公演に続いて,1月18日ミネソタ州はブルーミントンのメトロポリタン・スポーツ・センター公演を皮切りに,3月27日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム(LAフォーラム)公演まで行われた北米ツアー.

 本CDは,上述の北米ツアーからツアー終盤に当たる 3月10日カリフォルニア州はサンディエゴのスポーツ・アリーナ公演のオーディエンス録音を収録し 2017年6月にリリースされた 『 San Diego 1975 (No Label) 』 です.
 先般,伝説のテーパー:マイク・ミラードのマスター・カセットが発掘された事に伴って,1975年北米ツアーからも,そのマスター・カセットをトランスファーした商品が幾つかリリースされる関係から,1975年北米ツアーの音源が再紹介されたもので,購入していなかった商品を今回購入.

 2ヶ月半に及ぶ上述の北米ツアーですが,1月はインフルエンザ感染によるロバート・プラント(Robert Plant)の不調,ジミー・ペイジの指の負傷等で,精彩を欠く惨憺たるステージが続いていましたが,1ヶ月半が経過し演奏も従来と同様に戻ってきています.

 オープニングの ”Rock And Roll" 等は,PAの関係もあるのか,遠目に聴こたり,各パートの出音がハッキリしない部分もありますが,演奏が進むに従って安定してきます.低音部が籠ったり,歪んだ感はあるものの,充分な高音質と言えますし,逆にオーディエンスらしい臨場感もあります.
  
 メーカー情報では
 『今回当店がリリースするZEPアイテムの中においても「見過ごされた名演」という言葉がピッタリと当てはまるのがコレではないでしょうか。1975年3月10日のサンディエゴ公演。
 今や1975年のサンディエゴと言えばEVが発掘した14日のサウンドボード録音の印象が強いかと思われますが、実はそれより前にもライブを行っており、なおかつマニアの間にサンディエゴ公演を知らしめていたのは10日の音源だった…と紹介したいところですが、今となってはそれ以前に10日の音源自体を知らないマニアが圧倒的多数ではないかと思われます。この日の音源は今から約二十年前、「SYMPHONY IN A THOUSAND PARTS」というアイテムがひっそりとリリースされていただけ。それも懐かしのTDOLZからの紙ジャケのアイテム。
 コレで3月10日のサンディエゴ公演を熱心に聴き入ったというマニアは皆無でしょう。モコモコとしたこもり気味の録音状態に加え、何よりもピッチの狂いがいただけなかった。ただし、オーディエンス録音自体はステレオ音質であり、こもった音質の割にクリアネスは意外と保たれているという不思議な音源でもあったのです。
 まだ14日のサウンドボード録音の存在すら知られていなかった1990年代後半、コレは「聴けそうな」音源なんだけど、もうちょっと音質とピッチが安定していれば…リアルタイムで「SYMPHONY IN~」を手に入れたマニアの何人かはそう感じていたはず。とはいってもあまりに昔のアイテムであり、コレ自体を覚えている人数の方が少ないのも事実でしょう。

 そうした中で14日のサウンドボードが発掘され、10日の公演や音源に関しては忘れ去られてしまいました。そうした状況の中で、これまたひっそりと10日音源のアップグレードが2012年にネット上で登場していたのですが、その事実もまた忘れ去られていたのです。今回はその知られざるアップグレード・バージョンが限定プレスCDリリースにて登場と相成るのですが、これぞ正にアッパーな状態と呼ぶに相応しいもの。

 2012年に登場したバージョンはスーザン・ヘドリックという人物が2012年に公開したものであり、音源の状態は2nd generation。この音源の登場によって「SYMPHONY IN A THOUSAND PARTS」が4th generationコピーの音源を使用したことも判明しています。つまり「SYMPHONY IN~」はいわゆるジェネ落コピーを使用していた。どうりで聴き辛い訳です。
 その点において今回は2nd generationまで昇格した音源を使用していますので、そのアッパー感はもう歴然たるもの。せっかくのステレオ録音ながら、こもり気味だった音質が随分と解消され、ステレオならではのクリアネスがより押し出される結果となったのです。またショーが始まって30分くらいは会場の出音そのものがファジーなバランスであり、そんな中でプラントのボーカルは驚くほどくっきり聴こえるというバランスが面白い。こんな独自のバランスが聴きやすさに一役買っているのはもちろん、当初はプラントに偏重したバランスだった様子が伝わってくる。

 そのバランスと相まって絶好調ぶりがはっきり伝わってくるのがプラント。
 考えてみれば3月5日のダラス(これまたサウンドボードがおなじみ)からオフを挟んでのショーであり、彼がいつになく伸び伸びと歌ってみせた様子にも合点がいくもの。アメリカ・ツアーだけでなく75年を通してみてもトップ3に入るのではと思えるほどの好調ぶり。そんな彼の好調の波と合わさった最初の名演が「In My Time Of Dying」。次の「The Song Remains The Same」からは会場の出音バランスもグッとよくなって一気に聴きやすくなる。さらに「The Rain Song」では冒頭の歌詞を「this should be springtime of your loving」と変えて歌ってみせるなど、余裕もたっぷり(後のシアトルでも「The Song Remains~」の歌詞を変えていましたね)。
 長尺な「No Quarter」と「Dazed and Confused」では、どちらにおいてもペイジとボンゾのプレイが素晴らしい。それぞれが曲の後半において二人の演奏が凄まじく白熱しているのです。その激しさたるや、14日の公演を軽く凌駕。
 またこれらの間に挟まれた「Trampled Underfoot」ではプラントが勢い余って歌の構成を間違えてしまう(非常に微笑ましい)ものの、これまた後半はペイジが自由なフレーズを弾きまくるからお見事。そして「Stairway To Heaven」のギターソロの最中までアグレッシブに叩くボンゾも最高!考えてみれば、翌日があのロングビーチであり、75年アメリカ・ツアーにおける絶頂がスタートするその瞬間がこの10日のサンディエゴなのではないでしょうか。
 今回のリリースに当たっては「SYMPHONY IN A THOUSAND PARTS」よりは改善されていたものの、「Moby Dick」辺りから顕著だった不安定なピッチの上昇を徹底的にアジャスト。元の状態とは比べ物にならないほど安定した状態へと生まれ変わっており、元々が見事なアッパーぶりをみせていた音源がいよいよ聴きやすくなってプレスCDに封じ込まれたのです。
 まだヒスノイズの粗さが玉に瑕なオーディエンス録音ではあるものの、それでも俄然「聴き込めてしまう」ほどのアッパーぶり。そして何よりも、この日は演奏が圧倒的に素晴らしい!

 ★2時間50分収録の素晴らしい唯一無二のソース。何故か既発は過去にTDOLZ(4th Gen使用)のみ。』

San Diego 1975 (No Label)
 
 Live At Sports Arena,San Diego,CA,USA 10th March 1975

  Disc 1
   1. Intro.
   2. Rock and Roll
   3. Sick Again
   4. Over the Hills and Far Away
   5. In My Time of Dying
   6. The Song Remains the Same
   7. Rain Song
   8. Kashmir
   TOTAL TIME (53:57)

  Disc 2
   1. MC
   2. No Quarter
   3. Trampled Underfoot
   4. Moby Dick
   TOTAL TIME (53:31)

  Disc 3
   1. MC
   2. Dazed and Confused
   3. Stairway To Heaven
   4. Whole Lotta Love
   5. Black Dog 
   TOTAL TIME (61:39)

 Over the Hills And Far Away
 
 No Quarter
 
 Dazed and Confused
 

[参考]
 
 

 Symphony In A Thousand Parts (TDOLZ VOL.064)
 

1975 North American Tour Dates
 January
  [European Warm-Up Shows]
  11 Ahoy Hallen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Forest National,Brussels,BELGIUM 

 [North America]
  18 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IL,USA
  20 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  21 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  22 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  24 Richfield Coliseum,Richfeld,OH,USA
  25 Market Square Arena,Indianapolis,IN,USA
  29 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  31 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA

 February
  01 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  02 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA 
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  06 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  07 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  08 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  10 Capital Centre,Landover,MD,USA
  12 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  13 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
  16 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  27 Sam Houston Coliseum,Houston,TX, USA
  28 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA 

 March
  01 Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  02 Stokely Athletic Center,Knoxville,TN,USA
  03 Tarrant County Convention Center,Fort Wort,TX,USA
  04 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  05 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  10 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  11 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  12 Civic Arena,Long Beach,CA,USA
  14 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  20 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  24 The Forum,Inglewood,CA,USA
  25 The Forum,Inglewood,CA,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA

[関連記事]
Detroit 1975 (No Label)
 
Long Beach Arena 1975 1st Night : Mike Millard Master Cassettes (No Label)
 
Nassau Coliseum 1975 - 1st Night - (Gift CDR)
 
Cleveland 1975 (Gidt CDR)
 
Trampled Underfoot (No Label)
 
L.A. Forum 1975 Final Night (No Label)
 
Madison Square Garden 1975 1st Night (No Label)
 
Physical Explosion (Gift CD)
 
Long Beach Arena 1975 (No Label)
 
LA Forum 1975 1st Night : Mike Millard Unmarked 1st Gen Cassette Transfer (No Label)
 
LA Forum 1975 3rd Night : Mike Millard Unmarked 1st Gen Cassette Transfer (No Label)
 
Dedicate To Anyone Who Got Divorced Today (TCOLZ 036/037/038/039/040/041)
 
We're Playing Our Balls Out (TCOLZ 021/022/023/024/025/026)
 
Four Blocks In The Snow (TCOLZ 015/016/017/018/019/020)
 












#2020-07-07 #2017-06 #再紹介