『北のカナリアたち』 阪本順冶監督
冒頭、主人公川島はる(吉永小百合)が島を離れるところから始まります。【感想】原案が湊かなえ。「告白」を読んだ時のラストの衝撃は忘れられません。だから、この映画もびっくりするような「仕掛け」があるのかなって思いました。でも、違ってました。ミステリーの要素は含んでますが、それより、人間関係の方に重点が置かれてました。成長した生徒たちが、過去に戻って、当時のことを語る。はる先生が当時の教え子たち一人、一人に会いに行くのですが、話の中心は、どうしても「事故」のことに繋がっていきます。自分のせいと思い込んでいる生徒たちがいます。ずっとその想いを抱えてこれまで過ごしてきた彼らの姿がありました。そして,あの「事故」の時、先生はどこへ行っていたのかー。語られていくうちに、真相が明らかになっていくと、ちょっとがっかりしたというのが、私の本音かしら。あの狭い島で、、人の目につくでしょうに。でも、優しいはる先生だから・・・(私の心の声)もっとこの部分をミステリーっぽくして欲しかったかな。。映画はすばらしい感動がありました。何といっても、子供たちの合唱ですね。6人の生徒たち全員での合唱シーン。吃音を抱えた信人も伸び伸びと歌います。最後にまた待っている感動のシーンへとつながるところなんて、見事だと思いました。成長した生徒たちそれぞれの、その後。勝地涼と宮崎あおいの二人のエピソードなんか、胸きゅんでした。小池栄子演じる七重のシーンも良かったな。極めつけは事件を起こした信人(森山未來)の悲しい事情。泣けます。あんなに楽しくみんなで合唱していた子供時代が、あの「事故」を境目にどこか歯車が狂いだしてしまったかのようでした。歌を忘れたカナリアたちー。優しい先生の夫(柴田恭兵)は、海に落ちてしまった女子生徒を助けるために、海に飛び込み亡くなります。警官になった松田勇(松田龍平)が、はるに打ち明けます。「オレ、先生のご主人のこと苦手だったんだ」それは、病気を抱えていたがゆえのとっていた行動であったのですが、観る側にイヤ~な印象を残してしまったのでは、と思ってしまいます。(詳しくかけなくてすみません)あのシーンは必要だったのかしら?でも、すばらしい感動の波が、ラストに用意されてました。森山未來!!泣かせてくれます。成長した6人の生徒たち全員がスクリーンいっぱいに繰り広げてくれる感動の場面です。私、大泣きしそうになって困りました。いろんな想いがお互いに氷解していって、「疑惑」も「不信」も全て消えて、先生を中心に、また「カナリアたち」の歌声が教室に響き渡るシーンが用意されてました!!このラストで、途中のちょっとイヤ~な気持ちは吹き飛んでいってしまいました。しかし、吉永小百合。きれいでした。仲村トオルとミスマッチだなって一瞬は思っちゃいましたが、いやいや、彼女以外、この役をやれる女優さんはなかなかいないでしょう。声までも若いのには驚きました。荒々しい北海道の海、吹き荒れる雪の漁村、春の花が咲く野原、優しい夕日、など、景色もすばらしく綺麗でした。