「ココシリ」~究極のボランティア
無給の隊員たちは、時には生肉も食べ、寒さとも戦いながらも、密猟者を追う。中国、チベット最後の秘境ともいわれる「ココシリ」。そこに棲息するチベットカモシカは、1990年以降乱獲が始まった。高値で売られるチベットカモシカの毛皮は、1枚のショールを織るのに5頭が犠牲になるという。結果、ココシリでは、1990年から7年のあいだに、毎年2万頭のチベットカモシカが密猟者の銃弾に倒れた。そこに登場したのが、1993年に結成された山岳パトロール隊。彼らは、無給で命がけの任務につく。標高5000mにもなるココシリ高原。小型飛行機の限界高度にも達するような、そこは、空気の極めて薄い世界。空はどこまでも碧く、白い雲と高いヒマラヤの山々を背景に、どこまでも続く、砂漠のような高原。限られた資源を乗せたマウンテン・パトロール隊のジープが、密猟者を追いかける旅が続く。密猟者は、マウンテン・パトロール隊を、平気で殺してもしまう。無給、命がけ、寒さ、飢え、密猟者に雇われた農民たちを追いかけるシーンがあるのですが、冷たい川に飛び込み、走ることさえ、危険(空気が薄い)な中、繰り広げられる死闘。なんで、そこまで???疑問は続きます。「山へ入ると、帰りたくなる。でも家に帰るとすぐココシリが恋しくなる」というセリフで、きっと、神の領域とも言えるココシリに魅せられた男たちの熱い信念,大好きなココシリを守りたいという想いがそうさせているのでしょうか。ドキュメンタリーともまた違ってて、男たちのドラマがあり、たくましい農民の姿もあります。草原が砂漠になり、放牧ができなくなって、仕方なく密猟者に仕える農民たち。ふてぶてしいまでの農民たちも、密猟者たちも、生きるために必死な姿があります。これは事実に基づくお話。その後、ココシリはマスコミにとりあげられ、政府が対策に着手し、現在では5万頭にまで復活。2008年の北京オリンピックの、マスコットの一つにも選ばれたといいます。知らなかったこういう世界を、映画で知るという貴重な体験をしました。撮影、よくやったなぁ。と驚きもありました。そうそう、星空がとてつもなく綺麗なんですよ。製作年度 2004年上映時間 88分監督 ルー・チューアン