今回のこの『グッド・シェパード』は、それまでの映画と違ってCIAそのものを真っ向から取り上げたものとして面白くみられました。
アクションシーンは一つもなく、諜報員の駆け引き、探り合いが地味に展開していきます。
秘密結社にスカウトされた主人公。
実際に存在したフリーメイソンを思わせられました。
宗教儀式のようなものもあり、エリートの集まりという自尊心なような独特な雰囲気をかもし出していました。
主人公マット・ディモン演じるエドワードは、自分を押し殺して絶対表面に本当の自分を出さないような男。
まさに諜報員という仕事にうってつけです。
この映画の中、彼の気持ちはあまり表面に出てきません。
何もかも自分を押し殺して、アメリカの為、任務の為、それが第一です。
奥さんはたまらないですよね。
結婚して6年も帰ってこない。
その間に子供も生まれる。息子がお父さんと初めて会うのは6歳頃。
普通は息子はお父さんになつかないですよね。
でも、この息子はお父さんを尊敬し、自分も同じ仕事をしたいと思う。
実はマット演じるエドワードのお父さんも同じような仕事をしていた。海軍で。
3代同じ職業を選んだ親子。
寂しい想いをしていたのにやっぱり父親の後を追う。
背景に諜報員としてアメリカという国を背負っているという大きさもあります。
失敗後のCIAの内部をもおもしろく描いた映画でした。
エドワードとその家族の物語として。
時代があちこち入る乱れるのですが、テロップで年代が出てきますのでそこは頭の中整理できました。
エドワードは大学時代、ゼミで詩を書いて朗読している場面があるのですが
その詩がよく解らないなりにもスゴイ!と思いました。
その詩を教授が、褒める。実は教授はある重要な人物だったのですが・・。
この主人公は、きっとどの職業に就いてもプロの仕事に徹するエリート的人物なのでしょうけど、
本当は、詩を愛するような文学的なロマンティストな男だったのかもしれません。
初恋の女性のペンダントをずっと持ち続けるところからも分かります。
それを押し殺して、国の為に家族を犠牲にしてまで諜報員に徹したエドワード。
プロ中のプロなのでしょうね。
奥さんを演じたアンジェリーナ・ジョリーは、外見の派手さを上手く生かして
若い時と、後の結婚生活に疲れた表情との差がくっきり出ていました。
マット・ディモンは無表情。寡黙。
それがラストのシーンに表れた一瞬の表情が際立ちます。
ロート・デ・ニーロは、出ているだけで貫禄十分です。
やっぱり彼はああいう重鎮な役がぴったりきますね。
