イメージ 1
 
舞台はフランスニース。
“青いオウム”というキャバレーのオーナーの突然の死。
キャバレーと言っても日本のそれとはちょっと赴きが違う。
ステージではトップレスの美女たちのレビューが繰り広げられているが、
立派なエンターテイメントである。
オーナーガブリエルも女装してステージに立っていた。
そこのステージのマジシャン、ニッキーは子供の頃アルジェリアからやってきて、
オーナーガブリエルに助けられ、息子同然のようにかわいがられていた。

葬儀にやってきた、ニッキーの二人の子供たち。二人は母親は違う。
その二人の母親、元妻アリスとシモーヌ。
その元妻にカトリーヌ・ドヌーヴが扮している。

ガブリエルの遺言は遺産(店)は二人の子供たちにというもの。
てっきり、息子同然だったニッキーに遺されるものだとばかり思っていたのが、
自分の子供たちに遺されると知ったニッキーはがっかりする。
子供たちにはお店を続ける気はない。

久しぶりに集まったファミリー。
それぞれが秘密をかかえていた。

 

イメージ 2

 

最初はこのファミリーの相関図がよく分からなかったが、
プレイボーイだったニッキーには、二人の元妻、現在の若い恋人がいる。
元妻の子供ニノ、彼はホモ。
幼なじみとの間の娘マリアンヌ、彼女は父親の血を絶とうとして養子を迎える準備をしている。
父親ニッキーはステージで歌う若き美女にぞっこんだ。

 

それぞれが、ニッキーを中心に実はいろんなことを、心の中に隠していて
店のオーナーガブリエルの死をきっかけに、だんだん心の内を見せていくというもの。

 

これが日本だったら、ドロドロの遺産争いになるところかもしれないけど、
フランス映画は違う。
粋だ。
そのことをきっかけに、家族の間にあったわだかまりが、だんだん解けていく。
内緒にしていたことが、お互いに分かると、わが道をそれぞれ模索し始めるのだ。

 

ちょっと考えられないファミリーの姿ではあったが、(いろいろありすぎて)
でもそこに登場する女性たちはたくましい。
一見、プレイボーイのニッキーに振り回されているようで、きちんと自分の道を模索している。
ニッキーもまた、亡くなったガブリエルに“助けられ”前向きに歩み始める。

 

ややこしい家族の姿ではあったが、見終わってからじんわり来るような映画だった。
監督によるとテーマは和解だそうである。
日本だったら、和解どころかますます険悪になったであっただろうな、とも思った。
大人の映画だ。

 

カトリーヌ・ドヌーヴが、皮肉たっぷり、キリっとした姉御肌の品の良い、おば様風な役をしていた。
映画は、華やかなレビューダンスと、クィーン、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドなど1960~80年代の名曲が随所に散りばめられている。
カトリーヌ・ドヌーヴの歌や、ベアールの雰囲気のある歌がまた良かった。